リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック・リュートのオクターブ弦をガットに(2)

2024年06月26日 13時14分16秒 | 音楽系

バスレンジ弦の張力はバス弦が3kg前後の張力にしています。そしてオクターブ弦はその約80%になるようにしています。ただ全てを機械的に計算してその張力で弦を張っている訳ではなく、割と頻繁に下げることの多い9コース(ミ)は1割ほど強めの弦を使い、ミ♭にしてもへたり感がないようにしています。

またバスライダーに乗っかっている12,13コースはバスライダーにかかる負担を少し減らす為にバス弦、オクターブ弦とも1割ほど弱めの弦にしています。

今回張った弦は手持ちの弦を使ったので全て同じメーカーのものではありませんでしたが、多くはアクイラ社のHL弦を使いました。HL弦はメーカーの説明ではオイル処理をした表面がなめらかなビーフガット弦です。6コースと11コースには手元にいいゲージの弦がなかったので、ガムート社のビーフガットを使いました。

張ってみた感じは、なかなか落ち着いたサウンドです。カーボン弦だと6コース、7コースのオクターブ音が悪目立ちしましたがガット弦、CD弦の組み合わせだとちょうどいいバランスです。ガット弦にありがちなパワー感の喪失もなく全体的に古雅でふくよかな感じでとてもいいと思います。使う弦の素材によっては古雅には違いないけど音が前に出てこないということがありますが、この組み合わせではそういうこともありません。

 


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