リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

中日新聞の取材

2024年01月31日 23時29分00秒 | 音楽系

中京地区(名古屋近辺、三重県北部、岐阜県南部)では圧倒的な読者数を誇る中日新聞の取材を受けに、名古屋市内にある同新聞社本社を訪れました。

本社ロビーにはなんと飛行機が展示してあります。

かつて社機として使っていた De Havilland Canada DHC-2 Beaverという機種ということです。

いつもはこのロビーで取材を受けるのですが、今回は特別にいいお部屋を用意して頂きました。

担当記者はM記者で、前回2019年のときにも取材していただきました。そのときはまだ入社したてということでしたが、今回はもうすっかり第一線の記者という感じでした。お話を伺ったらジブリパーク関連で古楽の関係者も取材をして記事を書いたと仰っていました。

M記者には今回のリサイタルの趣旨をいろいろお話させていただきました。最後に壁の前に楽器をもって数カット写真を撮っていただきました。記事は朝刊に出るのか夕刊に出るのかはわからないそうですが、まぁ読者は朝刊の方が多いみたいで、朝刊にでることを祈りたいところです。


BWV1003のリュート編曲(10)

2024年01月30日 18時49分58秒 | 音楽系

BWV1003の第1楽章グラーヴェを見てみましょう。

冒頭のバスはラから順番に下がっていきますが、ヴァイオリンはソより下の音がないので、3つ目からはオクターブ上がっています。

このようなバスの流れはリュートではよくあるのですが、リュートではファもミもきれいに響くバス弦がありますからオクターブ下げます。(マル1,2)ただ2小節目でレ→レ♯と動きますが、バス弦でレ♯を出すのは難しい(楽器によっては下に指板がないので物理的に無理です。私の楽器がそうですが)のでここはオクターブ上げます。レ→レ♯の流れをきれいに出すため、マル3も5コースで。

四角4、5はハ長調とホ短調のカデンツがあるところですが、リュート的な処理をしたいところです。また12小節目の冒頭はミのオクターブだけではなく、和音を入れます。(E minor の和音です)

具体的にどうタブに反映させるかは、上記以外のところも含めて次回にご紹介したいと思います。


誤用だ!誤用だ!

2024年01月29日 15時39分17秒 | 日々のこと

横綱の照ノ富士が貫禄で優勝しました。まだまだ実力は第一人者です。古傷が痛んでこなければしばらくは最強の横綱でいられそうです。でも最近は琴ノ若、大の里、霧島、豊昇龍らの若手の台頭が著しく、照ノ富士も優勝インタビューで「若い人たちがみんな番付上がって来ているので、そういう人たちと肌を合わせてやるのが楽しいですね」なんておっしゃっていますが、今日のお題はこのインタビューの中のおことば、「肌をあわせて」「やる」です。

確かに「肌を合わせてやる」のは楽しいかもしれません。(笑)照ノ富士は「肌を合わせる」を稽古をするとか勝負するという意味で言ったようですが、私なんかついついアレの方面を思ってしまいます。まあ確かに相撲は裸で勝負しますので肌と肌は触れ合いますが。一応念のため「肌を合わせる」を辞書で調べますとやはりあります、そういう意味が。「肌が合う」ならアレ系の意味はないんですけどね。

照ノ富士は現在帰化して杉野森正山(すぎのもりせいざん)が本名ですが、出身はモンゴルのウランバートル市。帰化する前の名前はガントルガ・ガンエルデネです。学業は優秀で、18歳のときに日本の高校に編入したときにはすでに仮名文字が書けたといいます。きっと日本語の習得も早かったのだと思います。優勝インタビューもごくまれになまりがみられるもののとても流暢な日本でした。日本語をしっかり学んでネイティブ並になった照ノ富士でも誤用はありました。

日本人が外国語を学ぶときもこのような落とし穴があるようです。でもこういうのはなかなか学校では習いません。例えばドイツ語会話でIch bin heiß. と言ったらまぁ普通はアレ系の意味ですよね。女性の前で言ったら殴られるかもしれません。英語のI'm hot. も同様です。


バロック音楽の旅16講座第5回コンサート

2024年01月28日 22時23分38秒 | 音楽系

まだ日陰には雪が残っていましたが、お天気は上々で寒さも少し緩んできました。今日はバロック音楽の旅16講座の第5回、ソプラノの増野友香さんとチェンバロの杉浦道子さんコンサートでした。

杉浦さんはもう常連といっていい存在ですが、今回はあたらしいチェンバロ(安達正浩製作)を携えての登場です。装飾や絵画がとても美しい楽器です。増野さんは以前本講座コンサートに出演されましたが、今回は久しぶりにお越しいただきました。

プログラムは次の通りです。

 

ミシェル・ランベール (1610–1696)/あなたのつれなさが

ルイ・クープラン (c. 1626–1661)

組曲 ト調(プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、シャコンヌまたはパッサカリア)

 

フランソワ・クープラン (1668–1733)

聖水曜日のための「ルソン・ド・テネブル」より、独唱のための「第1ルソン」

預言者エレミアの哀歌、ここに始まる/アレフ/ベート/ギメル/ダレト/へート/エルサレムよ、立ち戻れ

 

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1685-1759)

オペラ「ジュリアス・シーザー」HWV17より

クレオパトラの主要レチタティーヴォとアリア抜粋

序曲,2幕2場アリア:優しい眼差しよ、3幕3場:レチタティーヴォ このようにして、たった1日にして、アリア:私は涙する、自分の運命に3幕7場:アリア:嵐で難破した小舟は

 

前半のしっとりとした雰囲気からがらっと変わり、後半のヘンデルではまるでオペラが上演されているような派手やかなステージでした。

アンコールはチャルパンティエの「何も恐れずこの森に」でしたが、私もバロック・ギターで飛び入り参加させていただきました。

次回はいよいよ最終回2月25日、能登伊津子、古橋潤一両氏をお迎えしてオルガンとリコーダーのコンサートです。


BWV1003のリュート編曲(9)

2024年01月27日 15時32分57秒 | 音楽系

BWV1003をイ短調で編曲するにあたり、擦弦楽器用の曲をそのまま撥弦楽器のリュートに移すのはいろいろ問題点が出てくるのは先述の通りです。何カ所かはバスや和音を補ったり、リュート的な音型に変えたりすることが必要です。また弾きにくくなりがちなホ短調のカデンツもリュートに有利な形に直すことも有効でしょう。

これは鍵盤楽器曲からの編曲の場合も同様ですが、リュートでは出てこない音型を何もムリして使う必要はなく、リュートの流儀に直してみましょう。郷に入っては郷に従えならぬ、リュートではリュート流に、です。そうすることで編曲作品がリュートっぽく響くようになります。作品のリュート化です。とはいうものの元がリュート用ではないので、技術的な面で完全には無理です。でも響き的に、聴いている人にとってリュートっぽいなと感じさせるくらいは仕上げたいところです。


RME Fireface UCX II

2024年01月26日 16時49分20秒 | 音楽系

きれいな録音をするにはそれ相応のミュージックインターフェイスが欠かせません。ここ何年かは自宅のスタジオでも機材さえ揃えたら即CDレベルの録音が可能です。(もちろんいいマイク、ちゃんとしたDAWも必要ですが)

数年前まではTEACの中級品(5万くらいの品)を使っていまして、そこそこだろうと思っていましたが、2020年にAntelopeのDiscrete4に替えたらそれはもうびっくり。まるで別物の音で録音できました。まるで音のクオリティが違います。コロナ禍でヒマだった頃です。

ただこの機種、少し扱いづらいところがありまして最初はいろいろ苦労しました。セッディングが面倒だし、そもそも本体パネル操作体系があまり整理されていません。まぁ慣れたので適当にやれば出来るようにはなっていますが。

いっそ別の品にしようかと調べてみましたらRMEというメーカーの新機種Fireface UCX IIが同等グレードでありました。2021年8月のことです。早速注文しようとしましたら、初期ロットはすぐに売れ在庫がない状態。この頃は半導体不足でいろんな電子機器が入手しづらかったときです。

そのうち供給されるだろうと思っていましたが1年経ってもまだ在庫なしの状態。2023年の後半になってやっと数限定ながら普通に買えるようになっていました。でも今は先立つものがない・・・。3割くらい高くなっているので余計に厳しいです。(円安の影響でしょう)2021年時点で在庫があれば多分勢いで買っていたかもしれませんが。

半導体の供給もこの手のミュージックインターフェイス用のものは一番後回しにされたみたいです。でも他社のものは結構前からきちんと供給されていたので、どうしてこの機種だけが遅れたのかはよくわかりません。

 


積もりました

2024年01月25日 12時53分12秒 | ローカルネタ

当地方は昨夜からずっと雪が降り続き、少量ではありますが明け方まで降っていました。

30cmくらいはいっていますかねぇ。あさの7時前の写真です。

ガラス面の雪を下ろし屋根の雪も少し下ろしたところでまた降ってきました。

JPCZが発生すると当地方は結構な積雪になります。三重県北部、いなべ市、東員町なんかはもっと積もっているはずです。でもあまり報道されないので、雪が沢山積もっているとは思われないようです。今朝平野部でそこそこの積雪があったのは当地方だけだと思いますが、もっとテレビで映して!

以前名古屋の建築関係の方が三重県のいなべ市に仕事に行こうとして、途中雪で行けなくなったことがあったそうな。何も報道されていなかったからで、このときも多分JPCZが発生して今日と同じパターンだったんでしょう。


小雪舞い散る

2024年01月24日 15時07分56秒 | ローカルネタ

午前中は小雪舞い散るという感じでしたが、昼過ぎになって少し本格的に降ってきました。午前中に銀行に行ってきたのですが、そのときは車載の温度計では外気温は3度でしたが、昼からまた別の用で出かけましたときは0.5度に下がっていました。気温がどんどん下がっているんですね。でもまだ0度を下回っていませんので、積雪はありません。

今年は暖冬だというので車のタイヤをスタッドレスに交換していません。明日は幸いにも車で出かける用はないのでいいのですが、雪が降っているけどどうしても少し距離があるところに車で行く必要があるときもたまにはありますので、この先やはり交換しておこうかと考えております。けど、せいぜいそういうのは何年かに1回あるかないかなので、イェティ・スノーネットにした方がいいような気もしています。

1回だけコンサート当日に雪が積もったときがありました。会場は愛知県の高浜市です。国道23号線で向かうのですがお天気情報では23号線は積雪で大渋滞とのことでしたので、楽器を担いで電車で会場に向かいました。帰りは三重県の方からいらしてた方に車で乗せてもらいましたが、まだ道の脇には雪が一杯残っていました。もう20年近く前の話ですが、もともとそれほど積雪がない当地方、近年は特に雪が降ることが減っています。でも雪が積もるときは積もるんですねぇ。それは「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」が発生したときです。

あの北朝鮮の「聖地」白頭山で北からの寒気が一旦分かれてそれらがまた日本海でいっしょになった寒気が敦賀湾、琵琶湖東岸を抜けて三重県の北部に到達したときは当地方は大雪になります。同じ三重県では四日市あたり以南はその影響を受けません。今回のはそれなんでしょうか。なんでも温暖化によってかえってJPCZによる積雪量は増えるといいますから、油断は禁物です。


ラースにケースを送る

2024年01月23日 20時00分28秒 | 音楽系

アッティオルバート用の軽量ケースをラースに送りました。

こんな細長い箱にケースを入れました。これは引っ越しの衣類を送るための段ボール箱です。

こんな感じに入れます。隙間があいているところにはもっとプチプチや新聞を詰めてケースが動かないようにします。

一般的な段ボール箱に使われている段ボールは「一重」ですが、この箱は「二重」になっていて外からの圧力に強く重量物も入れることができます。私が持っている段ボールでそういう二重段ボールをつかっているものはLuxmanアンプの段ボールだけです。こちらは20数キロあるので当然です。

この段ボール箱、購入したのは実は100cm x 50cm x 50cmが本来のサイズ。このままだとバロック・リュートがケースごとすっぽりと入り、隙間を緩衝材で埋めて日本郵便の国際小包で送付することができます。送料は1万円台です。日本郵便の国際小包で送ることが出来るサイズは最大高150cm以内、フットプリントの4辺と高さを合わせて300cm以内になっていますので、この箱がそのギリギリのサイズです。

今回のアッティオルバートのケースは高さが100cmを超えますので、この段ボール箱で送ることができません。そこでこの箱のいくつかの辺を切り取ってケースを入れることができる130cm x 30cm x 50cmのサイズの箱を作りました。これだとフットプリントの4辺と高さの合計が290cmになり国際小包で送付できます。それが写真の箱です。作るのに結構手間がかかりましたが、とても丈夫で楽器も送付したケースに入れてこの段ボール箱で送るようラースに指示したところです。送料は16750円でした。

 


ヨーロッパが遠くに・・・

2024年01月22日 13時58分07秒 | 日々のこと

ラースの楽器を送ってもらわずに、自分で取りに行った場合いくらくらいかかるかを調べてみました。なんと航空運賃は軒並み大幅値上げ、1.5倍から2倍くらいになっています。

10年くらい前だと10万円台前半の往復切符が普通にありましたが、今や20万超えが普通で、それに高いサーチャージが付け加えられたら30万近くになってしまいます。

1976年に初めてヨーロッパに行ったときは30万の「格安」チケットを買って30時間くらいかけて行ったものでした。アンカレジ経由の北極横断コースです。今回調べたチケットも同じようなコースらしくて20何時間かかるチケットばかりです。

20年何年か前に中部国際空港が出来たときは、ヨーロッパ路線はロンドン、パリ、フランクフルト、チューリヒ各都市との直行便があり、一時帰国で帰国してスイスに帰るときなんかは、ウチを出て10数時間後にはバーゼルの下宿にいるという感じで世の中便利になったもんだと思いました。

今は中部空港から直行便はなく、バーゼルに行くなら中部空港→成田→フランクフルト→バーゼルというルートが考えられますが中部→チューリヒ11時間みたいな時間で行くことはできません。

楽器を取りに行くならチケットは2枚必要になり(裏技はないことはないですが)これだとへたすれば楽器とならぶ金額になり笑えない話になってしまいます。これはウクライナの戦争と円安が重なっているのが原因でしょうけど、ヨーロッパ行きは50年くらい前の状況に戻ってしまいました。戦争が終わればロシアルートは再開されるのでしょうか。円安は多少なりとも円高になっていくのでしょうか。