リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

PCのトラブル

2012年08月30日 15時40分00秒 | 日々のこと
一週間くらい前、PCの画面が突然プツンと消え、システムも動かない状態になりました。マザーボードから鳴っていると思われるピーピーという音が聞こえます。何回かリセットをしてみましたが、うまく起動せず同じ状態。筐体のふたを開けて、マザーボードを見ながら電源を入れてみましたが、排気ファンがちょこっと回ってすぐ止まります。ボードのナントカインジケータも全てついたままです。このインジケータはシステムが起動すると消えるはずです。

ハードディスクがやられていたり、ウィンドウズ自体がおかしくなってきたのが原因というトラブルは今まで何度となく経験していますが、これらの場合何らかの兆候が必ずあるものです。今回はそういった兆候は全くなく、突然ですもんね。困りました。ディスプレイやUSBのコネクタ、メモリがちゃんと刺さっているかを確認して、もう一度起動。今度はバイオス画面が出ます。3回くらい起動をしているうちにセーフモードでは起動しました。そして非セーフモードでも普通に起動できました。

ネットで調べてみると、ボードから鳴っているピーピー音の鳴り方が、どこが悪いのかを示しているそうな。しまった、何回どういうパターンで鳴っているかは全然記憶にありません。1回のみではなかったことは確かですが・・・

以来一度だけ画面が急に乱れてまたシステムが落ちましたが、それ以降は何もおこっていません。でも原因が究明されていないのは不気味です。今使っているPCは2010年5月の自作で、CPUが低電圧のCore2Quad9550sでグラボは最低の安いやつ、ストーレージは昨年12月にSSD500Gをおごってやった一点豪華式ほぼ無音PCです。(笑)製作して2年を過ぎましたが、電源も結構いいものを使っていますので、物理的にだめになる可能性は低いと思います。製作したときはXPでしたが、昨年の12月にSSDを導入したときに7をインストール、XPのHDDと切り替えて使っています。XPに切り替えても同じ症状が現れるので、間違いなくハードウェアのトラブルでしょう。

で、今日もう一度PCのふたを開けて、グラボ、メモリのささり具合をチェックしました。オプションのカード類はねじ止めしなくてもいいタイプのケースでしたので、ねじ止めはしていませんでしたが、どうもグラボがささっていてもかちっと決まっていない感じでしたので、ケースにねじ止めしました。これが原因であればもう落ちなくても済むんですが・・・

このトラブルが起こってから、あわてて全てのデータのバックアップを取りました。こういうときに限ってバックアップをしばらくとってなくて、バックアップが終了したら一安心しました。(笑)

高山→アメリカ

2012年08月29日 10時57分48秒 | 日々のこと
初孫を見にアメリカに行ってきまして帰ってきて、もうすっかり時差ぼけも取れた今日この頃。孫はホントにかわいいもんです。想像していたより小さくて・・・自分の娘も生まれた頃は同じくらいの大きさだったに違いありませんが、もうすっかり忘れていました。その赤ん坊だった娘が赤ちゃんを産んだとは、時が経つのは早いモノです。感心なことに娘は紙おむつではなく布おむつを使っていまして、久々に私もおむつ替えを手伝いました。20数年ぶりですが、手がちゃんと手順を覚えていましたね。(笑)

アメリカに行く前は高山のセミナーで、帰ってきたらアメリカでした。セミナーは今年はヴァイオリン族の楽器が充実してきましたね。今まではリコーダーとガンバ中心で、これらは比較的初心者に取り組みやすい楽器ですから、黎明期は仕方のない面もありました。リュートの通奏低音に取り組む人も今年はとても多く嬉しいかぎり。弦が充実してきてやっとバランスのとれたものになってきました。来年以降が楽しみです。

第二集

2012年08月08日 23時08分22秒 | 日々のこと
今日は多少は過ごしやすい日でした。といっても暑い日が続いていることには変わりはありません。昨日は立秋だったそうで、そういやここ何日かは夕方に庭の木の水をやるころには以外と涼しい風が吹いていました。暑い日々の中にも秋の気配を見つけることができる今日この頃です。

ミューズでのレッスンから帰ってくると、ドイツ在住の録音エンジニア、ヤンから編集済みのCDが届いていました。昨年の春にドイツで録音した「第二集」です。早速聴いてみました。昨年の夏に仮編集版を送ってもらいましたが、それと比べると音がずいぶんとふくよかな感じがします。「第一集」同じ条件で録りたかったので、スタジオの椅子の位置からマイクの選定、設定まで全く同じです。ただひとつ異なることがありまして、それはマイクプリアンプ変えてみました。まぁ、私としては何も分からないのですが、ヤンがこっちの方がいいよっていうもんですから・・・でもそれは正解でした。「第一集」もとてもきれいに録音されていましたが、「第二集」の音も若干雰囲気は異なるもののとてもきれいです。

第一集は、発売までずいぶん時間がかかりましたが、第二集は、ヤンは秋頃に出そうかと言っています。本来はこれでも遅いくらいですよね。(笑)でもまぁまた遅れるかもしれないので、秋のリリースはあくまでも目標ということで。

収録曲は、バッハの組曲BWV1008,1009(無伴奏チェロ組曲第2番、3番)とヴァイスのロジー伯のトンボー、ファンタジア、サラバンド、メヌエットです。

そうそう、0.42mmのガット弦まだ切れていません。普通に使えています。2週間と3日です。いったいいつになったら切れるのでしょう。(笑)

ビーフ・ガット弦

2012年08月04日 12時59分15秒 | 音楽系
昨年アメリカのガムート社が発売したビーフガット弦ですが、バロックリュートの1コース用に0.42mmを張っています。今日で13日目ですがまだ大丈夫です。途中で10フレット、4フレットの位置に傷がついてきましたが、そこからケバは出ていません。音は少しへたりがあるかな、という程度で、まだまだ充分使えます。

2コースの0.46mmを張ったときは、そういった目立った傷はなく、(もちろん各フレットの位置にへこみはありますが、これは合成樹脂弦でもできるものです)1ヶ月以上使えました。さて、この1コースが4フレットか10フレットのあたりでそのうちプツンと切れるのか、そのまま音にへたりが出てくるまで切れないかはみものです。

ヴァイスより少し年少のエルンスト・ゴットリープ・バロンは著書で、「(リュートの1コースがgからfになったので)ローマの弦が4週間ももったというような実例もしばしば伝え聞くようになった」(リュートなる楽器の歴史的理論的および実践的研究(1727)、日本語版「リュート - 神々の楽器 - 歴史と実践の研究」菊池賞訳)と書いていますが、いまより繊維の質がずっとよかったであろう当時でも1コースは4週間もてば表彰モノだったわけです。

私が1コースに張っている弦はシープではなくビーフですが、同社はビーフガットの特徴を、(シープと比べて)少し固い、音が明るい、ケバが出にくい、音程の安定が早い、環境による音程の変化が少ない、などと言っています。いいことずくめです。ただ0.38と0.40のビーフを数本ずつ(ヴァーニッシュ弦も)試した結果は、すぐにケバが出てきて実用にはなりませんでした。0.42mmは2週間近くたった現在でも使用できていますので、実用にたるものと判断しています。

以前佐藤豊彦氏がCDの解説に、最初のガット弦を使った楽器での録音セッションでは最高一日6本弦を交換したのが今回の録音では全セッションを通じて4本で済んだ、旨書いてらっしゃいましたが、(確か10年ちょっと前の話です)現在のガムート社のビーフガット弦はやっと実用域達したという感じです。昨年発売された弦なのでこのことはもうよくご存じのかたも多いかも知れませんが・・・(笑)

ただバス弦に関してはまだいいものがないというのが私の感想です。リュートは古楽器の弦楽器の中で唯一多くの演奏家が合成樹脂弦を使用している(使用せざるを得ない)楽器ですが、今後はガット弦を使う人が増えてくるのではと思います。また、他の弦楽器の人にとってもよりよい音で長持ちするトレブル用のガット弦はより多くの人に使われていくものと思います。

あとついでにナイルガット弦との比較を少々。ナイルガットも少し組成を変えた新しいものはいままでの合成樹脂弦の中では一番いいと思います。でも1コース用0.42mmのナイルガット弦と比べてみましたが、音量音質安定性などほとんどの点においてガムートビーフガット弦の方が上です。訓練された人でやっとわかる差ではなく誰でもすぐに分かるというレベルの差があります。ヒストリカル云々という視点からではなく、ナイロン、カーボン、ナイルガット、ニューナイルガットに続く「新素材」と捉えてみてもいいかも知れません。