ベラルーシの部屋ブログ

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タイ着陸の貨物機から北朝鮮製兵器が大量押収された事件について(続報)

2009-12-16 | ベラルーシ生活
 タイ着陸の貨物機から北朝鮮製兵器が大量押収された事件についての続報です。

南アジア・中東に複数の買い手か 北朝鮮から空輸の兵器(朝日新聞) - goo ニュース

 記事全文はこちらです。

2009年12月15日7時5分

【バンコク=山本大輔】北朝鮮を出てバンコクの空港に着いた貨物機から大量の兵器が見つかった事件で、タイ当局は、北朝鮮が絡んだ兵器密輸ルートがあると見て、兵器の発注元や最終的な輸送先を調べている。兵器は北朝鮮企業が所有していたものとされ、南アジアや中東などに複数の買い手が存在する可能性が浮上している。

 朝日新聞が入手した捜査資料によると、乗組員はベラルーシ人1人とカザフスタン人4人。タイの裁判所は14日、兵器所持の容疑で5人に対する勾留(こうりゅう)延長を認めた。一方、押収されたのは地対空ミサイルが入ったコンテナ5箱に加え、240ミリロケット弾、対戦車ロケット「RPG7」などが入った大小のコンテナ計145個。兵器が北朝鮮製かどうか当局が調べている。

 調べに対し乗組員は、貨物機はウクライナを出発後、北朝鮮で荷を積み、再びウクライナに戻る途中で、スリランカ、アラブ首長国連邦(UAE)、アゼルバイジャンにも立ち寄る予定だった、と供述している。いずれかの経由地で積み荷を下ろし、さらに南アジアや中東の別の国に運ぶルートがあるとみて調べている。乗組員は積み荷について「石油掘削機器と認識していた」と話す一方、荷を下ろす予定だった場所や買い手については供述を避けているという。

 軍や警察では「イランやパキスタン、アフガニスタンなどで、旧ソ連製兵器の扱いに慣れた買い手を相手にする密輸組織が関与している可能性が高い」(捜査当局者)との見方が出ているという。

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 そもそもウクライナを出発したとき、この貨物機、中は空だったのでしょうか?
 まさか、手ぶらで出発したとは思えませんねえ。
 しかし最終目的地がウクライナと言うのもおかしい。ウクライナは紛争地域ではありません。つまり武器なんて輸入しなくていいのです。
 ウクライナをさらに中継してどこかへ武器を運んでいる可能性があります。あるいは道中、どこかで下ろしていた、とか。
 この貨物機、いちいち給油しなくてもユーラシア大陸の半分を軽く飛べる飛行機だそうです。
 にも関わらず、いろんな国を経由しているのがおかしいです。
 今回の事件に関与していた国、グルジアとかベラルーシとか、それぞれみんな「知らなかった。うちの国は関与していない。」
と主張しています。
 北朝鮮をのぞけば、一番怪しいウクライナも、かくれみの的な商社があるだけで、しかも実態はよく分からず、事件発生後は消えてしまう可能性が高いです。
 こういう商売をする人間たちは、何重にも実体を隠していると思うので、真相ははっきり分からないままになってしまうのでは・・・と思います。

 前回の記事でパイロットの定年は45歳、と書きましたが、どうしてこんなに早いのかと言うと、旧ソ連では旅客機のパイロットであっても、空軍の軍人の扱い(養成や訓練を受けたのが空軍内だから。)であるため、軍人としての定年制が適用されるからです。
 ベラルーシ人から
「うちのお父さんはアエロフロートのパイロットでした。日本にも行ったことがあるよ。」
と聞いたとします。でも日本人のパイロットとはだいぶニュアンスがちがい、実際には空軍の軍人なのです。
 ソ連軍では空軍の軍人の定年は45歳なので、旅客機の操縦士だった、という人も45歳で定年を迎える、ということなのです。
 そして軍人としての年金をもらいます。と言うことなのです。分かってくれたかな?
 

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