リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

キヤノンのスキャナは・・・

2006年04月29日 23時25分51秒 | 日々のこと
楽譜の切り張りをして見やすいようによくします。
昔は本当にはさみで切って、ノリで貼っていたのですが、最近はデジタル切り張りをするようになりました。

スキャンしてPDFで保存し、画面に出たものを画面切り取りソフトで切り取ってぺたぺた貼っていきます。前はテレマンのカンタータをデジタル切り張りして演奏しやすいよう、2ページ見開きに編集しました。

今回はヘンデルのカンタータとトリオソナタの演奏用楽譜を作ろうと、デジタル切り張りをしました。貼り付けるソフトは前はワードを使いましたが、どうもパワーポイントの方が扱いやすいみたいで、そっちに変えてみました。

カンタータの方はうまくスキャンができたのですが、トリオソナタの方がうまくスキャンできません。何と楽譜のページの三分の一しかスキャンできないのです。何度やってもだめ。(*´ο`*)=3

原因が全然わかりません。1枚の紙をスキャンしたら、三分の一画像3枚のPDFができてしまう時も。ハードやソフトの色んな障害を考えて見てみましたが、いっこうにラチがあきません。こうなったらサポートに電話するしかないとキヤノンのサポートに電話です。こういうサポート電話はなかなかつながらないのが普通ですが、運良く一発でつながりました。

症状をいろいろ説明すると、担当のお兄さんがいくつかやってみるべきことを教えてくれました。一旦電話を切ってそれをやってみましたが、うまくいきません。また電話。今度はお姉さんです。また別のことを教えてもらいやってみましたが、だめです。

ウチはキヤノンのスキャナ付きプリンタをプリントサーバでネットワークでつないでいます。このプリントサーバがおかしくなったのかと思いこっちのサポートにも電話しました。何となく落ち着いた感じのお姉さんの声。(笑)すごく冷静なものの言い方で丁寧に教えてくれました。こういう仕事していると、カッカしているユーザとの応対も多いでしょうから、人間的にも練れてくるんでしょうね。ま、結局はよーわからんということでしたが・・・(笑)

途方に暮れてしまいましたが、ふと、スキャン原稿を変えてみようと思い、そこらへんにあった雑誌のページをスキャンしてみましたら、何とすんなりできます。別のページもやってみましたが、これもオーケー。ほう、急になおったか、と思ってトリオソナタをスキャンするとやっぱりだめ。色んな原稿を試している内にある傾向の原稿だけがダメだとわかりました。

ダメな原稿は、A4縦置きで白い紙、段組の楽譜です。ヘンデルのカンタータが良かったのは、紙の色がクリーム色だったからのようです。ウチのプリンタ複合機のスキャナは自動的に位置を補正する機能があるんですが、それがどうも誤動作しているようです。パソコン側から操作してスキャンするときはその機能をオフにできるんですが、プリンタ本体からはその機能をオフにできないのです。

早速サポートデスクにそのことを報告です。ウチのような事態は想定外なので、スキャンに使った原稿とうまくいかなったPDFファイルを着払いで送ってくれと言うので、早速送りました。

それにしてもスキャンがうまく読めない理由が原稿にあるとは思いもよりませんでした。ハードやソフトをあれこれいじくってみましたが、原稿そのものが原因というのは盲点です。ウチの機械固有の問題があって特定の楽譜がスキャンできないのでしたら、交換してもらえるのでしょうかねぇ。でももし、キヤノンのスキャナ自体が持っている設計上の問題だったとするとどうするんでしょう。トリオソナタの楽譜をスキャンするなんて想定外のことなので・・・なんてことにはならんと思うんですが。(笑)

リュートで通奏低音

2006年04月28日 20時42分32秒 | 音楽系
古楽の人は楽譜を見て演奏することが多い、というかほとんどの場合見ます。通奏低音の場合は逆にきちんと見てないとちゃんとした演奏はできません。ただし見るのは自分以外のパートと数字のついた低音だけの楽譜です。

これらを見ながら、和音の種類、形、合いの手などをその時に応じて演奏するわけです。ですから、楽譜を見ながらといっても自分の楽器から出てくる音は、低音だけが楽譜の音ということになります。

リュートの場合、低音が非常に早く動くところは弾けないので、はしょったりするときがあります。この場合なんか、楽譜は見ていてもその見ている音符は楽器から鳴っていないという、考えようによっては妙なことになるわけです。

リュートで通奏低音をするというのは、鍵盤楽器で行うのと比べるといろいろ大変なことが多いと思います。技術的にリュートの方が鍵盤楽器よりはるかに難しい。チェンバロなんて猫が鍵盤の上を歩いても音が・・・なんていうとチェンバロの人にしかられそうなのでやめときます。(笑)

チェンバロはチェンバロ、リュートはリュートそれぞれの難しさがあるので、単純比較はできませんが、入門レベルでの和音の弾きやすさで見ると鍵盤の方が優しそうです。(「易しそう」、じゃないっすよ(笑))だから、リュートで通奏低音を、という方は、鍵盤楽器であらかた勉強しておいた方が楽かもしれません。

でもどうしてもリュートだけでやってみたい、という場合、決め手となるのは、読譜力というかフレットの位置と音符の関係。つまり何弦の何フレットを押さえるとどの音が出るか、和音を押さえてみて(頭の中の作業です)どんな響きがするかがわかる必要があります。

そういうことが完璧ではないにしてもある程度できないといけないんですが、じゃ、何か特別な方法とかとっておきの理論書があるのかというと、たぶんないでしょう。(笑)

有名な同時通訳である國弘正雄先生は、英語の上達法は「只管朗読」っておっしゃっています。禅の「只管打座」をもじった言い方ですが、要するにとにかく英語を声に出して読みまくれ、ってことですよね。音楽も、楽譜を沢山見て弾きまくりです。(笑)通奏低音ができん、とおっしゃる方は、この絶対量が一桁も二桁も少ないというケースがありそうです。

以前ある管楽器をやっている人の楽譜の読み方を知って驚いたんですが、その人は楽譜のオタマジャクシを見たら、声に出さない内的言語でドとかレとか言ってから楽器のポジションを押さえるそうなんですね。これだと、倍以上の脳みそリソースを使うことになるので、読譜が遅い=楽譜を見ながら弾けない=弾く量が多くならないということになります。やはりオタマジャクシから直で実際の音とか楽器のポジションに行かないとね。

あと、実際に弾いているところより先をいつも見てその情報を処理しながら進むという、マルチタスクを脳みそで処理しないといけません。さらに脳みそはデュアル・コアでないと。何か今のコンピュータのCPUみたいな話ですね。リソースの有効活用、マルチタスク、デュアル・コア。(笑)

わけがわからん話になってきましたが(笑)、一口で通奏低音をすると言っても、色んなことがベースとして必要というお話でした。でもこれって、リュートだけじゃなくて一般的に言えることですね。


山形由美さんのフルート見つかる?

2006年04月27日 11時47分12秒 | 音楽系
山形由美さんと言えば、あの美形のフルート奏者ですよね。何でもフルートをコインロッカーに入れておいたらなくなっていたらしいですが、無事出てきたそうです。よかった、よかった。

こういうことになると、「命より(命の次?)大切なフルートをコインロッカーに入れるなんてプロとしての自覚が足りん!」とか「ふん、やっぱりなぁ、あの人はあんな程度なんだよな」なんていう人が出てきそうですが、ま、要するに魔が差したってことでしょうね。人間ですから、ありがちなことですよ。え?美形には甘いって?

件のフルートは、2本で14金とプラチナ製で合計1200万円相当だそうな。貴金属で作ってある割には、安いんじゃないかな。(笑)ヴァイオリンなんか古いカスカスの木製なのに億ですからねぇ。

14金とプラチナだから普通のフルートより重いので、演奏も大変かも。重いのを2本も持っていたので、コインロッカーに入れてしまったのかな?それにしても、よく出てきました。最近の日本は悪いやつが多いので、紛失の報道があったとき、これはだめかな、と思っていましたが、日本もまだ捨てたもんではないですね。

これがフランス、イタリア、アメリカあたりならまずだめでしょうね。でも見つかった場所が川崎駅で、預けた場所と違うので、彼女の楽器と違う可能性も。今日の午後にも山形さんが出向いて確認する由。ご自分ものであることをお祈りします。

ひさびさにCDを・・・

2006年04月26日 12時29分10秒 | 音楽系
ホピーを見送ったあと、久々に名古屋駅前のCDショップに寄ってみることにしました。CDショップとか楽譜屋さんというのはどうも危険な店なんですね。入るとすぐ2,3万は使っちゃいますから。でも今日は心もサイフも引き締めて・・・

ナクソスの日本人作曲家シリーズが着々と出ていますのでその中の1枚でも買おうかなと思って店に入りました。先日亡くなった伊福部昭のアルバムをインターネットで注文してあって、時間がかなりかかる由。でも新星堂にいったら、あっさりとありました。うーむ、最初からここへ来れば良かった・・・目の前にあるのに、買うわけにはいかないです。残念。考えてみたらナクソスのCDの入荷がそんなにかかるわけないですよね。割と最近出たものだし。ちょっとしくじりました。

伊福部は買えないので、同じナクソスのシリーズで早坂文雄の作品集を買いました。早坂文雄は伊福部と同郷、同世代ですが1955年に若くして亡くなった作曲家です。彼の作品のCDは聴いたことがあるんですが、あまり録音がよくないのでいい録音のものを聴いてみたいと思っていました。

ナクソスは1000円なので安い買いものです。今日はこのくらいかな、と思ってついでにあちこち見始めました。こういうことをするといけないんですね。次々と聴いて見たいものが出てきまして、結局選りに選ってあと3枚買ってしまいました。多少は自制心がありましたので、金額的には6000円くらいの出費でとどまりました。3万まで行かなくてよかったです。でも今回はたまたま安いのばかりだったということですが。(笑)

早坂以外に買ったのは、

カール=エルンスト・シュレーダー(リュート)、マルティン・フンメル(バリトン)による「17世紀ドイツのリュート・ソング」

アンドレアス・ショル(カウンター・テナー)、アンドレアス・マルティン(リュート)による「17世紀イギリスの民謡とリュート・ソング」

パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、トマス・ボーセン(テオルボ)による「サント・コロンブ作品集」

今回は自制心を持って選りすぐったので、みんな大当たりでした。5枚も6枚も買ってほとんどはずれということもよくありますので、今日はついてました。でもアーチスト名を見ればそれは当たり前と言えば当たり前ですね。

早坂以外は古楽系ですが、カール=エルンスト・シュレーダー、アンドレアス・ショル、パオロ・パンドルフォの3人はいずれもバーゼルゆかりの人です。アンドレアスとパオロはスコラで教えていますし、チャーリー(シュレーダー)はバーゼルに住んでいました。アンドレアスは結局レッスンは一度も受けるチャンスはなかったですが、パオロはガンバの通奏低音でバンバの人といっしょに何度もレッスンを受けたことがあります。

チャーリーは結局一度も会えなかったんですが、彼は私がバーゼルに行った年(2003年)の11月に急逝しました。そのことを授業を受けていたボブ1(クロゥフォード・ヤング)から聞いたときは、本当に驚きました。まだ若い人でしたから。ヨーロッパ生活もぼちぼち落ち着いて来たので、一度訪ねてみようと思っていた矢先でした。チャーリーはボブと一緒に中世の作品を録音しているし、そうかと思えばバロック・リュート二重奏をボブ2(笑)(ロバート・バルト)と録音したり、失われたヴァイスの二重奏曲を復元したりで、リュート的実践の幅はすごいものがありました。ボブ1によると、チャーリーはドイツタブを素読みできたと言います。(ドイツ・タブラチュアをパッと読める人はほとんどいないです)

チャーリーのこのCDは2000年10月録音ですので、亡くなる3年前のものです。バリトンもすごくうまいのでお薦めです。(Naxox 8.555935)

今回買ったCDは奇しくも、夭折した音楽家とバーゼル系がテーマになっていました。







ホピーをお見送り

2006年04月25日 11時11分47秒 | 音楽系
昨日はホテルに9時半に行き、ホピーの見送りです。ミューズのYさんもいっしょです。10分くらい前に行きましたらちょうどYさんも来たところ。中に入るとホピーはすでにロビーに待っていました。私なんか9時半というとよくてジャスト9時半、大概は5分くらいは遅れてしまうんですが、ホピーはきちんとした人です。ということを知っているので、こっちも10分前にはロビーにいないと思い、緊張して家を出ました。私もその気になればきちんと時間を守るわけですから、遅れるときは実は相手のせいかも。(笑)

名古屋駅について少し時間があったので、コーヒーを少し。今日は本番がないので、ずいぶんくつろいでいる様子。とりとめのない話をしていたら、すぐ時間が迫ってきましたので、ホームに。少し待つとホピーが乗る700系のぞみが到着。待っている間、ひとしきり「新幹線はドイツのICEとかフランスのTGVなんかよりずっといいんだよ」なんて新幹線自慢をしましたら、「オメデトウゴザイマス」って言ってくれました。(笑)

無事新幹線に乗り、なごりを惜しみながら手を振るホピーにこっちもひとしきり手を振りお別れです。新幹線は速いのでこのシーンは数秒であっけないですが。(笑)昔の船でのわかれなら、涙の別れとなるところでしょうが、現代はあっさりしたもんです。

家にかえってインターネットのニュースを読みましたら、東京の山の手線が全面ストップ!ホピーが乗った列車は11時40分過ぎに到着なのでモロに当たってしまった感じですが、大丈夫だったかな。彼に頼まれた用事があったのでメイルを書きましたら、すぐ返事が戻ってきたので、そんなに混乱はなくホテルに戻ったようではあります。

今回のホピーの来名公演、マスタークラスは大成功裏に無事終わりました。このブログをお読みの方でいらして頂いた方には厚く御礼申し上げます。都合で来られなかった方も次回(多分2年くらい先)はぜひお越しください。


マスタークラス in Nagoya

2006年04月24日 16時15分47秒 | 音楽系
コンサートの翌日は、ホピーのマスタークラスが名古屋市内で開催されました。場所は市内北区のミューズサロンです。10時少し過ぎにホピーをホテルに迎えに行きましたが、ちょっとお疲れの様子。火曜日に来日して、コンサートを3回こなし、今日のマスタークラスですから、それもむべなるかな。

「ショージ、今日のパーティーはちょっとごめんしてくれないかい。マスタークラスが終わったらすぐホテルに戻りたいんだ」

って、ちょっと弱気発言が。(笑)終わったあと簡単なお茶会程度ならオーケーということなので、その方向に。

車の中では、ホピーが「これを聴こう」ということで出してきたCDが、福田進一のCDです。過日行われた福岡でのコンサートのときに、福田さんが聴きに来ていて、最新?のアルバム(ヴィラ・ローボスとポンセの作品集)をプレゼントされたとのこと。今日は平均律第二巻第6番の替わりにヴィラ・ローボスのスコットランド風ショーロが流れてきました。

10時20分すぎに会場に到着。お店では、ホピーが弾くバッハの無伴奏フルートのリュート編曲のCDが流れていました。
ホピーは結構真剣に、
「ねぇ、これって、誰が演奏しているの?」
って店の人に聞いていましたけど。(笑)

マスタークラスは定刻通り、11時に開始しました。参加される方は、ルネサンス・リュート2名、バロック・リュート2名、ソプラノ1名、バロック・ヴァイオリン1名、クラシック・ギター1名という多彩な顔ぶれ。

ヨーロッパで、いくつかのマスタークラスに参加しましたが、それらと比べて掛け値なしに今回の名古屋の参加者のレベルや多彩さはトップクラスじゃないかと思います。日本の古楽の層も本当に厚みを増してきたもんですね。

あと驚いたのが、参加者の皆さんの語学力です。一応、通訳を仰せつかったんですけど、受講者の様子を見ながら通訳をし始めたんですが、なんかあまり必要がない感じの人が多かったので、時折必要なことだけ日本語に直すやり方で行きました。多分会場にいた人の英語力は平均的な日本人のグループよりは相当上だとは思いますが、それにしても日本人の英語力って伸びたんですねぇ。

でも、必要なことだけ訳す式の通訳って実はすごく難しいことがやっていてわかりました。英語を聞いて理解するのとそれを日本語に直すのは実は全然異なることで、日本語と英語を言ったり来たりで疲れるし、しかも分量が多くなるともう忘れてしまいます。それとどのポイントで日本語を入れるかのタイミングも難しいです。参加者の何人かには逐語的に絶えず日本語訳をそばで言う式の通訳をしましたが、こちらの方がずっと楽でした。こんな長丁場の通訳ははじめてだったので、いろいろ勉強になりました。(笑)

レッスンで、私は二人の方の通奏低音を仰せつかりましたが、私の分のレッスンも少し入り(というか、行きがかり上入らざるを得ないですよね)ちょっと得をした感じでした。ま、役得というところでしょう。

ホピーのレッスンは、ダウランドのファンタジアから、ビーバーやヘンデルの通奏低音付きの作品まで本当に自在に適切なアドヴァイスがあり、参加された方もきっと満足されたと思います。これだけ守備範囲の広い音楽家もそうはいないんじゃないかと思います。

受講生、聴講生のみなさんは、関西や関東の方からもお越し頂きました。中には30年ぶりくらいにお会いした懐かしいかたもいらっしゃいました。私にとっては、各地のリュートの仲間、旧知の友人らとともに偉大なる師匠と時を過ごした、まるで自分の音楽人生を水平的にも垂直的にも凝縮された時間でした。またホピーの次回の来日の際にこういう会が持てたらと思っています。



ホピーのコンサート in Nagoya

2006年04月23日 23時51分48秒 | 音楽系
昨日はホプキンソン・スミス(ホピー)のコンサート。招聘と運営に少し関わっていることもあり、朝は中部国際空港にお迎え。昨日のセントレアはすごく混んでいて、遠いところにしか車を置くことができませんでした。とぼとぼと到着ロビーまで歩いていきましたが、これってちょっと遠すぎません?

10時59分着の飛行機で大分から到着の予定でしたが、到着予定のボードを見ますと、6分早く到着予定になっていました。偏西風が予想より強く吹いていたためかも。飛行機が到着したと表示されてしばらくすると、ホピーが出てきました。大分からは招聘元のKさんも一緒です。ホピーとKさんを空港を出たところで待っていてもらい、車を取りに足早に。歩くと遠い感じですが車だとやっぱりすぐですね。二人を拾って、すぐに名古屋市内のホテルに向かいました。

空港からホテルまでの道のりはほとんど高速道路ということもあり、快適です。ホピーは車の中でたまたまかけていた平均律の音楽が大好きらしく、車の中ではもっぱら平均律の曲の話題ばっかりでした。(私も平均律大好きですからねぇ。(笑))車の中にあった、コープマンやレオンハルトの平均律を取っ替えひっ替え聴いているうちにホテルに到着、名古屋のマネジメント担当のYさんに電話して4人で昼食。

そのあとホピーはしばらくホテルで休憩して、3時半に会場の名東文化小劇場に向けて出発。車の中ではやはり平均律。(笑)道が混んでいて、予定の4時半より15分以上遅れて到着。リハーサルの時間が少し減ってしまって、ホピーには申し訳ないことをしました。

会場でさっそくリハーサル、と思ったら、彼が足台をホテルに忘れた由。なければ足を組んで弾くとは言っていましたが、私とYさんとで何人かにあたり足台を会場まで持って来てくれる人をさがしました。幸い、近所にお住まいのギターの先生がお持ちとのこと、急遽会場まで来て頂き、ほっとしました。いつもと違うスタイルで弾かなきゃならないのは結構つらいですから本当に良かったです。

その後は順調に準備が進んでいき、あっという間に本番です。本番はずっとステージの袖で聴いていましたが、今日もホピーは快調のようでいい音楽を聴かせてくれました。会場で販売したCDは大変好評で、終演後のサイン会は長蛇の列。会場に来て頂いた方の多くがCDを買って頂いたという感じです。

コンサート終了した後は、会場近くの料理屋で打ち上げです。参加のみなさんとすっかりうち解け、すごく楽しそうでした。そうそう、参加した方の多くが英語が出来たのでびっくりしました。日本人も英語のうまい人が増えたもんです。打ち上げが終了したのはもう11時を過ぎていました。ホピーをホテルまで送っていき、自宅に戻ったのは12時半を過ぎていました。

ドイツ鉄道の旅

2006年04月21日 23時21分05秒 | 音楽系
「関口知宏が行く『ドイツ鉄道の旅』」という番組を見ました。知り合いが録画したDVDを借りました。この番組は、かなり前に(多分まだ私がスイスにいたころ?)NHKBS2で放送されたので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。家の隣の奥さんも見たって言ってました。

なぜこの番組をかというと、リュートが出てくるんですね。番組はドイツをフランクフルトから出発して、ぐるっと周りミュンヘンの向こうの町まで2000数百キロを旅するという内容で、俳優の関口知宏さんが案内役です。

それで途中でリュートを買って、ずっとリュートを抱えながら旅をするという番組です。この番組を見て、はじめてリュートという楽器を見たという人も多いんじゃないかと思います。でもねぇ、せっかくリュートを出すんならもうちょっとリサーチをしっかりやってほしかったですね、NHKさん。(笑)

なんかリュートがまるで昔奈良時代にあったクゴ(感じが出てこないのでカタカナです)みたいな扱いで、まぼろしの中世の楽器って感じです。ま、実物の楽器が出てきたし世界的リュート奏者も出てきたので、クゴとはちょっと違うか。

ヨーロッパでは、超メジャーな楽器ではないにしても、バロック音楽の演奏シーンではごく普通に出てくる楽器なんですけど、なんか吟遊詩人と結びつけたがっている感じ。番組で関口さんはギター製作家のところで、中古のリュートを30万で買うんですけど、ちょっと高いのをつかまされましたねぇ。

ギター製作家さんは、リュートは新品で70万くらいなんて言ってたけど、ドイツならあのタイプはせいぜい50万ですよ。多分30万で売るために新品の値段を高く言ったんだろうなぁ。

番組ではその楽器は中世の頃に使われていたタイプ云々なんて言ってましたけど、それは10コースのリュートで、一応タイプとしては17世紀初めの頃のタイプです。でも、いくつか問題のある楽器、というか古楽器製作復興時代初期に作られた、まだあまりしっかり研究されていない楽器でした。ペグボックスの裏側に薄板が張ってなかったり、ネックのテーパーがなしの寸胴ネックだし、バス弦の張り方がオクターブとバス弦が逆になっていたり・・・うーん、こういうのがリュートだと思われたら何かいやだなぁ。

それに番組中に紹介された世界的リュート奏者さんもねぇ・・・NHKともあろうものが、ちょっとリサーチのしどころが悪かったのかも。ちょっとバーゼルのスコラ・カントルムにでも連絡してもらったらよかったのに。

みなさんの視聴料で番組を作っているんだからもうちょっとしっかりしてほしいですね。30年前ならいざ知らず、古楽器の復興演奏が十分に進んだ21世紀ですから。あ、鉄道の旅の番組としてはとてもいい番組でしたよ。(笑)

マスタークラス

2006年04月20日 21時29分46秒 | 音楽系
ホプキンスン・スミス(ホピー)のマスタークラス受講者にドタキャンが出たので、希望者を募ってみましたら、間際にもかかわらず一人希望される方がいらっしゃいました。ヴァイオリンのOさんです。今日はOさんと急遽リハーサルです。(ええ、私が通奏低音をすることになってしまいましたので)曲はビーバーの・・・えーっと何て曲でしたか・・・楽譜を見てみましたら、曲名が書いてありません。(オリジナルの楽譜です)至急聞いてみないと。

Oさんには、わずか4日の準備期間ですので少し気の毒ですが、それでもホピーとのレッスンはいろいろ得るところが大きいのではないかと思います。

23日のホピーのマスタークラス in 名古屋は図らずも、多彩な楽器の方が受講されることになってしまいました。リュート(ルネサンス、バロック)、ヴァイオリン、ソプラノ、それにギターもいます。

ホピーは自分の名刺にリュート奏者とは書かず、「音楽家」と入れています。これは彼のスタンスを非常に明確に示していますね。事実彼はギター、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバのレッスンも行うことがあります。技術的なことよりも音楽的なことに関するレッスンであれば、別にリュートでなきゃいけないわけはないということです。

もっとも彼がスイスで教えている生徒は一定以上の技術を持った人ばかりですから、特に楽器の技術に主眼を置く必要はないですけどね。でも、タッチなどの技術に関するレッスンやアレンジメントに関するレッスンもするので、なかなかレッスンの間口が広い人です。

世界各地で開かれているマスタークラスでは、アマチュアからプロまで様々なレベルの人が受講しますが、彼はその人その人に合った適切なアドヴァイスを与えることができます。彼はプロレベルの人に対して上手に教えるだけではないんですね。このブログをお読みの方で、彼のレッスンを受けてみたい方は是非次回のマスタークラス参加されるといいと思います。もちろんリュート以外の方でも彼は喜ぶと思います。(大正琴とかエレキギターだとさすがに困りますが、ルネサンス、バロック音楽の楽器、声楽なら行けると思います)

駐車違反

2006年04月18日 12時36分12秒 | 日々のこと
6月から道路交通法が変わって駐車違反がより厳しく取り締まられるそうです。何でも民間の委託会社が違反狩りをするらしいです。おー、こわ。(笑)民間の会社だから業績を上げようと、どんどん取り締まるんじゃないかな。

せっかくあちこちの路駐ポイントを覚えたのに使えなくなる可能性が出てきました。


そんなことせんと、ちゃんと駐車場に止めんかい!

は、はい。


以前何かの会合に行ったとき、駐車場がなくて、とりあえず路駐して主催者の人に聞きました。

「駐車場がなかったので、路駐してきましたけど。大丈夫ですかね」
「一応○○駐車場がありましてそこに止めてもらうといいですけど、ま、多分大丈夫でしょう」
「そうですか。それじゃ、面倒だからそのまま路駐しとこかな。帰りに、窓にぺたっと張り紙がしてあったりして」
「ははは、レッカー車に持っていかれたりして。(笑)でも、あそこはめったにないですから、大丈夫ですよ、ええ」

で、帰りにその場所に戻りましたら、車がありませんでした。(笑)反則金とレッカー代で結構な金額になりました。やはりちゃんと駐車場に止めないといけません。

その2年くらい先でしたか、バーゼルに行くので免許を前倒し更新しました。更新するときには、そこからさかのぼって3年だか5年分の違反歴に従って、どのくらいの長さの講習会を受けるかが決められまして、私の場合はさかのぼると、そのレッカーの違反やらもう少し前の駐車違反が入ってしまい、ちょいワルドライバーになって、長ったらしい講習を受けることに。本来の更新時期には全て消えてしまうのに。まぁ自業自得には違いありませんが、運が悪いとこうなります。

6月からはちゃんと駐車場にいれないといけませんね。え?明日から、そうしろって?はい、そうします。(笑)