リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

会計報告

2022年01月31日 16時25分58秒 | 音楽系
バロック音楽の旅14講座の会計報告を今作っています。まだ少し不確定の部分もあるのですが、受講生の皆さんに来週の最終回に会計報告をお渡ししする必要があるので、暫定版として作っています。市に報告する確定版は全講座終了してからになります。

来週の第6回次第のところもあるのでまだ確定ではありませんが、今年は講座史上初の赤字を計上しそうです。暫定版としては少額ながら赤字の会計報告になります。やはり一年お休みしてからの講座であり、なおかついまだにコロナ禍が継続しているという状況で参加申し込みが伸び悩み、かつコロナ対策の経費がかかってしまったというのが原因です。昨日から受け付け始めました次年度の先行予約も今のところ例年の半分以下の水準です。

まぁこういうことになることは大体予測できていましたので、来年度の講座コンサートはソリストを中心に組んでいますのでなんとかなるとは思いますが、再来年もこういう状態だと少し厳しいかも知れません。

コロナでがっぽりもうけている事業所にスポンサーになってもらいたいところですが、そもそも桑名市との共催なのでスポンサーを探してきてつけるのはダメみたいです。ここ2、3年は低空飛行を余儀なくされそうですが、コロナ禍後に期待しましょう。

バロック音楽の旅14第5回コンサート

2022年01月30日 17時21分19秒 | 音楽系
バロック音楽の旅14第5回「まるかるコンサート」が終了しました。オミクロン株感染者が増えつつあり、まん延防止重点措置が出されている中での開催でした。ここ何日かは受講生の方から参加しない旨の連絡を受けることが何度かありました。反面まるかるの人気で新規に受講される方もいらっしゃって、実際の参加者数はプラスマイナスゼロでいつもと大体同じくらいでした。

まるかるは太田光子、浅井 愛、村田佳生、辺保陽一の4人のリコーダーカルテットで当講座には何度もご出演頂いています。今回も今までと変わらぬ華麗なサウンドを披露していただきました。



プログラムは以下の通りです。

ルッツァスコ・ルッツァスキ (1545 - 1647)/カンツォン第10番
ジローラモ・フレスコバルディ (1583-1643 )/ベルガマスカ
アントニオ・デ・カベソン (1510-1566)/イタリアのパバーヌによる変奏曲
作者不詳 (16世紀)/川を渡っておいで
リチャード・ミコ (1590-1661)/パバーヌ第2番
トーマス・シンプソン (1582 - 1630)/リチェルカーレ「いとしのロビン」
ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク (1562 - 1621)/わが青春は過ぎ去り
------------------------------ 休憩 ---------------------------------
カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ(1739 - 1799)/夜想曲
ヨハン・セバスチャン・バッハ (1685-1750)/小フーガト短調BWV578
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ (1689 - 1755)/協奏曲ヘ長調

次回は来週(2月6日)になりますが、コロナ感染の広まりが心配です。ひょっとして緊急事態宣言発出ということになるかも知れませんが、何とか開催可能であってほしいと思います。

カシオトーンCT-S1000V

2022年01月29日 16時58分26秒 | 音楽系
カシオトーンと言えば、安価なキーボードで知られていますが、音のイメージとしてはチープな感じがします。でも40年くらい前に独自の音源方式によるCZ-1というシンセサイザーを出して以来結構いろんな音源の開発に努めてきたメーカーです。最近いろんなベンダーが出しているPC音源のコレクションにも見られる音源です。

現行の電子ピアノもなかなかいい音がしますしビジネス的にも成功している感じがします。そんなカシオがつい最近新しいキーボードを発表しました。その名もCT-S1000Vです。このシリーズ全然知らなかったのですが、3年ほど前にはCT-X5000という61鍵のスピーカー付き音源を出しています。

そのCT-S1000V,たまたまYouTubeで見かけたのですが、(発表して何時間か後ですのでまだ視聴数はそんなに上がっていませんでした)どうせチープな音だろうと思いながら聞いてみましたら、それがなかなかのもの。既発売のCT-X5000ビデオクリップも見てみましたが、こちらもかなりのクオリティ。

CT-S1000VはCT-X5000の機能に加えて「歌う」ことができるという新機能がついています。聞こえてくる感じはボコーダーみたいな感じで、初音ミクみたいにボーカルっぽさを訴求したものではありません。しかしボコーダーとは異なり、あらかじめスマホなどでプログラムされた歌詞を順に鍵盤の自由な音程で出すことができるというものです。

この多機能キーボードが5万くらいで3月発売ということでした。すでに出ているCT-X5000は4万円台前半ですからまぁそんなものでしょう。それにしてもこれだけ機能が豊富でかつ音のクオリティがもはやおもちゃではないレベルのものがこのお値段とは驚きです。いまあるMIDIキーボードはさっさとメルカリで売って3月になったらCT-S1000Vを買うことに致しましょう!

大誤解の世界(3)

2022年01月28日 10時32分13秒 | 音楽系
ボブ先生からは2年間のマンツーマン授業で沢山のことを教えていただきました。なぜそんな贅沢な授業をしていただいたのかというと実はスコラにあっても中世音楽は大人気というわけではなく、授業を登録した人が私ひとりだったということです。でもホント大ラッキーだったです。そのときに作った沢山の資料は今も大切にしています。

最近マーク達が新しいアルバムを出しています。

15世紀後期の撥弦楽器リュートによる二重奏(レヴォン・キーファー)、ナクソス

お聴き頂くとルネサンス音楽と継続性は感じられますが、かなり異なった音楽世界が広がっているのがおわかり頂けると思います。カデンツの形(フレーズの結びの仕方)が特徴的なものがありますが、それはダブルリーディングノート(二重導音)と言って4度平行を伴ったカデンツで、かなり強烈な感じがします。11番目のバンショワの曲を聴くとよく分かると思います。こういった音楽はムードだけの吟遊詩人風音楽とか民族楽器とトラッドのリズムなんかを使った見せかけだけのナンチャッテ音楽と異なり、15世紀後半の確固たる世界観を表出した音楽です。

※マルク・レヴォンとパウル・キーファーのリュートとグレース・ニューコムのボーカル

大誤解の世界(2)

2022年01月27日 08時24分55秒 | 音楽系
西洋音楽の歴史を遡り、きちんと文献を踏まえきちんと音楽を再構築できるのは14世紀いっぱいだと言われています。それ以前になると断片的な資料しかなく、「想像」「創造」の部分がかなり多くなります。

正倉院に残されている箜篌という楽器がありますが、どんな音楽を奏でていたのかというのは具体的にはわかりません。楽譜も残っていないようです。奏法は楽器復元さえしっかりしてれば、楽器がある程度は教えてくれるのですが。実際には調弦もテンペラメントも何も分かっていません。弦の素材も分かりません。ずっと後世のバロック・リュートのバス弦だってよくわかっていないのですから。それに復元と言っても外観はともかく内部構造とか接着、塗装のレベルまでは難しいでしょう。(楽器としてはそこが肝心なのですが)

西洋の13世紀以前の音楽だと称する音楽は、復元箜篌を使って、これが箜篌の音楽でございと称して何か適当に曲を演奏するのと同じレベルで、実際は当時のものとはかなり異なったものである可能性が大です。

もちろん文献(楽譜)資料を駆使して再構築しても当時と全く同じものが再現されるわけではありませんが、方向的にはかなり近いものが聴けるはずです。これはもっと後のルネサンスやバロックの時代の音楽に対するアプローチと同じです。

中世から初期ルネサンスの音楽をきちんと研究して演奏家レベルにある音楽家はとても少ないです。私の知る限りではバーゼル・スコラ・カントルムで研究、音楽活動している人しかいないようです。私がスコラにいた頃は、中世リュートのボブ先生とその弟子のマークたちが活発に活動していました。日本人リコーダー奏者の矢板さんも一緒に活動していました。

喫煙注意逆上男

2022年01月26日 10時46分09秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
電車内の優先席で足を上げて横になり電子たばこを吸っている男、これを光景を見て、「なんちゅーやっちゃ」「人の迷惑も考えんと」「多分あいつはヤンキーや」などと乗り合わせた乗客は思っていたことでしょう。そしてそのことを高校生に注意され逆上し暴力をふるうという事件が起こりました。

この事件、世の中に怒りが増幅して渦巻いています。私も報道を見て腹が立ってきました。何も悪いことをしていない高校生もホントにお気の毒です。TVのワイドショーではこの高校生の勇気ある行動を褒め称えています。でもちょっと視点を変えると別のことも見えてきます。

それは世の中にある怒りの量という視点です。この視点から事件を見てみましょう。元の「怒り量」は電車の車内でその光景を見た人だけに渦巻いていた分です。被害者となった高校生の分は自身がぜんそくの持病を持っていたこともあり特に大きかったかもしれません。そして次の段階、高校生が注意をして暴行を受けている段階で電車内の怒り量はさらに大きくなりました。そのあとそれが事件としてTVのワイドショーでセンセーショナルに取り上げられるに至り何万倍も世の中に怒りが増幅して拡散してしまいました。

このように見ると次の2段階で怒りが飛躍的に増幅していったことがわかります。ひとつは高校生が注意をして暴行を受けていた時点、もうひとつはマスコミ(特にテレビ)がセンセーショナルに取り上げた時点です。

ここでは被害にあった高校生が注意をしなければよかったんだ、とかどうして他の乗客が助けなかったんだというようなことには触れません。注目したいのは客観的に見て各段階ではみな直球勝負でエスカレートし、それをエラいことになったと騒ぎ立てるギャラリーがいて、結果的に世の中の怒りの量が飛躍的に増大したという事実です。怒りの量が増えるとさらに次の怒りを呼びます。

悪いモノはかき混ぜないでそのまま置いておいた方がいいときもあります。物事を丸く収める知恵、そしてマスコミのあおりに乗ってはいけないという知恵も必要だと思います。


大誤解の世界(1)

2022年01月25日 09時06分07秒 | 音楽系
リュートという楽器はいまだに誤解が多くなかなか世間一般の理解が進んでいない感じがします。リュートの起源が中東の方らしいと説明すると、説明された方はシタールあたりにイマジネーションが飛んでしまったりします。いえいえヨーロッパの楽器ですよ、と言ったら「ああ、あの映画第3の男の音楽の?」と来て、またあらぬ方向に行ってしまいます。えーっとそれはツィターという楽器で民族楽器ですよ、リュートは古くからヨーロッパで使われていたというと「ああ、吟遊詩人の楽器ですね!!」と来ます。

まぁ吟遊詩人の楽器というのは全くの間違いではありませんが、私がやっているリュートの世界とはまだまだ遠く離れています。ヨーロッパの人は文化的基盤があるので、リュートという楽器の認知は大体きちんとしています。日本人に琵琶の説明をしたときも、大誤解をされないのと同じです。私の経験では日本人にリュートのことを説明するには一番最初に「クラシック音楽の楽器」「バッハ、ヘンデル、ヴィバルディ」という語句を入れておくのがいいようです。

リュートと同じように、「中世音楽」も誤解に満ちています。さっき言いました吟遊詩人のファンタジーとも結びついている感じもしますが、エスタンピー風のダンスミュージックをアイルランドあたりの民族楽器やリュートもついでに入れて演奏する曲が中世の音楽だと思っている向きが多いです。いろんなごたまぜの古楽器や民族楽器を使って演奏活動をしているプロ楽団も古くからありますが、聞いている方はそれを中世の音楽とかもっとざっくり「古楽」だと思い込んでいる人も多いみたいです。でもその音楽は日本人が聴いたら中世の音楽だと感じさせるように作られた創作音楽です。

ではヴァイスやダウランドを演奏するときのように、実際に文献や楽器をきちんと検証した中世音楽というのはどんな音楽なのでしょうか。




前書きにかえて

2022年01月24日 10時24分11秒 | 音楽系
近々きちんとした本の形にする初級中級者用曲集「イージー・バロック・ピーシーズ 1」の前書きを作ってみました。前書きと言っても簡単な創作ストーリーを書いただけなので、「前書きにかえて」としておきました。

前書きにかえて
(18世紀初め頃、ドイツのとある地方のお城で)

「ジャン、また今日もレッスンを始めようぞ」
「ははーっ。前回はメヌエットが大体あがりましたゆえ、今日は次のメヌエットに参りましょう」
「またメヌエットか。わらわはファンタジーを弾いてみたいぞ」
「どのファンタジーでござりまするか?」
「ヴァイス氏のじゃ。この間のコンサートで聴いた曲の中でも特に気に入ったぞよ」
「あの曲はよろしゅうござりまするな。はるばるドレスデンから招聘申し上げた甲斐があり申した。変幻自在のアルペジオで始まり、ぐっと盛り上がったところで、フーガが始まる。またこのフーガがすばらしい・・・」
「そちはファンタジーのタブは持っておるのか?」
「もちろんでござりまする」
「見せてたもれ」

 これはルイーゼ姫とそのリュート教師ジャンの対話です。ある日姫のお館にはるばるドレスデンからヴァイスを招きコンサートが開催されました。姫はその時の演奏に心を奪われ、特にファンタジーがいたくお気に入りのご様子でした。ジャンが持ってきた楽譜を見てパラパラと弾き始めた姫は、

「ここはどう押さえるのじゃ。わらわの指ではかなわぬぞよ」
「ははーっ。こういう風に押さえるのでござりますが、恐れながら姫におかれましてはいきなりアルペンの山に登るようなものでござりまする。それに音が出ただけでは、あのヴァイス氏の演奏のようにはなりませぬ。ファンタジーをお弾きになりたいというお気持ちはよくわかりまするが、何事にも道筋というものがござりまする。」
「そういうものか。ではどうすればよいのじゃ?」
「ははーっ。まず手にあった曲を選び、お気持ちを込めて弾けるようになるまで練習することでござりまする。曲は私めが姫に合ったものお作り申し上げます故、ぜひそれにそって精進して頂きとう存じます」
「さすれば、必ずファンタジーは弾けるようになるのじゃな?」
「御意にござりまする」

※ルイーゼ姫:ルイーゼ・フリーデリケ(1722-1791)。ドイツ南西部の連邦国家ヴュルテンベルクの皇太子であるフリードリヒ・ルートヴィヒの娘。ルイーゼはリュートを専属の教師に習っており、嫁ぎ先近くのロストック(ドイツ)に現存する手稿本に「ヴュルテンベルクのルイーゼ王女殿下のためのリュート曲選」と題されたページがある。この「王女殿下のためのリュート曲選」にある曲が他の手稿本にも見られ、そこでは作者名がジャン・フランソワ・シュヴィングハマーとあることから、王女のリュート教師はシュヴィングハマーである可能性があるが、詳細はわからない。
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ルイーゼ姫のリュート教師は専用の曲を姫のために作りましたが、現代ではなかなかそういう風には行きません。この曲集は第3巻(全36曲)まで作る予定ですが、曲はフランス、ドイツ、ポーランド、オーストリア、チェコあたりのソースから集め、それぞれに適宜運指を施し、ごくわずかですが加筆修正も行いました。第3巻の一番技術的に難しい曲でもルイーゼ姫が大好きな(架空の話ですよ)ヴァイスのファンタジーハ短調にはまだ届きませんが、そこまで行けばもうファンタジーの背中は見えています。「何事にも道筋というものがござりまする」by Jan

ものがいいにくい時代

2022年01月23日 09時43分44秒 | 日々のこと
最近はものごとを断定的に言ったりはっきり批判してしまうのがはばかられるようで、例えばテレビ番組でとても有益な事柄を伝えるのでも「きっとあなたのお役に立つと思います」ではなく「あなたのお役に立つのかも知れません」と言って、突っ込まれても逃げられるような表現をします。

こういった傾向はここ10何年か前から続いているのかも知れませんが、(私もここで断定的には言わず逃げを打っています)昔はものごとをはっきりと言ってしまう人もいました。

某楽器専門誌での批評で、皇室の流れをくむ評論家が作曲家H氏の器楽作品について「ふざけた曲だ」の一言で評しているのを読んだことがありました。私自身もその曲はいい加減に書いた曲だなとは思っていましたが、それがちゃんとした雑誌の記事になっているのにはスッキリしたと同時に少々驚きました。もっともその後何らかの形で一悶着あったのは想像に難くありませんが。

当ブログでは基本的に他の演奏家についての評論や批判や推薦などはしないことにしていますが、異なるジャンルの人やグループについてはたまにすることもあります。きちんとした形で評論しても揚げ足をとられたり誤解されたり悪意に取ってしまう人がいますし、そもそもネットに載せるといつまでも存在したり拡散してしまったりしてロクなことはありません。

ネットで何か言うときは、論者が非対称の議論であることが大半で、その問題点はインターネットが普及する前のパソコン通信の時代に痛感していました。某パソコン通信で私の古楽に対する考え方に「論陣」を張ってやたら突っ込んでくる来る人がいて辟易していましたが、いわゆるオフ会でその方にお目にかかったら、楽器も演奏できず音楽の知識にも乏しい方でした。パソコン通信で高飛車に出て大論陣を張っていた方が、目の前で楽器を弾きながら説明したらよく理解していただけました。その時以来ネット空間で非対称の議論はしないことにしています。

ものがいいにくい時代になってきたのはネットの存在があるからだろうと思います。昔の生身のケンカだと、負けそうになったときに「こっこのヤロー、おぼえておけ!」と言って逃げるのが定番(少なくともドラマでは)で、言われた方も特に深追いはしないのが通り相場だったでしょうが、これがネット空間だと徹底的にしつこく相手を追い詰めます。なにせネット空間では「こっこのヤロー、おぼえておけ!」みたいなことを言って姿をくらませることができませんから。ネットのそのような状況が今度はリアルの生身人間に対しても還流され、ケンカのやりかたも執拗で残忍になってきた感じがします。

私自身リュートのことや他の音楽関連のことで明らかに間違ったことや誤解してほしくないことがいくつかあり言ってみたいと思うことがありますが、固有名詞を出さないで当ブログに批判的に書いたことがひとつふたつある程度であとはせいぜい少しチクチク突く程度です。当ブログのカテゴリー「ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】」では敷居を少し下げた記事を書いていますが、それでもまぁ穏当なものです。

リュートや古楽は自分が専門にしているだけあって、間違った情報や考え方が流布しているのを見るのはとても残念に思います。こう言った段階ですら「おまえの言っていることこそおかしいのとちゃうか?」と突っ込まれる可能性がありますから、もっとはっきり言ってしまった暁にはどうなるか火を見るより明らかです。私の方からは批判的な言い回しはできませんが、読者の皆様に置かれましては、当ブログも含めてネット情報は玉石混交でしかも「玉」はとても少ないということを意識されるといいかなと思います。もっとも、ここで肝心なこと、どれが「玉」でどれが「石」なのかの判断が難しいのです。これが言えないことがつらいところです。



結局Windows 11に

2022年01月22日 11時53分31秒 | 日々のこと
昨年12月の中頃にWindows 11にアップグレードしてしばらく使っていましたが、年賀状アプリが上手く動かないので、またWindows10に戻しました。これは昨年のエントリーで書いた通りです。

その後Windows10から11にアップグレードされないようにレジストリを書き換えた上で、ずっと使っていましたが、実はふたつの不具合に悩まされていました。

まずエクスプローラからの写真印刷の際に、印刷面が中抜けすることでした。これは調べてみると昨年の3月頃に21H1にアップグレードしたときに出るバグで、KB500****というパッチを当てることですでに解決済みでした。昨年の春頃にこちらが知らないうちに自動でパッチが当てられていました。その頃エクスプローラから写真印刷をすることはありませんでしたので、バグ自体に気づくこともなかったしバグが修正されていることも知らないというおめでたい話でした。

Windows 11から10にダウングレードする際に多分10の最も初期の状態に戻ってしまったので、不具合が露呈したのだと思いました。それではということでMicrosoftのサイトで当該パッチを探してあてて見たのですが、うまく解決には至りませんでした。

もう一つの不具合は、スキャナが使えなくなったことです。いろいろ各方面から情報を集めて対策を講じて見ましたが、解決に至りませんでした。

もう面倒くさくなったので、また11にアップグレードしたらなんとかなるのでは、と思ってやってみましたら印刷の中抜けはあっさりと直りました。今は年賀状アプリは使わないし、実はそれ以外のDAW系のものも含めて11で問題なく動作していましたのでアップグレードしてみたわけです。

あとスキャナに関しては、その時のついでにルーターをリセットしましたらあっさりとWindowsからスキャナが見えるようになり動作できました。この理由はよくわかりませんが、ダウングレードしたときにスキャナのIPアドレスが書き替わってしまったのでしょうか。

あとこれは大したことではないですが、立ち上げるとDropboxの同期ができないという表示がタスクバーに現れ、それを消す方法が分からなかったのですが、それもなくなりました。

ということで、レジストリを元に戻してアップグレードの時間も随分かかりましたが、再アップグレードして普通に何事もなかったかのように平和にWindows11を使っています。