ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

女性評議会

2015-11-17 | 日本文化情報センター
 ベラルーシには女性評議会(ジェンスキー・ソビエト)というものが存在します。
 この評議会が国単位のものがかつてのソビエト連邦なのですが、他にもいろんなくくりの小さい評議会が存在しました。
 そのうちの一つ、女性だけがメンバーになれるのが女性評議会で、ベラルーシでは職種ごとや企業ごとにたくさんあります。
 例えば女性図書館員だけが加入できる女性評議会もあります。私はそのメンバーですが、ベラルーシの図書館員はほぼ全員この評議会に加入してるはずです。
 同じものがベラルーシ大学にもあります。そのベラルーシ大学女性評議会の招待を受けて、11月17日(ベラルーシでは「学生の日」です。)に文学部の一室で行われた茶話会に参加しました。
 
 テーマは「国際社会における女性の役割」とかそういったものです。
 私は「日本はどうなんですか?」という質問に答えるために出席したのですが、他にも中国、ポーランド、スロバキア、トルクメニスタンの教員や学生が参加していました。

 「20年もベラルーシに住んでどうですか?」といった質問のほうが多かったですね。
 チロ基金の活動なども宣伝しておきました。(^^;)
 
 フランスで起きた同時多発テロのニュースも生々しい今、司会役の先生に「このような国際社会の中で生きる私たち。母親としての役割はどんなものになるでしょうか?」と話を振られ、そんな大きなテーマの質問を私にされても返事に困るからやめてほしいと思いました。(^^;)

 でも、女性だから云々、とか言ってる場合ではないことは話しておきました。
 母親だから子どもを守りたい、という考えの人が多いので、こういう考えは暴力によって物事を解決することに繋がるかもしれない。
 一方で体に爆弾を巻いて自爆する女性テロリストもいます。
 教育は大事だと思う。(だから大学のような教育機関が担っている役割はけっこう大きい。)

 作家の乙武洋匡さんがテロリストの主張にはまったく耳を貸さずに国際社会から孤立させることが、本当に平和へと続く道なのかとツイッターに投稿したら「話し合いの余地があるのか」「テロ行為を容認しているのか」と反発を受けた(詳細はこちら)というニュースを引き合いに出して、「一方的なものの見方ばかりするのはどうか。」と言いました。(反発する人がたくさんいるのが、日本人らしいと私は思いましたが。)
 結局はテロリストの言い分なんか聞いても、「到底容認できない」「やっぱりテロリズムは悪だ」という感想をを持つだろうけど、テロリズムそのものの思想がどこから来ているのかなど、知ろうする態度を持つことは大事なのではないでしょうか。
 そういう意味でも大学と言う教育機関が担う役割は大きいです。ベラルーシの大学は外国人留学生を広く受け入れており、若い世代たちの交流も大事ですよね。

 しかしまあ、自分の体に爆弾を巻いて発火するなんて、普通の人はできませんよ。それを実行するのはどういう思想からきているのか、どういう心理状態になっているのか、理由を考えてみるのは全く無意味ではないと思います。

 評議会では男女平等や差別問題などもテーマに上りましたが、おおむねベラルーシは平和なほうだと分かりましたよ。
 
 しかしまあ、パリで大規模テロが発生したら、すぐにロシアが「先月起きたロシア機墜落はテロでした」と認め、「だから」とまたシリア空爆を開始。
 アノニマスもサイバー攻撃開始。
 パリではテロ首謀者の捕り物(銃撃戦)が起こり、ISはニューヨーク攻撃を宣言・・・
 結局みんなレベルが同じですよ。

 負の連鎖とはこういうことを言うのだなとしみじみ思いました。

 この連鎖を断ち切る方法はないのでしょうか?