僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

冗談は顔だけで十分です

2010年08月05日 | 雑記

うるさい耳鳴りも、何かに夢中になっている時には忘れてしまう…
それは、必ずありますよね。
大○前病院の先生が言っておられましたが、
耳鳴りで悩むある男性は、大の競馬好きで、
競馬のラジオ中継をイヤホンで聴いている時だけは、
耳鳴りが完全に消える、ということでした。
まあ、消えるというより、競馬に気を取られて忘れてしまうのでしょうね。

耳鳴り仲間(?)の akiraさんは、最近は綾小路きみまろの漫談を見ている時、耳鳴りを忘れる、と書いておられました。
今はこれが、耳鳴りの「特効薬」とのことです。

確かに綾小路きみまろの漫談はメチャクチャおもしろいですね。
僕も、大ファンです。
いま手元にきみまろさんの本を置いてこれを書いていますが、
その本をパラパラめくってその「爆笑フレーズ」を見ていますと、

  添加物を気にするわりには、厚化粧です。

  目尻は下がり、オッパイも下がり、お尻も下がり…
  上がったのは血圧だけです。

  私はハーフなんです。父が痛風で、母が糖尿です。

  若い頃は、恋に落ちました。今は、溝に落ちるようになりました。

な~んていう面白いフレーズが満載されていますが、
その中に、こんなものもありました。

  昭和の古ギャル、年金ギャル…

うっ。古ギャルとは…
…古ギャル → こぎゃる → 古ぎゃるっ娘

前回のブログの有害アダルトサイトの話を、また思い出します。

しかし…「古ぎゃるっ娘」ってサイトがあったら、誰か見ますかぁ…?


前置きが長くなりましたが、その綾小路きみまろにまつわる話です。

  ………………………………………………………………………………

4年ほど前。まだ勤めていた頃のこと。
出張で新大阪駅の構内を歩いていると、書籍売り場があった。
車中で読む本を何か買おうと、店の中に入った。

入ったばかりのところに、綾小路きみまろの文庫本が積み上げられていた。
こんな目立つところに積んでいるのは、売れている証拠だろう。
きみまろさんが、これほど何種類もの本を出しているとは知らなかった。

よっしゃ、新幹線の中で、きみまろさんに思い切り笑わせてもらおう…
と、そのうちの2冊を手に取り、レジに持って行った。
面倒だったので、カバーや包装も断り、レシートも受け取らず、
お金を払うと本をそのままカバンに突っ込み、店を出た。

時間があったので、その辺のベンチに腰掛け、2冊を取り出した。
すると…?

「ありゃ…?」
よく見たら、今買ったのは、2冊とも同じ本だった。
書店では、別々の本を1冊ずつ取ったつもりだったけれど、
目の前にある2冊は、紛れもなく全く同じ本だった。

しまったなぁ。
1冊を、別の本に取り替えてもらわなければ。

僕は急いで書店まで引き返し、レジのお姉さんに、
「すみませ~ん。さっき、これ買ったのですが、同じものだったんで、
 一冊を別の本に交換してもらっていいですか…?」

レジのお姉さんは、さっきとは別のお姉さんに変わっていた。

そのお姉さんは、
「はい。えぇっと、レシートはお持ちでしょうか?」
うぅっ。レシートねぇ…。面倒なので、もらわなかった。
しかも、カバーも包装もしてもらっていない。
裸のままの2冊の文庫本を手にしているだけだ。

「…いえ。レシートは、持っていません」
「いつごろ、お買い求めになりましたか?」
「はぁ? ついさっきです。あのぉ、10分ほど前かな…」
僕がそう答えると、お姉さんは、本を売った際に、本から抜き取るしおり状の売り上げカードが詰め込まれている箱を手元に引き寄せて、僕が買った本のカードを探しかけた。そして、僕に尋ねた。
「え~っと、その本の題名は何と言うのでしょうか?」
お姉さんにそう聞かれて、僕は答えに窮した。
「あ…、題…ですよね。題…。はぁぁ…」

僕は本の表紙をチラッと見て、仕方なくその題名を口にした。

「題名はね、えぇ~『 冗談は顔だけで十分です 』っていうんです」

…それが、僕が買った綾小路きみまろの本の題名だった。

「は?」
「いえ、あのぉ、題は『 冗談は顔だけで十分です 』」
一瞬、お姉さんの顔が引きつったように見えた…のは気のせいか。

「それが、…それが、あのぉ、本の題名なんですね? わかりました」
レジのお姉さんは、売り上げカードを繰り始めた。
「ええっと、冗談は顔だけ…冗談は顔だけ…冗談…冗談…と」
とお姉さんは独り言を言いながら、どんどん繰って行く。
僕の後ろに、若い女性客が並んでいた。
うぅぅぅ…。恥ずかしい~。

じぃ~っとレジのお姉さんの指先をみつめる僕。
…が、なかなかそのカードが出てこないようだった。
「おかしいですねぇ…。ちょっとその本を見せてくださいませんか?」
そう言って、お姉さんは僕の本を手に取り、表紙を確かめた。

「あ、題名が違いますね」
「えっ、間違っていましたか? 『冗談は顔だけで…』 では…」
「えぇ、違ってました。題は『失敗は顔だけで十分です』 です」

「……」 

「……」

(一瞬、僕とお姉さんは、目と目が合い、お互いに固まった)

「あ。冗談は顔だけ…ではなく、失敗は顔だけ…でしたか? あははは」
顔をこわばらせながら、笑ってごまかす僕であった。

後ろに並んでいた女性客が、クスッと小さく笑い声を上げた。

あぁ、恥ずかしいことばかりの人生です。

 

 

   

  

  結局、もう1冊を 左側の本に 替えてもらった。

  題名は、「こんな女房に誰がした?」

 

 

 

 

 

コメント (10)
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