先日、テレビで交通事故のニュースをしていた。
その時、事故現場からの中継でレポーターが、
「ここは直線道路で大変見晴らしのいいところなんですが…」
と言いながら現場の状況を説明していた。それを聞いて「ん?」と思いました。つまり言葉の使い方ですが、この場合は「見晴らしがいい」というより「見通しがいい」と言ったほうが適切だったんではないかな~と思ったのです。
「見晴らし」って主に景色のことですよね。道路の状況を言うなら「見通し」のほうがしっくり来ると思います。
僕も言葉の誤用はこのブログでもしていると思うので、偉そうなことは言えないけれど、わりに気になるんですよね、こういうのが。
このあいだ読んだ雑誌に、ある批評家がこんなことを書いていました。
NHKラジオの天気予報で、『昨日は大雨でしたが、今日は手のひらを返したように晴れています』と言っていた。しかしこれは誤用です。手のひらを返したように、というのは、人間の行為に対して使うもので、自然現象には使わない。正確に言うと『昨日とは打って変わって今日は晴れています』のような感じでしょうか。
ということでした。NHKの人でも表現を誤ったりするんですね。
勤めていた時に、職場の先輩が、
「〇〇さんは、手を変え足を変えていろんなことを試す人やで」
と言ったのを今でも覚えています。
それも言うなら「手を変え品を変え」ですよね(笑)。
でも、本当に間違いやすい表現ってありますね。
よく言われるのが「気が置けない人」という言い方。
何となく「気を許せない人」のような感じがしますが、本来の意味は「気を使わなくても良い人」なんですよね。
「的を得る」という言葉も、つい使いたくなりますが、これは、
「的を射る」と「当を得る」の2つが混ざっちゃってますわ。
「体調をこわす」も誤用です。
これも「体調を崩す」と「体をこわす」が混ざっちゃってます。
でも、僕もつい「体調をこわす」と言ってしまいそうですね。
また、「上へ下への大騒ぎ」というのも誤用で、
正しくは「上を下への大騒ぎ」です。つまり、
上にあるべきものが下に、下にあるべきものが上になる、という意味で混雑する様子を表現しているのだそうです。
などなど、いろいろ浮かんできます。
TVのワイドショーに出てくるコメンテーター、特に芸能人はこの手の間違いが多いですね。
最近気がついたものをいくつか挙げると、
★「この事件が波紋を投げているんですよね」と。
「波紋を広げる」と言うべきですよね。波紋は投げられませぬ(笑)。
★「ここは汚名挽回しなければならないところです」と。
これは「名誉挽回」か「汚名返上」ですよね。
★北京五輪に関する話題で、
「あわや金メダルか! と期待しましたけど」と。
「あわや」は悪いことにつながりそうな時の表現ですよね。
★「政治家は舌の先も乾かないうちに違うことを言うんだから」と。
これは「舌の根も乾かないうちに」ですよね。
舌の先は「舌先三寸」ですわ。うふふ。
ほんとに、ワイドショーに出てくる芸人コメンテーターは、わかったようなわからないようなことをダラダラしゃべります。
とまぁ何だか人の揚げ足を取るようなことばかり言っていますが、僕自身も、
「職人気質」のことを「しょくにんきしつ」と読み、
「違うで。しょくにんかたぎ、や」と訂正されたりしています。
ところで以前、海外旅行へ出発する際、空港で若者のグループが、
「いよいよこれから、しゅつごくやなぁ」と言っていました。
しゅつごく? それって「出獄」→ 刑務所から出ること?
彼らは「出国」の字を見て「しゅつごく」と読んだのですよね。
あはは。面白すぎますわ。
…と、また人のことを笑っていますが、僕も、「路ばた」を「ろばた」と読んだことがあります。正しくは「みちばた」なのにね~
「ろばた」と読んでしまったのは、炉端焼きが頭に浮かんだからでしょう。
やれやれ。
頭の中は、お酒を飲むことばっかり……なのでしょうか?