リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

フレット増設

2019年10月31日 08時49分16秒 | 音楽系
アーチリュートに13フレットを増設しました。13フレットなんてリュートでは使うことがほとんどありませんが、最近演奏会で弾いているスカルラッティのソナタK380が13フレットまで必要なので自分でフレットを作り接着しました。製作家にお願いしてもよかったんですが、まぁフレット1本くらいは自分でできるだろうと思ってやりましたがエライ時間がかかりました。



実はもともと13フレットはあったんですが、楽器を修理・調整してもらったときに貼りフレットは全部取ってもらいました。製作家が再び貼り付けするときに1本貼り忘れたんですが、まぁ滅多に使うフレットじゃないからまぁいいかってことにしておきました。でもやっぱりいるときはいります。(笑)

13フレットの材料は、爪楊枝です。実は最初桐の角材から削り出したフレットをつくったのですが、5ミリ角の角材からフレットに整形し、いよいよ切り離すときに、ハサミで切ってしまったので切ったはずみでポーンとどっかに飛んで行き行方不明に。痛恨の極みです。(涙)またゼロから削り出しも面倒なので、爪楊枝から削り出すことにしたわけです。でもあまりいい木ではなかったので、ちょっとガサついた感じです。そのうち弾いているうちにペリッと角が取れるかも。

ついでに貼りフレット付近でビリつくところがあったので、フレットを削り調整しました。ところが昨今の台風やら悪天候続きで、また表面板が気持ち浮き上がってきたのでしょうか、せっかく調整して出なくなっていたビビリ音がまた出て来ました。実は先日の六華苑のコンサートはビビるフレットに注意をしながら弾いていました。

で今回それの再調整です。実は前回は全てのポジションについては面倒くさいので調整していませんでした。今回はあまり使わない所も含めて全て調整を行いましたので、結構時間がかかりました。まぁこれで何でも来いです。バロック・リュートだとコハウトのニ長調ソナタで14フレットが出て来ますが、そもそもこのあたりのポジションは弾きにくいし音も良くないので、使わないにこしたことはないのですが、出てくるときは出てきますので、用意は万全にしておく必要があります。

砂をかむ

2019年10月30日 23時58分20秒 | 日々のこと
「砂をかむような」という表現が、「悔しくてたまらない」という意味にとる人が多いそうです。ある年代より上の人は、受験生ブルースという歌が昔はやっていたので、多分正しい意味をご存じでしょう。「砂をかむよな味気なさ~」なんて歌っていましたからね。(笑)

受験と言えば、大学入試における英語試験の民間試験導入に関して、文部科学大臣が「身の丈発言」で追及されています。民間試験導入に関しては、もちろんそれも問題ですが、まずもって問題にしなくてはいけないのは、それらが学習指導要領に基づいて問題が作られているわけではないという点です。

学習指導要領に基づいて学校教育が行われ、その範囲で全ての教科の入試問題が作られるべきことは当然のことですが、そもそも目標が違う英語民間試験の導入は発想のスタートから間違っています。

そういう重要なことを決定する協議の場に専門家がいなかったのでしょうか。私の知っている範囲では、この件以外でも、教育関係の重要な決定をする委員会に専門家が入っていないケースが結構あります。中央教育審議会の答申に基づいて、学習指導要領の作成会議が開催され、そこで決められた各教科の学習指導要領に基づき、日本の学校教育が進められていくわけですが、その一番トップの中央教育審議会に英語教育の専門家が入っていないのです。

審議会に出席されている各界の著名人から、「日本の英語教育はなっとらん」「もっとしゃべれるようにせんとあかん」なんて意見がでて、ではその方向でとなるわけです。そこには英語教育の専門家による検証はありません。ずいぶん乱暴な感じです。それで、その意見が学習指導要領の委員会におりてきて、この方向性は曲げられませんので、その線に沿った学習指導要領が作られ、日本の公教育の方向が変化していくわけです。学習指導要領の委員会の先生(こちらは全員専門家です)は苦慮するわけですが、すでに方向性が定まっているので曲げるわけにはいきません。

英語の大学入試に民間試験導入を導入することを決めたプロセスも恐らく同じような経緯があったのではないでしょうか。英語教育の専門家や学校教育の関係者でいろんな方向から議論すればまずそのような結論には至らないはずです。どっかの国のトップが辞めたあと逮捕されるケースが多いのをうけて、その国のシステムがおかしいのではという意見をおっしゃる方がいますが、こと教育の方向性を決める我が国のシステムも相当危ういものです。


桑名六華苑ミニコンサート秋

2019年10月27日 22時52分23秒 | 音楽系
今日は六華苑の秋コンサートでした。今回はバロック・オーボエの大山さんと共演させて頂きました。オーボエは音が大きいのでリュートで伴奏できるか少し心配でしたが、先日のリハーサルではバランスは全然問題ありませんでした。今日はとてもいい天気で湿度も低く快適な日でしたので、もともとよく響く会場がさらによく音が通っていました。



春のコンサート同様沢山の方にお越し頂きました。トークもまじえての約1時間のコンサートでした。プログラムは次の通りです。

ド・ヴィゼー/組曲イ短調
オトテール/組曲第3番ハ長調
スカルラッティ/ソナタ K380
テレマン/パルティータト長調より



本年度はこのコンサートでお仕舞いです。来年度は5月頃を予定しています。

光回線開通!

2019年10月25日 11時12分44秒 | 日々のこと
我が家の光回線が開通しました。ウチは電話局が近いのでずっとADSLで通信をしていました。もう20年位前です。そのころからずっとモデムの電源はいれっぱなしでしたが、記憶が定かではありませんが、1,2年前くらいからだったでしょうか、モデムがときどき切れる状態になり、すぐ戻るという現象が起こっていました。


ADSLのモデム

その切れている間隔が少しずつ長くなり、最近では1時間くらい切れるのが普通になってきましたので、ついに光に変えることを決めました。その工事を昨日してもらいました。


新しいOCN、キモチ左に設置した方がよかったかな

家の外には、作業用の車が来ていて、光回線を家の前に引きこむ作業をしていましたが、なかなか大がかりでした。もっとこっそりとやってもらえるものと思っていました。家の外から電話回線を通している管に光回線も通すことにしてもらいました。最初はエアコンのダクトから線を室内に入れるようにすると思っていましたが、よく考えて見ましたらウチは全ての部屋に電話線を通す管が張り巡らされていました。これはもともと各部屋から電話がかけれるように、私の部屋に簡易電話交換機を設置していたからです。その電話交換機も9年前に故障、それ以降はワイアレスで各部屋につないでいます。モデムも20年で故障、電話交換機も20年で故障、まぁそんなもんですね。

機器を設置して各ケーブルを接続して、完了。Wi-FiルータはこのときのためにIPv6に対応したものに交換しました。この新しいWi-Fiルータは電波が強くて、前のWi-Fiルータは途中で中継しないと2階の部屋に届きにくかったのですが、新型はそういうものは必要ありませんでした。余った中継器はメリカリで・・・

パソコンの方はBiglobeさんか頂いたIDやら暗証を入れて完了、インターネットに接続してみるとやはり速いですね。いかに電話局に近くてももともとADSLは遅いですから。それに途中で切れないのがいいです。まぁ当たり前ですが。(笑)


めざせ、ストラディバリウス超え!

2019年10月22日 20時29分37秒 | 日々のこと
今年も性懲りも無く芸能人格付けチェックを見てしまいましたが、今回もストラディバリウスを始め、いろんなプロアマの聞き分けをやっていました。でもあるジャンルなんか。プロもアマもどっちも下手なのにプロとアマを聞き分けるというのは、何を基準にしたらいいのでしょう?まぁプロが下手すぎるということは確かなので、はっきりとプロの仕事をして欲しいところです。でもそれだと番組が成り立たなくなるか。

ストラディバリウスの聞き分けを聞いていてふと思ったんですが、件のストラディバリウスというのは、まずバロック・ヴァイオリンとして作ったわけですよね。そして何年か経って、ネックをすげ替え、魂柱を太いのにして・・・などなど幾多の改造を重ねて、現代で使用できるようにしているわけです。

それなら、現代の製作家もそれと同じ道をたどってみてはいかがでしょう。つまり徹底的にバロック・ヴァイオリンのいいのを作るのに注力するのです。何十年も修行を積み、低張力のガット弦(1弦=8kgではだめですよ。5kg以下です)で充分になる楽器が作れるくらいに腕が上がったあかつきには、その出来上がった楽器から現代のハイテンションスチール弦が張れるように改造を施すのです。低張力弦でよく鳴る楽器ですから、ハイテンション弦に替えたらガンガン音がでます。セスナにゼロ戦のエンジンを積むようなものです。

現代のウン億円のストラディバリウスは100年以上経ってから改造し始めていますから、今すぐ改造するのですのでしたら、圧倒的に有利なはずです。多少バロック・ヴァイオリンとして劣っていても楽器の経年変化がない状態のところでの改造ですから、それでもストラディバリウスよりいい音がなる可能性大です。

え?楽器というのは古くなればなるほど音が枯れてよくなっていくんだ!ですって?まぁ楽器にもよるし、修復のしようによってはそういうこともあり得ますが、だまされたと思って一度やってみたら如何でしょうか、製作家の皆さん。(ホントにだまされるかも知れません)え?また何か聞こえてきます。「そんなことをしないでも食ってけるんだ。それにそもそもストラディバリウスを超えてはいけないんだよ」うーむ、確かにそう聞こえたような感じも。どうも私もトシなので幻聴が出るようになりました。


バロック音楽の旅13第2回講座

2019年10月20日 22時48分06秒 | 音楽系
バロック音楽の旅13第2回講座が終了しました。今回はレクチャーで、「名画を聴く」というテーマで、音楽に関する内容が描かれている絵画を鑑賞しながら、そのころの音楽を聴いていくという内容です。



紹介しました絵画と音楽は次の通りです:

フラ・アンジェリコ/リナイウォーリの祭壇画
アグリコラ/はかなきさだめ

ヒエロニムス・ボス/快楽の園
作者不詳/茶色の帽子をかぶった男

ハンス・ホルバイン/大使たち
スピナッチーノ_ギーゼゲム/はかなきさだめ

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラバッジョ/リュートを弾く若者
アルカデルト/アヴェ・マリア、モリナーロ/ファンタジア

ヨハネス・フェルメール/ギターを弾く女
コルベッタ/ジグ

同/リュートを調弦する女
ゴーティエ/プレリュード

同/合奏
ランベール/春の誘惑

エヴァリスト・バスケニス/楽器のある静物
フローベルガー/ジグ

小磯良平/リュートを持つ婦人
伊福部昭/バロック・リュートのためのファンタジア

いつもだとどうしてもバッハの曲が多くなりがちですが、今回は絵画に関連する音楽ということで、中世から17世紀の終わりの作品を聴いて頂くことになりました。(一足飛びに20世紀の伊福部昭もありましたが)

こういった講座ではよくあるような、一般に知られているような曲ばかりをならべることはいたしません。そういう方向って、実は参加者やリスナーを下に見ているような気がします。本講座は決して甘口ではありません。でもいろんな方法を使って、初めてバロック音楽に触れるという方でも、その神髄をできる限りわかり安く説明したり聴いて頂いたりすると言うのがモットーです。次回は11月24日(日)杉浦道子さんのチェンバロコンサートです。会場はくわなメディアライヴ1F多目的ホール、15時開演です。




ふた安心

2019年10月18日 09時12分59秒 | 日々のこと
光回線の工事が来週の木曜になったと、ビッグローブさんから連絡がありました。今はADSLモデムは何事もないかのように普通に稼働していますが、急にプツンと通信が途切れてしまいます。すぐ復旧するときもあるんですが、多くは2時間くらい切れたまま。知らないうちにまた繋がっていたりします。これでは仕事になりません。まぁ20年間電源入れっぱなしですから故障のひとつやふたつはあっても不思議ではないですが。

今度の日曜日、バロック音楽の旅13第2回のレクチャーでプレゼンをするのですが、パワポの資料を作るのに、あちこちから無料の写真を拾ってきたり、音源をiTunesやアマゾンから買ったりするなど、インターネットのアクセスが欠かせません。

モデムさんが機嫌のいいときに、まとめてネットアクセスが必要なところはあげたところで、まずひと安心。前回は会場のプロジェクタが故障して、これはアウトかな、というところでなんとか乗り切りましたが、さっきホールの担当の方から連絡があり、故障は修理したとのことでこれでふた安心。(笑)

東京、横浜に行く

2019年10月15日 17時34分35秒 | 日々のこと
13日、14日は東京、横浜にいました。もともとこの日に行くことは大分前から決まっていましたが、まさか台風襲来の翌日にあたってしまうとは思ってもみませんでした。もう一日前、土曜日から行く予定にしていたら完全にアウトでした。

車で行ったのですが、高速道路は東名高速に不通区間があったので、車が迂回してくる箇所があり、その付近は渋滞していました。しかし基本的には道は比較的すいていて天気もよかったです。



その日は豊洲のホテルに投宿しましたが、途中見た都内はまるで何事もなかったかのようにごく普通でした。街路樹の1本くらいは折れているのではと心配していましたがよかったです。ただホテルの窓から見た川の水は濁り水位も高かったです。

東京では、息子が住んでいるので久々に顔を見に行ったのと、翌日に東京藝術大学の美術館で「聴く絵画、見る音楽、リナイウォーリ祭壇画」という展覧会がありましたので午前中に出かけました。



展覧会は、私の生徒さんで現在藝大の大学院で勉強しているMさんに紹介して頂き案内してもらいました。



展覧会を見たあとは、横浜でオーボエの大山有里子とリハーサルです。大山さんとは桑名で2回、東京で1回コンサートを予定しています。一番近いところでは10月27日、桑名六華苑のコンサートがあります。とりあえずそこで演奏する曲は最低限あげないといけませんので、3時間あまりしっかりと合わせてきました。



帰りは出発時刻が遅くなったせいか、工事渋滞と重なってしまい、御殿場まではえらい時間がかかりました。それ以降は小雨気味でしたが、順調に走ることができました。渋滞で時間がかかったお陰?で日をまたいで帰桑しましたので、高速料金が少し割引きされていました。


また台風が

2019年10月10日 16時51分56秒 | 日々のこと
台風19号が近づいています。当地は直撃ではなさそうですが、何しろ暴風圏が広いので、土曜日にはそうとう風雨が強まるらしいです。土曜日に予定していたレッスンは中止にしました。

実は日曜日に関東に行く用事があるのですが、その頃はもう台風は過ぎ去ってしまっているので出発時の当地は大丈夫でしょう。でも関東地方に大きな災害が起こったり、高速道路が不通になってしまっていたら、行くに行けない自体も考えられます。

以前読んだことがある、高嶋哲夫の小説で、超巨大台風が関東地方を襲うというのがありましたが、なんかコース的にはそれを地で行っているみたいな感じです。うちも備えとして、天窓があるのでそれに貼る養生テープを買ってきました。もう無事を祈るしかありません。

不自由展再開!?

2019年10月08日 17時18分46秒 | 日々のこと
愛知トリエンナーレの不自由展が再開され、それに反対している河村市長は座り込みをするなど抗議行動を起こしたそうです。

芸術活動を阻害されるようなことがあってはならないというのが再開の理由のようですが、なんか問題がすり替えられているような感じがいたします。市民から抗議があったものの1つに、慰安婦像とよく似た像が展示されてあったからというのがあった(他に天皇を侮辱する作品も)と思いますが、少し前のエントリーでも書きましたが、この像ってそもそもプロパガンダのための像です。

実際はとても政治的なプロパガンダの問題なのに、芸術表現の自由の問題へとすり替え。そして抗議電話も今回から録音し、10分制限を設けるなど、悪いイメージへの印象操作。

どっかの国の政治的プロパガンダとか自分の国の象徴を侮辱するために税金を使うことはないし、河村市長のおっしゃることはまっとうだと思います。