ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

友情の花輪:日本 2

2019-05-03 |   新美南吉
 表情たっぷりで「ごんぎつね」をベラルーシ語で朗読するカラリョワさん。
 物語後半の兵十と加助の会話部分は落語家のように読んでくれました。(ベラルーシ語で落語みたいというのも変な例えですが。)

 真剣に耳を傾けるベラルーシの人々。
 しかし、カラリョワさんは「ごんぎつね」を最後まで朗読してくれませんでした。
 「このお話が最後、どうなったのか、みなさん、想像してみてください。悲しい最後なのです。本で読んでみてください。」

 ええー・・・最後まで読んでくれないの? と私は思ってしまいましたが・・・
 続いてカラリョワさんは「去年の木」を選んで、これは最初から最後まで読んでくれました。
 よかった・・・。

 このイベントの長所はいろんなイベントを一つの建物の中で同時進行で行うので、にぎやかだし、何か一つは興味のあることを見つけることができると思うのです。
 一方、短所は人が入れ替わり立ち代りの状態になるので、長い話の途中から聞くことになってしまい、話の筋が分からなかったりすることです。
 このような場所では短いお話をたくさん読むほうがいいように思いました。
 
 朗読会の後、カラリョワさんに、
「どうして『ごんぎつね』を読もうと決めたのですか?」
と質問すると、
「『ごんぎつね』は有名な話だからです。」
という返事。
 3年前日本文化情報センターが出版した新美南吉ロシア語訳童話集「ごんぎつね」をすでに読んだことがあるのだそうです。
 ベラルーシで「ごんぎつね」が有名になっているとは、驚きです。
 そしてカラリョワさんは、朗読会を聞きに来た人たちの年齢を見て、
「大人もけっこうたくさんいたので、『ごんぎつね』を読むことにしました。」
とも話していました。
 その場で直感的に決めたそうです。
 それであんなに上手に朗読できるなんてすごいですね。 
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