リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュート音楽のひととき名古屋公演

2018年02月26日 19時22分49秒 | 音楽系
三連戦のうち、第1回目の名古屋公演が終了いたしました。会場は名古屋市北区のミューズサロンです。

今回のプログラムは、バッハ、ヴァイス、バロン、ファルケンハーゲンの「大物」とあと、ヴァイスの小品と自作の小品です。ちょっとよくばりすぎだったかな?これだけ揃えると結構疲れます。(笑)


終演後ほっとしたところで撮っていただきました。

ミューズサロンでこの「ひととき」シリーズは18回目になります。ほとんど皆出席の方も含めてたくさんの方に聴いていただきました。今回は初めて、昨年の5月に購入しました、スゥェーデンのラルス・イェンソンの13コースバロックを使いましたが、なかなかの音量で音がよく通っていました。

コンサートの一番最後に、ひとこと「来年はリサイタルでコンチェルトをやります!」って言ってしまいましたが、言った以上はやらないといけませんねぇ。(笑)



無駄なこと

2018年02月17日 19時41分11秒 | 日々のこと
カーステレオで使うためのUSBメモリをアマゾンで購入しました。最近のクルマには(というか私の車だけ?)CDプレーヤーがついてないので、音源をCDからリッピングしてWAVファイルにして、それをUSBメモリに入れてプレイしないと音楽が聴けません。CDからは面倒ですが、今はネットで音楽データを買う時代あるいはストリーミングで聴く時代ですからこんなもんなんでしょうねぇ。

そのUSBメモリ、自宅に届けてもらうといないときがあるので、近くのファミマに届けてもらうことにしました。本当は昨日の夜、名古屋のレッスンからの帰り道に寄る予定でしたが、コロッと忘れていましたので今日取りにいきました。

レジでお姉さんに、伝票番号を見せたらサッと出してもらえるのかと思っていましたら、FAMIポートで必要事項を入力してくださいとおっしゃるので、店内のFAMIポートという端末で操作をしましたら、レシートみたいなのが出てきました。それをレジのお姉さんに渡して、荷物がもらえるという仕組みです。

そういや、私のコンサートのチケットもそのFAMIポートを操作して発券してもらうことになっています。(e+です)売れてますかねぇ。

受け取った荷物は中身が小さい割にはえらい大きな箱に入っていました。なんでこんな無駄なことをするんでしょうねぇ。小さな袋に入れてもらえば十分なんですけど。



無駄と言えば、あのオリンピックの放送なんとかなりませんかねぇ。オリンピックに興味がない人にはとっても迷惑。お昼のワイドショーなんか各局ともほとんどオリンピック一色。円高やら株の乱高下とかもっと話題にしてもいいことがたくさんあると思うんですが。あのモリカケのときも、まるで北朝鮮の問題を覆い隠すかのように、テレビはモリカケばかりでした。まぁ世間一般ではやっぱりオリンピックなんでしょうね。

というかぐだぐだ言ってないで、テレビなんか見なければいいのですけどね。(笑)でもなんかせっかくの電波を無駄に使っている感じ。私はお昼のワイドショーを録画しておいて、夜にスキップしながら見るんですけど、もうほとんど見るところがありません。まぁその方が時間の無駄はなくなるのでいいのでしょうけど。

バロック音楽の旅11終了!

2018年02月13日 17時00分54秒 | 音楽系
バロック音楽の旅11講座の第6回が終了、これで本年度の全講座が終わりました。第6回目は、「リュート、ヴァイオリン、チェロのための疾風怒涛」というタイトルで、ギャラントスタイルの曲を演奏致しました。ヴァイスの次の世代の人たちの作品です。


ヴァイオリンは廣田雅史さん、チェロは波多和馬さんです。

バロック音楽との比較をするために1曲だけヴァイスの短い曲もプログラムに加えました。今回6人の作曲家の作品を演奏しましたが、作曲家の生年が大体10年くらいずつずれていくように構成してみました。日本的に言えば、大体一回りずつ年齢が若くなっていく作曲家たちを並べたという感じです。もっともプログラムの構成上、年齢順にはなりませんでしたが。

プログラムは次の通りです。

ヴィウス・レオポルド・ヴァイス(1687-1750)
プレリュード ヘ長調(リュートソロ)

アダム・ファルケンハーゲン(1697-1761)
ソナタ第5番ヘ長調より、第1楽章、第3楽章(リュートソロ)

ジャン=ピエール・デュポール(1741-1818)
チェロの為の練習曲より第8番 ニ長調(無伴奏チェロソロ)

ヨアヒム・ベルンハルト・ハーゲン(1720-1787)
リュート、ヴァイオリン、チェロのためのソナタ ヘ長調

クリストフ・シャフラート(1709-1763)
チェンバロまたはリュートオブリガートとチェロのためのソナタ ハ長調

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
カッサシオーナ ハ長調


シャフラートの作品はリュートパートはオリジナルの手書き譜を参考に私が編曲致しました。ブログでも書きましたように、多分ラウテンヴェルク用のパートだと思われますが、このラウテンヴェルク用というのはなかなか曲者です。チェンバロ用としてみるとあまりにも音がスカスカですが、リュート用としてみると今度はちょっと音が多くて大変、でもやってやれないことはない、という感じになるのです。バッハのリュートソロ作品も何曲かはラウテンヴェルク用だと考えられていますが、同じような感じになります。

でも今回苦労して「リュート曲」に仕立てあげたので、(まだ若干無理がありますが)また機会を作って演奏したいと考えています。曲自体はとても水準が高く、大家の作品という風格があります。

さて、今年度のバロック音楽の旅11はバロック音楽の旅史上最高の89名の方に参加をして頂きました。そして来年度のバロック音楽の旅12の先行予約も60名近い方にしていただきました。これで来年度の成功も間違いなし!かな?来年度は初めてのバロック・オーボエやバロック・ギターのコンサートも予定します。また時期が来ましたらお知らせしますので、興味のある方はぜひお越しください。

クリストフ・シャフラートのソナタ

2018年02月01日 10時08分19秒 | 音楽系
2月11日に開催するバロック音楽の旅11の第6回講座(コンサート)もいよいよ迫ってきました。今回のタイトルは、「リュート、ヴァイオリン、チェロのための疾風怒涛」で、18世紀第2四半期以降のバロック音のスタイルから脱却しつつある新しい様式の音楽を演奏する予定です。ヴァイオリンは廣田雅史君、チェロは波多和馬君です。

曲目はファルケンハーゲン、ハーゲン、ハイドン、シャフラートの作品を予定しています。この中で特にシャフラートの作品はまだ録音もされていないみたいだし、ひょっとしたら世界初演!?、まぁ少なくとも中京地区初演は間違いないです。(笑)

演奏予定のシャフラートの作品は、「二人の奏者のためのソナタ、チェンバロまたはリュートのオブリガートとチェロのために」というタイトルがついています。三楽章で構成されており、繰り返しをすると20分ちかくかかる大曲です。コンサートでは時間の都合で繰り返しはすべて省略しますが、それでも十二、三分はかかります。


(部分)

シャフラートはプロイセン王国のフリードリヒ大王の楽団でチェンバロ奏者を勤めていた人で、バッハの次男、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハの同僚になります。同楽団にはリュートのエルンスト・ゴットリープ・バロンも参加していました。この曲のタイトルの書き方「チェンバロまたはリュートの」という部分は曲者で、どうみてもチェンバロ専用のための書き方ではありませんが、リュートでぴったり弾けるというものでもありません。チェンバロで弾くと音が少なすぎるし、リュートで弾くと技術的な難易度が極端に高い部分がある、というわけです。

バッハのBWV998も「リュートまたはチェンバロのための」という副題がついていまして、こちらはラウテンヴェルク(チェンバロにガット弦を張ってリュート風の音が出る楽器、当然曲もリュート風に作曲されたものを弾く)用というのが定説になっていますが、このシャフラートのソナタもどうもラウテンヴェルク用みたいです。同じ楽団にリュートのバロンがいますので、彼にアドヴァイスをもらって書いたのではないでしょうか。どうせなら、バロンに弾いてもらってタブに直してもらっていたらよかったんですけどねぇ。

この曲はチェロ奏者の高橋弘治君に以前楽譜を頂いていて、いつか演奏してみようと思っていた曲です。楽譜をチラっとみた感じではとてもリュート的な音の密度で音域もリュートの音域内でしたが、いざリュートで弾いてみるとこれがどうしてなかなか曲者でした。やっぱりラウテンヴェルク用ですねぇ・・・

第1楽章の出だしなんかとてもリュート的な動きで好印象なんですが、途中で何か所かなんともリュートでは弾きづらい箇所が出てきます。そういった箇所の音型を少し変えたり、バスをオクターブ上げ下げしたりして演奏可能なタブを作りました。こういうときはシベリウスはとても便利です。実は最初手書きでアレンジを始めたのですが、あまりに手がつかれるので、途中でシベリウスに切り替えました。丸一日無駄になりましたが・・・

今回のアレンジにあたって、オリジナルの手書き譜も参照しました。高橋君からもらった楽譜はフーゴ・ルーフによるものです。楽譜自体に音の間違いがあったり、多分編曲者の意思が入っているかもしれないので、第一次ソースに戻ってみました。今は便利な時代でオリジナルはIMSLPというサイトにパブリックドメインとして公開されています。実は40年くらい前に、欧米の図書館や博物館に所蔵楽譜のコピーを大量に発注したことがありました。

もう絶版になっていますが、エルンスト・ポールマンという学者が編纂した、「リュート・テオルボ・キタローネ」という、これらの楽器のための楽譜のカタログおよび所在地一覧本がありました。1970年代の前半にそれで調べてすべてのバロック・リュートを含んだ室内楽作品を記載されている図書館・博物館に照会したことがありました。当時の東ドイツにあったものは全く返事がなかったものや、お金を送ったのに最終的には届かなくて入手できなかったものもありましたが、大半はちゃんと届きました。私の記憶ではシャフラートという人の作品は照会していませんでしたし、当時の私の送付記録を見てもシャフラートはありませんでした。ところがポールマンの著書を改めて見てみますと、ちゃんとシャフラートは記載されていました。あらら、見落としていたんですね。

でも現代は便利な時代になりました。所在地がベルリンなので、70年代だとひょっとして入手できなかったかもしれないし、入手できても白黒だしマイクロ・フィルム代、それの現像代、製本代などいろいろ経費もかかったことでしょう。旧東ドイツだから入手まで半年から1年かかります。今はあっというまにタダでダウンロード、しかもカラーでとても鮮明です。おかげで今回のコンサートには楽勝に間に合いました。

コンサートは先述のように2月11日(日)15時、会場はくわなメディアライヴ「時のホール」です。曲目はシャフラートの他に、ハイドン「カッサシオーナ」、ハーゲン「リュート、ヴァイオリン、チェロのためのソナタ」、ファルケンハーゲン「ソナタ第5番より」他を予定しております。