電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

DellのネットブックInspironMini10vが届いたのだけれど

2009年09月16日 05時20分40秒 | コンピュータ
過日、発注していた Dell のネットブック Inspiron Mini 10v (Dell版 Ubuntu Linux 8.04LTS) が届きました。思ったよりもずっとコンパクトで、赤色も鮮やかで、たいへん気に入りました。



初期設定もスムーズに終了、ネットワークに接続し、Web 閲覧もできるぞ!と喜んだのはいいのですが、検索ボックスに「電網郊外散歩道」と入力しようと思って「半角/全角」キーを押したら、「English/European」と出てきます。はて、いつも使っている hp のデスクトップでは、「Anthy あ 連」と出るはずだが・・・と不審に思いつつ入力してみると、かな漢字変換がききません。
システムの設定でキーボードの設定を見直しても、ちゃんと「日本語106キーボード」になっています。
Anthy のセットアップ・ユーティリティも、ふだん使っているものは、ちゃんと日本語表示されますが、Mini10v のものは English only です。はは~ん、さては、日本語の言語パッケージが入っていないな、と見当を付け、Synaptic パッケージ・マネージャを呼び出してみました。案の定、English はあるが、Japanese は入っていません。さっそく日本語パッケージを導入してみましたが、error と返されます。これはおかしいぞ、と思って、DEll のサポートに電話してみたら、平日の 9:00~12:00、13:00~17:30 に電話せよ、とのこと。おいおい(^o^)/
困ったときの Google 君に聞いてみました。

Dell 10v 日本語 English European

そうしたら、「価格.com」のサイトに、「日本語入力ができません」という、そのものズバリの質問(*)がありました(^o^)/
内容は、

結局、DELLのサポートに連絡して不具合を伝えたところ
似たような症状は、他に2例報告されているとのこと。

出荷時にOSがきちんとインストールされていなかったのが原因で、
自分でドライブを用意して、付属CDで再インストールする、
もしくは、
一旦DELLに送り返し、再度インストールしてもらうの2択となり、
ドライブを用意して自分で再インストールしたところ、
無事、トラブル解決しました。

要するに、Ubuntu の問題ではなく、Dell の OS インストール不備とのこと。この質問は9月2日ですので、おそらく私のものも同じ生産ロットなのでしょう。海外生産のため、現地担当者によっては、日本語ローカライズのステップが必要だという認識も充分でないのかも。むしろ、品質をうたう国内メーカーこそ、出番のように思うのですが。

さて、単体の DVD ドライブなんて持っていないしなぁ。やっぱり Dell に送り返すしかないのか?

(*):「日本語入力の切り替えが方法が」~「価格.com」に寄せられたQ&A

【追記】
なんとか解決しました。
(*2):ネットブック用の外付けDVDドライブを発注後、問題は解決~「電網郊外散歩道」2009年9月
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ドヴォルザーク「バラード ニ短調 Op.15」を聴く

2009年09月15日 06時16分09秒 | -室内楽
先日、職場の人間ドックで入院した折に、ドヴォルザークの「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」を持参しました。ヨセフ・スーク(Vn)とアルフレート・ホレチェク(Pf)による2枚組のCD(DENON COCO-70545~6)です。
これに収録された作品については、すでにこれまで何度か触れており、とくに「4つのロマンティックな小品Op.75」(*)は、あらためて素敵だな~と思いながら聴きましたが、今日は「バラード ニ短調 Op.15」のほうを取り上げます。

添付のリーフレットによれば、この小品は、どうやら音楽雑誌の付録にという依頼を受けて1884年の秋(9月から10月)に作曲されたものだそうで、おそらくヴァイオリンとピアノの二重奏の楽譜が、クリスマスのプレゼントとして企画されたのでしょう。
しかし、ドヴォルザークの新作が付録に付いてくる音楽雑誌と言うのは、何という出版社の、何という雑誌だったのでしょう。

やや悲しげな、ゆっくりとした始まりです。ヴァイオリンがゆっくりと物語るように歌っているように、ピアノもそれほど高度な技巧的なものは要求されませんが、三部形式の中間部では、情熱が高まりを見せ、終わりに主部が再現されます。

季節の変わり目に、ちょいと憂鬱な気分もたたえつつ、小品ながらロマンティックな音楽を堪能いたしました。

(*):大好きな「4つのロマンティックな小品」について~「電網郊外散歩道」より
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畑で働いた後の音楽は格別~その後はテレビの時間

2009年09月14日 05時32分28秒 | 週末農業・定年農業
日曜日、早朝から草刈りに出て、朝食後に一服、再び畑に出て、サクランボの病虫害で弱った枝を伐採し、畑の一ヶ所に集め、焼却処分しました。枝というよりも幹を、チェーンソーでばっさりと切り落とし、山のように積み上げたものですから、焼却にもだいぶ時間がかかり、夕方になってしまいました。

畑から帰って夕食を済ませ、アンプの音量を上げて、ベートーヴェンのピアノソナタ第5番を聴いております。ブルーノ・レオナルド・ゲルバーのピアノ。いい音楽ですね~。一日の畑仕事を終えた満足感もあり、ベートーヴェンの音楽がストレートに受け止めることができます。

さて、その後は、一週間ぶりのテレビの時間。「天地人」とN響アワーです。「天地人」については、あまりコメントしていませんが、可能な限り見ています。原作も、どちらかといえば娯楽時代小説でしたが、テレビ化にあたっての脚本も相当に娯楽路線で、まあ、まじめに考えると呆れてしまうところがときどきありますが、あまり深く考えないことにして楽しんでおります。なんといっても、米沢市にある林泉寺の直江兼続とその妻お船の墓とが、ほとんど同じ大きさで同じ形で、銃眼を道路に向けた形で二つ並んで立っている(*)のを見ると、ちょいと感動しますしね~。描き方の当否はどうあれ、実在の人物であるという感慨があります。

(*):米沢市で、上杉と直江の史跡を歩く~「電網郊外散歩道」より
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ほろ苦さは大人の味~山形の「あけび料理」

2009年09月13日 05時24分35秒 | 料理住居衣服
某テレビ番組で、生垣を食べると驚かれた山形(*1)のもう一つの味、「あけび料理」とは、こんなふうなものです。



ふつう、あけびは実のところを食べ、皮は捨てるものだと相場が決まっているのだそうですが、当地山形ではまるで逆。あけびの皮のほうを使うのです。ごらんのとおり、中にひき肉やシイタケなどを詰めてあり(*2)、食べると独特のほろ苦さがあります。
子供の頃は、この苦さがあまり得手でなく、どちらかといえば敬遠したい食べ物でした。ところが、30代あたりから、このほろ苦さが好ましく感じられるようになりました。ちょうど、ゴーヤがそのほろ苦さで人気を博しているのと同様に、味覚が敏感な若者には苦すぎて、大人になって初めて楽しめる美味しさなのでしょう。



亡父がこの「あけび料理」が大好物でしたので、命日に仏壇に供えるとともに、家族も精進料理のかわりにいただきました。
ひき肉が入って精進料理のかわりにはならないという見方もありましょうが、なに、亡父はそんな狭い了見の持ち主ではありません。「ワシの命日に大好物を備えてくれるのなら歓迎だわ」と言うでしょう。原爆症に耐えながら最後まで合理的に物事を考え、その父(祖父)と同様に、頑迷な因習を嫌った人でしたので、仏前に供えられる地元の伝統料理を忌避するはずがないと信じております(^o^)/

(*1):山形では生垣を食べるという、その真相~「電網郊外散歩道」より
(*2):作り方レシピは~「あけびの詰め物 山形の郷土料理」
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プロフェッショナル・デザインのWEBページはなぜ読みにくいのか

2009年09月12日 05時24分36秒 | コンピュータ
様々なウェブサイトを閲覧していて、感じることがあります。それは、やっぱりプロが作ったものだなあと感心させられるサイトがある、ということです。パッと見たときに、そのセンスの違いが、はっきりわかります。

ところが、ではプロフェッショナル・デザインのウェブページが読みやすいかというと、必ずしもそうとばかりは限りません。色使いや空間を感じさせる余白のとり方など、見事だとは思いつつ、読みやすいとは言えないサイトに共通している傾向があります。それは、全般に文字が小さめだということ。当方のような中年老眼世代には、文字が小さいということは致命的です。

もちろん、ブラウザで使用するフォントの設定やズーム率の変更などで対応が可能なことは十分に承知しておりますが、よほど重要な内容でない限り、いちいちそんなことはしていられません。

プロフェッショナル・デザインのウェブサイトの文字が小さめになるのはなぜだろう?と考えて、ふと思い当たることがありました。多分、デザイナーたちの使っているディスプレイが、大画面の立派なものなのでしょう。そこで普通に見えるフォントを使っているため、家庭用の標準的なディスプレイやノートパソコンでは、相対的に小さくなってしまうのではないか。素人の作るブログやウェブページは、ごく普通のノートパソコンや家庭用のディスプレイで作成されるため、あまり文字の大きさの問題は顕著になりにくいのではないか。そんなふうに思います。
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本に書き込みをするとき

2009年09月11日 05時25分41秒 | 手帳文具書斎
学生時代から、よく本に書き込みをしました。鉛筆やボールペンで一言書き込むと、後々まで消えません。後で読み返すと、ちょいと恥ずかしいようなものもあったりしますが、それも紛れもない自分の足跡。やむを得ません。
近頃では、遠慮なく書き込むようにしています。だいたい、書き込みが多い本は面白かったという感想を持つものが多いものです。すうーっと読んでしまう本は、すうーっと忘れます。ここはこんなことかと要約を書き込みつつ、うんうん言いながら読んだ本ほど、印象は鮮明です。ブログの記事ネタにする場合は、付箋を貼っておきます。
そんなわけで、当方が読み終えた本は、残念ながら古書店に売ることはできないものが多く、子供たちが私の蔵書を手にするときは、オヤジはこんな阿呆なことを書いているとあきれるかもしれません。それはそれで、仕方がないことでしょう。主観を避け、せいぜい内容の要約を中心にするよう、心がけてはいますが。
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某表彰候補として推薦を受けることに

2009年09月10日 05時34分37秒 | Weblog
過日、見知らぬ人から電話がありました。仕事の関係で長く力を注いだ分野で、東北地区の表彰推薦候補となっているとのこと。いろいろと中身を聞いてみると、どうやら眉唾な話ではなく本当のことらしい。表彰推薦の書類に記入するとともに、業績についての資料を送付するように、とのことでした。おやおや、それは大変です。今までの仕事上での資料などを探しだし、整理する必要がありますが、自分の半生を振り返る良い機会かもしれません。年功序列で受ける儀礼的な表彰ではなくて、本当にいちばん力を注いだ分野だけに、実際には選外となったとしても、候補としていただくだけでありがたく嬉しいものです。ちょいとニコニコな気分です。



写真は、裏の畑のナスの花。この花から、あのずんぐりしたナスができるのかと思うと、ちょいとユーモラス。ナスはおいしいので大好きです。
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中央公論社『世界の歴史(25)アジアと欧米世界』を読む

2009年09月09日 05時47分27秒 | -ノンフィクション
中央公論社の『世界の歴史』シリーズ第25巻、『アジアと欧米世界』を読みました。久しぶりに手応えのある読書を楽しんだ感じです。著者は、加藤祐三・川北稔のお二人。理系の歴史知らずである当方には、恥ずかしながらどちらも存じ上げない方々ではありますが、大変に興味深い内容で、縦横に語られる歴史の面白さを堪能いたしました。

本書の裏見返しの購入メモを見ますと、1999年の夏に購入しており、たしか某新聞の書評欄に、砂糖入り紅茶によるイギリス式朝食の伝統が、実はどのように成立したかという経緯が興味深い、というような趣旨で紹介されていたのがきっかけだったように記憶しています。積ん読10年(^o^;)、ようやく読み終えた本書は、広がりのある視野と近代から現代に至る歴史の見方を提供するものでした。

本書の構成は、次のようになっています。

1. 大洋の時代 ~マラッカから/海洋と人類のかかわり/本巻の対象と見方
2. 衣食住の国際政治 ~ひろがる海洋アジア公益圏/大地の変動-農業生産の拡大/都市化と生活革命/銀と鉄砲
3. ひとつの世界へ ~「世界はひとつ」/「アダムとイヴの遺産」をめぐって/スペイン帝国の成立と世界システムの確立/「アダムとイヴの遺産」の再分配を求めて
4. ヨーロッパの生活革命 ~「十七世紀の危機」/ヘゲモニー国家オランダの繁栄/オランダのヘゲモニーの衰退/アジアとの貿易/世界システムの中のオランダ/イギリスの商業革命と生活革命
5. ヨーロッパの工業化とプランテーション開発 ~環太西洋革命/大西洋奴隷貿易/プラッシーの戦いのあとさき
7. 戦争と植民地支配 ~アジアの四大帝国/19世紀アジア貿易/アヘン戦争の遠因/アヘン戦争と東アジア
8. 日本開国とアジア太平洋 ~幕藩体制と鎖国/ペリー来航と日本開国/日清戦争とアジア太平洋
9. 二十世紀の新展開 ~帝国主義の時代/世界の再分割/世界システムのゆくえ

本書で、驚いたこと、初耳だったこと、気がついたことなどを列記します。
(1) 世界史上、都市化の進行はアジアが先行した。八世紀には、唐の長安、アッバース朝ペルシャのバグダードが百万都市として栄えた。18世紀には、江戸、北京、ロンドンが三大都市であった。
(2) 唐辛子は南米原産であり、大航海時代の産物。だから、キムチも16世紀以降のもの。醤油が江戸中期以降のものであるのと同様に、伝統とは意外に歴史が古くないものだ。
(3) 中南米産の銀が開放体制のアジアに流通することで、東アジアの貿易制限と鎖国などの閉鎖体制を生み出した。海外貿易を目指した家康と、鎖国政策へ転換した家光。その違いはどこから?
(4) 戦国時代の日本は、世界一の鉄砲生産国・使用国だった。その後、鉄砲を「捨てた」ように見えるのはなぜ?
(5) 中国の政治原理は「戦」と「撫」であり、交渉というものはない。アヘン戦争とその結末の悲劇性に対し、幕府の対米交渉の経緯は対照的。
(6) 鎖国当時、オランダが覇権国家であった。欧米の代表国(オランダ)と東アジアの代表国(中国)、そして隣国朝鮮と琉球という四つの窓を開き、情報収集のシステムを作り、それがかなり機能していた。
(7) 17世紀にはヨーロッパへの銀の流入が減少し、通貨危機が到来したことに加え、人口の停滞が起こっていた。オランダは世界の海洋覇権国家であったために、この危機を免れることができたが、移民を送りこむほどの人口がなく、またコショウと香料に依存しすぎ、茶や木綿といった産品の転換に対応できず、イギリスの台頭を許した。
(8) 大西洋奴隷貿易の廃止を求めた英マンチェスター派の主張は、労働コストを下げようとする「安上がりの食事」を求めた、西インド諸島派への攻撃であった。
(9) ペリーの強腰の背景には、補給路がないという弱点を見せまいとする思惑があった。日米和親条約については、幕府の対米交渉はかなり成功していたと見ることができる。

本書の前半でとくに印象的なのは、砂糖入り紅茶とパンという英国式朝食に関する記述です。囲い込みの結果、共有地から自由に薪を採取することもできず、都市に集中した労働者には広い台所は願うべくもない。長時間労働に向かうには、すぐにカロリーを摂取できる、熱い砂糖入り紅茶とパンという朝食が必須の条件でした。東アジアから来る紅茶と、西インド諸島の奴隷労働に依存する砂糖とが、このイギリス式朝食を支えていた、というわけです。
朝食に何を食べるかという変化は、政権の交代等の政治上の出来事より大きな影響、根本的な変化に関わっている、という指摘には、目から鱗が落ちる思いです。
本書の後半、とくに明治維新の前後は、半藤一利『幕末史』との関連で興味深いものでした。さて、次はこの本を読みましょう。
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チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を聴く

2009年09月08日 05時42分44秒 | -協奏曲
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のような曲は、記事に取り上げるのが少々億劫でした。何を今更、という気持ちが先にたち、どうも言葉が出てこないのです。ふだん聴いているのは、ゆったりしたテンポで巨匠風を目指した清水和音(Pf)とマイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団(CBS-SONY 32DC677)と、やや速めのテンポで豪快な、エミール・ギレリス(Pf)にフリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(BMGビクター SRC-1012)、それにもう1枚、DENON MyClassicGallery というシリーズ中の、ヴァレンティーナ・カメーニコヴァ(Pf)とイルジー・ピンカス指揮ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏(GES-9238)です。こちらはあまり巨匠風を強調せず、速いテンポのすっきりしたものです。

作曲者34歳の時に書かれたこの曲、とにかく派手で印象的で、たとえは悪いですがロックスターがライトの中を登場するような出だしは、「運命」交響曲の「ジャジャジャジャーン」に匹敵する知名度があるんじゃないでしょうか。全曲を聴き通すと、しばらく再聴はご遠慮申し上げたい気分になるほど満腹感があります。

うーむ。私はこの曲が好きではないのだろうか?
いやいや、好きは好きなんですが、モーツァルトのニ短調の協奏曲とか、ベートーヴェンの1番や4番の協奏曲、あるいはシューマンのピアノ協奏曲だとかプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番だとかの、無条件に好きな、すぐにでももう1回聴きたいと思うような曲とは少々違うのですね。それは、濃厚な甘~いケーキの食べ放題の後みたいなもの(*)でしょうか。いくら好きでも、ねぇ(^o^;)>poripori

第1楽章、アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ~アレグロ・コン・スピリート。全曲の半分以上を占める、巨匠風の長い楽章です。もう、これだけで十分に満足してしまいそう(^o^)/
第2楽章、アンダンティーノ・センプリーチェ。弦のピツィカートに乗ってフルートが奏でる音楽は、まるで「くるみ割り人形」の一場面のようです。
第3楽章、アレグロ・コン・フォーコ。音楽の憑神が乗り移ってくるような、情熱的で絢爛豪華なフィナーレ。劇場を熟知した作曲家による、聴いた~と満足・満腹できる終わり方です。



参考までに以下に演奏データを示しますが、郊外路を走る通勤の車中で繰り返し聴くのであれば、手元のCDの中では、カメーニコヴァ盤がさわやかでよろしいようです。ブルノ国立フィルというのは、チェコ第二の都市ブルノにあるオーケストラで、ここはヤナーチェクゆかりの土地柄だそうです。
ギレリスとライナー盤、終楽章の切れ味はさすがで、なるほど「鋼鉄の」という形容はこのあたりからも来ているのかな、と思わせます。でも、緩徐楽章の詩的な雰囲気もさすが一流のものであり、終楽章の猛烈さだけに目を(耳を)奪われるのはどうでしょう。
ロシアの憂愁にどっぷりと浸りたい気分のときは、清水和音盤を聴きます。この演奏、若い頃はとても好きでした。でも、正直に言って、今はもう少し淡々とした演奏に惹かれます。やっぱり年齢のせいでしょうか。

■清水和音(Pf)、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン響
I=20'32" II=7'44" III=7'01" total=35'17"
■エミール・ギレリス(Pf)、フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
I=20'16" II=7'04" III=6'14" total=33'36"
■カメーニコヴァ(Pf)、イルジー・ピンカス指揮ブルノ国立フィル
I=19'50" II=6'15" III=6'40" total=32'55"

(*):いえ、妻や娘にお付き合いして、お菓子屋さんに行くことがあるのですよ(^o^)/
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しまった!ネットブック発注でチョンボに気づき対応

2009年09月07日 05時22分18秒 | コンピュータ
先日、DELL のネットブック Inspiron Mini 10v (Ubuntu Linux) をオンラインで注文し、さっそく前金で銀行に振り込みました。ところが、発注確認のメールをもう一度確かめて見てびっくり。てっきり 29,800 円だとばかり思い込み、同額を振り込んだのでしたが、よく見たら 29,980 円だったのです。さっそく不足額の 180 円を追加で振り込んだはいいが、発注手続きがきちんと行われるのかどうか、かなりヒヤヒヤでした。

朝、メールをチェックしてみたら、不足額の追加を確認し生産を開始したというメールが届いておりました。良かった~。確実で素早い対応は、安心感が持てます。ただし、ヒューレット・パッカード社とは異なり、国内生産ではありませんので、生産後に船便で輸送するのだとか。赤色の Linux ネットブック、9月16日頃に届く予定(*)だそうで、楽しみです。

(*): 当初、WEB で確認したときは、9月25日ころ、となっておりましたが、先日届いたメールでは、16日ごろと案内されておりました。なんにしろ、到着が早まるのは嬉しいことです。
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「芸術劇場」で東京カルテットを聴く

2009年09月06日 05時14分21秒 | -室内楽
花の金曜日、夜遅くなってから帰宅しました。定例のメールチェックを済ませ、久々にテレビをつけました。翌日は休日だと思うと、妙に嬉しいものです。NHK 教育テレビの「芸術劇場」で、東京カルテットとカルミナ四重奏団を取り上げておりました。1970年ごろ、若々しい東京カルテットがコンクールの実績を引っさげてデビューした記憶が鮮明です。あれからもう40年近くなります。若いベートーヴェンのOp.18の2、メンバーも交代しましたが、年輪を重ねた、ややにじんだような色合いも味があります。サミュエル・バーバーに続いてラヴェルの弦楽四重奏曲。このあたりで、さすがに睡魔には勝てず、DVD への録画に委ねて寝ました。カルミナ四重奏団のバルトークの2番。若い頃に、ジュリアードSQでちょこっと聴いた程度。後でじっくり聴きたいものです。
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Celeron(400MHz)マシンに導入したPuppyLinuxの感想

2009年09月05日 06時14分17秒 | コンピュータ
先日、NEC の Valuestar NX (VE40H/8) に導入した Puppy Linux ですが、さすがに主メモリ 128MB ではぎりぎりで、辛いものがあります。とくに、音声回路が前の FMV-6450CL3 よりもずっとノイズが少ないようで、小型の外部スピーカで音楽CDの再生が十分に楽しめることを考えると、ブラウザ SeaMonkey と音楽再生ソフト xine 等の併用が、安定してできるようにしたいものです。その点から、FMV-6450CL3 から、256MB のメモリを1個移植し、64+256=320MB としました。このあたり、168pin DIMM という共通点がありがたい。

メモリ増設の結果、動作が格段にスムーズになったような気がします。アンチウィルス・ソフトによるパフォーマンスの低下がありませんので、とくにそう感じます。ただし、昨今流行の、Flash 等を用いた重いサイトでは、表示にだいぶ待たされてしまいます。これは、グラフィック性能はやはり十年前の水準だからなのでしょう。また、これまで VE40H/8 の CPU は、PentiumIII の 667MHz だとばかり思っていましたが、実は Celeron(400MHz) なのでした。このマシンで音楽CDのリッピングは無謀なようで、とてもじゃないが待ってはいられません。音楽再生はお気に入りの MP3 を移しておく程度にとどめ、やはりメールやブラウジング程度にしておくのが無難のようです。

もう一つ、Puppy Linux では、Debian 系における .deb や Redhat 系における .rpm 形式のファイルに相当する、PET という形でアプリケーションを追加する仕組みができておりますが、依存関係を解決しつつ必要なファイルを導入してくれる点は良いものの、ダウンロードしたファイルを追加登録設定するのにやけに時間がかかります。このあたり、スクリプトを処理する CPU の速度も関係するのだろうと思いますが、前の Vine Linux 3.2 の、apt-get コマンドによる一発導入の仕組みがよくできていると感じました。

また、TeX/LaTeX の利用者の立場から言うと、これまで使っていた Vine Linux がずいぶん充実した環境だっただけに、乗り換えた Puppy Linux が、TeX/LaTeX の利用をほとんど想定していないように見えます。むしろ、そういうハードなユーザーではなく、メールやブラウザ、ちょっとしたワープロや表計算程度が使えればいい、というライトユーザー向きのディストリビューションなのだ、と割り切って使うべきなのでしょう。その意味では、単身赴任のブログ更新等を中心とする、臨時の環境だと理解することといたします。
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備忘録用の小型ノートの選択肢

2009年09月04日 05時34分46秒 | 手帳文具書斎
当方、プライベートではバイブルサイズのシステム手帳とB6判らせん綴じノートの備忘録を併用しておりますが、仕事ではもっぱらA5判のルーズリーフ・ノートだけを愛用しています。長年使い込んだバインダーにはペン・ホルダーが付いていませんので、インデックスの厚紙にボールペン用のホルダーを自作して使っています。実は、A5判サイズのノートの使いやすさを考え、ブログ・ネタ帳と化している備忘録を、A5判に変更しようかどうしようかと思案中。

学生時代は、ノートはB5判の大学ノートが定番でしたし、大学生協ブランドのツバメノートの書き味に充分に満足しておりましたので、ノートの選択に迷うことはありませんでした。それが、1994年頃から、急にA4判の大判ノートを使いはじめ、新聞切抜きや、当時頻繁に使っていたAWKスクリプトのプリントアウトを貼りつけてコメントするのにもたいへん便利で、これが2006年まで続きました(*)。

たまたま前年暮に始めていた当ブログの記事ネタ兼備忘録として、B6判のらせん綴じノートを使いはじめた理由は、このサイズが、常用しているセカンドバッグにすっぽり入る大きさだったからです。

ところが、当方愛用のセカンドバッグ、実はA5判のノートも入ることに気づいてしまいました。B6判は、ほどよい大きさで便利ではあるのですが、年に六冊も使うようでは、時間軸をもとにパラパラめくって探すときには不便です。また、新聞記事等のスクラップをするにも、大きめの記事は小さく折り畳まなければならず、手間がよけいにかかるのも確かです。さて、いかがしたものか。

(*):紙が先か筆記具が先か~「電網郊外散歩道」より
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退役していたパソコンに Puppy Linux を導入する

2009年09月03日 05時53分09秒 | コンピュータ
古い FMV の不調で、とうとう娘のお下がりの WindowsXP パソコンだけが頼りとなっていた単身赴任先のPC環境を改善すべく、いろいろ試しておりました。その結果、次のようなことがわかりました。

(1) WindowsXP マシン(Sotec PC-Station S2120C)は、HDDを増設することが想定されていないようで、空きベイがない。また、メモリが 256MB では、昨今の Ubuntu のような OS をストレスなく動かすには力不足である。
(2) 退役して眠っていた NEC Valuestar NX VE40H/8(Celeron,400MHz,128MB-RAM,8GB-HDD)で、Puppy Linux を CD-ROM ブートしてみると、ハードウェアをきちんと認識し、動作する。
(3) Linux ネットブック(DELL Inspiron 10v)が特売中で、送料込で 29,980円で売っている。

そこで、WindowsXP マシンはそのまま使用することとし、退役して眠っていた NEC の Valuestar NX に、以前、試しに作っていた Puppy Linux 4.1.1 の CD-R を挿入して CD ブートし、以前使っていた Windows2000+AVG anti virus+Office2000Professional を含む NTFS を ext3 ファイルシステムに変更し、ばっさりとフォーマットして Puppy Linux(*) をフルインストール。



(*): Puppy Linux とは~パピーリナックス日本語版のサイト


再起動して、マウス、キーボード、ディスプレイをデフォルトのまま自動設定し、無事に 1024×768, 16ビットカラーで表示することに成功。さらに「接続」というアイコンをクリックして、ルータ越しにモデムを経由して光でインターネット接続にも難なく成功。なかなかよくできています。SeaMonkey というブラウザは、昔懐かしい Netscape/Mozilla ですね。
ちなみに、SeaMonkey とターミナルを起動した状態で使用メモリを見ると、およそ 90MB 弱でした。多くのアプリケーションを併用して作業するのには向きませんが、なんとかブラウザとメールくらいは使えそうです。また、音声出力をミニスピーカシステムに接続してみたら、ノイズが少なく意外に使えそう。あとは、FMV からメモリを移植増設することかな。これで、単身赴任中はなんとか乗り切りたいものです。

それから、DELL の Ubuntu ネットブック Inspiron Mini 10v の赤を注文してしまいました。赤だとアフリカのエイズ基金に$5を寄付すると書いてあったので、どうせならとチェリーレッドをポチッとしてしまいましたが、なんとなく妻や娘に狙われそうな予感がしないでもない(^o^;)/
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佐伯泰英『石榴ノ蝿~居眠り磐音江戸双紙(27)』を読む

2009年09月02日 06時14分12秒 | -佐伯泰英
前巻では、もと許嫁の奈緒と前田屋内蔵助の難儀を救うべく江戸を旅立った磐音らが、紅花利権をめぐる出羽山形・秋元藩の内部紛争を鎮めました。佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ第27巻、『石榴ノ蝿』は、佐々木磐音らの江戸帰着を前にした場面から始まります。

第1章「紅板」。磐音と園八・千次の一行が、出羽山形から千住掃部宿まで戻り、雨宿りをしているところへ、若侍を追って武士の一団が追走して来ます。斬り合いにはならずにすみましたが、若侍を助けたのがどう出るのか。おこんさん、奈緒にちょいと焼き餅を焼いてみますが、お二人には仲直りの過程もまた、嬉しいもののようで(^o^)/
第2章「利次郎の迷い」。佐々木玲圓から、勝ち抜き戦で好成績をあげている重富利次郎が勝ちを急いでいると指摘され、磐音は利次郎をコテンパンにしてしまいます。利次郎は過信をくずされて、スランプ状態に。竹村武左衛門の行く末も懸案ではありますが、笹塚孫一と木下一郎太の依頼も、何やら大金がらみのよう。
それはそうと、地蔵そばの竹蔵親分への社交辞令とはいえ、出羽山形と比較して江戸のそばの方が「はるかに」うまいとか、主人公(作者?)の味覚に疑問を持たせる記述もあるようで。地元出羽山形に在住のそば好きといたしましては、一言指摘しておく必要があるでしょう(^o^)/
第3章「霧子の存在」。この章では、霧子さんがいい役柄です。重富利次郎の迷いを吹っ切らせ、西の丸の家基さんからの伝言を持参して尚武館に来た桂川国端が磐音と相談する間に、桜子の木立の相手を勤め、刀を研ぎに鵜飼百助をたずねたときには、路上の狼藉をたしなめます。さらには、弥助とともに常陸麻生藩の内紛を探り、深川鰻処宮戸川でも活躍するという具合。先のテレビドラマ「陽炎の辻3」では、霧子さんは磐音に片思いという想定でしたが、本編ではどうも霧子の意中の人は重富利次郎ではないかと見ました。
第4章「二寸二分の見切り」。この章で初めて明らかになるのが、南町奉行所の同心・木下一郎太の秘めた想いです。八丁堀で幼なじみの瀬上菊乃が婚家を離縁されて実家に戻って来ているとのこと。ふーむ、柳次郎・お有に続く、新たなカップル誕生の予感です。鐘四郎は警護で宮戸川と船宿川清との打ち合わせも終え、西の丸の世嗣家基の江戸市中お忍び遠足の手配りが進みます。
その間にも、佐渡相川金山を抜け出した無宿者一味を捕え、溜め込んだ金子を押収して、笹塚孫一殿はホクホクの様子。出羽山形の秋元永友さんが佐々木道場に挨拶に来るなど、速水左近の交際範囲の広さはさすがと言うべきか。それにしては度々の訪れ、多忙で暇はあんまりなさそうなのですが(^o^)/
第5章「お忍び船行」。弥助に監視されているとも知らず、夜分に桂川家から忍び出た見習い医の若者。色仕掛けに欺かれたのは可哀想ですが、いわば内部のスパイ役。情報が漏洩していたわけですね。鵜飼百助に研ぎを依頼した愛刀包平も出来上がり、磐音は鐘四郎を通じて西の丸に秘策を伝えます。秘策とは、「予定一日繰り上げ実施」という荒技でした(^o^)/
速水左近のアイデアでおこんが接待役になり、家基さんは大喜びで、「なかなか美形よのう」。バカ殿とは違い、「夜伽をいたせ」とは言わなかったようです。のどかな船遊びから、桜餅屋経由宮戸川までの徒歩遠足です。船中での茶がゆ、宮戸川では鰻割きの体験学習(?)と続き、お城育ちには、その後の蒲焼きはさぞや美味かったことでしょう。鉄五郎親方にかけた「また参るぞ」の一言が、果たして叶うものやら。歴史を知る者には名残惜しいシーンです。最後の闘争は、定番の幕切れではあるのですが。

ちなみに、写真は出羽山形、最上郡金山町の谷口がっこそば。予約が必要ですが、ここのそばもおいしいです。
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