ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

カルシウムを摂りましょう

2011-05-01 | 放射能関連情報
 すでに放射能性物質であるヨウ素やセシウムが検出され、「微量」とか「基準値を上回る」とか細かく報道されています。
 それはいいことです。しかしちょっと気になることがあります。それは同じく放射性物質のストロンチウムのことです。
 原発事故が起き、放射能が漏れるとまずヨウ素が見つかり、次にセシウム、その次はストロンチウムの順番で見つかる場合が多いです。
 こうして考えるともうすぐストロンチウムの順番がやってきそうです。
 ストロンチウムが体内に入ってしまうと、骨に蓄積されます。一度骨にたまると排出するのはとても難しいです。
 現代の科学では骨に蓄積したストロンチウムを分離して体外に排出させることは、不可能だと思っておいたほうがいいです。
(鼻など軟骨部分にたまったストロンチウムは、排出されることもあります。)

 こうならないように、今のうちにカルシウムを摂ってください。カルシウム不足ですかすかになっている骨の隙間にストロンチウムがどんどん入ってきます。
 まだ間に合う今、カルシウムを摂ってください!
 と思ったら、このようなニュースが・・・

5月1日付 朝日新聞
  牧草の禁止地域設定へ 農水省、16都県に調査依頼

牛の放牧や、牧草を牛に与えることを禁止する地域を近く設定する方針を、農林水産省が決めた。放射能で汚染された牧草を食べた牛の原乳や肉から基準以上の放射性物質が検出されることを防ぐための措置。すでに福島県や千葉県の一部では、牧草から放牧禁止の基準を大幅に超える放射性物質が検出されている。

 農水省によると、汚染された牧草を食べた場合、乳牛は放射性ヨウ素がすぐに原乳に混じる。放射性ヨウ素は半減期が短いため肉牛は成長の過程で薄まるが、半減期が30年と長い放射性セシウムは筋肉などに残ることがわかっている。

 このため農水省は4月中旬、牧草1キログラムあたりの基準を、乳牛の場合で放射性ヨウ素は70ベクレル、放射性セシウムは300ベクレルと設定。肉牛は放射性セシウムだけ300ベクレルとした。基準は、牧草の放射性物質が原乳や牛肉に移る割合を調べた国際原子力機関(IAEA)のデータを参照した。牧草を食べる家畜のなかでも、価値が高く広く飼育されている牛を優先して基準をつくった。野菜は洗った状態で検査するが、牧草は洗わずに牛に与えるため、基準が厳しくなった。

 農水省は、大気中のモニタリング検査結果から、汚染が懸念されるとして東北や関東甲信などの16都県に調査を依頼した。検査は5月半ばごろまでに順次終わる見込みだ。このうち福島県は30日に結果を発表。県内7カ所すべてで基準を超え、特に相馬市では放射性セシウムが約30倍だった。28日に発表した千葉県では、県中部の市原市で放射性ヨウ素も放射性セシウムも基準の3倍を超えた。

 牧草の放射能汚染の程度は牧草の形状や成長した時期にも左右されるが、市原市は福島第一原発から200キロ以上離れており、農水省は牧草の禁止地域は広がる恐れがあると見ている。

 肉牛、乳牛ともに、放牧と牛舎内での飼育方法があるが、基準を超えた場合、各都県が農水省の方針に基づき、畜産農家に放牧や牧草を牛に与えることをやめるよう指示する。罰則はない。福島県で原乳から基準を超える放射性物質が出た3月中旬以降、福島、茨城、千葉の各県などは既に放牧を自粛して牛舎内で管理しているが、対象地域に入ると、輸入牧草や原発事故前に収穫して室内などで管理していた牧草を使うことを強いられる。

 牧草は主に3月半ばの水素爆発の際に汚染されたとみられる。農水省は「牧草は5月中旬以降に収穫期を迎える種類がある。いったん刈り取った後に生えた牧草は汚染の程度が低いとみられるので利用できる可能性が高い。しかし、汚染状況によっては牧草の緊急輸入が必要になる可能性がある」と言う。農水省は牧草の購入費などは補償対象になるとみている。

 同省は牧草の制限で原乳や牛肉の安全性を守るとともに、原乳や牛肉のモニタリング調査も継続する。牛肉で放射性セシウムの基準(1キログラムあたり500ベクレル)を超えた結果はこれまで出ていない。福島県の28日の発表では、最も高い数値で葛尾村の牛肉が108ベクレルだった。(大谷聡)


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 ついこの間、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第116回」で
「ピンスクの牛乳は1リットル100ベクレルを越えている。危ない危ない。」
といったことを書いたばかりで、こういう日本発のニュースを見るとがっくりきます。
 しかもそのピンスクに住んでいる家族の中に2人も身体障害者の子どもが生まれているのです。どちらも骨の異常があります。

 しかし、皆さん「危ないから。」と牛乳を飲むのをやめると、カルシウム不足になり、そのぶんストロンチウムが体内に入りやすくなります。
 このブログでも公開していますが、水分の少ない乳製品には放射能が少ないのですから、風評に惑わされることなく、今のうちに乳製品を摂りましょう!
 安全な小魚を食べましょう! 
「小魚が全部危ない。」
という考え方は間違いです。
「牛乳が全部危ない。」
というのも間違いです。もちろん
「だから牛乳は飲むのをやめておこう。」
とするのはかえって、ストロンチウムが入ってくることになり、放射能対策になりません。

 どうしても気になる、という人はサプリメントのカルシウム剤を飲んでください。
 早めにしかし一気に大量摂取せず、日々の食事にカルシウム分を増やしてください。
 今からストロンチウム対策をすることを強くお勧めします。
 特に骨が伸びる成長期のお子さんにお願いします。
 

出張講演「ミンスク市第134番学校」 第2回

2011-05-01 | 日本文化情報センター
 4月22日にミンスクにある第134番学校にて出張講演を行いました。
 この学校には2010年2月にも講演を行いました。(詳しくはこちらです。)
出張講演「ミンスク市第134番学校」 その1

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/62239aa77cfb3ed6f5728787dc2b74a4


 この学校は音楽教育に力を入れている公立の学校です。ここで「芭蕉の詩」「茶の葉」などを作曲したアンナ・コロトキナさんの息子のイワンさんが、ピアノの先生をしているご縁で講演をする運びとなりました。
 当日は講堂に約300人の生徒さんや先生方が集まりました。

 本当はもっと早くに行く予定だったのですが、日本の震災のせいで、延期になり、その後ミンスクの地下鉄爆破事故のせいでまた延期となり、ようやく開催されました。
 生徒さんの中には去年の講演に参加して
「いつ(日本人)は来るの?」
と待っていた人も多かったそうです。お待たせしました・・・という感じで始まったのですが、今回は私も準備にあまり時間が割けず(なんせ、前日はチェルノブイリ25周年シンポジウムの本番で、それまでその準備のほうに追われていた・・・。)あまりいい内容の講演ができないのではないかと心配していました。

 しかし、美しい日本の風景ポスター(何といっても今は桜の花盛りの写真)を見せたら、歓声が上がりました。
 日本地図も持っていったのですが、時期が時期なので、地震や津波の話もしました。ツナミという言葉が日本語だったということを初めて知った生徒さんもいました。
 それからこどもの日が近かったので、小さいのですがこいのぼりも持参しました。男の子向けの話が多くなってしまったのですが、和凧も持って行きました。ベラルーシにも凧があるのですが、だいぶ形やデザインが違うんです。

 その後、日本の和食を紹介するDVDを大きいスクリーンに投影して見ました。
 和菓子の美しさと季節感を大事にするところにみんな驚いていました。
 築地市場の競りの声には、笑っていました。(^^;)

 それからこの学校の生徒さんのうちイワンさんの教え子7人が、壇上に上がり、ピアノ演奏をしました。しかも作曲家が日本人の作曲家の作品があって驚きました。
 ピアノの先生たちが一生懸命探してきたとのことです。
 それでおもしろかったのは、和食紹介DVDの中にお寿司の紹介をする作品が収録されており、ネタの名前のところをクリックすると、映像のなかで寿司職人がそのネタを使ったお寿司を作っていく様子が流れます。
 それでイワン先生が生徒が1曲演奏を始めると、1つのネタをクリックして映像を流したのです。すると演奏が終わると同時にお寿司一貫できあがり! に偶然になったりして、会場の人たちに大受けしました。
 私もベラルーシの小学生が奏でる美しいピアノ演奏に合わせて、お寿司がどんどん握られていくようすを見て、ものすごく不思議な感じがしてきました。
 日常を離れて不思議な空間に放り込まれたような・・・
 (これも前衛芸術の一つか?!)
 
 学校からは花束をいただきました。菊とバラの花を眺めていて、とても心が癒されました。最近心が痛むことばかりだったので・・・
 この学校に講演会をして本当によかったと思いました。先生も生徒さんも日本に関心を持っていてくれてありがたいことです。