リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

iPhone 6

2014年09月30日 00時03分05秒 | 日々のこと
iPhone 6 が届きました。12日の発表の日にアップル・ストアに注文を入れておいたものです。当初は10月の始め頃といわれていましたが、思ったより早く到着しました。

私の買ったiPhoneは、ドコモやauやソフトバンクで契約するものと違い、いわゆるシム・フリーの端末です。



早速開封して中身をとりだしました。相変わらず綺麗なパッケージングです。電源を入れたら、シムをいれてくれ、というメッセージが出たので、Biglobeで契約している、音声通話付きLTE1ギガ/月で1600円のナノシムをスロットに挿入。小さいので指先がすべります。

セットアップが完了すると、もう電話はできる状態になっていました。でもまだLTEは使えません。APNプロファイルというのを設定しなければなりません。これは専用のアプリがあってそれを実行するだけでよいとBiglobeのサイトに書いてありました。そのためにはまずWi-Fiの設定をして・・・というところで出かけなければならないので中断です。iPhoneも持って行き、電車の中でいじくりまわしていました。

帰宅して残りの設定をすませました。今はデータやアプリのデータがクラウドにあるので、環境の再現がとても楽になりました。昔は1日では無理でしたねぇ。手持ちのiOS機器と同じアプリや予定帳をインストール、電話帳とブックマークは自動で同じものがコピーされていました。

テザリングはiPhone5s/cでは、SIMフリー機ではできなかったようですが、iPhone6ではできるらしいので、早速設定をしてみましたら、あっさりできました。

新しいコンピュータ関係の機器をセットアップすると大概すんなりとはできないことが一つや二つあるものですが、iPhone6みたいにすいすいできてしまうとなんか張り合いない感じもしますが、これはこれでとても素晴らしいことです。

私の機器構成※はあまり音声通話をしない人向けですが、音声通話をよくする人もLineとかSkypeですれば格安ですから、もはや月7000円が必要なあの3つの会社と契約する必要はないと思うんですけど。

※SIMフリーの端末、SIM、家にはWiFi環境があって、在宅時はWiFiでネット接続、外では月にせいぜい1G程度。


逸ノ城からめぐりめぐって・・・

2014年09月26日 10時31分12秒 | 音楽系
大相撲の逸ノ城(いちのじょう)が快進撃です。新入幕ながら、現在11勝1敗で優勝を狙う勢いです。新入幕で優勝すればなんと1914年夏場所の両国勇治郎以来100年ぶりだとか。

その100年前、1914年と言えば第一次世界大戦が勃発した年です。大戦は1918年に終わり、戦勝国であった日本はドイツ人捕虜を徳島などの収容所に収容、板東俘虜収容所ではドイツ人捕虜たちが日本で初めてベートーベンの交響曲第9番演奏したことはよく知られたお話です。

翌年1919年にはブラジルの作曲家エイトル・ヴィラ=ロボスがブラジル政府の依頼で第一次世界大戦終結記念に交響曲第3番「戦争」、同4番「勝利」、同5番「平和」を作曲しました。ただ第5番はスコアが散逸してしまったようで今のところ聴くことができませんが、他の曲は録音があります。

彼は大変な多作家ですが、作品の管理があまり良くなかったことでも知られています。彼の有名なエピソードですが、カフェで作曲していて(彼はどんな騒々しいところでも作曲できたと言われています)楽譜を床に落として手の届かないところに行ってしまい、拾うのが面倒なのでまた新たに曲を作ったといいます。とにかく筆は速かったのでしょう。

この頃既にヨーロッパでリュートなど古楽器の研究が始まっており、1921年にはハンス・ブルーガーが「バッハ、リュートのための作品集」を出版しました。これは後の1970年に私の師匠であった大橋敏成先生が全音楽譜出版社より日本語版を出版されました。



1973年、私はまだギターも弾いていましたが、この本の楽譜をもとにBWV1000「リュートのためのフーガ」を自分でギター用に編曲し中部日本ギター協会主催の新人演奏会で演奏しました。この当時BWV1000のフーガはギターでは演奏されておらず、BWV1001の無伴奏ヴァイオリンソナタのフーガ(BWV1000の異稿)を編曲して演奏するのが当時のギター界では普通でした。私の編曲と演奏はそれなりに物議をかもし、大いに支持してくださる方がいる一方で先達に学ばない態度はけしからんなどとも言われたりしました。

そのギター界ではバッハのリュート作品をリュート組曲「第1番」「第2番」などと読んでいますが、以前のこのブログでも書きましたが、この番号は実にこのハンス・ブルーガーの本によるものです。歴史を感じてしまいますね。ということでなんか逸ノ城からとんでもないところに話が飛んでしましましたが、今回はこのくらいで。

新しいiPadの使いみち

2014年09月20日 22時29分42秒 | 音楽系
iPhone6が来るのを心待ちにしている私ですが、近々新しいiPadの発表があるようです。それは12.9インチのディスプレイをもったiPadらしいです。iPad L ですね(笑)

私は今iPad mini を使っていますが、その前は一回り大きなiPadを使っていました。それを買った理由は、iPadで楽譜を読むためでした。

以前ペルゴレージの奥様女中の通奏低音を頼まれたことがありましたが、鍵盤楽器ならいざ知らず、リュートではとてもじゃないですけど、ページめくりの対応ができません。短い曲ならめくりやすいようにレイアウトをやり直すことも可能ですが、長い曲の場合はそれはとても大変というかやってられません。

そこで目を着けたのがiPad でした。iPadには楽譜表示専用のアプリがあり、bluetooth 対応のページめくり器まであります。件のオペラはそれでなんなく切り抜けることができました。ただ一つだけ問題がありました。それは画面サイズです。ちょっと小さすぎて画面が見にくかったのです。私が20代だったら多分大丈夫だったでしょうけど。なにしろそのころは目には自信があって、35ミリのマイクロフィルムに写っているリュートタブを畳に仰向けに寝っ転がりながら読んでいたくらいでしたから。

さすがに今ではそのような芸当はできません。そこに聞こえてきたのが12.9インチのiPad発売の噂 です。これならA4サイズの紙が実質的に画面表示されるということですから、今でも楽譜はA4で印刷して読んでいますので、多分問題ないはずです。噂では発売は来年らしいです。発売されたら即ゲットですね。コンサートでいつも使うかどうかは別にしても、pdfで持っている昔のタブを印刷する必要がなくなるのですからこれは便利です。

バロック音楽の旅8第2回講座【寄り道編】

2014年09月16日 12時03分48秒 | 日々のこと
日曜日のバロック音楽の旅講座であせったことがありました。

この講座の入門講座のときにはいつもパワーポイントを使うのですが、今回の第2回もわかりやすくするためにパワポを使うことにしました。

会場には天井に設置されたプロジェクタがあり、コンソールにパソコンをつなぐわけですが、つなぐことは問題なくオーケーでした。以前はプロジェクタにつなぐときに、コネクタが合わないとか、セッティングが妙にややこしかったり、ひどいときにはなぜかネジが横にでていてそれが邪魔になってコネクタがささらないなんてこともありましたが、最近ではもうそういうことはなくなりました。



で、ちゃちゃっとつないだらスクリーンにはすぐ画像が出てきました。ところがパソコンの画面とは異なっています。ここで思い出しましたのが、前回の第1回のときも同じ現象が起こったことです。そのときはパソコンに詳しいN君がいて彼がちょいちょいと調整してくれましたので事なきを得ました。

どういうことだったかと言いますと、PC側のモニタにはファーストスクリーン、会場のスクリーンにはセカンドスクリーン出力されていたということです。最近のウィンドウズは標準で2つのスクリーンを持っているんです。でも普通にプロジェクタにつないだらデフォルトでプロジェクタにもファーストスクリーンが出るようにしておけよ、っていいたいですね。

さて会場のスクリーンにファーストスクリーンが出力されるように設定を変えねばなりません。これはちょっとあせりました。N君に電話して教えてもらおうかとも思いましたが、彼がやっていたことを大体覚えていましたので、なんとか思い出してファーストスクリーンを出力させることができました。プレゼンは講座の生命線ですので、一時は相当あせりました。いやぁウィンドウズは油断なりません。マックもそうかもしれませんが。

今回とった措置はコントロールパネルから入って結構階層を下へたどっていたんですが、あとでやってみましたら、実はショートカットがあることがわかりました。それはウィンドウズボタン+Pです。たったこれだけで、いろんな画面接続を選ぶことができます。こういうことは知っておくべきでしたねぇ。

このパターンはウィンドウズでよくあるパターンです。つまり設定メニューがあちこちちらばっていて階層も深くなってしまっていてるが、使いやすくするためにショートカットが設定されているというパターン。ショートカット自体は必要だと思いますが、そもそものメニュー構造をもっと明快にわかりやすくしてほしいものです。でもそれなりに慣れてしまっているので、かえって中途半端に変更されると困ることも事実なので、難しいところではあります。

「バロック音楽の旅8」第2回講座

2014年09月15日 16時24分39秒 | 音楽系
バロック音楽の旅8の第2回講座が終了しました。今回は初めての企画で、「通奏低音の秘密にせまる!」と題して、通奏低音に関するワークショップを行いました。

まずは通奏低音以前の音楽と通奏低音の時代の音楽をそれぞれ楽譜を見ながら聴いて頂き、その違いを体感していただきました。

次に通奏低音の旋律から和音を導くごく基本的な方法を説明し、用意したプリントに和音を書いて頂く作業をして頂きました



それから実際の演奏形態はどのような可能性があるかということや大きなアンサンブルでも必ずそれにみあった通奏低音群が必要とされるということ、それとオスティナートバスについての説明も致しました。

最後は今回の講座の例示曲でメロティを演奏して頂いたバロック・ヴァイオリンの熊谷祥子さんとオスティナートバスに基づく即興を行いました。今回のバスの主題は、「ファ、ミ、レ、ド」です。即興を止めるために参加者のおひとりに手を挙げて合図していただくことにしました。これは参加されている方にとって結構プレッシャーになるかもしれませんが、快く引き受けて頂き、とてもいいタイミングで手を挙げて頂きました。手を挙げたタイミングからあと2コーラス演奏して、めでたく即興は終了。(笑)

第3回講座から最後の第6回講座はトークつきのコンサートです。次回第3回は「フレンチ・リコーダーの華」と題しましてリコーダーの太田光子さんとチェンバロの杉浦道子さんのダブル・ミッチャンのコンサートです。第3回からの講座参加も可能ですので、参加ご希望の方はご連絡下さい。

iPhone 6

2014年09月12日 23時50分33秒 | 日々のこと
iPhone 6 が本日16時から予約開始というので、待ち構えておりました。(笑)

3時半頃にアップルストアにアクセスしましたら、各国の言葉でお断りの表示が出てきてアクセスできませんでした。そして4時少しにアクセスしましたら、やはりまだだめです。世界中からアクセスが集中しているのでしょう。

5時前くらいにかけたら、今度はつながり、お渡しは9月19日という表示が見えましたが、残念ながらその先に進むことができません。5時からレッスンが入っていたので、レッスンが終わってアクセスしましたがまただめでした。

レッスンはミューズ(名古屋市)でしたので、結局自宅に戻り8時頃アクセスしましたら、今度はちゃんと注文のところまでいきました。ただし、お渡しは一ヶ月くらい先とのことです。発売日の19日にゲットを狙っていたのですが、残念賞でした。

リクライニング権

2014年09月04日 11時18分50秒 | 日々のこと
リクライニング争いで着陸、というヤフーニュースの見出し、てっきり飛行機のエコノミークラスのリクライニングの問題が何らかの形で解決したのかと思いきや、文字通りリクライニングをめぐるトラブルで飛行機が緊急着陸したのでありました。

ヤフーニュース

この問題については以前にも当ブログでネタにしたことがありましたが、先日乗りました全日空の国際便では納得の行けるレベルの解決策が施された機体を使っていました。どんな解決策かというと、前後が気持ち広くなっているのと、リクライニングの角度が従来の半分以下くらいになっていました。まぁこれなら許せるレベルかなと思いました。



対策を施すには相当の経費がかかるので、全ての機体のエコノミーシートが「対策済みシート」になるのはかなり時間がかかるとは思います。

「私は頻繁に飛行機を利用するが、いつも席を倒す。罪悪感はない」とおっしゃるどっかの新聞の記者さん、そりゃぁ席を倒すこと自体には罪悪感がある訳がありません。この御仁は後ろにも客が座っているということを考えたことがないに違いありません。一度席を倒したあとご自分の席の後ろに座ってみれば、自分の「リクライニング権行使」が如何に後席の客に不便、不快を与えているかがわからないですかねぇ。

そもそも飛行機の内装を設計した人がもう少し頭を使って頂いてさえいれば、こんな座席の飛行機が世界中に広まるということはなかったんですが、こんなこと言ってもいまさら遅いです。

どっかの国のようにナントカ権は持っていても行使しないということがあるわけですから、航空機会社もリクライニング権行使を控えてください、ということを徹底することは可能な筈。もちろんそのことを上手に言わないといけませんが。このまま放っておけば、これから何度も同じ事例が発生することは間違いないわけですから、きちんと対策することが乗客航空会社双方にとっていいことだと思います。

追悼 稲葉真弓さん

2014年09月01日 21時38分58秒 | 日々のこと
作家・詩人の稲葉真弓さんが亡くなりました。

5月に50年ぶりにこちらに里帰りして親戚と再会致しましたが、それが最後となってしまいました。私も是非お会いしたかったんですが、生憎本番と重なり果たせませんでした。

そのときに撮った写真を見せてもらいましたが、公式に見ている姿よりはひどく痩せているのが気にはなっていました。でもこんなことになるとは思いもよりませんでした。

彼女の小説や詩もいいですけど、私は何気ない筆致で書く彼女の随筆が特に好きです。遺作となる新しい随筆集がこれから出るようですので、ぜひ買って読んでみようと思います。合掌

リュートへの扉

2014年09月01日 02時41分29秒 | 音楽系
こんなリュートが販売されてます。

格安リュート

パキスタン製のリュートです。

音は多分期待できませんし、楽器としての精度にもいろいろ問題はあるでしょう。でもそもそもこの値段の楽器に多くを期待してはいけませんし、この値段でリュートの形をしたものが買えるだけでもでかしたものです。ロゼッタは丁寧に彫ってあるし、エンドピンもちゃんとついているし。

ただこの楽器の場合、買ってすぐ弾ける状態かというと多分難しいでしょう。恐らくペグの調整が全くできていなくて調弦不可能状態でしょう。ペグに関しては有名な製作家の楽器であっても完璧に調整されているものは少ないですから。弦の選定も問題があるかも知れません。このあたりを解決しようと、製作家にお願いすると楽器代と同じくらい取られるかも。ケース付き4万の楽器には微妙です。

でもリュートが弾きたいんだけど、先立つものが少し足りない、それに製作家に頼んでも完成が1年とか2年以上先、でも今すぐリュートを始めたい、頼んだ楽器ができあがってくる頃にはある程度うまくなっていたい、とお考えの方にはちょうどいいかも知れません。

まぁつなぎ楽器ということになります。つなぎとして15万をポンと出せる人はそう多くはないと思いますが、4万ならギリギリの線かも知れません。「つなぎ」というのはちょっと言葉が悪かったら、リュートへの扉、「扉」楽器です。リュートへの扉を開いてくれる記念すべき楽器になるのかも知れませんね。