ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ビテプスクの日本クラブ

2015-11-27 | 日本文化情報センター
 ビテプスクにある日本クラブを見学してきました。
 (ビテプスクはベラルーシにある街で、画家のマルク・シャガールが生まれたところとして有名です。)
 ここに外国文学図書館があるのですが、その中に日本クラブが今年発足しました。
 発起人は図書館司書のオリガさんです。
 他にも英語クラブもありますが、日本クラブでは有志が集まって日本語の勉強をしているそうです。
 日本語で歌も歌っていると聞き、見学に行くこととなりました。

 ビテプスク外国文学図書館の紹介(ロシア語)はこちら

 オリガさんの話によると・・・
 外国文学図書館には英語で書かれた書籍が最も多い。日本文学の本はない。あるのは日本語の教科書と辞書合計3冊。
せっかくなので、この機会にチロ基金から日本がテーマの本や雑誌を寄贈しました。
 「はだしのゲン」ロシア語版第1巻も広島から来た方からお預かりしていたので寄贈しました。

 日本語の授業については日本語教師はいないので、有志同士が教えあっている状態。(これは大変では・・・)
 インターネットが使えるので、動画で日本語を勉強しているそうです。
 
 動画などを利用して日本語で歌を歌っているそうですが、「難しい・・・」とのこと。
 ちなみに図書館司書オリガさんが大ファンだという日本のミュージシャンは「BUCK-TICK」だそうです。
 (最初聞いたときは「え?」と思いましたが、そう言われてみれば、雰囲気がBUCK-TICKっぽいわ・・・と後から思いました。ベラルーシの図書館員と日本のビジュアル系ロックバンドに共通点が見つかるとは・・・)

 ビテプスク外国文学図書館で働いているのは現在オリガさんだけ。前は2人いたのに、英語クラブを担当していた司書さんが退職したので、なくなってしまったそうです。
 それでも日本クラブはオリガさんが続けていて、毎週木曜日に集まって日本語勉強会と日本語カラオケをしているそうです。
 オリガさん1人で運営が大変そうなので、文献を持っていけるだけ持って行って寄贈しました。
 メンバーに話を聞いたら「やっとひらがな覚えた。」「カタカナは難しい。」「漢字を覚えるにはどうしたら・・・」
 と日本語の難しさをぼやく声が・・・
 
 一方で「日本のアニメが大好き。」「映画もドラマも見て、それで言葉を覚える。」「日本に行きたい!」という前向きな発言も多くありました。

 ビテプスクには他に日本語を教えているところ(大学や語学教室、家庭教師など)はないそうです。
 ということは日本クラブはビテプスクで唯一の貴重な場所。
 しかも図書館内にあるので、全て無償で参加できるのです。
 すばらしい。
 日本文化情報センターも図書館内にあり、無償で日本語教育をしているわけで同志ですよ、同志。

 チロ基金もこの日本クラブへの支援を今後も続けようと思いました。

 画像は記念撮影したものですが、場所は図書館ではありません。(^^;)
 ちょうどこの日(11月26日)にビテプスクで日本のピアニスト中村天平さんのコンサートがあり、日本クラブのみなさんといっしょに聞きに行ったのです。撮影場所はビテプスクフィルハーモニーホールです。
 演奏の後、天平さんがわざわざロビーに来て、ビテプスク市民のみなさんといっしょに写真を撮ったり、サインをしたりしていました。
 私は日本クラブのメンバーに「さあ、天平さんに日本語であいさつしてみましょう。」と背中を押したのですが、やはりまだどきどきな感じでしたね。
 でも「こんばんは。」「ありがとうございます。」「写真を撮ってもいいですか?」など日本語で話していました。
 よかったよかった。
 ビテプスクの人たちもずっと拍手していて、大盛会でした。またベラルーシに来てほしいですね。次に天平さんと会うときはもっと日本クラブの皆さんも日本語で話せるようになってほしいですね。

 私にとっては久しぶりのビテプスクでした。交通費はチロ基金から出させていただきました。
 しかしミンスクとビテプスクの距離は約300キロなのですが、交通費は日本円に直して600円でした。ベラルーシ国内の交通費は安いと思います。またビテプスクの日本クラブにお邪魔して、日本語の授業をしたりできたらなと思いました。