電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

天童オルゴール博物館でクリスマスの音楽を聴く

2009年12月17日 05時58分33秒 | 散歩外出ドライブ
先の日曜日、天童市にある"ARSBEL"こと天童オルゴール博物館(*1,*2)で、クリスマスの音楽を聴いてきました。設立間もない頃に、二度ほど訪れたことはありましたが、近年はずっとご無沙汰で、ほんとにしばらくぶりでした。12月20日まで、鶴岡市の加茂水族館からミズクラゲを借用しているとのことで、透明なクラゲのわきでオルゴールの透明な音を聴こう、という趣旨だそうです。



第一展示室は、立派なキャビネットに入ったものから卓上型のものまで、各種のオルゴールが数十種類並んでいます。案内の男性が説明してくれて、およそ30分、演奏を聴くことができました。最初は、スイス製のシリンダー・オルゴールから。回転する円筒に出ている突起で音が鳴ります。音色はきれいですが、シリンダーの交換が難しく、いろいろな曲を取り替えて聴くといかないでしょうし、だいいちシリンダー型では大量生産は不可能です。王侯貴族やお金持ちの大きな玩具といったところでしょうか。
続いて、ドイツ製のディスク・オルゴールです。金属製の円盤に大根おろしのように突起がプレスされており、円盤が回転すると音が鳴ります。なかなか立派な音です。このディスク・オルゴールは、プレス製造ができますので、ある程度大量生産がききます。しかも円盤を交換することで、いろいろな曲を取り替えて楽しむことができます。プレイヤーとメディアの分離は、ここですでに起こっているのですね。



続いて、ヴィクトローラ社のクレデンザという高級蓄音機で、SPレコードの音を聴きました。合唱で「もろびとこぞりて」。たしかに、声楽はオルゴールでは絶対に実現できない世界です。それに、レコードは、演奏者が表現した p から f までを、かなり忠実に再現してくれます。これは、オルゴールでは不可能です。

演奏が終わると、第二展示室に移動しました。ここは、パイプオルガンや自動ピアノなどが置いてあり、ロール紙に記録したデータをもとに、自動演奏が聴けます。今回は、日本に三台しかないという1920年製の自動演奏スタインウェイで、ショパンの「革命」のエチュードを聴きました。無人の鍵盤が動き、演奏される仕組みには驚かされますが、人間が演奏するものとの根本的な違いに気づいてしまいました。それは、オルゴールと同じで、強弱が表せない、ということです。



ここまでは、以前にも聴いたことがありましたが、今回は温室のようなところに第三展示室「レコード館」というのが作られていました。ここには、EPレコードやLPレコードが集められています。アナログ時代のパイオニア製オーディオ製品を用いて、大音量で聴かせてもらったのは、なんと、ちあきなおみの「喝采」と山下達郎の「クリスマスイブ」。たぶん、この解説の男性は、ちあきなおみさんの大ファンなのでしょう(^_^)/



それにしても、大音量で聴くLPレコードは、ppからffまで、実にいい音がします。物量を投入した、1980年代の高級オーディオ装置で聴いた懐かしい歌は、ほのぼのと心温まるものでした。また、展示された古いステレオ装置も、たいへん懐かしいものでした。



(*1):ARSBEL~天童オルゴール博物館のWEBサイト
(*2):ARSBEL~天童オルゴール博物館スタッフブログ

コメント    この記事についてブログを書く
« 白菜は陽に当てると甘くなる | トップ | 今年の備忘録は6冊を越えそう »

コメントを投稿

散歩外出ドライブ」カテゴリの最新記事