ベラルーシの部屋ブログ

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ベラルーシで初のコロナウイルス感染者の死者

2020-03-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 3月31日午前の書き込みです。
 ベラルーシ国内で最初のコロナウイルス感染者の死者が出たと報道されました。しかし現時点では、ベラルーシ保健省からは正式な確認などされていません。
 ビテプスク市の劇場で舞台俳優をしていた75歳の男性です。
 その娘が父親がコロナウイルス検査で陽性であったこと、そして3月31日の深夜亡くなったことをマスコミに伝えて、今複数のネットニュースになって報道されましたが、このニュースに一時的に繋がりにくくなったり、「これはフェイクニュースだ!」とコメントする人もいます。
 死因は娘さんの勘違いである可能性もありますが、娘さんが父親の死を売名行為に使うとは考えにくいです。もちろんビクトル・ダシケヴィチは世界的に有名な俳優ではありませんが、スコリナ勲章受章者で、ゴシップ記事とは縁のない芸能人です。
 こちらで報道されている内容はこの俳優、ビクトル・ダシケヴィチの妻と娘の証言が元になっています。
 それによると、ダシケヴィチとその妻は同じ日、3月19日に体調を崩しました。いっしょに自宅近所の診療所へ行くと、「肺炎」と診断されました。新型肺炎ではなく普通の肺炎ですね。
 その後、結核診療所へ治療に行くように言われたので、行ってみると混雑していて、入院などできそうにもなく、抗生物質だけ処方されて、帰宅しました。
 ところがダシケヴィチは高熱が出たので、医者に往診に来てもらうと、すぐに入院するよう言われ、なぜか皮膚科専門クリニックへ入院し、そこでコロナウイルスの検査を受けました。結果は陰性。妻も検査を受けましたが、陰性。
 入院していた病室にはもう一人患者(病名は分かりません。そもそもこの情報を語っているのはダシケヴィチの遺族なので、病室の相部屋だった患者のことなど分かりません。)が入院していました。ダシケヴィチがその病室に入れられてしばらくするとその同室だった男性は別の場所(病室? 病院?)に移されましたが、その理由を病院関係者は説明しませんでした。その後、同じ病室に3人の男性患者(病名など不明)が同じ病室に入ったそうです。
 3月24日にはダシケヴィチの病状は悪化したので、ビテプスク州立治療専門センターに移され、そこで再検査を受けたところ、陽性でした。集中治療室に入れられ、人工呼吸器もつけられていたのですが、31日に日付が変わった頃、亡くなりました。
 妻によると、呼吸器系の持病を持っていたので、病状が悪化したと思われているそうです。
 ダシュケビッチの妻は再検査は受けていません。入院していましたが、回復し、3月26日に退院しました。現在、14日間の自宅隔離中で、娘が食料品を毎日玄関のドアのところに置いていってくれているそうです。
 妻のほうは普通の肺炎で、入院し、治ったから退院したけど、夫がコロナウイルス感染者で死亡したから、濃厚接触者として14日間自宅にいてください、という指示なのです。
 
 ダシケヴィチは最近海外には行っておらず、感染経路は不明です。
 ただし、ダシケヴィチが働いていたヤクブ・コラス・ドラマ劇場ではすでに11人の病欠者を出しています。(全員俳優とは限りません。)その多くが、風邪、インフルエンザとされていますが、コロナウイルス感染者はいません。明日(4月1日)にはそのうち2人か3人は出勤してくる予定だそうです。
 ダシケヴィチの死因は検査結果が陽性だったので、コロナウイルスのせい、と医学の素人でもそう思いますが、ベラルーシ保健省は今のところ、公式にダシケヴィチの死因がコロナウイルスであると確認しておらず、公式発表もなく、つまり、公式にはまだベラルーシ国内ではコロナウイルスによる死者はゼロです、ということになっています。
 このような状況なのでヤクブ・コラス・ドラマ劇場も、劇場そのものを閉鎖したり消毒したりは、しないとマスコミからの質問に答えています。
 ただ、3月18日以降の上演は全て中止になっているので、ここ最近は観客は誰も来場していない、とも回答しました。上演中止を決めた理由は、コロナウイルス患者が出たから、ではなく、単に客の入りが非常に悪いから興行的に収入にならないから、と説明しています。今、ベラルーシの劇場はチケットは売れないのでしょうね・・・。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者はミンスクが一番多いのですが、すでに地方の小都市でも患者が発生しています。
 今、一番耳目を集めている地域はビテプスクですね・・・。
 海外旅行に行って、帰国できなくなったベラルーシ人のために政府はチャーター機を飛ばして連れ帰りましたが、乗っていたのはロシア人の方が多かったです。ロシアのチャーター機で武漢のベラルーシ人が帰国できたりしたので、ロシアとベラルーシは助け合っています。
 このベラルーシのチャーター機ですが、なぜかミンスク空港に着陸せずに、ビテプスクの空港に着陸しました。ただし、これは空港と言っても、普段は軍用機専用の空港です。
 チャーター機そのものが軍用機なのですね。

 ベラルーシは毎年7月にビテプスクで国内最大の国際音楽祭を開催します。
 今年はどうなるのかと心配ですが、ベラルーシ政府は、いつも通り、予定通り開催すると発表しました。
 国際音楽祭なので、外国人も出演するのですが、(とは言うものの旧ソ連の国から出演することが多い。)国境も閉鎖しているような国が多いのに、出演者が7月ちゃんとビテプスクに来ることができるのだろうか? と思います。
 その頃、感染の流行も収まっていればいいですが・・・
 あるいは開催しても観客がいなくて客席ガラガラになるかもしれません。


 3月31日午後の書き込みです。
 ベラルーシ最初のコロナウイルス感染者の死者として上記のビクトル・ダシケヴィチの死亡が確認されました。しかし公式には発表されていません。
 さらにビテプスクだけで、10人の医師が患者からコロナウイルスに感染した可能性があると保健省が発表しました。しかしこれも正式な発表ではなく、ベラルーシは1日に1回に発表するのではなく、2、3日に1回まとめて発表する方式らしいので、阿蘇楽明日か明後日に正式な発表がされるでしょう。
 
 3月31日夜の書き込みです
 公式にベラルーシ保健省がビクトル・ダシケヴィチをコロナウイルス感染者の死亡者として認定しました。
 死因は複合的で、元々の持病も関係しており、コロナウイルスの感染が主な原因ではなく、持病悪化の引き金になったという説明です。
 最初の死亡者は認めましたが、そのときに新たな感染者数の発表はありませんでした。
 しばらくしてから、感染者数は163人になり、そのうち128人が退院したと発表されました。
 
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