リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

六華苑殺人事件!?

2011年09月21日 12時49分14秒 | ローカルネタ
桑名六華苑を舞台にした土曜ワイド劇場の録画を見ました。ドラマの内容そのものより、オール桑名ロケなので、そっちの方に興味がそそられました。

いつもミニコンサートをするところとか、控え室にして頂く、普段は立ち入り禁止の和室なんかが上手に使われていました。おー、あの和室から弁護士を弓矢でねらって殺害するんだ、なんて感じですね。

中堤を車で結構長い時間北上したのに、途中で車から降りた地点は伊勢大橋の中堤入り口からほんの少しのところ。そりゃないやろ、なんてつっこみも入ります。(笑)

あと音楽を担当した方が個人的に知っている人でした。もう20年くらい前ですが、その方の「下請け」でCM、カラオケ、ゲームなどの音楽を作曲したことがありました。(譜面を書くだけでなく、コンピュータとシンセサイザを使って完全な「音」にまで仕上げてそれを納品します)今では彼はすっかりメジャーな仕事をしているんですねぇ。

10年くらい前に教科書会社の依頼で何曲か作曲して以来、作曲の仕事はしていません。ま、たまに家内(小学校に勤めています)の学芸会の音楽を担当したりするくらいです。ギターアンサンブルとかリュートの生徒のための作編曲あるいは自分で演奏するための作曲はときどきしますが、またシンセを使ったものもやってみたいですねぇ。

あつたモーニングコンサート

2011年09月17日 15時42分40秒 | 音楽系
木曜日のあつたモーニングコンサートが終わりました。ソプラノの増野友香さんと一緒に「ジョン・ダウランドとその周辺~リュートとともに超える400年の時空」という長ったらしい(笑)タイトルのコンサート行いました。

ダウランドの第1リュートソング集からの作品を中心に、トラッドやビートルズ作品の編曲を交えてプログラムを組みました。何せ400年の時空を超えていますので、通して聴いていただいても違和感を感じないよう、アレンジにいろいろ工夫をしてあります。

熱田文化小劇場で演奏するは、2003年5月のリサイタル以来です。モーニングコンサートだというので、朝は6時過ぎに起きて、指慣らしを行いました。ま、そのくらいの時間に起きるのは普通なんでしょうけどねぇ・・・で、会場入りは9時より前はだめだそうで、(もっとも7時に会場入り可能となっていてもそんな時間に行くわけはないですが)リハーサルの時間が限られているのがつらいところ。おまけに9時の段階では冷房が入っておらず、調弦が安定しないのも大変なところです。

朝早いにもかからわず、というか朝早いと感じているのはこちらだけか(笑)、沢山の人に聴きに来て頂きました。皆さんとても熱心に聞いて頂き、またこちらとしても本当にきれいによく響くホールで大変気持ちよく演奏することができました。終演後のアンケートもほとんどの方から頂くことができ、読むのに嬉しい悲鳴。大変好評で、とても嬉しかったです。

今回は名古屋市内配布のミニコミ紙ショッパーにも紹介して頂きました。たまたまよく目立つところに掲載していただいたので、大変効果があったのではないかと思います。

クロッシング

2011年09月13日 09時46分45秒 | 音楽系
人名で「ヤシロ・ア・・・」とくれば、世間的には八代亜紀でしょう。でも中には矢代秋雄の名前が真っ先に出てくる人もいたりして。(笑)

矢代秋雄は、1976年に47歳で早逝した日本の作曲家です。75年か74年の三重国体の音楽も担当しています。そういう類に音楽を担当するということは当時は売れっ子だったということですよね。

アマゾンの案内で、NHK現代の音楽アーカイブシリーズのCDが出るというので、早速矢代秋雄のものを買ってみました。曲目はピアノ協奏曲、2本のフルートとピアノのためのソナタ、ピアノ・ソナタ。最初のピアノ協奏曲はとても有名な曲でいくつか録音が出ています。私も2枚もっていますが、新しい録音のナクソス版が好きです。あとの2曲は聞いたことがないので、このCDを買いました。

ピアノ・ソナタはなかなか素晴らしい曲ですね。矢代秋雄は寡作なので、もうあと何枚かCDがでれば全集完結になるかも。

この矢代CDを買ってからはアマゾンから現代の日本の作曲家のCDが出るたびに案内がくるようになりました。ま、いちいち買っていてもなんでしたが、ある一枚に食いついてしまい、アマゾンの思うツボになってしまいました。

そのCDは、武満徹のArcというアルバムです。このアルバムは武満が80年代の中頃に作風を変化させて行く前の作品が3曲入っています。いわゆる前衛的な作品です。武満晩年のマイルドな感じの作品群でもなんか昨今は忘れ去られているみたいですから、武満が若い頃の前衛的作品群なんて今の世の中では受けるわけがなく、よくぞ新しい録音で出してもらったもんです。(沼尻竜典指揮東京都交響楽団2000年19月のライブ録音他、fontec FOCD9273)

曲目は、クロッシング、アーク、オリオンとプレアデスの3曲。この中で私はクロッシングという曲に特に思い入れがあります。この曲は、大阪万博の鉄鋼館の音楽として作られた曲はです。なんで鉄鋼と現代の音楽が結びつくのか、と不思議に思うかたもいるかもしれませんが、これはたぶん当時新日本製鉄がラジオでクラシック音楽の番組を持っていたからじゃないかと思います。(当時はCBCでした)その番組では昨今のクラシック音楽の番組みたいに、もう甘く甘く砂糖を塗ってさらにチョコレートにどっぷりつけて、さらにもう一度砂糖をまぶして食べやすくしたみたいな番組と異なり、しっかりと硬派してました。

そのラジオ番組名は新日鉄コンサート、その前は八幡製鉄コンサートでした。それは大学受験の勉強をしている夜の週に一度の「密かな(笑)」楽しみでした。もちろん古典作品も放送されていましたが、黛敏郎の無伴奏チェロのためのBUNRAKUとかオーケストラのための舞楽なんかはこの番組ではじめて聞きました。冒頭で紹介しました矢代作品はやはり当時放送されていましたNHK番組「現代の音楽」(FM)の録音アーカイブです。

こうしてみますと、そのころの日本って何と芸術に寛容というかハイレベルだったんでしょう!って思いますね。舞楽なんかはTVでもちょくちょくやってた記憶があります。今は現代の作曲家の作品はFMでたまに聞けるくらいで、普段はまず聞くことはなくなりました。楽譜だって、そのころ(高校生の頃です)桑名市内で武満徹の作品が雑誌の付録として入手できましたよ。あの文化ハイレベル国家がいったいどうなってしまったんでしょうねぇ。

ということで、これからクロッシングのことについてもっと書こうと思っていたんですが、長くなるので、続きは次回。