電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」を聴く

2009年06月20日 05時09分45秒 | -協奏曲
最近の通勤の音楽は、ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番」です。演奏は、チョン・キョンファ(Vn)とルドルフ・ケンペ指揮ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団。CD は、DECCA 原盤で UCCD-7045 というものです。

第1楽章、序奏、アレグロ・モデラート。遠くでティンパニが静かに鳴る中で、フルート、クラリネット、ファゴットの木管楽器とホルンに導かれて、ソロ・ヴァイオリンが低音を響かせたのち、中~高音へと音色の魅力を示します。これだけで、ソリストに一気に注目を集める効果大、といったところです。そして第1主題を示し、美音をふんだんに振りまきます。第2主題は優美なもので、再現部の後、静かに第2楽章に続いていきます。
第2楽章、アダージョ。弦だけで歌われる始まりの部分から、ずっと美しい旋律が続きます。全曲中、もっとも長い楽章で、前の楽章はこの前奏曲という位置づけになる、とのこと。瞑想的というか夢想的というか、なんともロマンティックな音楽です。
第3楽章、フィナーレ:アレグロ・エネルジコ、ソナタ形式。思わずワクワクするような始まりです。独奏ヴァイオリンがカッコよく登場すると、オーケストラも盛り上がりを見せます。低弦のリズムの刻みが効果的で、推進力を感じさせます。伸びやかな音楽はプレストでコーダに突入、華やかに全曲が閉じられます。

当方がごく若いころ、情熱的な演奏をする、チョン・キョンファという韓国人の女性ヴァイオリニストがデビューし、売り出し中でした。あの頃の新人も、今や60代。若いころの録音が普及版として出回るようになりました。当時は買えなかった録音を、今頃になって楽しんでおります。若さも時間も買えやしないのに、なぜか当時の録音に手が伸びてしまうのです。

■チョン・キョンファ(Vn)、ケンペ指揮ロイヤル・フィル
I=8'18" II=8'38" III=7'15" total=24'11"

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2 コメント

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安倍禮爾 さん、 (narkejp)
2009-06-22 05:17:41
コメントありがとうございます。チョン・キョンファは、漢字名にすると、鄭京和というのではなかったかと記憶していました。ああ、それでキョンファ(京和)さんか、となんとなく納得したことがあります。昔の録音を聞きながら、地元のオーケストラで若手の演奏家を聴くのもまた良いものです。山響と千住真理子さんや滝千春さんによる、シベリウスのヴァイオリン協奏曲も、たいへん堪能した記憶があります。今年のシーズンでも、山響創立者の村川千秋さん父娘でシベリウスを取り上げる予定。これも楽しみです。
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キョンファチョン (安倍禮爾)
2009-06-21 23:31:19
narkejpさん

 なるほど!ただ、この人は何故か私はキョンファチョンという名前で覚えていました。この人のシベリウスは、私は未だに最高の演奏だと思っています。ただ、仰るとおり、昔の録音が繰り返し発掘(?)されるみたいにして、耳に入ってくる、そしてそれが未だに感動的、というのは、何となく割り切れないみたいな気分も湧きますね。
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