リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック音楽の旅11第2回

2017年09月26日 17時24分09秒 | 音楽系
バロック音楽の旅11の第2回講座が終了いたしました。

今回は、「いけないバロック音楽」~真作と贋作のはざまで~というテーマで、バロック音楽における偽作、贋作、および真作かどうか疑わしい作品を解説しその作品の鑑賞と生演奏を交えて進めていきました。



いつものようにパワポでプレゼンという形式で、鑑賞曲は画面に貼り付けてクリックしたら聴けるようにしました。今回は、プレゼン用のパソコンをSurface Pro3 に変えましたので、事前に会場のくわなメディアライヴに行きまして接続のチェックをしてきました。以前どっかの会場でパソコンをプロジェクタにつなごうとしたら、ケーブルのコネクタのネジが干渉してうまくささらない、というアクシデントに見舞われたことがあり、あせったことがありました。

あるいはプロジェクタが具合が悪くてスクリーンに映すのにえらい手間取ったなどなど、どうもプロジェクタの接続にはトラウマがあります。最近はHDMIで接続するので、滅多なことはないのですが、Surface Pro3にはHDMIのコネクタがなく、映像用としてはThunderboltしかついていません。接続には変換ケーブルをかましていますので、念のために事前接続チェックをしに行ったわけです。事前チェックはあっさりと完了でした。

さて、今回の講座で聴いた曲は次の通りです。

以前はバッハの作といわれていたメヌエット(ペツォールト作曲)
ヴァヴィロフ作曲の「カッチーニのアヴェ・マリア」
ジャゾット作曲の「アルビノーニのアダージョ」
ポンセ作曲の「ヴァイスのプレリュード」
エマヌエル・バッハ作曲の可能性のある「バッハのシチリアーナ」
長らくバッハ作としては疑問があった「(実は)ヴァイスとバッハの合作の組曲」
パロディとして「ブランデンブルク協奏曲第7番」
バッハ作じゃないかもしれない「トッカータとフーガ」

実際のヴァイスの作品の紹介はバロック・リュートの生演奏を聴いていただきました。またバッハとヴァイスの合作(BWV1025)の「元曲」とトッカータとフーガのエンディング(疑義がある部分です)も実際にバロック・リュートで聴いていただきました。

今年の講座は例年になく多くの方に参加をしていただいております。今回初めて地域のミニコミ紙に広告を出したのが効いたのかもしれません。私のCDの販売もさせて頂きましたが、おかげさまでアルバム第1集もあと一枚で完売というところまでこぎつけました。

次回は、ムジカ・レセルヴァータのコンサートです。ムジカ・レセルヴァータは、岡田龍之介(チェンバロ)、小野萬理(ヴァイオリン)、森川郁子(ソプラノ)、国枝俊太郎(フラウト・トラヴェルソ)、髙橋弘治(チェロ)の各氏によるアンサンブルです。本講座に登場願いますのは今回が2度目です。衆議院選挙の投票日と重なってしまいましたが、投票を終えましたらバロック音楽の旅、あるいはその逆でも構いませんので、ぜひお越しいただけると幸いです。第3回以降の途中参加も可能です。

金沢でのコンサートとレッスン会、レクチャーの後

2017年09月12日 22時22分47秒 | 音楽系
せっかく金沢に来たので、コンサートの打ち上げ歓迎会の後、近くの温泉に泊まることにしました。泊まったのは庄川温泉です。地図で見て、Mさん宅からそう遠くなく、かつ帰り道となる東海北陸自動車道からもそう離れていないということで選んだのですが、Mさんたちの話では、金沢の奥座敷的なところで結構高級っぽいところだそうです。ネットで一日限定3部屋というのをゲットしたんですが、料理もお風呂もとても素晴らしかったです。

帰りは東海北陸自動車道経由でしたので、高山によって行くことにしました。楽器を積んでいるので、屋根のある駐車場でないと困るのですが、市役所の前にある立花駐車場は屋根があり日も差してきません。楽器を持って高山に立ち寄るときはいつも愛用している駐車場です。

今回高山は5年ぶりくらいですが、3か所訪れてみたいところがありました。

まず、菊水というラーメン屋さん。ラーメン屋さんというより蕎麦、丼物、中華そばを扱う「うどん屋」さんと言った方がいいかもしれません。このお店は20何年か前に「発見」して以来高山を訪れるたびに必ず寄っていました。ここのラーメンは古典的な「中華そば」ですが、出汁、御つゆ、麺どれも絶品でした。5年くらい前に来たときはなんとすでにお店はなく、駐車場になっていました。今回もう一度確認しておきたいと思い写真をとってきました。


今は駐車場ではなく、宝飾品を扱うお店になっていました。

次は山田焼を売っているお店。山田焼というのは高山の焼き物でとても実用的な器で知られています。随分昔に買ってきた夫婦の湯飲みと小さな湯飲みをまだ使っていますが、一つ割ってしまったので、新しいものが欲しくなったのです。山田焼の器は薄く軽くとても実用的でいて少ししゃれた感じもするいいものです。売っているお店(そこで買いました)は事前にネットで調べていたので、すぐわかりました。



お店に入り、店の人に尋ねると、もうその店で扱っている山田焼はないとのこと。なんでもろくろを回していたおじいさんがなくなり、息子も孫もその窯を継がないのでもう手に入らない、という衝撃的な事実を知りました。うーむ、もう少し丁寧に扱っていればよかった。

最後はお味噌を売っていた増井商店さん。実は製造は続けてらして、我が家も20年来高山から取り寄せています。熱で殺菌をしていないので、夏場少し温度が高いところにおいておくと袋が破裂します。いいアミノ酸たっぷり(だと思う)で本当においしいお味噌です。長らくお付き合いさせていただいているので、今やお味噌を買うなら、アマゾンよりはるかに便利です。

「もしもし、桑名のナカガワですけど」
「あ、はいはい、ナカガワショウジさんですね。」
「いつものお願いします」
「はい」

ここまで数秒。翌々日には宅配便で家に届きます。

増井商店は、お店自体はありますが、今ではお味噌は店頭には出していなくて、ちょっと見には雑貨屋さんです。ここ10年で何度も高山に来ることがありましたが、そのたびにお味噌を売っている増井商店は見つけることができませんでした。そこで実際に買ったことがあるので、絶対ここだと思うところには、高山グッズを売っている雑貨屋さんが。でもよく見てみると増井商店ののれんや看板を見つけました。これが5年くらい前のことです。今回はお店の方とお話をぜひしてみたくて、店に立ち寄りました。



声をかけて出てきたのは、50過ぎくらいの女性、私が初めてお味噌を買ったのはその女性のおじいさんの時代とのことでした。現在はその方の息子さんが継いでやっているとのこと。桑名の中川と名乗ると、あら、ナカガワショウジさん!とすぐに帰ってきました。実はいまのお店でまだお味噌を買えるとのことで、レジの奥の方を見るとお味噌が入った容器が積んであるのが見えました。ここは山田焼と異なりこれから大丈夫のようで安心しました。

金沢でのコンサートとレッスン会、レクチャー

2017年09月12日 21時33分14秒 | 音楽系
レポートが少々遅れてしまいましたが、9月の2、3日と金沢に行ってきました。

2日が金沢市の郊外にある喫茶店ヤギヤさんでのコンサート、3日がMさん宅で、金沢とその近辺のギター愛好家にご参加いただくレッスン会とレクチャーでした。

例のCD弦が切れるというリスクがあるため楽器は2台車に積んで出かけました。2日のコンサートが14時からですので、金沢市内で1日に出発して前泊することにしました。実は出かける前の日の午前中、少し練習をしようとケースを開けると10コースのバス弦が切れていました。うーむ、恐るべしCD弦!予備を持っていたので早速張り替えました。切れた弦はBE11/2016でしたが、それをBA6/2017の弦に張り替えました。結果的にはコンサートのときに切れた弦はありませんでしたし、未だどの弦も切れていません。

金沢市内では、東山地区にある町家を改装した、外国人観光客なんかがよく利用するゲストハウスに連泊しました。お値段は超格安ですが、普通の家の一間を借りているようでとても居心地がよかったです。他の部屋には何人か外国人観光客が止まっていました。



お風呂はゲストハウスにないので、近所の銭湯、「くわな湯」に行きました。なぜ「くわな」なのかは知りませんが、昔懐かしい銭湯がさらにきれいになった感じでよかったです。帰りに飲み屋に入り一杯ひっかけて宿に戻りました。

翌日は午前中に宿で少し指慣らしをして、お昼前に会場のヤギヤさんに出かけました。まだできて間もないとてもきれいなお店でした。


(ヤギヤさんのHPからお借りしました)

コンサートはとても熱心な方にお越しいただき、終演後いろいろ質問など頂きました。曲目は次の通りです。

S.L.ヴァイス:ファンタジアとソナタ34番ニ短調
J.S.バッハ:組曲ハ長調BWV1007
伊福部昭:バロック・リュートのためのファンタジア
J.テイラー:四階建てのお話
自作:四つの季節にちなんだ組曲



上の写真は始まった直後の様子です。会場は下のフロア+2階のギャラリーからなっており、聴いていただいた方の話では、2階の席が特に音がきれいに響いていたとのことでした。

翌日はMさん宅で9時半からレッスン会。実際は私が道に迷ったので、15分くらい遅れてのスタートでした。レッスンを受けられたからは地元のギター愛好家の方でしたが、おひとりリュートで受けられた方がいらっしゃいました。午前中にお二人、昼食をはさんで午後もお二人のレッスンのあと、バッハのBWV998に関するレクチャーをさせて頂きました。会場となりましたMさんご夫妻をはじめたくさんの方から熱心なご質問やご意見をいただき、金沢の熱気を感じました。その熱気は夕方に開催された歓迎会でも続き、そのまま徹夜で皆さんと議論していたくなったほどでした。いろいろお世話願いましたMさんご夫妻をはじめコンサート、レッスン、レクチャーに参加してくださった皆様、会場を提供していただきましたヤギヤ様、本当にありがとうございました。また機会がありましたら、ぜひ楽しいひとときを皆様とともに過ごせたらと思います。