10月14日は母の日なので、今日はミンスク市中心部で母親のデモ行進が始まりました。しかし強い雨が降り、また平日の昼間は働いている母親が多いので、参加者数は数百人ていどのようです。
夕方には政府派のデモ行進があり、警察に感謝の声を上げました。こちらも数百人ぐらいの参加者数です。
同じようにデモ行進をしていても、反政府側は「解散!」「あななたちがしているのは犯罪行為です。」そして拘束されます。
しかし政府側のデモ行進は犯罪行為ではないようです。
今日も各大学で反政府派のデモ集会が行われました。
ロンドン五輪競泳の銀メダリスト、アレクサンドラ・ゲラシメニャが反政府派支持を表明したところ、自身の水泳教室の運営を事実上止められ(借りていたプールを貸してもらえなくなった。)ますます反政府支持に回っていたのですが、今日、リトアニアに出国しました。
今後は反政府派スポーツ選手の支援をするそうです。つまり、政府支持派の選手はベラルーシ国内にとどまり、ベラルーシ国旗の下、オリンピックなどの国際試合に参加するけれど、それを自分はよしとしない(ベラルーシ国旗の下でオリンピックに参加する気が失せた)というスポーツ選手は、ゲラシメニャの下、練習をして、将来大統領が代わったら、新しいベラルーシの選手として国際試合に参加したい、ということです。それを応援する受け皿をリトアニアに作ったということです。
キックボクシングのチャンピオン、アレクサンドラ・シチンコワ選手が反政府デモに参加していたため、拘束、逮捕されました。今日、裁判で10日間の禁固刑の判決が出ました。
有名なキックボクシングのトレーナー、ユーリー・ブラト氏も拘束され、オクレスチナ収容所へ。弁護士は「コロナウイルス対策のため」接見を禁止されています。
在ベラルーシ・ウクライナ大使がベラルーシ外務省から呼び出しを受けました。その後、大使自身のフェイスブックで報告しているのですが、つまり、特に特殊技能を持っているベラルーシ人がウクライナへ就職のため出国するのをウクライナ政府が受け入れる法律ができたことに関することで、呼び出されたようです。
ベラルーシ外務省は「ウクライナとベラルーシは兄弟国なんだから、ベラルーシ人がウクライナへ仕事に行くのを受け入れる法律を作ったこと」が不満だったようです。
フェイスブックでは、「ベラルーシ人がウクライナで働きたいと要望した、ということはベラルーシに何か不満があるから、ということです。そんなベラルーシ人にとってウクライナは非常に魅力的な国です。言葉の壁がなく、ウクライナ国内に親戚がいるベラルーシ人も多い、今までに受けた教育システムに共通点も多い・・・といった点です。ウクライナはそんなベラルーシ人を受け入れる用意ができています。それこそ「兄弟国」だからです。」とウクライナ大使は自分の考えを述べました。
アメリカのIT企業で、100人強のベラルーシ人の新入社員を受け入れる準備があると発表する企業も現れました。
10月25日までにルカシェンコ大統領が政治犯を釈放しなかったら、26日からゼネストに入るよう、チハノフスカヤ氏がベラルーシ国民、特に国営工場の労働者に呼びかけました。
ルフトハンザ・テクニックの労働組合が、いままで請け負ってきたベラルーシ大統領の専用機の整備を断ることに決めたと発表しました。
夕方、雨もやんだので団地デモが始まっています。
国営テレビSTVのニュースに二人の治安部隊員が覆面姿で登場。氏名は明かされず、声も変えられた状態で、
「われわれ治安部隊は女性、高齢者、子どもを守るために、ミンスクの通りから出て行くことはない。反社会的勢力を鎮圧するためにこの仕事を選んだ。私や家族に対する脅迫は意味をなさない。」
などと視聴者に向かって語りました。治安部隊と家族に対する個人情報流出のことを脅迫と言っているのでしょうが、脅迫されても怖くない、絶対に反政府デモ参加者を厳しく取り締まるのを続けますよ、国民の皆さん任せてください、と言うなら、覆面をかぶるのはやめて、素顔、実名で出演すればいいのに・・・と思いました。
私の夫が言うには、「これが正式の制服姿だから。」だそうです。
それなら、顔が知れ渡っている内務大臣が同じことを言えばいいのに・・・と思ったのですが、すでに内務大臣は同じことを何度も繰り返し発表していますね。
しかし、あのAI技術を使ったら、こんなふうにカメラ目線でテレビのニュースに出演した二人の治安部隊員の身元はすぐに分かってしまうでしょうね・・・。
ソチ五輪金メダリスト、ダリア・ドムラチェワの兄、二キタ・ドムラチェフは偶然自転車でデモ集会の近くを通りかかっただけで、治安部隊に拘束され、その際に頭を警棒で殴られ、何針も縫う大怪我をしましたが、警察などから謝罪の言葉は兄も妹も今のところ一切ないと取材で答えました。
今日、自身のフェイスブックで、二キタ・ドムラチェフは支援している人たちに感謝し、また外国へ行くつもりはなく、このままミンスクに住み続けることを希望している、と書き込みました。
また、自分だけではなくベラルーシ人がみんな文明的な国に住みたい、新しいベラルーシに住みたいと願っていることを最後に書きました。