ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

9月27日、反政府デモ50日目

2020-09-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月27日、反政府デモも連続50日目に入りました。

 今日は大型ショッピングセンター「ザモク」「ミンスク・ギャラリー」地下ショッピングセンター「スタリツァ」が終日営業中止しました。

 そのミンスク・ギャラリーの前で白と赤の花を持っていた男性が身柄拘束されました。

 続いてリュックの中に白赤白の旗を持っていた女性が連れの男性とともに身柄拘束されました。

 

 ユビレイナヤ・ホテルの前に多くの護送車が停止して、多くの人が身柄拘束されました。

 

 今日は自主的に閉店する店舗もあったようです。

 ネミーガ駅の近くのマクドナルドも閉店していました。

 

 共和国会館(大統領府)の周りには大量の軍用車両が配置されています。また市内中心部の広場は立ち入り禁止の状態です。周囲には護送車もすでに待機している状態です。

 ミンスクの地下鉄の駅も複数閉鎖されました。

 

 モバイルが遮断されています。

 

 ミンスクだけではなくビテプスク、ジョージノ、ゴメリ、グロドノ、ブレスト、ボブルイスクなどでもデモ集会が行われました。

 そして身柄拘束です。ゴメリでは催涙ガスがまかれたようです。残酷な身柄拘束が始まりました。治安部隊が警棒を振り回しています。

 ゴメリで拘束され、護送車に入れられていた男性が治安部隊が他の人を拘束しようと忙しくしているので、隙を見て、逃げ出しました。この護送車がカフェの前に停止していること自体が非日常的光景なのですが、もう今のベラルーシでは日常の光景になってしまいました。

 男性が逃げ出すのに成功すると、カフェの客の間から歓声が上がりました。

 

 ミンスクではいつものように共和国会館に向かって、デモ行進が始まりました。催涙ガスがまかれた場合、目を洗うための牛乳を持参する人もいます。(どれほど効果があるのかは私には分かりません。)

 

 昼間雨が降り始めましたが、帰る人はなく、ミンスク市内のあちこちで集まったデモ行進が一つの大きなが流れに合流しようとしています。

 この流れは共和国会館のほうではなく反対方向に向かって今日は進み始めましたました。

 一時的に道路が通行不可能になった場所もあります。

 

 路上でパフォーマンスをする人もいました。王冠をかぶったヒゲの王様が、黒い覆面をかぶった治安部隊員風の人を紐で繋いで散歩。王様が警棒を投げると、治安部隊の格好をしたペットの犬が四つん這いで走って行って口にくわえて王様のところへ持って行きます。それを繰り返しご機嫌の王様。

 

 今ベラルーシ中で、バンクシー風のメッセージ色の強いストリートアートがあちこちで描かれています。

 もちろん誰が描いたのかは分かりません。

 市役所が上からペンキを塗って消していますが、消しても消しても追いつきません。

 また見かけた人がスマホで画像にしてすぐネット上に上げるので、消されても作品がネット上に残ります。

 

 今日はウクライナのキエフ、アメリカのボストン、ドイツのポツダム、ノルウェーのオスロなどでもベラルーシ反政府デモが行われました。

 

 午後5時、デモ行進はいつもと違って独立大通りを地下鉄ウルチエ駅方面に向かって進んでいます。

 地下鉄科学アカデミー駅、モスコフスカヤ駅、ヴォストーク駅もデモ行進が近づくと閉鎖されました。

 国立図書館の屋上に白赤白の旗が掲げられました。

 電柱に上って白赤白の旗を結びつける人もいます。(危険だと思うのですが・・・)

 

 午後6時半、デモ行進は地下鉄ボリソフスキー・トラクト付近にまで近づきました。この駅も閉鎖されました。

 この日、私は午後6時まで勤務だったのですが、少し早めに職場を出て午後5時59分のトロリーバスに乗って帰宅しようとしたのですが、やはりバスの運行が狂ってしまっていて、時刻表通りトロリーバスが来ず、6時15分ぐらいに乗りました。

 バス停で待っているときにパトカーと軍用車両が5台通り過ぎて行きましたが、中にヘルメットに覆面姿の治安部隊員が大勢乗っているのが窓越しに見えました。

 しばらくしてトロリーバスが来たので乗りましたが、次の停留所にまだ到着もしないうちにさっきの軍用車両が道端に止まっている横をトロリーバスが通りすぎて行きました。

 何となく、これから取り締まりが始まるのでこの辺りで待機しているように、と命令されて停止しているように思えました。

 トロリーバスで通り過ぎたときにちらっと見えただけでしたが、軍用車両の中の治安部隊員は目をつぶって窓に寄りかかって寝ている人もいて、心身ともに大変な仕事だなと思いました。

 

 その後私が乗っていたトロリーバスは地下鉄ウルチエ駅のそばを通過しましたが、特に変わったことはなく、国旗をつけた護送車がかなりのスピードでミンスク中心部から郊外のほうへ走行していくのが見えただけでした。

 そして午後6時半ごろ帰宅しました。

 午後6時50分、デモ行進の先頭はウルチエ駅に到着。ウルチエ駅も閉鎖されました。

 ここで今日のデモ行進はお開きとなったのですが、地下鉄で帰ろうとした人がウルチエ駅に行くと、閉まっているので乗れません。その地下通路に人があふれました。

 しかしそこでも、シュプレヒコールを上げています。

 

 午後7時、デモ行進がお開きになったので、帰ろうと人々の群れが散り始めたのを狙って治安部隊の拘束が始まりました。

 ウルチエ駅前のショッピングセンター「スペクトル」前で人々が拘束されています。その前に護送車が止まっています。

 午後7時過ぎ、スペクトルの中にあるピザ屋ドードー・ピッツァに逃げ込んだデモ参加者を追いかけて治安部隊員15人ぐらいが店内になだれ込みました。

 店内でピザを食べていた人たちの目の前で二人の男性が店内の床の上に腹ばいにさせられ、両手を拘束されました。

 店員は店の中から鍵をかけました。これ以上誰も(客も治安部隊も)入ってこないようにするためでしょうか。

 また店の前では10人の人が横一列に並ばされ、

「スマホで何を撮っていた? 見せろ!」

と治安部隊に言われています。言われた男性たちは突っ立ったまま。

「早く見せろ! 何してる!」

と言われ、

「どうしてですか?」

「護送車に乗りたいか?」

 仕方なくスマホを取り出していると、その中の二人(カップル?)だけが、

「お前たちは行ってよし。」

と言われて、「あ、いいんですか。ありがとうございます。」と列から離れて、ドードー・ピッツァのすぐ隣のバーガーキングの店内へ入ろうとしました。

(私だったら店先で持ち物検査を受けさせられている人たちがいる、その店内でのんきにピザを食べようという気持ちにはなりません・・・。)

 しかし、店はもうドアに鍵がかけられていたので、入れません。すぐに他の店にいけばいいのに、なぜかすぐそばで治安部隊の検査のようすを眺めているカップル。

 治安部隊は顔を上げて、「何突っ立ってる? 早く帰れ。」とカップルに言ったので、ようやくその場を離れました。さらに3人目の連れもいたらしく、その友達も連れてどこかへ行ってしまいました。

 この様子は許可を受けているメディアのスタッフによって報道されました。

 

  午後7時20分ごろ、ウルチエ駅の閉鎖が解かれ、通路で開くのを待っていた人達は地下鉄に乗って帰ることができるようになりました。

 今日は合計7つの地下鉄の駅が閉鎖されました。

 

 今日のミンスクでのデモ行進参加者は雨にも関わらず10万人でした。身柄拘束されたのはミンスクだけで200人です。

 他の都市でもデモ行進と身柄拘束があったので、全国での合計数は異なります。

 もっとも、この数は集計が難しいのと、ベラルーシ政府系(国営放送)とベラルーシ政府寄りのロシアのメディアでは少なめに、ベラルーシの独立系メディアではそれより多い数が報道されることが多いので、、実際にはどれぐらいの数なのかはっきりしません。

 


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