ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

NHKブログ 解説委員室 「チェルノブイリと福島・ベラルーシから学ぶこと」(追加情報あります)

2011-09-14 | 放射能関連情報
 2011年08月04日 (木)付のNHKブログをご紹介します。

ピックアップ@アジア 「チェルノブイリと福島・ベラルーシから学ぶこと」

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/450/91326.html


 ぜひぜひお読みください!!!

 ちなみに・・・上記ブログでは「ベルラッド研究所」「ベルラット研究所」と表記されていますが、「ベルラド研究所」が正しいです。
 それからベラルーシではお茶の基準値(セシウム)が1キロあたり3700ベクレルと紹介されていますが、370ベクレルの間違いです。
 ベラルーシではお茶が生育しないので、栽培されておらず全て輸入となっています。
 お茶だけを指定した基準値はベラルーシにはありません。
 指定されていない食品については「その他の食品」の基準値が該当します。
 「その他の食品」の基準値は1キロあたり370ベクレルですので、お茶の基準値は370ベクレルになります。

 また乾燥キノコの基準値が1キロあたり2500ベクレル、と甘いのは国民が食べる量は限られているのではなく、固い乾燥キノコをそのままバリバリかじって食べる人は普通いないので、水でふやかした場合を想定して、この基準値にしているのです。
 乾燥キノコは水で戻すと重さが約10倍に増えますので、乾燥きのこの基準値が1キロあたり2500ベクレル、というのは、ふやかした状態で、1キロ250ベクレルに相当します。
 ですからベラルーシの乾燥キノコの基準値が日本の基準値よりゆるいというわけではないのです。

 それから最後のほうに国家予算の話が出ていますが、ベラルーシでのケースを日本のケースとして単純計算して当てはめることはできないと思います。
 それは日本のほうがベラルーシより人口密度が高いからです。

 ちなみにネステレンコ所長は私には、日本の暫定基準値について
「悪夢のような数字です・・・。」
と話していました。


・・・・・

 以上の記事更新後、このようなメールをいただきました。
 上記のお茶の基準値が1キロあたり3700ベクレルなのか370ベクレルなのかについて、視聴者の方がこのブログを見た後、NHKに問い合わせたそうです。NHKの回答によると
 
「人が年に5キロ以上飲食しない食物(お茶、蜂蜜など)の基準は その他の食品の10倍とするとの備考記述があり、お茶の暫定規制値はそのほか370の10倍の3700ベクレルになります。」
 
 ・・・だったそうです。しかし私がベラルーシでもう一度ベラルーシの基準値(現在まで適用されている1999年に定められた基準値)について確認しましたが「人が年に5キロ以上飲食しない食物(お茶、蜂蜜など)の基準は その他の食品の10倍とするとの備考記述」はどこにもなく、ベラルーシの専門家も
「そのような備考はない。」
と話していました。

 さらにNHKは「ベラルーシの基準値は1999年に制定され、その後二年ごとに更新されています。」と問い合わせてきた方に回答していますが、それなら1999年度制定の基準値のほか、2001年の基準値、2003年の基準値、2005年の基準値、2007年の基準値、2009年の基準値、2011年の基準値・・・が存在しないといけませんが、ありません。
 2011年現在も1999年の制定の基準値を使っています。
 それともこれは1999年の前に2年ごとに更新された、ということなのでしょうか?
 しかし1999年前に更新されたのは1996年で3年前です。



チェルノブイリ――大惨事が人びとと環境におよぼした影響(調査報告 チェルノブイリ被害の全貌)

2011-09-14 | 放射能関連情報
 2007年にロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士、そしてベラルーシのベルラド研究所の初代所長であるワシーリイ・ネステレンコ教授と当時は研究所員で現所長であるアレクセイ・ネステレンコ氏が「チェルノブイリ――大惨事が人びとと環境におよぼした影響」という大変詳しいチェルノブイリ原発事故の報告書を発表しています。
 ロシア、ベラルーシ、ウクライナでの被害状況だけではなく、他のヨーロッパ諸国のデータもまとめられています。

 2009年にはこの報告書は英訳され「Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment」という題名でアメリカで出版されました。
 現在ボランティアの方々による日本語訳の作業が進んでいます。こちらのHPをご覧ください。

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト

http://chernobyl25.blogspot.com/p/blog-page_10.html


 このHP内で暫定訳ではありますが、内容の一部を読むことができます。
 こちらは前書きです。

http://chernobyl25.blogspot.com/2011/08/blog-post.html


 また「第13節チェルノブイリの放射性核種を除去する」がすでに日本語で読めます。執筆したのはワシーリイ・ネステレンコ教授とアレクセイ・ネステレンコ現ベルラド研究所長です。

http://chernobyl25.blogspot.com/2011/07/13.html


 ぜひお読みください。日本の皆様にも役立つ情報が書いてあります。
 完訳は岩波書店から発行予定だそうですが、待ち遠しいです。
 かなり内容がぎっしりつまった報告書なのですが、その中でもこの「第13節」から翻訳がされ、またネット上で読めるようにしてくださったこのプロジェクトの方々のお気持ちがよく分かります。
 

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 ここからは2013年6月の書き込みです。
 岩波書店から無事日本語訳が出版されました。「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌

 とても詳しい内容ですので、ぜひ読んでください!