リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

あっちのオザワさん、こっちのオザワさん

2011年08月28日 13時01分46秒 | 音楽系
あっちの小沢さんもご活躍ですが、こっちの小沢さんも復活です。指揮者の小澤征爾さんは、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(長野県松本市)のオペラ公演で、初日の21日以来となる元気な指揮姿を見せたそうです。

昔はじめてヨーロッパに行って帰るとき(1976年頃だったと思います)、チューリヒの空港を歩いていると向こうの方から小澤さんが歩いてきて、すれちがうときに「こんにちは」と声をかけましたら「こんにちは」って返ってきました。意外に小柄な方だ、ということが非常に印象に残っています。もうその頃は既に世界をまたに活躍されていて、「世界のオザワ」でした。

彼の周りにいた音楽家、岩城宏之、若杉弘、武満徹、黛敏郎などほとんどの方が亡くなられた現在、最後のカリスマ的マエストロと言ってもいい存在の小澤さん、まだまだがんばってほしいと思います。

Sibelius 7

2011年08月25日 18時42分44秒 | 音楽系
楽譜制作ソフト、Sibeliusがヴァージョンアップされて、Sibelius 7になりました。Sibeliusのユーザとしては、早速乗り換えようと、ホームページを見ていましたら、ナナント、WindowsXPがサポートされていません!

XPはまだ、2年くらいは使えるというものの、ついにサポートをしないアプリケーションが出てきたんですねぇ。それがよりにもよってSibeliusだとは。XPをサポートしないのは、64ビットのOSでメモリを沢山つかって、ソフトシンセを充実させたいということなんでしょう。うーむ、ここいらで、Windows7に乗り換えるべきか・・・しかし、面倒だし・・・

ハードウェア的にはクリアしているので、Windows7に乗り換えてもいいんですけどね。それに自作5号機を作ってからすでに2年すぎているし。

Sibeliusはリュートのタブラチュアも一応対応しているので、結構重宝していますが、まだ完全対応はしていません。バロックリュートのバス弦の表記はできないし、リズムサインも完全に対応していません。もし、新ヴァージョンがそのあたりを完全に対応してくれているのなら、Windows7に乗り換えて、Sibeliusのヴァージョンアップをする価値はあると思いますが。


フェルメール展

2011年08月23日 13時10分09秒 | 日々のこと
昨日は家内と一緒に、フェルメール展を見に、豊田市美術館に行ってきました。フェルメール展といってもフェルメールの作品は1点だけですが。(笑)私が勝手に「フェルメール展」とまぁ便宜上言ってるだけで、正式の展覧会は、「フェルメール、なんたらかんたら」という感じなので、羊頭狗肉だと言うつもりは毛頭ありません。

当展覧会はフェルメールを含む17世紀のフランドルの絵の展覧会です。その当時の絵にはよくリュートが描かれているので、今回もそれを探してみましたらやはりありましたです。

全部で4点ありました。

1 ローマの広場を描いた作品。画面下方左寄りにテオルボかアーチリュートを弾いている人が描かれています。その部分自体は小さいので、楽器について詳細には描かれていませんが、あまり大型の楽器をではないようなので、アーチリュートの可能性の方が高いでしょう。1640年頃の作品なので、まだツァンボーニは生まれていません。ピチニーニやカプスベルガーはもうおじいちゃんになっていた時期で結構微妙な頃です。

2 演奏家を描いた作品。7コースのルネサンスリュートがうつ伏せになっています。リブは色違いまだらタイプ。この絵は17世紀の作品ですが、描かれているリュートその時代にあっては随分古いタイプ(16世紀に主流であったタイプ)です。

3 同じく演奏家を描いた作品。こちらはリュートを弾いている人を正面から描いています。楽器は多分10コースでしょう。でもひょっとすると11コースかも。バスライダーはありません。バス弦はオクターブ弦より濃く描かれているおり、プレーンガットではないことがわかります。おそらくローデドガットでしょう。10コースとか11コースの楽器は17世紀の第1四半期頃によく使われていたタイプの楽器で、この作品が描かれた頃(17世紀はじめ頃)のものです。この時代にはまだフランドルの特有のバスライダーをもった楽器は現れていません。ちなみにフェルメールの「窓辺でリュートを弾く女」が弾いているリュートもフランドル式バスライダーがないタイプです。

4 ヴァニティ(虚無)をテーマにドクロなどと一緒にリュートが描かれている作品。リュートという楽器は享楽、享楽の果ての堕落、虚無とかいった寓意で描かれることが多いのです。虚無がテーマの場合は、弦が切れているなどで演奏できない楽器であったりします。本作品は、色がくすんでいて弦が切れているかどうかは判断できません。それにうつ伏せに描かれていますので、もともと切れた弦は描かれていないのかもしれません。そのかわりというのもナンですが、フレットが3フレットまでしか巻かれていません。普通フレットは8とか9本巻きますので、三分のニ以上のフレットが切れてしまっている楽器です。相当長期間放置されてた楽器という感じがします。ちなみにロンドンのナショナルギャラリーにあるホルバインの「大使たち」という特大の絵には、ドクロとともに1弦が切れたルネサンスリュートが描かれています。

展覧会を見終わったあと、館内の喫茶店で以上のようなことを家内に講釈をしておりました。壁一面がガラスになっているお店で、遠くの山々の稜線がとても綺麗でした。その稜線の上にはずらっと積乱雲が連なっていましたが、これがその数時間後に局地的豪雨をもたらした雲だったのかもしれません。

サマーセミナー

2011年08月13日 12時35分47秒 | 音楽系
木曜日から、名古屋バロック音楽協会のサマーセミナーで、岐阜県高山市上宝に来ています。会場はいつものペンション、オープンハート平川です。

下界では猛暑が続いているようですが、こちらは大変涼しくて快適です。比較的雨が多いところですが、今年は全く雨が降っていないので過ごしやすいです。

昨夜は恒例の講師コンサートでした。今回始めての試みで、楽譜をiPadで見ました。Bluetoothのフットペダルも装備して、ページをめくります。足でページをめくるわけですね。

何日か前からiPadで楽譜を見てさらっていましたが、今回がデビュー戦です。

一応靴を履いてやってみましたが、足の感覚がつかめないので、結局靴を脱いでフットペダルを操作しました。まだ慣れ切っていないので、これでも結構タイミングが難しいもんです。自分で操作するということは、何かもう一つ別の楽器をひいているみたいな感じで、結構習熟が必要だと感じました。

本番では何とかページをめくることが出来ましたが、何度かミスも。(笑)操作ミスの原因として考えられるのが、ページをを見たかどうかの確認がしづらいことです。右下から左上に目を移動させると、その瞬間はどうも画面を見ていないらしく、そのページがめくったページなのかどうかがわからなくなるのです。

それは多分ページめくりのアニメーションが表示されるオプションをつかえばいけそうなにで、次回からはそうやって使ってみようかとおもっています。

使用したアプリは、forScore、フットペダルは、BT105です。