ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者14917人。死者数93人

2020-05-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 5月1日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染数は14917人となりました。1日で890人の増加です。日本の感染者数も超えました。
 死者数は93人。
 2918人が回復しました。
 約18万件の検査数になり、陽性率は8パーセントです。
 
 ベラルーシの疫学者はベラルーシでの感染ピークは5月20日ごろ、と保健省の予想よりずれ込むことを発表しました。
  
 ベラルーシ政府に対し、EUは6000万ユーロをベラルーシ国内でのコロナウイルス対策のために支援してもいいと申し出ました。
 ただし、これを受け取る条件として、WHOがベラルーシに対して勧告している対策を全て実行しないといけません。
 WHOのベラルーシ向け勧告の内容は、5月9日の戦勝記念パレードの中止、スポーツイベント(サッカーの試合など)、宗教関連、文化関連のイベントの中止、感染者、感染疑いのある人が参加するイベントの中止、教育機関の休校措置、不要不急ではない経済活動の中止(つまり食料品店と薬局をのぞく店舗の閉店)、企業の出勤停止(テレワークへの移行)などです。
 つまり、他のヨーロッパの国のように、ベラルーシも国が主体で強力な対策を打ち出しなさいということです。
 それもしないで、感染者が増えているのを放置している国に、どうして対策のための支援をEUをしないといけないのか、だいたいベラルーシはEU加盟国じゃないのに、ということです。
 
 今、ベラルーシ政府はお金が喉から出るほどほしいので、それがもらえるなら、と今、急に方向転換をして、厳しい対策を打ち出す可能性があります。
 
 私が注目している国はスウェーデンです。
 人口1000万人。首都圏の人口は230万人。
 ベラルーシは人口950万人。首都ミンスクの人口は200万人で、スウェーデンに近いからです。

 そしてスウェーデンは個人主義のため、コロナ対策についても独自路線を貫いています。
 (ベラルーシは個人主義ではないですが、独自路線です。)

 スウェーデンでは、自主的に市民に社会的距離を促す一方、商店営業などを容認。経済への影響が少なくなるようにしている。
(ベラルーシも同様。個人経営の店舗など、いっそうの集客をするよう、国が勧めている。)

 スウェーデンでは通常通り通勤し、カフェやバーで食事や会話をしている。
(ベラルーシも同様。テレワークに切り替えられる場合は切り替えていますが、企業側の判断により、強制ではない。)

 大学や高校は遠隔授業に切り替えたが小中学生は学校に通っている。
(ベラルーシは大学は遠隔授業だが、小中高は休校になっていない。子どもを通わせるかどうかは保護者が判断し、それを尊重する、でも学習は親が何とかしてください、という方針。)

 美容院やレストランも営業を続けている。
(ベラルーシも同様。)

 スウェーデンの疫学者は「スウェーデン国民は集団免疫を持ち始めた」と発表。
 このままロックダウンはしないというスウェーデンの対策が結果的にどのように評価されるかは、まだ先。
 無謀だったと判断されるかもしれないが、感染者が減少し傾向になれば、経済は他国に比べて早いスピードで回復するはず。
(ベラルーシは元々の経済力がなかったので、コロナ収束後もすぐに経済が回復するかどうかは不明。)

 そして現在、スウェーデンの感染者数は25000人。死者数2500人。死亡率が約10パーセントと非常に高いです。
(ベラルーシの感染者数、約15000人、死者数90人、死亡率0.6パーセントは、スウェーデンと比べるとはるかにまし。しかし、ベラルーシ政府の発表に信憑性や、正確さがあるかどうかと言われると・・・。それにスウェーデンの今の数字がベラルーシの未来の数字になる可能性もあります。国の方針と人口がほぼ同じですから。)

 国内のスウェーデン人の中には、他のヨーロッパの国のような厳しい対策をするほうがいいと言う意見もあることはあります。が、政府の姿勢は一貫しています。
(ベラルーシも同様。食料品の買い占め騒ぎや極度の品切れなどがベラルーシにはなかったことは評価されるべき。)

 最初はスウェーデンと似たような集団免疫獲得路線だったイギリスは途中で方向転換しました。
 ちなみに現在のイギリスの感染者数は16万6000人。死者数は2万6000人。イギリスの人口は6750万人。
 方向転換は遅かったと思われても仕方がないでしょう。

 だからスウェーデンも今更方向転換する気にならないのでしょうね。
 ベラルーシも同じ考えのように思えます。
 しかし、前述のEUからの支援の申し出にベラルーシも揺らぐかもしれませんね。