リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リアルウォーク

2005年09月30日 23時12分40秒 | ローカルネタ
今日はフィットネスだ!と張り切ってジムへ行ったら,駐車場に車が全然ありません。あ,そういや月の最終日は休みでした。残念賞。
仕方ないのでリアルウォークをすることに。

いつもはジムのウォーキングマシン(ランニングマシン?)で勾配を7%もつけて鍛えているので,リアルウォークなんてちょろいもんです。でもなんか少し足の筋肉の使い方が違うみたいな?

近所を歩くのは久しぶりです。コースは車が通らない道を選ぶんですが,これがなかなか難しい。排ガスをたっぷりと吸って歩くといかにも体に悪そうですから,避けたいところです。

選んだコースは,江戸時代の水路を暗渠化した道をたどることにしました。私の子供の頃はどぶ川化していたところで,ギンヤンマなんかがよく飛んでました。それが暗渠になりその上が散歩道になっています。昔川だったところを歩くのは,何回歩いても視点が新鮮です。

歩いていたのがちょうど夕方で,他にも歩いている人が何人かいました。みんな単独歩行でして,黙々と歩いています。中には腕を大きく降りいかにもウォーキング中ですって感じの方もいらして,みんなまじめなんですね。おっと私もその中のひとりかな?
バーゼルにいたときもよく散歩しました。近所のビニンゲンというところの畑道が好きでしたが,ここも散歩コースでした。走っている人もいましたが,大体は友達同士とか夫婦でおしゃべりしながらゆっくり歩いている人が多くて,私みたいに一人で歩いているとなんか少し浮いているような感じすら受けました。同じウォーキングでも何か国民性とか国情を反映しているみたいですね。

江戸時代の水路の整備は何年か前から始めていましたが,もう大体終わりつつあるようです。なかなかいい感じに整備されて桑名市民としてはうれしいですね。終点は桑名の大富豪諸戸氏の屋敷の前です。そこから水門を経て揖斐川に続きます。水路沿いのレトロな寺町商店街も古くなったアーケードを改修していました。

桑名市は戦争で丸焼けになってしまったり,伊勢湾台風で大被害を受けましたが,県内では有数の歴史や文化があった町ですので,市域整備のネタには事欠かない町です。何でもう少しこういう整備を早くやれなかったんだろうとは思いますが,戦後60年を経てやっと過去の遺産に目を向け始めた我が町が楽しみになってきました。

こんなはずでは

2005年09月29日 23時39分00秒 | 日々のこと
最近またお腹がたぶついてきました。ご丁寧にそれを言ってくれる方もいらっしゃいますが,余計なお世話です。(笑)
バーゼルにいたときは,最盛期より8キロも体重が落ちたんですが,現在3キロ戻っちゃいました。まだ5キロ残ってますが・・・

やはり食事の量が多くなったし,食べるものがうちの中にたくさんあり,かつ車がある環境がじわりじわりとおなかを膨らませていったようです。でも9月の始めころまではそんなに変わらなかったんです。それが例の3連戦のコンサート以降急激に来てしまいました。外食が続き旨いものばかり食べていましたからね。松本のコンサートの終わりには,共演の柴田さんとうな重を食べてしまいましたから。いやー旨かったです。

3,4日高カロリーのものを食べ続けると一気にくるものです。それ以来今の株みたいに高値に張り付いたままでなかなか落ちません。太るのは3日で太るが減量はその何倍かの日数がかかるようです。

それなりに食べ過ぎに気をつけ,フィットネスにも出来る限り行くようにはしているのですが,効果はイマイチです。おまけに今日は人のコンサートの打ち上げに加わって美味しくもハイカロリーな夕食を摂ってしまいました。うーん,こんなことをしていると,3キロ以上増えるのを止めるのがやっとですねぇ。(笑)
でもめげずに,明日はフィットネスがんばろーっと。

指先

2005年09月28日 23時26分47秒 | 音楽系
やっと秋らしくなり温度も湿度も下がってきました。私は台所の水仕事をするときはかならずゴム手袋をしているんですが,暑くて湿度が高いときは腕に汗が出ているので,着脱がスムーズにいきませんでした。それがここ何日かはスルっと着脱できます。気持ちのいいもんですね。

指先のケアは指頭を使って演奏するリュート弾きには欠かせません。あと爪もネイルカッターで丹念に磨いて仕上げます。爪を使うギタリストなら爪の手入れは当然ですが,爪を使って弾かないリュート奏者がなぜ,と思われるかもしれません。
たぶんこれは私の個人的な理由なんでしょうが,私は爪が厚く(こういう人は実はギタリスト向きなんですよね)きちんと爪を切って手入れをしておかないと,爪が弦に当たってしまうんです。

これらのことは実を言うとバーゼルで勉強を始めるまで気がつきませんでした。爪に関しては以前から削っていましたが,さらに深爪をして丹念に仕上げるようになりました。指先に関しては無頓着で,というか自分は皮膚が強いので大丈夫だという妙な自信がありましたので,水仕事は素手でやっていました。バーゼルでタッチの研究をしていくうちに,どうも自分の指先の手入れが雑なことが音に影響していることがわかり,それ以来ゴム手袋使用と爪の手入れは必須重要項目になっています。

いい音を出すためには指先のケアとタッチのトレーニングが欠かせません。タッチのトレーニングは結構大変ですが,指先のケアはすぐにできることです。いい音が出ないとお悩みのリュート弾きの諸氏,指先のケアを今一度見直してみるというのも手かも知れませんね。何?そんなことはとっくにやっている?うーん,ならばやはり正攻法しかありませんです。(笑)

バッハを弾こう(つづき)

2005年09月27日 19時52分25秒 | 音楽系
さて,バッハのリュート作品のことでしたね。ま,バッハのリュート作品は要するにリュートで弾いても編曲ということになるわけで,このあたりが世間の目とは少し違うわけです。ギターやピアノでバッハの作品を編曲をすることがあるわけですが,それと同じスタンスなんですね。ヴァイスのオリジナルの作品を弾くのとは全く事情が異なるわけです。
もっとも上手いリュート奏者はそういう事情は全く感じさせず,「うーん,やっぱりバッハのリュート曲はリュートで弾くのが一番いいんだな」って聴衆に思わせるように弾くんですけどね。

バッハには無伴奏ヴァイオリンやチェロのための作品がありますが,それらの方が同じリュートに編曲するにしてもより弦楽器的でリュートらしく響きます。(どういうバスを付け加えるかという大問題はありますが)バッハ作品の場合,リュート作品より無伴奏ヴァイオリンやチェロの作品の方がよりリュート的に聴かせられるというねじれ現象があるわけです。

いずれにせよ,リュートでバッハの作品を弾くと言うことは,自分の編曲ヴァージョンを持たないといけないわけで,このあたりがリュート奏者が作った作品と根本的に異なるところです。とはいうもののとりあえずは誰かのヴァージョンで弾いてみることをお薦めしますが,くれぐれもはずさないようにご注意を。(笑)

(私のサイトにBWV1006aのルーレとロンド風ガヴォットがアップしてあります。バロックリュートをお弾きになる方はぜひ一度弾いてみて下さい。近々BWV1002もアップする予定です。)

バッハを弾こう

2005年09月26日 18時21分37秒 | 音楽系
バッハのリュートのための作品はご存知の通り,7曲あります。そのうち2曲はなぜかオリジナルが日本にあるわけですけど,今日はその話はおいといて,(笑)リュートでバッハの曲を弾く意味を考察してみましょう。

って,別に難しい話をするわけではありません。バッハのリュート曲をリュートで弾くのは当たり前なので,さぞかし無理なく弾けるんじゃないかな,ってリュートを弾く人以外の方が思っているかも知れないので,それは美しい誤解なんだということについて考察してみます。もう,すでに難しい?(笑)

実はバッハのリュート曲と言われている曲はその多くが鍵盤楽器(ラウテンヴェルク?)用に作られていたようです。ラウテンヴェルクというのはリュートの音がするチェンバロらしいんですが,実際に楽器が残っているわけではないのでどんな楽器かはわかっていません。このリュートの音がする鍵盤楽器用に,リュート風の動きをする曲を書いたのがいわゆるバッハのリュート作品のようで,リュートを模した音楽なので結果として本物のリュートで弾けなくはないわけです。でも所詮鍵盤楽器用の曲,リュートで弾くには恐ろしく技術的なハードルが高いのです。

唯一の例外と考えられるのが,組曲ト短調(BWM995)です。これはどうもリュートを前提にして書かれたようですが,全て書かれた通りに弾くのはちょっと難しいところもあります。何よりコントラGという恐ろしく低い低音を要求しているのが奇っ怪です。(バロックリュートの最低音は,1音高いコントラAです)

なんやら固い話になってきましたね。(笑)今日はこのくらいにして,明日またこの続きを。

パソコン

2005年09月25日 22時36分10秒 | 日々のこと
今日のリハーサルが終わったあと久しぶりに大須のコンピュータ街に行ってきました。以前はほとんど毎週のように行っていたし,コンピュータ雑誌も読みまくりでしたが,最近は随分変わったもんです。こっちに帰ってきて,じっくりといろんなパーツを見て回るのは今日が初めてだったんですから。前も書いたように2年間のブランクでついて行けなくなったこともありますが,ひょっとしてコンピュータごときに金をつぎ込むアホさ加減がわかって来たのかも。(笑)

いままで自作したパソコンが自分用だけでも5台,人のために作ったものを入れると7,8台はあるかな?今メインに使っているのは,5年以上前に作ったものです。その当時最速の1ギガのCPU(中央演算装置)を奮発し,「40」ギガの大容量ハードディスク(現在は取り替えて80ギガです)高級静音電源,低騒音の流体軸受けファン,など当時の最高パーツを取りそろえて作った逸物です。さすがに現在では全てに見劣りする超旧型になりさがってしまいましたが,いいパーツを使っているので長持ちしています。

実はバーゼルに行く少し前に買ったパーツがまだ組み立てずに1台分残っています。自分の部屋の整理がやっとできてきたので(今頃!)近いうちに組み立てようかと思っています。でもなんか旧式のパーツばかりを組むわけで,何となくときめくものがないというのが正直なところですが。

今日行った店は前もよく行ったところですが,パーツの置き場がすっかり変わってしまい,見たいパーツを探すのに店員にきくはめに。全体の傾向としては,低騒音を目指すパーツがずいぶん増えていたのが目につきました。液晶ディスプレイもメチャ安になっていました。子細にいろんなパーツを見ていると,むくむくと昔の病気がぶりかえしてきそうになりましたが,今日は先立つものもないので,何も買わずに店を出ました。(笑)

有名曲

2005年09月23日 23時11分55秒 | 音楽系
コンサートでときどき「みなさんがご存知の曲を演奏していただけませんか」と頼まれることがあります。うーん,ご存知の曲ねぇ。(笑)ギターだと禁じられた遊びとかアルハンブラ,アランフェスに相当する曲ですよね。

いわゆるよく知られたクラシックの名曲の時代はリュートには新しすぎるし,仮に弾いたとしてもあまり面白くないです。まぁこんなときはグリーンスリーブスを弾くんですけど,あとキレソッティ写本にあるシチリアーナ。この曲は以前テレビのCMでさかんに流れていた時期があって,その頃のコンサートでは大受けでした。

みなさんご存知の「みなさん」がどういう「みなさん」なのかも問題ですよね。
1)ほとんど全ての人を意味するみなさん
2)クラシック愛好家のみなさん
3)コアなクラシック愛好家のみなさん
4)バロック音楽が好きなみなさん
5)ギターが好きなみなさん
6)リュートが好きなみなさん
1)~6)の順で数は減っていくんですが・・・(笑)

グリーンスリーブスは1)ですね。シチリアーナもかつては1)に近かったと言っていいでしょうね。4)あたりのみなさんには何といってもバッハが必要でしょう。5)が意外とありそうでないですが,ヴァイスのファンタジアとかシャコンヌあたりか,バッハの一部の作品もいいですね。

一般のクラシック愛好家の方にとってもリュート音楽はほとんど知られていないのが現状でしょう。いい曲は沢山あるんですが,何と言っても発信の絶対量が少なすぎますから。やっぱりダウランドの生涯が映画化されるとか,のだめに変なリュート弾きが出てきて弾きまくるとか(笑)何かないと,ブレイクスルーはなさそうですね。

ミネラルウォーター

2005年09月22日 22時43分05秒 | 日々のこと
桑名の水は昔はとてもおいしかったんですが,最近はカルキの臭いがプンプンで,ちょっと飲む気がなくなります。最近では,段ボールに2リットルボトルが6本入ったものを買ってきて飲んでいます。

バーゼルは硬水で,なんでもうわさでは水道の水を飲み続けると関節が悪くなるという話でした。真偽のほどは定かではありませんが・・・でも杖をついて歩いている人(若い人もです)が日本より目につくので「やっぱり」と思ってしまいまして,結局毎週ミネラルウォーターをスーパーに買いに行っていました。何か,水を汲みに近所の川に行くのとちっとも変わらない感じでした。(笑)

桑名の水は,というか日本の水はだいたい軟水ですごくおいしいはずなのですが,川の水質が悪くなり,もう都市部でおいしい水が水道から出てくることはないのかも知れません。バーゼルに住んでいたときと違い,今は車があるので買いに行くのはそんなにしんどくはありませんが,でも不便になったもんですねぇ。確か記憶では2年前はもうちょっとマシだった気がしたんですけど・・・

今朝ペットボトルがあと1本しかないことに気が付きました。買いに行かなきゃと思っていましたがコロっと忘れていました。明日は忘れないようにしないと・・・どこが一番安いかな。

甘いもの

2005年09月21日 23時15分20秒 | 日々のこと
名古屋の大須に行くとよく寄る店の一つに,山中羊羹舗があります。ここのういろうがおいしいんです。私は辛いものが大好きですが,和風の甘いものも結構好きです。だから太るんですねぇ。

ういろうと言えば,O須ういろうとかA柳ういろうが有名ですが,山中さんの魅力は手造り少量生産の新鮮さですね。今日も名古屋に行ったついでに,シロと抹茶を買いました。ついでに季節もののくりきんとんも。これはすぐ売り切れてしまうことが多いのですが,今日は幸運にも売っていました。ついでに店に入るときに目があってしまったおはぎも・・・

お店のお姉さんが,

「くりきんとんは賞味期限が明日までです。ういろうは4日間です・・・」

と何か念を押すように言っていましたが,はいはい,と空返事。

5000円を出しておつりをもらうころにハタと気が付きました。そういえば,これを食べるのは家内と私だけです。たくさん食べる子供は家にはいません。ひょっとしてお見せのお姉さんは,こんなに沢山買って期限内に食べきらんとあかんよ,って言おうとしていたのかもしれません。うーん,ちょっと買いすぎたかな。(笑)お腹がすいているときに食べ物を売っているところには行ってはいけないですね。

ということで,残って固くなるといけないので,今日はまずくりきんとんとういろう1本とおはぎを家内と一緒に平らげてしまいました。せっかくフィットネスジムに行ったのに,これでは何もなりませんですね。(笑)

通奏低音はどの楽器で

2005年09月20日 23時01分04秒 | 音楽系
リュートで通奏低音をするとき,どんな楽器を使えばいいのでしょうか。通奏低音で使える楽器は大きな楽器の方が有利です。ネックが曲がった,最も典型的なリュートの形をした楽器よりは,ネックがまっすぐ伸びたテオルボとかアーチリュートとか呼ばれる楽器の方がいいでしょう。
あと時代とか,いっしょにアンサンブルをする楽器との相性も考えると,それぞれにあわせた楽器を使い分けるのがベストなんでしょうが,これをまともにやってたら滅茶苦茶大変です。

G-tuningの楽器で自在に和音をとれるようになるだけでも結構大変なのに,A-tuningでもバロックリュートでも出来るようになるには相当の修練が必要です。みんな微妙に調弦が異なっていますから。ましてや,一つのコンサートで複数の,調弦が異なる楽器で通奏低音をするというのは頭が混線しそうになります。楽器の弦長がかわるだけでも大変なのに同じ音符でもポジションが異なるという想像を絶する世界です。昔のリュート弾きの場合は,当然一つの時代(かつ一つの地域)の音楽しかやらないわけですからそこそこでいいですけど,現代のリュート弾きは大変です。

そんなのを正直に使い分けている人は実はそんなにいません。バッハのヨハネ受難曲はバロックリュート(あるいはドイツテオルボ)を使うのが本当でしょうけど,実際にはG-tuningやA-tuningの楽器を使う人が多いようです。あるいはどの時代のどの国の作品でも,G-tuningのアーチリュートでするとか。まぁ,上手にできれば別にどのタイプの楽器でもいいんですけどね。

実は10月の終わりに行う東大のレクチャーコンサートで,どうもG-tuningの楽器とバロックリュートの両方で通奏低音をすることになりそうです。はたしてパッと頭を切り換えられるか。まだ少し時間があるので,切り替えの練習をすればなんとかなるでしょう,たぶん。(笑)