僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

グリコピアへ、波乱のスタート

2014年08月15日 | 旅行

8月11日。近畿地方は前日まで激しかった台風も去り、普通の天気が戻ってきた。ちょうどこの日から2泊3日で神戸方面へ行くことになっていたので、僕たちは幸運だった。開幕が2日も順延(史上初)になった甲子園球場の全国高校野球大会も、やっとこの日から始まりましたしね。


「旅行が中止になるかも」…と連日の天気予報にヤキモキしていたモミィも無事出発できて大喜びだ。出発の朝、大きな荷物を持って家を出た。2日目に海水浴を予定していたので荷物が多い。僕はリュックを背負ってスーツケースをガラガラと引っ張った。さぁ、また3日間、頑張らなければ。そして、せっかくお天気が回復してくれたのだから、大いに楽しまなければ…


最寄りのバス停から近鉄バスに乗り込んだ。八尾南という地下鉄谷町線の始発駅のある場所までこのバスで行く。10分ほどバスに揺られた後、八尾南に到着した。降りる間際になって、夏休み期間中は小学生の料金は50円均一となっていたことに気づき、モミィの分の50円玉を小銭入れで探したりした。で、降りるタイミングが遅れてしまい、あわててスーツケースを持ち上げて降車した。


そして、バスを降りて3人で地下鉄八尾南の駅の券売機前まで行き、東梅田(大阪駅)への切符を買おうとした…そのときである。


気がつくと、背中に背負っているはずのリュックがない。…ない。…ない!
あっ! バスだ。バスの座席に置き忘れてきたのだ。げぇぇ~!


えらいこっちゃ。いくら最近物忘れがひどくなったと言っても、リュックをバスの中に忘れるなんて…。ほんまにアホやなぁ。どうしよう…? 妻もモミィも心配そうだ。とにかくリュックを取り戻さなければ。大事な物が入っているし、あれがなければ旅行に大きな支障が出る。


スマホのネットで近鉄バスの「お忘れ物のお問い合わせ」というのを見つけ、載っていた電話番号にかけた。
「もしもし、バスの中にリュックを忘れたのです。藤井寺発近鉄八尾行きのバスで、降りたのは八尾南です。つい今しがた降りたバスです」
電話口で男性が、
「え~っと、じゃぁ8時50何分八尾南…というバスに乗っておられたのですね」と確認してきたので、
「そうです、そのバスです」と答えた。


「どの辺の座席に座っておられました?」
「進行方向右側の前から2列目の席です」
「運転手席のすぐ後ろですね」
「はい」
「リュックは何色ですか?」
「黒です」
「しばらくそのままお待ちください」


少ししてから、電話口の男性が、
「まずそのリュックがあるかどうかですが、今、バスの運転手に連絡を入れたところです。走行中なので返事はまだ来ていません。リュックがあれば、終点の近鉄八尾駅でこのバスは折り返しますので、またそちらの八尾南を通ります。その際に受け取られるか、お出かけ時間に間に合わないのなら後日、所定の場所まで引き取りに来ていただくか、ということになりますが」
「ここで待っています」と僕は即刻返事した。
「これから旅行に出るのですが、そのリュックがなければ困るんです」
「バスが折り返してそちらに着くのは、あと1時間以上かかりますが…」
「結構です。ここでずっと待っています。まずリュックが無事か知りたいです」
「では、また電話しますので、あなたの携帯電話の番号を教えてください」


僕は番号を言って電話を切った。あぁ、スタート早々、とんでもない失敗をしてしまった。妻が取ってくれた「グリコピア神戸」の予約時間の1時までに間に合うかどうか、微妙になってきた。これが今日のモミィのお楽しみなのに。


八尾南駅は地下鉄といっても地上駅で、券売機や改札はビルの2階の見晴らしのいいところにある。ガラス越しにバス停などがよく見渡せる。改札を入れば、見晴らしのいい場所に椅子が並んでいるので、僕たち3人は、とりあえず改札の中に入り、椅子に座って一日千秋の思いで電話がかかってくるのを待った。


しばらくして待ち望んだ電話がかかってきた。
「リュックはありました」
あぁ、よかった~。ホッと胸をなでおろす。
「それでですね~、バスが折り返してそちらの八尾南に着くのが10時18分の予定になっています。そのバスの運転手からリュックを受け取ってください。ご面倒ですが、その時、メモで結構ですから、あなたのお名前、ご住所、お電話番号を書いたものを運転手にお渡しください」
…ということであった。


やれやれ…。リュックがあってよかった。よかった。


結局、八尾南駅には1時間半近くいた。モミィは持ってきた「アナと雪の女王」の単行本を熱心に読んでいたので、待つことは何とも思っていないようだった。


10時18分が近づいてきたので僕は改札から出してもらって、外のバス停に行った。そして予定時間より少し遅れてバスがやって来た。運転手さんに「すみませ~ん。リュックを~」と叫ぶと、運転手さんは自分の足元に置いてくれていたそれをヨイショと持ち上げ、僕に差し出した。「ありがとうございました~」


無事に戻ったリュックを背負って再び八尾南駅構内に戻り、3人で、予定より約1時間半遅れで地下鉄に乗った。大阪に出て、そこから快速でJR三宮まで行き、さらにそこから地下鉄山手線に乗って30分。終点の西神中央駅に到着した。ここに、今日宿泊するオリエンタルホテルがある。時計は12時半を指していた。


本来ならばこの西神中央駅に11時頃に着いて、スーツケースをホテルに預け、昼食をしたあと、タクシーで10分足らずのところにある「グリコピア」へ行くはずだった。しかし「リュック置き忘れ騒動」のため時間に余裕がなくなった。昼食を取る時間もなく、大阪駅のホームでサンドイッチを買い、三宮から西神中央駅へ行く地下鉄の席に座って、そこでコソコソ食べなければならなかった(泣)。


西神中央駅からタクシーに乗って、なんとか、午後1時から予約していた「グリコピア」に間に合った。重いスーツケースも、ホテルに預けに行く時間がなかったので、そのまま持ち込んだ。それを受付の女性に促がされ、入り口のコインロッカーの中に入れた。


さて…この「グリコピア神戸」はどういうところかというと、
パンフレットの文章を紹介すると…


おなじみのポッキーやプリッツの製造工程の見学をはじめ、グリコの歴史やチョコレートにまつわる様々な話、ビスケットやアイスクリームの作りかたなどを分りやすく展示しています。また、3Dシアターでは最新のCG技術を駆使した立体アニメーションが楽しめます。…ということである。


工場見学では(ここは撮影禁止だった)、ポッキーが、まるで素麺のように細長くなっており、それが次の工程で折られ、少しずつ商品らしくなり、最後に箱詰めされてダンボールに納まり、次の場所へ進む工程などを、興味深く見た。


1931年(昭和6年)製のグリコの自動販売機も置かれていた(十銭玉を入れると時代劇のチャンバラ画像が流れ、それを見ていると下の口にポトンとグリコが出てくる仕掛けだ。十円でなく、十銭ですよ!)。夏休みで大勢の家族連れの人たちと共に、1時間余りそこで過ごし、帰りには「チョコレート博士認定証」なるものをもらって、モミィも嬉しそうだった。


「じゃぁ、ホテルに行こうか?」と僕が言って、グリコピアの建物を出ようとしたら、妻がうしろから…のんちゃ~ん、と僕を呼び止めた。
「コインロッカーに入れたスーツケース、取るのを忘れてるわよ」


ありゃまぁ。スーツケースのことを、もう忘れていた。
リュックに続き、またまた忘れ物をするところだった。


「のんちゃん、ダメねぇ、忘れてばっかりよ」
…と、モミィにまで笑われてしまった。


 

   
      グリコピア神戸の正面で

 

 
 案内嬢が1931年(昭和6年)製の映写装置つき自動販売機を説明

 

 
   ビスケットがどうしてできるのかがよくわかる

 

 
  グリコの歴史を時代の世相とともに紹介しているコーナー

 

    
    グリコの広告に登場したタレントたちも…
    これは1974年(昭和49)年と、翌年の広告。
    山口百恵・三浦友和のカップルが初々しい。
    林寛子、岩崎宏美、岡田奈々らも懐かしい。

 

  
  工場を出るとき、モミィはこういうのをもらいました。


 

 

旅行2日目は須磨の海水浴場、3日目はモミィの大好きなキッザニアへ行きました。また改めてその模様をお届けしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (6)
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