ついに日本の新聞でも報道されてしまいましたね・・・。
今は日本のほうがよっぽど大変な時期なので、このブログでは全く触れていませんでした。
実はベラルーシ経済が混乱している状態がずっと続いているのです。
ただ大統領は別に窮地には陥っていないと思います。この記事のタイトル、大げさです。でも実際、ベラルーシの経済状態はおおげさではないです。
「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機(産経新聞) - goo ニュース
「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機
2011年5月31日(火)08:00
■露、統合路線を加速
【モスクワ=遠藤良介】ロシアの隣国、ベラルーシが深刻な経済危機に瀕(ひん)し、「欧州最後の独裁者」と称されてきたルカシェンコ大統領がいよいよ窮地に陥っている。旧ソ連型の経済運営を続けてきた同国だが、ここにきてロシア産石油・天然ガスの価格引き上げとバラマキ財政に耐えられず、外貨が底をついた状況だ。ロシアはベラルーシに国家資産の売却を迫り、同国の吸収・統合路線を加速させる思惑だ。
◆外貨準備急減
ベラルーシは24日、自国通貨(ベラルーシ・ルーブル)を米ドル、ユーロ、ロシア・ルーブルの3外貨に対して54%切り下げる措置をとり、公定レートを1ドル=4930ベラルーシルーブルに設定。これに先立ち、ロシアを中心とするユーラシア経済共同体から3年間で30億ドル(約2460億円)の融資を得ることで基本合意した。
ただ、今年の貿易赤字が120億ドルにのぼるとみられていた状況で外貨準備は30億ドル以下まで急減しており、通貨切り下げなどは弥縫(びほう)策にもならないと受け止められている。各地の両替所では外貨を求める人々の長蛇の列ができ、物価高騰を恐れる庶民は商品買い占めに走っている状況だ。
◆バラマキ財政
ベラルーシはソ連崩壊後も経済改革を先送りしてきたことで知られ、安価なロシア産原油の精製と欧州諸国への転売で利益を得てきた。ロシアが近年、ルカシェンコ政権との複雑な関係も背景に石油・天然ガス価格の引き上げに動いたことが経済危機の第1要因だ。
ロシアが昨年、ベラルーシ向け石油に関税を導入したのを受けてベラルーシの石油製品輸出量は前年から27%減少。逆にロシアからの天然ガス輸入額は前年比で55%も増えた。
第2の要因は、2008年の世界金融危機以降、政権が財政出動で国内消費を刺激し続けたことだ。特に昨年12月には大統領選が行われたために政権のバラマキが度を強め、消費と貿易赤字の急拡大を招いた。
過去のルカシェンコ氏はロシアと欧州連合(EU)の間で風見鶏のごとく振る舞い、双方からの融資を得て経済的苦境をしのいだ。
ただ、EUは昨年12月の大統領選での反政権派弾圧を非難し、ベラルーシ高官の入域禁止など制裁を強めている。国際通貨基金(IMF)からも融資を受けながら構造改革の約束をほごにしてきた経緯があり、頼みの綱はロシアしかない。
◆「見返り」戦略
一方、ロシアはベラルーシとの「連合国家」や「関税同盟」を形成しながら、ルカシェンコ氏の抵抗で国家統合の動きが停滞していたことに不満を抱く。
このため、経済支援には国営企業の売却など「見返り」を求め、これを機にベラルーシの石油精製企業やパイプライン網、通信インフラを握る戦略だ。露ルーブル通貨の導入を迫るべきだとの意見も出ている。
ベラルーシでは通貨切り下げによるインフレ圧力が高まっている上、危機脱却には痛みを伴う急進的改革が必要とみられている。「安定」を喧伝(けんでん)してきたルカシェンコ大統領への反発も予想され、独裁政権は土壇場に立たされている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベラルーシルーブルがどれぐらい暴落したのかというと、今年3月に1ドル3000ルーブルだったのが、5月31日の今日は5000ルーブル。
闇両替では1ドル7000ルーブルで取引されているそうです。
最近大統領が、今回の大暴落とは関係なく、前から予定されていた大統領同士の会談のためにカザフスタンへ行ったら、
「亡命か?」
という噂が流れました。(大統領は帰国した後それを聞いて怒っていた。)
現在のミンスク市内の状況です。物によりますが、値段の高いもの(家具や電気製品)を売っている店は商品がほとんどない常態か、そうでなければ、急激に値上がりした値札が上から貼られている状態。
食料品は日持ちのするもの(油、砂糖、酢、塩など)が商品の棚から消えました。さらに輸入商品がどんどん少なくなってきています。ベラルーシは一部の農作物は自前で充分まかなっていますが、それ以外の野菜や果物のほとんどが輸入です。
ある日突然、
「明日から国中の砂糖、40%値上げします。」
とニュースで流れる。あわてて店に行ったらもう砂糖がない。こんな感じでした。
全体的に言うと全ての商品の値段が10%から200%値上がりしました。
もっと値上がりするのでは、と思っているからみんな買いだめに走り回っています。
大統領の命令により、国内産の商品をどんどん小売店に運ばせたため、今は商品棚は潤っています。しかしよく見ると、例えば砂糖なら砂糖で1種類の商品しかない状態。つまり、砂糖はたくさん売られていますが、全て同じパッケージのものがずらーっと並んでいる状態です。
生理用品や石鹸の類も、店の棚がすかすかです。あるいは1種類の商品だけが、店の棚にずらーっと並んでいます。選択の幅がないんです。
銀行の両替は外貨を求めて列ができていますが、ベラルーシ銀行が手持ちの外貨をいっさい出さないことにしたので、他の銀行もそれにならい、とにかく一般人は価値の下がったベラルーシルーブルをまだましなうちに外貨に両替しようとしていますが、銀行の両替所に外貨が全くありません。
誰かが外貨をルーブルに両替しようと窓口にやってきたら、列に並んで待っていた人が色めき立つ状態です。何時間も立ちっ放しで両替所に張り付いている人もいます。
治安は悪くなってはいませんが、経済状態は大混乱中です。
しかもいつこれが終わるのか、見通しが立っていません。
隣のロシアからも見放されている状態。
国中の企業を全てロシアなど外国企業に売却するほうがまだ助かるのでは、という極端な意見まで国民の間から出る始末。(私は反対です!)
この間ふと自分の月給を計算したら、4割がた目減りしていました。
月給20万円だったのが、突然12万円になってしまった感覚だと日本人の皆様には想像していただければ・・・。
どっちかと言うと精神的に苦しいです。
日本もベラルーシも早く事態の収束を!!!
今は日本のほうがよっぽど大変な時期なので、このブログでは全く触れていませんでした。
実はベラルーシ経済が混乱している状態がずっと続いているのです。
ただ大統領は別に窮地には陥っていないと思います。この記事のタイトル、大げさです。でも実際、ベラルーシの経済状態はおおげさではないです。
「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機(産経新聞) - goo ニュース
「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機
2011年5月31日(火)08:00
■露、統合路線を加速
【モスクワ=遠藤良介】ロシアの隣国、ベラルーシが深刻な経済危機に瀕(ひん)し、「欧州最後の独裁者」と称されてきたルカシェンコ大統領がいよいよ窮地に陥っている。旧ソ連型の経済運営を続けてきた同国だが、ここにきてロシア産石油・天然ガスの価格引き上げとバラマキ財政に耐えられず、外貨が底をついた状況だ。ロシアはベラルーシに国家資産の売却を迫り、同国の吸収・統合路線を加速させる思惑だ。
◆外貨準備急減
ベラルーシは24日、自国通貨(ベラルーシ・ルーブル)を米ドル、ユーロ、ロシア・ルーブルの3外貨に対して54%切り下げる措置をとり、公定レートを1ドル=4930ベラルーシルーブルに設定。これに先立ち、ロシアを中心とするユーラシア経済共同体から3年間で30億ドル(約2460億円)の融資を得ることで基本合意した。
ただ、今年の貿易赤字が120億ドルにのぼるとみられていた状況で外貨準備は30億ドル以下まで急減しており、通貨切り下げなどは弥縫(びほう)策にもならないと受け止められている。各地の両替所では外貨を求める人々の長蛇の列ができ、物価高騰を恐れる庶民は商品買い占めに走っている状況だ。
◆バラマキ財政
ベラルーシはソ連崩壊後も経済改革を先送りしてきたことで知られ、安価なロシア産原油の精製と欧州諸国への転売で利益を得てきた。ロシアが近年、ルカシェンコ政権との複雑な関係も背景に石油・天然ガス価格の引き上げに動いたことが経済危機の第1要因だ。
ロシアが昨年、ベラルーシ向け石油に関税を導入したのを受けてベラルーシの石油製品輸出量は前年から27%減少。逆にロシアからの天然ガス輸入額は前年比で55%も増えた。
第2の要因は、2008年の世界金融危機以降、政権が財政出動で国内消費を刺激し続けたことだ。特に昨年12月には大統領選が行われたために政権のバラマキが度を強め、消費と貿易赤字の急拡大を招いた。
過去のルカシェンコ氏はロシアと欧州連合(EU)の間で風見鶏のごとく振る舞い、双方からの融資を得て経済的苦境をしのいだ。
ただ、EUは昨年12月の大統領選での反政権派弾圧を非難し、ベラルーシ高官の入域禁止など制裁を強めている。国際通貨基金(IMF)からも融資を受けながら構造改革の約束をほごにしてきた経緯があり、頼みの綱はロシアしかない。
◆「見返り」戦略
一方、ロシアはベラルーシとの「連合国家」や「関税同盟」を形成しながら、ルカシェンコ氏の抵抗で国家統合の動きが停滞していたことに不満を抱く。
このため、経済支援には国営企業の売却など「見返り」を求め、これを機にベラルーシの石油精製企業やパイプライン網、通信インフラを握る戦略だ。露ルーブル通貨の導入を迫るべきだとの意見も出ている。
ベラルーシでは通貨切り下げによるインフレ圧力が高まっている上、危機脱却には痛みを伴う急進的改革が必要とみられている。「安定」を喧伝(けんでん)してきたルカシェンコ大統領への反発も予想され、独裁政権は土壇場に立たされている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベラルーシルーブルがどれぐらい暴落したのかというと、今年3月に1ドル3000ルーブルだったのが、5月31日の今日は5000ルーブル。
闇両替では1ドル7000ルーブルで取引されているそうです。
最近大統領が、今回の大暴落とは関係なく、前から予定されていた大統領同士の会談のためにカザフスタンへ行ったら、
「亡命か?」
という噂が流れました。(大統領は帰国した後それを聞いて怒っていた。)
現在のミンスク市内の状況です。物によりますが、値段の高いもの(家具や電気製品)を売っている店は商品がほとんどない常態か、そうでなければ、急激に値上がりした値札が上から貼られている状態。
食料品は日持ちのするもの(油、砂糖、酢、塩など)が商品の棚から消えました。さらに輸入商品がどんどん少なくなってきています。ベラルーシは一部の農作物は自前で充分まかなっていますが、それ以外の野菜や果物のほとんどが輸入です。
ある日突然、
「明日から国中の砂糖、40%値上げします。」
とニュースで流れる。あわてて店に行ったらもう砂糖がない。こんな感じでした。
全体的に言うと全ての商品の値段が10%から200%値上がりしました。
もっと値上がりするのでは、と思っているからみんな買いだめに走り回っています。
大統領の命令により、国内産の商品をどんどん小売店に運ばせたため、今は商品棚は潤っています。しかしよく見ると、例えば砂糖なら砂糖で1種類の商品しかない状態。つまり、砂糖はたくさん売られていますが、全て同じパッケージのものがずらーっと並んでいる状態です。
生理用品や石鹸の類も、店の棚がすかすかです。あるいは1種類の商品だけが、店の棚にずらーっと並んでいます。選択の幅がないんです。
銀行の両替は外貨を求めて列ができていますが、ベラルーシ銀行が手持ちの外貨をいっさい出さないことにしたので、他の銀行もそれにならい、とにかく一般人は価値の下がったベラルーシルーブルをまだましなうちに外貨に両替しようとしていますが、銀行の両替所に外貨が全くありません。
誰かが外貨をルーブルに両替しようと窓口にやってきたら、列に並んで待っていた人が色めき立つ状態です。何時間も立ちっ放しで両替所に張り付いている人もいます。
治安は悪くなってはいませんが、経済状態は大混乱中です。
しかもいつこれが終わるのか、見通しが立っていません。
隣のロシアからも見放されている状態。
国中の企業を全てロシアなど外国企業に売却するほうがまだ助かるのでは、という極端な意見まで国民の間から出る始末。(私は反対です!)
この間ふと自分の月給を計算したら、4割がた目減りしていました。
月給20万円だったのが、突然12万円になってしまった感覚だと日本人の皆様には想像していただければ・・・。
どっちかと言うと精神的に苦しいです。
日本もベラルーシも早く事態の収束を!!!