リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

PSE

2006年03月31日 23時45分47秒 | 音楽系
PSEって何か、訳のわからない感じになってきましたね。要するに、検査がなくても売買が出来るようになったらしいです。レンタル扱いをするという抜け道を使うようですが、そんなんなら最初からいっぱい抜け道を作っておくか、いっそのこと法律そのものを作らないようにするかですよね。

つい最近、ヴィンテジ楽器の一覧が発表されました。これに該当する楽器等はPSEの検査不要で売買できるということです。ミュージシャン達が文句を言いに行ったら、お役所が「じゃ、ヴィンテジ楽器は検査なしで売ってもいいことにします」ということで作った表です。

私は以前ほんの少しですけど、シンササイザとコンピュータを使って作曲の仕事をしたことがありまして、それなりの機材が自分のスタジオにあります。シンセユニットとしては、Roland SC-88, JX10, Korg M1EX, M3R, Alesis QVR, Roland XV5080 などがありますが、早速調べてみました。

調べてみますと、あれれれ、SC-55があるのになんでSC-88がないのー、というのもありましたが、Alesis QVRを除いてあとは全部ありました。JX10は確かにヴィンテジといってもいいと思いますが、XV5080ってそんなに古くないのにヴィンテジ?それに何でQVRがないの?という具合に何かどうも作りが雑なような。(笑)

多分いっぱいもれているのがあるんじゃないかなと思いました。どこまでもいい加減ですねぇ。

茉莉花

2006年03月29日 23時51分40秒 | 音楽系
今日は三重県渡会市にある茉莉花(まつりか)という名の喫茶店で行われたコンサートに行って来ました。茉莉花は日本語でジャスミンのことだそうです。(知らなかった(^^;))
演奏は伊勢で地道な活動を行っている、ギターの広垣さんです。

家から会場の茉莉花まではほとんど高速道路ばかりです。以前はよく通った東名阪高速道路から伊勢自動車道に入ってまっしぐら、と思っていたのですが、亀山(シャープの液晶工場で有名になりましたねぇ)あたりから道の様子が少し変わっていて、東名阪道と伊勢道がシームレスになり、驚きました。いつからこんなに便利になったんでしょう?

広垣さんはメールマガジンを発行していて、毎週送ってもらっています。バーゼルに住んでいたころは、それを見るといつも懐かしい三重県の香りがして毎週楽しみにしていました。そのメールマガジンに載っていた地図を頼りに道に迷うこともなく、無事茉莉花に到着。予想していたより30分以上も早く着いてしまい、まだ広垣さんもいらしていません。茉莉花茶を頂きながらしばし店の人と雑談をしていましたら、何と店の方のお一人が一昨年私が伊勢市内で行ったコンサートに来ていただいていたことがわかりました。その節はどうもありがとうございました。

広垣さんのコンサートは、前半が古典的なギター曲が中心で、後半は日本の曲が演奏されました。アンコールで、何と彼は自作の曲も含めて数曲歌を聴かせてくれました。私には後半の日本の曲と、アンコールの日本の歌がすごく良かったと感じられました。長く地元で根をはった活動を続けて来た彼の個性がすごく生きていて、いわば地で演奏できたからでしょう。

こういうことって、いつも西洋のしかも300年くらい前の曲ばかりやっている私にはすごくうらやましいことだと思いました。だって、西洋の曲というだけで、まず地では演奏できないですよね。さらに、300年くらい前の曲だと、現代の西洋人でさえ地で行けない曲をやるわけですから、なんかパァーとそういうのを取っ払いたい誘惑にからるときがあります。そういう意味では、広垣さんはすごくうらやましいスタンスにいるなぁ、と思います。彼には今後のさらなる発展を期待したいですね。

松嶋・・・

2006年03月28日 23時27分02秒 | 日々のこと
世間で有名女性タレントの松嶋と言えば間違いなく松嶋菜々子でしょうけど、私の場合は松嶋尚美ですね。(笑)
ええ、あのお笑いのオセロの松嶋さんです。もうデビューして10年以上経ついわゆる中堅どころなんでしょうけど、知ったのは割と最近で、日本に戻ってきた後です。

日本に帰ってきたら、テレビに出ている人がガラッと変わっていて、特にお笑い系は「誰や、この人?」という人ばかりで、面食らってしまいました。そこで、テレビを見て学習することにしたんですが、どれも大しておもしろくないものばかりでした。その中でひとつだけえらいおもしろい番組がありました。月曜日の深夜、きらきらアフロです。笑福亭鶴瓶と松嶋尚美の即興的な立ち話ですが、中年のオッサンと若めのボケ女性との組み合わせがなんか妙にはまっていて、以来毎週見ています。(笑)

松嶋尚美さんは間違いなくいわゆる天然でしょうけど、結構鋭いところがあって頭はきっといいんでしょうね。顔もよく見ると意外と美形だし、一緒に食事するなら菜々子さんより尚美ちゃんの方が絶対にいいな。(笑)

でも松嶋尚美の魅力を引き出しているのは、実は鶴瓶なんですね。というのは、他の番組に出ている尚美ちゃんはごく一般的なお笑いタレントくらいにしか見えないんですよね。昔はアホなことばっかしやってたオッサンですが、実はなかなかの実力者なんです。見直しました。でも鶴瓶の方も尚美ちゃんのおかげで新しい魅力が出ている感じがするので、このコンビはお互いが触媒になる相乗効果があるんですね。

興味のある方は名古屋(テレビ愛知)、東京(テレビ東京(たぶん))は月曜日の深夜12時12分、大阪(テレビ大阪)は金曜日にご覧あれ。あ、内容はオゲレツな話ばかりですから。(笑)


江戸絵画

2006年03月27日 23時16分13秒 | 日々のこと
愛知県立美術館で、木村定三コレクションによる江戸絵画の展覧会を見てきました。
木村定三は名古屋の有名な美術蒐集家で、2003年に90歳でなくなられた方です。彼が愛知県美術館に寄贈された近世絵画を一挙に公開ということです。

久々に栄の方を歩くのでちょっと場所の感覚が不明になり、中日ビルを探してやっと位置を確認。若い頃は(なんてジジイみたいだけど(笑))あの辺りは目をつぶっても歩けたんだけどな。最近はどうも新しい建物ばかりで困る。その中日ビルも外壁の修復が始まるみたいで、足場が組んでありました。

芸術劇場がある建物(建物全体は何というんでしたっけ?)の10階まで一気にあがり美術館に到着、今までに2、3回は来たことがあったことを思い出しました。コートを預かってほしいってお姉さんに言ったら、クロークルームはない由。なんか前も同じようなことを聞いたような・・・こんな立派な建物なのにクロークルームがないなんて不釣り合い。きっと設計の段階で誰もそういうことに気がつく人がいなかったとか。情けない話ですが、公共の建物ではありがちなことです。

さてコレクションは素晴らしいの一言でした。木村さんがいかに目が利くコレクターであったかを物語るコレクションです。コレクターの趣味がいい方向に表れていて、ホントいいものよくこれだけ集めたものだと思いました。スイスのヴィンタートゥアという町にオスカー・ラインハルト美術館というのがあるんですが、これは資産家のオスカー・ラインハルトの主に印象派を中心としたコレクションを美術館に納めたものですが、(建物も彼のものでした)彼のコレクターとしての目を物語る優れたコレクションです。木村定三の江戸絵画コレクションを見ていて、オスカー・ライハルト美術館のことを思い出しました。お金が目の利く人のところに集中しているとこんなに世のためになるもんですね。

この展覧会で特に印象的だったのが白隠慧鶴の作品でした。彼は1685年生まれのお坊さんで、(お、バッハと同い年!)展示されていたのはいわゆる禅画です。白隠慧鶴のセンスがホントに自由でまるでモダンアートみたいでした。300何十年前の日本にこういう美術センスがあったというのは、日本って本当に洗練された「芸術の国」ですよ。(昔日本は神の国って言ったひとがいましたね)バッハが生まれた頃の西洋ではこういうセンスは全く理解されず、20世紀になってやっとという感じですからね。白隠慧鶴の作品がここにあるということは、まず当時白隠慧鶴みたいな感性の人がいて、それを認める人が周りにいて、それを永く保管していく人々がいて、それをコレクションに加える人がいてやっと私たちの目に触れるわけですから、かつての日本の芸術センス恐るべしですよ。(戦後はちょっとね・・・(笑))

この展覧会は5月21日までやってますので、名古屋近在の方はぜひお出かけになるといいと思います。


ガット弦の話題(4)

2006年03月26日 12時42分22秒 | 音楽系

翌日ある程度弦が落ち着いたところで3時間くらい弾いてみました。1コースは少しパワーが足りない感じもしますが、振動不良がない弦ならこのゲージ(0.36)でいけるかも。1,2コースの張力は3キロを少し切るくらいですが、前のままのバス弦とバランスはまずまず。音のキレ(というか活舌みたいな)はガットの方がいいですが、4倍以上もお金がかかっているんですよね。それを考えるとやっぱり合成樹脂弦で十分かって感じです。弾き終わって、2コースの5フレットあたりを見ると、早速(笑)細いケバが。どう見ても2週間は無理ですね。

バスの巻き弦を追加注文してありますので、バス弦がオールガットになるとまた味わいが変わると思います。実はバスのオクターブは試したことがあって、これは音色的にはすごく深みがありよかったです。ただその時は相方の巻き弦がナイロン芯で、温度に対する感受性が違いすぎるので実用にならず、使うのを断念しました。

追加弦が届くのは多分今月末か4月にかかる頃ですけど、4月にはまた人前で弾かなければならず、この実験ができるかどうか微妙なところです。この話題はちょっとコア過ぎてよーわからんという方も多いと思いますので、今回はこのくらいで。弦が到着するまでの1,2コースのへたり具合も随時レポートしたいと思います。

ガット弦の話題(3)

2006年03月25日 12時55分00秒 | 音楽系
順番に4コースを張り、次に5コースっと。あれ?もう一本はどこに?どれだけ探しても5コース用のD1079が一本足りません。インヴォイスには二本になっているので、K社のオヤジが入れ忘れたんですね。ドイツ人にしては珍しい。これがイタリアのA社なら、「ま、しゃーないか」になるんですけどね。

ということで一旦はずした5コース用ナイルガットをまたかけます。次は6コースオクターブ、そして6コースのバス弦・・・ありゃりゃ、全然長さが足りないじゃん!!
長さが私のバロックの弦長を遙かに下回る60cmちょいしかありません。これは困ったと思って、カタログをよく見てみると私が頼んだのは、VD0***というタイプでこれは長さが70cmなんですね。ちゃんと表の上に書いてありました。でも実際は70cmないじゃんと文句言っても、私の楽器はまだもう少し長いのでどっちみちだめですね。
6コースのバス用にガット弦を頼んでおきましたので、とりあえずそれを張ってみましたが、弦が太すぎてあまり振動の状態はいいとは言えません。でもオクターブと一緒に弾くとなんとかいけるかなって感じです。

7コース以下は今回はバス弦が短いのを頼んでしまった(^_^;)ので今回はそのままです。結局、ガット弦にしてあるのは、1~4コース、6コースです。それからK社には十分な長さがあるVD5***を8本とあと細いのを少し追加注文しておきました。VD5***はVD0***より1.6倍くらいお値段が高い。やはりガット弦は貧乏人が手を出すものはないですねぇ。
(また続く)

ガット弦の話題(2)

2006年03月24日 15時53分10秒 | 音楽系
私の生徒にKさんという方がいらっしゃるんですが、彼がナイロン弦、カーボン弦、ナイルガット弦、ガット弦の張力を実測しました。弦の張力を計算するには、音の高さ、弦の長さ、太さからわりだすことができます。昔はこれを手計算(その後電卓)していましたが今はコンピュータを使って一発で計算することができます。

彼の実測の結果は(「K氏の実験」と呼びましょう)私たちが大前提としていた常識を大きく覆すものでした。私たちは(少なくとも私は)計算式で得られた張力でもって弦が張られているものと30年以上信じてきましたが、(笑)実際に計ってみるとそうではないのです!

K氏の実験によれば、計算では直径0.45ミリのナイロン弦を3.7キロで張ったつもりが、実は張った直後から弦が伸びて、ある程度安定した時は、0.425ミリ、3.2キロになるというんです。要するに3.7キロのつもりが実は3.2キロ!うーん、たった500グラムですけど、リュートの1弦にとってはすごい大きな問題なんですよ。

で、ここからが重要なんですけど、K氏の実験では、ガット弦に関しては張ったあともほとんど伸びず理論値のままだというのです。ガット弦は張りが強いとよくいうのを聞いたことがありましたが、このことが実証されたわけです。「張りが強いね」って思ってそこから何も考えないでいましたが、なぜなのかをきちんと突き詰めてみないと事実は見えてこないんですね。

そこで思ったのが、今までバロックリュートにガット弦を張って成功した話をあまり聞かないのは、弦の性能より選択の問題ではないかということです。今までガット弦の選定は、ナイロン弦の理論値の張力と同じガット弦を選んでいました。(それでもガット弦はナイロンより細くなります)でもナイロン弦の実際の張力は理論値より低いので、より細いガットを選ぶべきじゃないかということです。

ちょっとややこしい話になってきて恐縮ですが、要するにより細くより(張力の)弱いガット弦を張ったらどうかということです。「より細く」にしたらよけい切れやすくなるのではと思われますが、「より弱く」なので意外と持つのではと思い、K氏に張ってもらいました。結果は思惑通りK氏のガット弦は1ヶ月以上経った今も1本も切れていません。(もっとも彼の練習時間の詳細はよくわかりませんが)細い弦をやや強めに張っているので切れやすいののでもっと太い弦を張るのではなく、より細くより弱く張ってみたらどうかという、いわば逆転の発想です。

人にやらせてばかりではなんですので、今度は自分で実証実験を行うことに。先週K社に頼んでおいたバロックリュート用ガット弦が昨日到着しました。さっそく1コースの0.36ミリ(細いですよー)を張ってみましたが、しょっぱなからガックリ。(笑)振動不良弦です。これはひどいので、K社に文句を言ってやろうかと思っています。交換用の1弦をもう1本頼んであったので、それをはると、まぁ何とか使えるというレベル。1コース0.36ミリで張力は3キロを切っていますが、もう少しあってもいいかも。

今日は時間がないので、とりあえず3コースまで張っておしまい。残りはまた明日張ります。
(続く)

ガット弦の話題(1)

2006年03月23日 14時57分33秒 | 音楽系
今日はちょっとコアな話題を。

リュートの演奏家はナイロン弦などの合成樹脂弦を張ることが圧倒的に多いです。古楽器では唯一でしょう。ヴァイオリンもヴィオラ・ダ・ガンバもみんなガット弦を張っています。どうしてリュートだけ?

その理由はリュートに使う細いガット弦の耐久性の問題でしょう。ヴァイオリンやガンバはリュートよりずっと太い弦を使うので大丈夫なんですが、1弦に0.4ミリかそれ以下という細い弦を張るリュートではすぐ弦は切れてしまいます。

じゃ、切れないように太い張ればいいじゃん、というあなた。ええ、確かにそれは弦が切れる切れないという問題においては正解です。でも24本も弦を張るバロックリュートの華奢なボディはとてもそれだけの張力に耐えられません。

結局、リュートは切れやすい細い弦を張らなければならないわけです。でも昔の大家たちはどうやってたんでしょうね。ヴァイスも当然オールガットの24弦13コースのバロックリュートを使ってたわけですが、現代の現時点では実用的でないとされているガット弦でどうやって商売していたんでしょうか?

よくある説で、昔の羊の腸(あ、ガット弦は羊の腸製です)は粗食をしていて筋肉繊維がしっかりしていたから、昔は強いガット弦を作ることができたというのがあります。一見もっともな説ですが、科学的に見てあまり信憑性があるようにも思えません。あと弦のメーカーがなっとらん、という説。これもねぇ。

歴史的に多くのリュート奏者がガット弦を使っていたという厳然たる事実に対して、現代の私たちはどこか勘違いしているところはないのかと思っていたところ、小さな風穴をあける実験を行った人がいました。
(続く)

王ジャパン優勝

2006年03月21日 22時50分15秒 | 日々のこと
日本の野球が優勝してしまいましたね。普段野球を見ることはないんですが、今日はたまたまTVをつけたらやっていて、終わりまで見てしまいました。

見てるとやっぱりイチローはかっこよかったですね。ここぞと言うときにヒットしてチームの流れを変えるし、さすがです。夜のニュースで、あの清原が出ていましたが、イチローから前日彼のところに電話があったそうです。そのとき「(大試合の前に)清原さんの声を聞きたい」なんて言ってかけたそうです。清原親分は「かわいいことをいうやつだ」って言って喜んでましたけど、イチローっていう人は人の心をつかむ術にも優れているようです。何日か前にも王監督のことを讃えることばを言っていましたし。それがお世辞やへつらいになっていないところがすごいし、最終的な野球人としての評価はおそらく王や清原よりは高くなるのは間違いない人でしょうが、礼節を忘れないところが彼の品格を感じさせます。

あと、8回表に代わったピッチャーの大塚もすごいですね。4点リードしていたのが、6対5まで追いつめられたときのリリーフですが、あのプレッシャーでよく押さえることができたものです。コンサートでシャコンヌを弾いていた人が弾けなくなったので、途中でパッと代わり最後までビシっと弾いてしまった、という感じですね。(笑)あそこで勢いづいていたキューバのパワーを跳ね返したわけですが、あんな芸当がよくできるもんですねぇ。

How old?

2006年03月20日 13時32分21秒 | 日々のこと
堺屋太一さんがおもしろいことを連載小説に書いていました。過去の歴史上の人物を見る上で年齢観の修正が必要だとおっしゃる。つまり、「21世紀に生きるわれわれは、史上の人々とは著しく異なる年齢観を持っている」というのです。彼が言うには、歴史上の人物の年齢(数え年)を1.2倍して3を足したぐらいが、今日の私たちが持っている年齢観と大体同じだとしています。

49歳で死亡した信長は、×1.2+3で62歳、52歳で死亡した武田信玄だと67歳、63歳で死亡の豊臣秀吉だと79歳になるそうです。秀吉なんか晩年の絵を見るとどうみても70は超えているようなジジィにしか見えませんから、この説は結構説得力ありますね。

これを作曲家に当てはめてみますと、バッハとヘンデルは共に65歳で没していますから、堺屋さんの式をあてはめると、81歳!一歳年下のヴァイスだと80歳ですねぇ。なんかちょっと年が行きすぎのような感じがしますけど、みなさんはどんな感じですか?一番思うのは80歳まで生きたらもっと作品があってもいいような感じがしますが、今の作曲家に比べたら、バロック時代の作曲家は一般的にずっと多作ですから、バッハの実感年齢80歳というのもいい線いっているのかも。(笑)

バロック音楽界きってのご長寿、ラインケン(1623-1722)だと、式を当てはめるとなんと122歳!ギネスもんですね。でもラインケンは何とダウランド(1562-1626)がまだ生きているころに生まれた人で、晩年にはバッハに会っています。音楽様式で言えば、ルネサンス様式の末期とバロック音楽の後期をつなぐ人といえるので、ギネスにのってもいいかも知れません。

反対に短命の作曲家だと、モーツアルトが45歳ということになります。あれだけの曲を作るのは35歳の人生でどうやって作ったんだろ?と思う疑問も45歳で死亡となると、「ま、やってやれなくないよな」って感じにはなりますが、これだとなんとなく天才性が少し損なわれるような感じも。

ついでに自分の現在の年齢(54歳)を逆算してみますと、42.5歳。うーん、なかなかいいセン言っていますね。昔のリュート奏者としては油の乗りきった年齢です。もうトシだと思って元気がない方は、逆算すると元気が出るかも。(笑)