電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

新聞の読者投稿らんに紺野陽吉の室内楽作品の演奏についての投書が

2014年08月07日 06時01分33秒 | クラシック音楽
地元紙・山形新聞には、山形交響楽団をはじめ、様々な形で音楽に関する報道が掲載されます。演奏会の速報だけでなく演奏評まできちんと掲載されるのは、地方紙の見識を示すものであろうと思います。でも、読者の意見の投書欄に、クラシック音楽の演奏会、それも室内楽の演奏会についての意見が取り上げられるというのは、実はたいへん珍しいのではないでしょうか。

先月の29日付けの読者投稿欄に、白鷹町に在住の78歳の男性による、先の山形弦楽四重奏団第52回定期演奏会(*1)に関する、「戦没の作曲家・紺野陽吉」というタイトルの投書が掲載されました。白鷹町出身で若くして亡くなった作曲家・紺野陽吉の作品を、何度も演奏会に取り上げている山形弦楽四重奏団の活動に感謝と敬意を表するという趣旨のものでした。

私もこの演奏会をはじめ、他の機会(*2,*3)にも紺野陽吉作品を聴いていますが、とくに今回の「弦楽二重奏曲」は、シンプルな演奏形態だけに、訴える力のあるものだったと感じました。おそらく投稿者の方も、強く心に感じることがあって、新聞への投書という行動に具体化したのだろうと思います。

そして、それを取り上げた新聞社の編集サイドの姿勢。営業成績の上では、多分ほとんどメリットがないと思われにもかかわらず、各地方に埋もれた歴史や文化を尊重し掘り起こすという姿勢は、紙面を通して一貫しているように思われます。地方紙としての見識を感じるところです。

(*1):山形弦楽四重奏団第52回定期演奏会でハイドン、紺野陽吉、メンデルスゾーンを聴く~「電網郊外散歩道」2014年7月
(*2):山形弦楽四重奏団第46回定期演奏会でハイドン、紺野陽吉、ベートーヴェンを聴く~「電網郊外散歩道」2013年1月
(*3):山形弦楽四重奏団第43回定期演奏会で林光、壺井一歩、シューベルトを聴く~アンコールにて紹介~「電網郊外散歩道」2012年4月

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