リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

カルリとソルのアルバム

2011年11月30日 23時54分46秒 | 音楽系
さて、次のCDはハイドンとはえらい違いのカルリとソルのアルバムです。(笑)かなり前の録音で、ロバート・バルトとカール・エルンスト・シュレーダーによるロマンティック・ギター二重奏のアルバムです。演奏者の二人は有名なリュート奏者で、ロバート・バルトはナクソスのヴァイス撰集の録音で知られています。カール・エルンスト・シュレーダーは、2003年の秋に惜しくも亡くなりましたが、彼も著名なリュート奏者でした。
スイスのバーゼルに住んでいたカール・エルンスト・シュレーダー(チャーリーと呼ばれていました)の死はいわゆる突然死で、そのころバーゼルにいた私は、中世リュートの先生のボブ(クロゥフォード・ヤング)からその日の朝聞きました。チャーリーは中世からバロックに至るリュートを自在に扱い、ボブによるとドイツ式タブラチュアをすらすら読めるという大変な才人でした。まだバーゼルにやってきて間もない私でしたが、そのうち彼を訪問しようと思っていた矢先の突然死でした。そういやなぜかその頃はまだ見ぬチャーリーをはじめ、私のまわりの人が立て続けに何人か亡くなってますね。私の恩師のA先生、共演したこともある演奏家B氏の奥さん、アマチュアの演奏家で知られたCさん・・・

ロバート・バルトはバーゼルの隣町(といっても国はドイツになりますが)ローラッハというところに住んでいます。カール・エルンスト・シュレーダーとロバート・バルトは近くに住んでいたということもあって、このギターのアルバム以外にもバロック・リュートの二重奏の録音があります。2004年の12月頃にローラッハにロバート・バルトを訪ねて行ったことがあります。このブログの初期の記事にそのことを確か書いた記憶があります。

この二人がギターの二重奏を録音してたとは全然知りませんでした。偶然ネットで見かけたんですが、即購入。(笑)収録曲はベートーベンのテーマの作品やハイドンの交響曲の編曲もあるし、カルリとソルもえり抜きの作品を集めましたので、なかなかいい感じの内容です。

Romantische gitarrenduos aus Paris
Carulli, Sor, Coste
ARS MUSICI 232420

ハイドンのバリトントリオ全集

2011年11月29日 20時31分33秒 | 音楽系
さて、ハイドンのバリトントリオ全集です。

この全集は、多分初めての快挙じゃないかと思うんですが、21枚組で何と6000円台でした。ハイドンは、仕えていた殿様がバリトンという今ではリュートよりも知られていない楽器が好きなので、ものすごい量の作品を作曲しました。でも楽器が楽器ですので、ほとんど知られていないのですが、埋もれたままにしておくには惜しいとても素晴らしい作品群です。

まだ全部聴いていませんが、作品のクオリティの高さはさすがハイドンです。ひとつひとつの動機やテーマがインスピレーションに溢れています。でもよくあれだけの量の作品にそれが維持できたもんです。調もニ長調、ト長調、イ長調だけみたいだし。やっぱり天才の仕業としか言えませんね。このあたりは、同じ知られていない作品といっても、たとえばギターのカルリやソルあたりとはえらい違いです。

ハイドンの交響曲とバリトントリオでハイドンマラソンもいいかも。

Haydn Complete Baryton Trios
Esterhazy Ensemble
Brilliant93907/18

大人買い

2011年11月28日 15時41分35秒 | 音楽系
最近何枚かCDを「大人買い」してしまいました。買ったのは、ハイドンのバリトントリオ全集(21枚組!)、ユーミンのアルバム、ソルとカルリの作品集、ナイジェル・ノースの最新アルバム、ハッセのオペラのリュート編曲集です。みんなネットで注文したのですが、海外取り寄せもあり、やっと全部揃いました。これだけ買っても何と1万円いっていません。ウソみたいです。というかこんなに安くCDを売ってはいけませんという感じです。

ほんの何年か前まではCDはショップに出かけて買うのが当然みたいでしたけど、気が付いたら、ネットでばっかり買っています。少し前ですが名古屋市内の某CDショップに行きましたら、品揃えがあまりよくなくがっかりしたことがありました。名古屋駅西の今はビック・カメラになっているところには、確かHMVがあって、ここは結構マニアックな古楽系のCDがありました。そういやPCパーツとか家電、本までもネットで買うことが多くなりましたねぇ、私の場合。ネットがなんか全て飲み込んでいくみたいな。

ネットでCDを買うのは、なんと言っても安く買えることと、ものすごくマイナーなものでも結構すぐ手に入るという利便性があるからですからですね。世界中のショップにアクセスできるのだからそれも当然と言えば当然でしょうけど。でも、のこのこと名古屋のCD屋に出かけて買いに行く、それ自体が結構楽しみだったみたいなところありますね。欲しいCDを手に入れるという目的は安価、迅速かつ確実に達成されるけど、いままで当然のように購入行動に付随していたことがばっさりなくなってしまって、案外それの重要性に気づいている、といったところでしょうか。まぁたまにはタワー・レコードに行ってCDを探しに行って、帰りに大須あたりに寄ってくるのもしないといけませんね。(笑)

購入したCDについてはまた後日。

ガット弦が入手難になるかも!?

2011年11月20日 23時31分08秒 | 音楽系
11月14日付けでアキーラ社のホームページに告知がありました。それによるとEUの規制の関係で、アキーラ社は牛ガット弦(beef gut)の供給を停止するとのこと。ヨーロッパ産の原料のみならず、EU外から輸入して製造することも出来なくなっているらしく、「解決法を模索中だが、到底すぐに別の方法ができるとは思えない」とのこと。

これを受けて、昨日の朝、ドイツのマティウス・ヴァグナーさんのお店から同様の旨を伝えるメイルが届いていました。

また、日本のサイトですが、イタリアのトロ社のガット弦を扱う店を見てみましたら、一時いい材料がなくて品質が落ちていたがそれは現在では(11月の初め頃)解決されたとありました。

アキーラ社以外のヨーロッパのメーカーでは、そのような動きは見られませんが、EUの規制なので、当然考えられるのは、ヨーロッパのガット弦メーカーも同様の措置をとらざるを得なくなること、それと弦だけでなく、ガットフレットも供給難になることでしょう。

アメリカではそのような動きはなさそうなので、とりあえず、Gamut社に当面必要なフレットを注文、それに名古屋のミューズにある在庫品もいくつか押さえておくことにしました。フレットは結構よく交換するので、入手難になるととても困りますからねぇ。私はガット弦は使っていませんけど、この問題ってどうなるんでしょう?

共感覚、絶対音感

2011年11月15日 13時20分14秒 | 音楽系
心理学がご専門のmamekichiさんから、私は共感覚の持ち主だと教えて頂きました。(前回の投稿のレス参照)共感覚を持っていたリストやメシアンなんかと同一線上に並べられるとなんか急に偉くなったような・・・(笑)

調によって色を感じるという共感覚の前提としては、絶対音感が必要だと思いますが、一応ナンチャッテ絶対音感みたいなのは持っています。でも前回のレスに書いたように、一定の条件下でないとだめなので、あんまり役に立たないのです。コップをたたいて、はい、これはレの音です、みたいなのは100%できるわけではありません。

駅の構内で音楽が流れていないところで、発車の合図の音の音名はわかりますが、発車や到着の合図の音楽が流れているとだめなんです。頭の中に音階のモノサシがあるんですが、音楽が流れているとそのモノサシは出すことができません。(笑)

音階の判断もそのモノサシをあてて判断するので、少々時間がかかるときがあります。音を聴けばたちどころにドレミが分かる人もいますが、同じ絶対音感と言ってもそういう人とはえらい違いです。まぁ、私のような程度ではホンモノの絶対音感とは呼べないかもしれないので、ナンチャッテ絶対音感と称してるわけです。

私は世の中の普通のピッチより約半音低いピッチの楽器を演奏する古楽器奏者ですから、最近のモノサシは半音低くなっています。試しにさっきレの音を想いだしてみて楽器で確認してみましたが、やっぱり半音低いです。でもリュートで覚えた曲が、半音高く頭の中で響いているときもあって、やっぱり混乱しているのかも。

440ヘルツで調律されたピアノでもって絶対音感を獲得した人で、ものすごく頑固な絶対音感になってしまった場合は、415ヘルツ(約半音低いです)のチェンバロだと頭は大混乱するようです。たとえば、チェンバロではハ長調なのに、その人の耳にはシャープが5つもついているロ長調に聞こえるからです。415ならまだしもその中間くらいのピッチだと、ドでもレでもないので、頭の混乱はマックスになるそうで。でもこれは結構個人差があるようで、結構柔軟性のある人もいるようです。

私の場合、子供の頃、ゆるんだ弦のヴァイオリンを弾いていて、かつ2年くらいで止めてしまうという中途半端なことをしていたので、ナンチャッテになったんだと思いますが、まぁ、そんなくらいで結果的にはよかったです。いろんなピッチが存在するリュートで、頑固な絶対音感があったら、すごく不便ですからね。(笑)

小林研三展

2011年11月13日 13時22分03秒 | ローカルネタ
桑名市博物館で開催中の小林研三展に行ってきました。没後10年を記念する回顧展で、有料です。小林研三の作品は無料の展覧会のときに何回か見たことがありましたが、正直、どう見ても二級品だなぁという感が否めませんでした。やっぱり桑名ローカルレベルなんだ・・・なんて。

実際今回もあまり期待はしていませんでしたが、有料展なのでもしやいい作品があるのでは、と出かけてみました。

で、やっぱり予想通りいい作品がありました。というより皆いい作品ばかりでした。今まで見ていた作品だけで評価をしてはいけませんでしたねぇ。展示会を企画する方も、いい作品を集めてやってほしかったですね。でないと誤解されて作家に失礼です。

印象的な黄緑色の作品群を見ていますとなんかこれらの絵に音楽をつけてみたくなってきました。一度興が乗ったら何か書いてみようかなと思います。黄緑ですから、ヘ長調ですね。(私は各調で色を感じてしまう変人です。イ短調は深い臙脂色、ト短調はグレーとか)小林研三の作品は黄緑とか白が印象的ですから、ヘ長調とハ長調ですね。なんかいいフレーズが降りてくるのを待ちましょう。

ミニのユーザー車検

2011年11月10日 18時51分19秒 | 日々のこと
ミニの車検に行ってきました。家内が乗っている車ですが、ユーザー車検をしやすいように所有者は私にしてあります。7年前に買った車で、10万キロ近く走っています。でも、前回の車検の時に過剰整備でぼったくられたので、消耗品は新しいです。

前回車検のときは、ちょうどリサイタルにかかっていて時間がとれず、泣く泣くディーラーに出しました。輸入車というのは国産車に比べるとパーツ代やら整備代が高い感じがしますが、おまかせでお願いしたら、25万くらい請求されて、はじめは何かの間違いではと思ったくらいです。今回も2ヶ月くらい前に車検の案内が来てまして、15万円の見積もりが書いてありました。今回はもうやられません。(^_^)

油脂類やブレーキパッドは前回きれいに換えてくれたので、今回はいっさい交換なし。自力であちこち点検しましたが、特に問題はありません。検査場ではライトの点検がロボットで行うため結構厳しいので、これだけはいつも整備工場に出します。

今回もミニのディーラーに出しました。4000円弱かかりました。あとはボンネットの中を丹念に掃除して、洗車をして書類を書くだけです。書類一式は近くにある自家用自動車協会で90円。洗車は、以前は整備工場でスチーム洗車をして貰っていたんですが、昔は3000円くらいだったのが、最近では7000円以上します。近くの自動洗車機で下回りも洗ってくれるところがあるので、そこでそれなりに洗ってもらいました。

ミニのヘッドライトはボンネットに直付けなので、ライトがよく不合格になります。もし不合格になっても1日のうちで3回までなら再検査が受けられますので、不合格になったら、ミニのディーラーで無料でなおしてくれるね、って整備のお兄さんに確認をとっておきました。ミニのディーラーは、四日市の検査場のすぐそばですので便利です。

さて、検査当日。もう25年もユーザー車検やってますが、やっぱり緊張しますねぇ。本番より緊張します。(笑)朝早めに行ったので、4番目にラインに入りましたが、危惧していたとおり、ライトだけ不合格。で、予定の行動です。ミニのディーラーに行って・・・あれれれ、今日は休み。定休日は月曜日なので、月曜は避けていったにぃ。想定外です。

仕方ないので向かいのニッサンのサービスにお願いに行ったら、ミニは特殊なのでやれませんって返事。これはピンチです。後日の再検査が可能かを聞くために、もう一度検査場に戻り事情を話しましたら、実は事前審査(ホントは事前整備です)できるところが向かいにあってそこでやってくれる由。向かいは書類を最初に出すところですが、そのすぐ横に民間で軽自動車の検査を委託されているラインがあります。それは知っているんですが、そのラインのうち2本が事前審査をしてくれるラインなのです。これは知りませんでした。

1050円を払って、ライトだけチェックをお願いしたら、おじさんがドライバでちょいちょいとライトのどっかを調整して検査機器の数値を確認、はい、これでいいでしょう、とおっしゃる。え、ライトの光軸調整ってこんなに簡単なの?こんなもんに毎回4000円近く払っていたのがアホらしくなりました。大体車検自体が、こんなモンになんで5万も払うの?っていう程度の簡単なものです。ラインの通過時間は10分もかかりません。でも光軸調整だけは、整備工場でやらんとアカンよ、って昔読んだことがあるユーザー車検のガイドに書いてあったので、鵜呑みにしていましたが、たった1050円で出来る方法があるんですね。よし次回からはこれです。(笑)

もちろん再検査は一発で合格です。自賠責、書類代、その他いっさいがっさいで、6万を切っています。前回とえらい違いでした。今年は自分のエスティマの車検を6月にしました。これで2年先まで車検はありません。そう、いつもこうやって2年おくので、いまだに検査前は緊張するんですよねぇ。(笑)

六華苑コンサート終了

2011年11月09日 22時26分03秒 | 音楽系
日曜日の六華苑のコンサートが終了しまして、次はいよいよ12月17日のロココ・ミュージックのコンサートです。今年も相変わらず、コンサート毎に違うプログラム・編成のパターンが続いています。9月のリュートソングの次がオペラで、その次がチェロとのデュオ、そしてコンチェルトといったあんばいです。もう少し同じパターンでできんもんかいなといつも思うんですが、それがなかなかうまくいきません。

六華苑ではチェロの橋君とのデュオ。これは、昨年の春にも同所で彼とデュオを演奏しました。今回演奏した曲は、フランシスチェロ、ボアモルティエそしてヴィヴァルディの作品です。フランシスチェロの作品は如何にもチェロのために書かれたという感じの曲。ボアモルティエはフランス味をベースにイタリア味を加えたという感じの曲。そしてヴィヴァルディはヴィヴァルディの個性丸出しという感じの曲。うむ、ちょっとわかったようでわかりにくい表現ですが・・・

今年の六華苑のコンサートシリーズこれで終わりです。来年もまた企画したいと思いますので、皆様ぜひお越し下さい。