ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第124回」

2011-09-27 |   ビタペクト配布活動
 9月26日にビタペクトTと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第124回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを5個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2とビタペクトTは合計1861個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1630部となりました。
  
 今回で通算134回目のビタペクトT(ビタペクト2)と「チェルノブイリ:放射能と栄養」の配布となりました。
 延べ人数ですが、1861人の子どもにビタペクトT(ビタペクト2)を、1630家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



 前回の配布活動では、ビタペクトTを渡すことができませんでしたが、ようやく今年収穫されたリンゴから製造されたビタペクトTが販売されました。諸事情により今回はベルラド研究所で購入後、ちょうど同じ日に測定に来ていた家族にすぐにその場で手渡しました。
 この画像はベルラド研究所内で撮影しました。右のほうに写っているPCは測定用のものです。

 今回は2家族がカリンコビッチ市(チェルノブイリ原発から約100キロ)からSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)

 お母さんが5人の子どもと滞在していました。この家族には2個のビタペクトTを渡しました。
 この家族は2005年と2006年にも保養滞在に来たことがあります。 
 2005年5月の滞在のときの様子はこちらチロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第31回」(家族A)をご覧ください

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no31.html


 2006年1月の滞在のときの様子はこちらチロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第41回」(家族B)をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2006/index.html


 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。
 
母親(事故発生時13歳)11ベクレル(2005年と2006年の滞在時にもビタペクト2を飲んでいません。)
次男(15歳)10ベクレル(2006年の滞在時には18ベクレルだったのでビタペクト2を渡しました。)
三男 (9歳)14ベクレル(2005年と2006年の滞在時にもビタペクト2を飲んでいません。)
四男 (6歳)20ベクレル ○ (2005年と2006年の滞在時にもビタペクト2を飲んでいません。)
長女 (4歳)22ベクレル ○ (今回が初測定。)
次女 (2歳)27ベクレル (今回が初測定。)

 5年前の滞在後、女の子が2人生まれています。双子の長男と次男は18歳になって、SOS子ども村の年齢制限を越えたので、今回は滞在していません。
 子どもたちの健康状態ですが、免疫力が低く、よく病気になる、ということでした。 
 以前はお父さんの健康状態があまりよくない、と言う話でしたが、療養所に滞在して治療を続けた結果、よくなったそうです。
 この家族は住居がとても不便な長屋で困っていましたが、その後申請したのが認められ、一軒家を建てることになりましたが、その建築費用は国から出してもらえたそうです。
 家族みんなで力を合わせて今マイホームをつくっているそうです。
  

(家族B)

 お母さんが5人の子どもと滞在していました。この家族には3個のビタペクトTを渡しました。
 2004年、2005年、2008年にも保養滞在に来たことがあります。ました。
 2004年7月の滞在の様子はこちらの過去ログ、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第20回」(家族A)をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2004/no20.html


 2005年1月の滞在の様子はこちらの過去ログ、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第28回」(家族A)をご覧ください

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no29.html


 2008年1月の滞在の様子はこちらの過去ログ、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第70回」(家族B)をご覧ください

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/06223f5508cb20f75d44be54a20b9023

 
 さらにこの家族は2004年1月に1回目の測定を巡回測定に来たベルラド研究所により地元の学校で受けています。
 母親の記憶によると、家族は全員、44~47ベクレルの間の数値が測定され、測定後3個のビタペクト2を6人の子どもたちが分け合って飲んだそうです。つまりこの家族は合計5回放射能値の測定をしたことになります。(2004年1月、2004年7月、2005年1月、2008年1月、2011年9月)
 2005年、2007年、2008年、そして2011年の体内放射能値の経緯は以下のとおりです。○印がついている子どもにビタペクトT(ビタペクト2)を渡しました。

母親(事故発生時15歳)25ベクレル ○ → 14ベクレル → 14ベクレル ○ → 10ベクレル
次女(15歳)28ベクレル ○ → 5ベクレル → 0ベクレル → 16ベクレル
三女(13歳) 33ベクレル ○ →(2005年はビタペクト2を飲んでいません。2008年は測定していません)→ 28ベクレル ○
四女(12歳)13ベクレル ○ → 5ベクレル → 45ベクレル ○ → 21ベクレル ○
五女 (9歳)42ベクレル → 19ベクレル ○ → 32ベクレル ○ →0ベクレル
六女 (4歳)0ベクレル(2008年に初測定) → 19ベクレル ○

 以前ビタペクト2を飲んだことのある子どもたちは
「おいしくない。」
と言っていましたが、すでにビタペクトTに進化して飲みやすくなったことを話すと、「ん? だったら飲んでみようかな?」という表情になっていました。
 私の意見ですが、ある程度大きくなった子ども(錠剤の薬をかまずにごくんと飲める子ども)だったらタブレットタイプのビタペクトTのほうが絶対飲みやすいと思います。

 子どもたちは深刻ではないもののそれぞれ健康状態に問題があり、お母さんは
「よく風邪をひく。」
と話していました。

 さて、今回はベルラド研究所で買ったビタペクトTを測定終了した子どもにその場で渡しました。時間がなくてプレゼントを渡せませんでしたが、来週改めてSOS子ども村へ日本のプレゼントを持って行く予定です。
 そのときにはまた改めてご報告いたします。もうしばらくお待ちください。 

 今回子どもたちに渡したビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。