電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝『御宿かわせみ19・かくれんぼ』を読む

2005年10月09日 07時36分00秒 | -平岩弓技
『御宿かわせみ』シリーズに、強力なキャラクターが新登場。その名は花世ちゃんです。この子、七重と宗太郎の娘で、誰に似たのか、とにかく天真爛漫でおてんば。
初回、第1話「マンドラゴラ(*)奇聞」こそ、宗太郎の独壇場だが、第2話「花世の冒険」はまさしく新強力キャラクターの登場である。宗太郎・七重夫婦に二人目が誕生、大騒ぎの中を花世が「かわせみ」まで単独行を敢行する。途中、子さらいの小屋に勝手にまぎれこみ、抜け出すときも勝手に出て、永代の元締・文吾兵衛に拾われ、「ひげもじゃもじゃ」の親分にすっかり気に入られる。源三郎と東吾が子さらいの一団を御用にして、一件落着。この元締も、なかなか面白いキャラクターで、このあと活躍しそうだ。
第3話「残月」、島帰りの女は、娘を見に来たのだった。再び八丈島に流されるとき、娘もまた母親の愛を感じて泣く。台風で飛行機が飛ばず、私は船で帰りましたが、八丈島はとってもいいところでしたけれどね。
第4話「かくれんぼ」。また花世の活躍、しかも今度は源三郎の長男の源太郎との絶妙の組合せで登場。これはまた、東吾とるいの男女を入れ換えて小さくしたようなコンビだ。しかも、かくれんぼをしていたら隠し部屋で殺人を目撃、どうやら西国の大名と幕閣の密書がからんでいるらしい。まさか小さい花世が「きれいだから持ち出した」とは思わないよなぁ。
第5話「薬研堀の猫」、水面に紐のついた猫の死骸が浮き上がる。あまりぞっとしないが、最後のるいのやきもちが解毒剤の役割を果たすのかも。第6話「江戸の節分」は、要するにネズミ講の被害者の話。第7話「福の湯」、入浴剤で有名な湯屋のお内儀さんは独身を通して来たが、もしかしたら自分もあんな人生を送れたのではないかと、ふと信濃屋の老夫婦がうらやましくなる。だが、穏やかな外見とは異なり、それぞれの人生の辛酸があったのですね。第8話「一ツ目弁財天の殺人」、鬼瓦の悪事をあばく話。
この巻は、とにかく無敵のスーパーキャラクター花世の登場に尽きますね。そうか、花世が可愛く活躍すればするほど、子どものいないるいは寂しくなる。平岩弓枝さんは、そこを狙ってるな。すると、お次はるいの妊娠とか流産とか、そんなような展開になるのか。

(*): マンドラゴラについて
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2 コメント

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さきほど (友子)
2005-10-10 20:13:59
私も読み終わりました♪

はなちゃん、かわいいですよね。



マンドラゴラの花、初めてみました。

紫でかわいいんですね~
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早くも第20巻を入手! (narkejp)
2005-10-11 21:30:30
予想は当たるかな。もっと先かな。

さて、マンドラゴラってどんなだろう、とGoogleで検索しましたが、妙なものを真剣に調べている人って、いるんですね。驚きました。

植物はいろんな毒を持つものがありますが、「水仙」と「ニラ」を間違えて救急車で運ばれる人が結構います。こわいですね。平岩弓枝さん、この話はまだ使っていないはず。

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