僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

痛恨の落球 ~高校野球~

2010年08月14日 | スポーツの話題


~ がんばれ 仙台育英 ~

いつのまにかお盆の真っ只中に突入している。
僕はずっと役所務めだったから、お盆休みというのはなかった。いったいいつ頃から世間はお盆休みに入るのか…?いまだによくわからない。なんでも、今週9日から休みに入っている会社もあるということだ。

そういえば最近スーパーへ買い物に行くと家族連れでごった返しているなぁ、という感じである。

この時期はまた高校野球の季節でもある。

昔から東北や北海道にあこがれていた。
この地方は高校野球の成績に関してはいいところがなかった。
わずかに、僕が20歳で自転車旅行をしていた1969年(昭和44年)夏に、太田投手を擁した青森県三沢高校が、松山商業と死力を尽くした投手戦の末、延長18回、0対0のまま引き分け、翌日に史上初の決勝再試合が行われ、4対2で敗れて東北勢の初優勝を逃したのが印象に残っているだけである。

そうこうしているうちに、2004年(平成16年)に北海道の駒大苫小牧が先に全国制覇を成し遂げ、大優勝旗は東北の頭上を飛び越えて、津軽海峡を渡って行った。

東北には住んだことのない僕だけど、なんとか東北勢に初優勝をしてほしくて、毎回テレビの前でエールを送っている。さらに、優勝するなら宮城県の仙台の高校である…と勝手に決めている。僕は仙台の街が特に好きなのだ。今年は実力派の仙台育英が宮城県代表として甲子園に出ている。

11日、その仙台育英が見せた。
すでにご承知だろうが、あの逆転勝ちはどうだ。
こんなことって、あるんだなぁ…というような、信じられない展開。

仙台育英は9回表の攻撃で、島根県の開星に5対3でリードされていた。
その9回も、2死ランナーなし。あと一人。万事休す…と誰でも思うよね。

しかし仙台は粘り、そこから安打と死球、そして相手のエラーで1点を返して5対4とした。さらに満塁まで攻め、押せ押せムードとなった。
…しかし、しかしである。
期待を担った次打者は、センターに凡フライを打ち上げてしまった。

「やった~」とばかり、開星のピッチャーは打球を見てガッツポーズをした。しかし試合終了…とはならず、とんでもないことが起きた。センターの選手がポロリと落球したのである。仙台の走者2人がホームイン。6対5の大逆転である。わ~い。

それでもドラマは終わらない。その裏、今度は仙台がピンチを迎えた。2死ながら1、2塁。長打が出れば開星の逆転サヨナラの場面である。

そこで開星のバッターが左中間を完全に破るような痛烈な一撃を放った。2走者が返って逆転サヨナラかぁ…と思われたが、なんと仙台の左翼手がダイビングキャッチの超ファインプレーで見事にボールをグラブにおさめた。劇的な幕切れである。

ポロリと球を落とした開星の選手は、ず~~っと言われ続けるだろうなぁ。
「あのときの、あいつの落球さえなければ…」
おまけに、相手の左翼手の超ファインプレーで試合の幕が下りた。
「えらい違いや…」と比べられ、余計にエラーが目立つだろう。
ょっと可愛そうだな~とも思うが、それが勝負の厳しいところだ。
こういう経験をして、人間は逞しくなっていくのだろうね。

痛恨の落球、といえば、今でも忘れられないのが、約30年前の夏の大会での星陵(石川)対箕島(和歌山)の試合である。

これも歴史に残る名勝負と言われているが、結論から先に言えば、延長18回裏に箕島がサヨナラ勝ちをした。そして、そこまでの経過が壮絶なのだ。

試合は1対1で延長戦に入った。

12回表、星陵は1死1、2塁で、打者が平凡なセカンドゴロ。
ダブルプレーかと思われたが、二塁手がトンネルをして星陵が1点を取った。

12回裏、1点リードされた箕島は、簡単にツーアウトをとられ、敗色濃厚となった。…が、なんと、ここでホームランが飛び出した。打った選手は打席に入る前、監督に「ホームラン狙っていいですか」と言い、監督が「狙っていけ」と答えたというのは、有名な話である。まさに起死回生の一打、とはこのことで、再び2対2の同点となった。

最大のドラマは16回の攻防だった。
16回表、星陵がまた1点を取った。3対2だ。
そして16回裏の箕島の攻撃である。今度こそ、と星陵は気を引き締める。
箕島はまたしても簡単にツーアウトをとられた。再び絶体絶命である。
両校応援団が固唾を飲む中、次打者が打った打球は一塁へのファールフライ。
一塁手がゆうゆう追いつく。

「あぁ…」と箕島応援席からため息が漏れ、星陵側は歓呼の声が響く。
…そのとき、テレビに、日本中が目を疑う光景が映った。

一塁手がボールを捕ったと思われた瞬間、転んだのだ。
どうやら、人工芝に足をとられたらしい。
ボールはグラブからポロリとこぼれ落ちた。

命拾いしたバッターは、次の球をレフトスタンドに叩き込んだ。
またもや、どたん場でホームランが出て、箕島は同点に追いついた。

そして延長18回裏、力尽きた星陵の投手を打ち崩してサヨナラ勝ちした。

  …………………………………………………………………………

先日、新聞に「忘れえぬ夏の高校野球名勝負」という記事が出ていた。
戦後の高校野球夏の大会での名勝負についてアンケートを取った結果…

1位 2006年決勝  早稲田実業ー駒大苫小牧
          (ハンカチ王子とマー君が投げ合い引き分け再試合)

2位 1969年決勝  松山商ー三沢
           (前述のとおり)
 
3位 1998年決勝  横浜ーPL学園
           (横浜の松坂が延長17回を投げ抜き激戦を制す)

4位 1979年3回戦 箕島ー星陵
           (前述のとおり)

5位 1983年準決勝 PL学園ー池田
           (強豪池田を、桑田、清原のPLが粉砕する)

こんなふうになっていた。

僕は、アンケートでは4位だったが、箕島対星陵の試合が、高校野球史の中でも最高の試合だったと思っているし、僕だけではなく、ファンの人たちの多くもそう思っているだろう。

星陵を破った箕島は、準々決勝に進んだ後も勝ち進み、優勝した。

「痛恨」の落球を誘った今年の仙台育英にも、ぜひ東北初の大優勝旗を!

頼んまっせ~。

 

 

 

 

コメント (6)
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