リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バーゼル里帰り記08(8)

2008年09月30日 14時00分23秒 | 音楽系
プレディガー教会のコンサートのあとはパウルス教会で今村氏のコンサート。彼がソロコンサートをバーゼルで行うのは珍しいと思いますが、偶然その日にあたってしまいました。もっとも完全なソロコンサートではなく、教会の催しものの中で演奏されるので、そんなに長いプログラムではありません。ヴァイスのニ長調ソナタ全曲のみとのことでした。

プレディガー教会からパウルス教会へは、16番のトラムに乗ってバーゼルSBB駅に行き、そこから1番か8番のトラムに乗って行くのが楽でしょうが、最短距離を歩けば15分くらいで行けます。お金もかからないし、運動にもなるので、あちこち眺めながら懐かしい道筋を歩くことにしました。パウルス教会は、実はその前を何度も通ったことがあるんですが、中に入るのは初めて。教会の中に入りほどなくすると電話で連絡を取ったWさんが到着しました。


パウルス教会ではありませんが、大体こんな雰囲気(笑)

さていくつかの教会のイベントの後、今村氏のコンサートが始まりましたが、教会が非常に広いのでマイクを通して演奏されました。彼が最近使っている、シーザー・マトュースの楽器なら多分音は通るとは思いますが、その前のイベントでマイクを使った演奏があったので、マイク無しだと耳がすぐにはなれないかもしれません。私がレストランなどのコンサートで使う富士通テンのPAシステムなら、生音とほとんど違わぬ感じで拡声できるんですが、パウルス教会のPA、というかいわゆる「マイク」といった方がいいでしょう、はお世辞にもいい音だとは言えませんので、少々残念でした。でも不思議なもんで耳の方がその音に慣れてきて、インタビューをはさんだ後半になるとまるでPAを通さないで弾いているような感じになっていました。

インタビューではリュートの起源やら楽器そのものの説明、今村氏の経歴などが語られました。スイスのドイツ語は大変ききづらいんですが、今村氏のドイツ語は日本人には大変わかりやすいです。(笑)

バナナダイエット

2008年09月29日 21時23分11秒 | 日々のこと
スーパーに買い物に行きましたら、バナナが全くありません。どうやら最近テレビで話題になっているバナナダイエットの影響らしいです。朝はバナナと水だけ、というヤツです。なんでも立派な体格のタレントが7キロも痩せたとかいうので評判らしいです。

そのタレントは多分100キロ超の人ですから、普通の体重の人なら3,4キロの減量ということでしょうか。毎朝同じものばかり食べていると飽きるし栄養が偏らないか心配ですが、でもみなさんバナナダイエットのためにせっせとスーパーでバナナを大量に買っているのみたいです。

岡田斗司夫さんの著書にあったレコーディングダイエットはなるほどと思いましたので、実践してますが、いまだにほとんど体重の変化はありません。これは何を食べたかを毎日記録していき、カロリー計算もします。一日の摂取カロリーがわかるわけです。現状では微減といったところですが、少なくとも増加はしていないので効果はあると言うべきかもしれません。

よく考えてみると、岡田さんは100キロ以上体重があってそこから減量をしたわけですが、今の私の体重はすでに岡田さんのターゲット体重付近です。ですから、彼と同じ方法でやっていたのでは効果がないのは当然でしょう。私の場合あと4,5キロやせたらもう少しおなかも引っ込むけどなぁ、という程度なんでモチベーションが低いということもあります。主観的には別に今の体型が極端にみっともないなんてこれっぽっちも考えたことはありません、はい。人はそうは思ってないかも知れませんが。(笑)

でもレコーディングダイエットをやっていると面白いことに気がつきます。自分の体重が食べたものの量とかカロリーによってだいたい上下しているのです。ホント正直な体だと我ながら思います。カロリー計算なんてほとんど適当ですが、それでも納豆1パック90キロカロリーとかご飯軽く一杯200キロカロリーとか結構それなりの知識はつきました。今まではそういことには全く関心がなく生活していましたが、(従ってぶくぶく太る一方でした)お陰で体重増加にストップはかかっています。考えようによっては充分に成果があがっているも言えます。

バーゼル里帰り記08(7)

2008年09月28日 23時14分20秒 | 音楽系
ライン河のすぐ近くにあるプレディガー教会はジルバーマン製作のオルガンが残されている(もちろん演奏可能です)ので知られている教会です。ここで毎月第2日曜日にバッハのカンタータが演奏されます。たまたま今回の滞在中に第2日曜日があるので、出かけたわけです。今回のプログラムは116番、130番、および130番のコラールと同じコラールのBWV326でした。



今日のコンサートはいつもより少し人は少なめ。それでもイス席はほぼ満席、私は一番後ろのイスに座ることができました。いつも思いますが、毎月バッハのカンタータ、もちろんピリオド楽器(古楽器)による演奏ですが、それを当たり前のように聞けるバーゼルの人はうらやましいかぎりです。


右後方の塔は大聖堂。改修工事が続いています。

名古屋では私が参加させてもらっているプロ・アマ混成のグループが年一回か二回のコンサートやっているのが数少ない地元の人によるコンサートのひとつです。これがプレディガーのコンサートのように発展させねばと思います。

バーゼル里帰り記08(6)

2008年09月27日 15時05分27秒 | 音楽系
14日の午前中から昼過ぎにかけて、バッハのカンタータの通奏低音数字付けの続きを行う。これは10月18日のバッハカンタータコンサートのためです。数字が付いている楽譜がなく、この作業には結構時間がかかるので、楽器も含め一式持ってきてひと仕事です。もう時間がないのでスイスにまで仕事を持ち込んでしまいました。



このあと日本に帰ってからはパート譜または譜めくりができるスコアを作るんですが、これまた一苦労。数字が付いた楽譜がきちんと用意されているとありがたいんですけどねぇ。数字付けは結構はかどり、3時過ぎには全て完了しました。

留学中スイスで買ったプリペイド携帯が、SIMの再アクティべーションが必要なので、購入した店(郵便局内)に行きましたが、お休みでした。ま、日曜日ですから当然といえば当然。日本の感覚でいてはいけません。この再アクティべーションに関しては、後日郵便局に行ってもずっと休みだったので、近所の家電量販店に行って聞いたら、販売店でなく直営店に行けとのことでしたが、その直営店に行く時間は結局取れませんでした。



しかしえらく寒いです。気温は10度を切っているのではないでしょうか。街行く人はもう冬装束。持っていったものを何枚か重ね着をするんですが、それでも寒い。なにせ持っていったものは、普段の9月頃を想定して、長袖のシャツと薄手のTシャツだけですから、重ねて着ても大して暖かくなりません。ま、それでもないよりましで、暖かくなるよう速足で歩いてプレディガー教会に行くことにしました。

バーゼル里帰り記08(5)

2008年09月25日 10時39分31秒 | 音楽系
14日。時差ぼけで目覚めは早い。まだ雨です。スイスでは珍しいことです。


雨は写ってませんが、結構降ってました。

昨夜スーパーで買っておいたパン、サラダ、ヨーグルトで朝食。居候なので、自分の部屋でこそこそと。(笑)ダイニングルームで食事ができないのはちょっと窮屈ではあります。


私が買ってそのまま置いてきた5000円の電子レンジは健在でした。

そう、地下のシャワーも混み合いました。というのは、この4階建てのアパートに私を入れて8人も住んでいるからです。大家さんたちご夫婦はあまりシャワーをしないらしいんですが、それでも6人。私が住んでいた頃は3人でしたから、滅多にシャワーが混み合うことはなかったのですが、さすがに6人だとそうはいきません。

大家さんが帰ってきているようなので、上の階に行きました。ご主人が重い病気にかかっていると6月頃きいていたのでしたが、彼は少しやせたもののすごく元気なので少々驚きました。なんでもバーゼル近郊のアーレスハイムの自然療法の名医のお陰で急激に回復したとのこと。いつになく雄弁にご自分の病気が回復いていったことを語ってくれました。

この日の夜は二つコンサートがあります。ひとつはプレディガー教会のバッハカンタータ。もうひとつはパウルス教会で今村氏が「余興」のコンサートをするとのこと。チェンバロのWさんに連絡をして一緒に行くことにしました。

バーゼル里帰り記08(4)

2008年09月24日 13時00分24秒 | 音楽系
やっとオールテンにバーゼル行きの列車が到着して乗り込みましたが、この列車はイタリアから来ている列車でした。オールテンの駅を出てふと前の方の座席を見ると、何とロザリオが座っていました。ロザリオはイタリア人で元ホピーのクラスの生徒。テオルボとギターの名手で、今はイタリアで教えています。コンサートではないがバーゼルに用がある由。

彼は私がいた頃のホピーの生徒の中で唯一英語がしゃべれませんでした。

「英語できるようになった」ってドイツ語で尋ねたら、「いや、まだまだ」という返事がドイツ語で返ってきました。

バーゼルの駅を出て、駅から徒歩2分の旧下宿へ。以前いた階の一室をシェアさせてもらうことになっています。ひとフロア全体を使えるわけではないので、少し落ち着きませんが、まぁタダなので仕方ありません。


メインで使ってた部屋のカーペットはこちらの部屋に敷かれていました。

前に住んでいた3階にはチェチーリアとレアンドロというカップルが住んでいますが、大家さんの取り計らいで一番奥の一部屋を貸してもらうことになっています。この部屋は私が住んでいたときは日常的には使っておらず、時々娘が来てくれたときに使うのみでした。自分が使用していた3階ですがあまり使うことのなかった奥の部屋に泊まるのは新鮮といえば新鮮です。

バーゼル里帰り記08(3)

2008年09月22日 10時31分33秒 | 音楽系
家の中に入ると、2人の子供さんもお出迎え。1年ちょっとぶりですが、随分大きくなっていたのでびっくりしました。早速食事をということで頂くことに。飛行機の機内食がちょっとお粗末というか分量的にも少な目なのでおなかが空いていました。今村邸での夕食のメニューはチーズフォンデュです。



チーズフォンデュに入っているワインで充分顔が赤くなっている氏といつものように、あれやこれやのお話が延々と続きましたが、現地時間の12時半ころになるとさすがに急に睡魔に襲われてダウン。床につくことにしました。

朝は体がまだ日本時間で動いているためか、早めに目覚めました。外を見ると空模様は雨。この雨は13日の一日中降っていました。こっちの雨はこんなに長時間降ることは滅多にないんですが、これも異常気象?



13日の2時すぎに今村氏宅を出てバーゼルに向かいました。オールテンというところで乗り換えるのですが、接続の列車が遅れていてなかなかきません。おまけに到着ホームが何回も変わり、そのアナウンスのたびにお客さんはぞろぞろ移動。日本なら一人や二人は駅員に文句をいう人もいそうですが、スイスの人はいたって鷹揚。でもこうやってオールテンの駅でボーっと列車を待っていると何かまだ留学生活が続いているような錯覚を覚えました。

バーゼル里帰り記08(2)

2008年09月21日 11時39分45秒 | 音楽系
私が座ったシートは最後部の3人がけシートの通路側。両隣に人がいないので、非常に快適、でもすぐ横がトイレで、人が横をよく通るし、ときどきいい香りもしてきます。(笑)

飛行機は予定夜少し早めにチューリヒに到着。約1年ぶりのスイスです。何も変わらず懐かしいスイスだなぁ・・・といいたいところですが、最近はいつもどこかを工事していますので、どこかがいつも新しくなってます。日本なら一気にやってしまうところを、何年も手間暇をかけてやっていくのがスイス流。バーゼル駅構内の工事もそんな感じでした。私が留学に来たときからずっとやってて、いったいいつまでやってるのか、もうちょっと早めにやったらどうかな、というペースでしたが、それでも留学を終えて日本に帰る頃には出来上がっていました。ちゃんと仕事してたわけですね。


バーゼル駅南口で始まっている新築工事

12日はヨーロッパで活躍しているリュート奏者今村泰典氏の自宅に泊めてもらうので、彼の住むオーベルブーフジーテンに向かいます。チューリヒの空港からだとオールテンというところで乗り換えになるんですが、うかつにも遅い列車に乗ってしまったので、到着が遅れてしまいました。でも駅には氏が迎えに来てくれていました。どうして私の到着がわかったのか、なかなか読みが鋭いです。(笑)

雨が降っていたので、車でお出迎えは助かりました。実は持ってくるのを忘れて、途中で気がついて成田で買おうと思っていたんですが、それも忘れて飛行機に乗ってしまいました。気温は15度くらいで、結構寒い感じの夕方でした。

バーゼル里帰り記08(1)

2008年09月20日 16時37分17秒 | 音楽系
無事スイスから帰って参りました。今回は行き帰りの道中を含めても7日しかありませんでした。丸一日スイスにいたのは4日しかなくて、時差ぼけが大体取れたかなというころにまた飛行機に乗るというあわただしさ。向こうに10日くらいいるとゆっくりしたんですが、まぁ、そうはいかない事情もありまして、こういうイソガシ旅行になったわけです。



さて、出発は12日、成田からでした。中部国際空港からだと以前は日本航空がチューリヒ直行便を出してたんですが、2004年秋に廃止。直行便が成田発のスイス・インターナショナル・エアライン便しかなくなりました。この便は朝の10時30分発なので、中部空港からは朝の便が間に合いません。従って前日に成田泊となるわけです。このパターンだと、荷物を持ったまま結構歩かなくてはならずしんどいんですが、この航空会社は楽器を楽器として扱ってくれる唯一(かな?)の航空会社で、チェックインのときにいろいろと交渉せずとも楽器をキャビンの中に入れてくれます。今回もルネサンスリュートを持っていくので、ここを選んだわけです。楽器を持っていかないのなら、アシアナとかシンガポールとかいろいろ選択肢が出てきますね。

さて前泊の11日、成田空港についてみると結構強い雨が降っていました。それまで秋晴れでしたので驚きました。気温もかなり下がってました。ホテルはヒルトンの格安プランをインターネットでゲットできましたので、快適でした。昨年バーゼルに行ったときは同じくらいの値段で別のホテルに泊まりましたが、格段にこちらの方が上。

12日。飛行機はエアバスA340-300型機。4発の長距離用の旅客機で、日本の航空会社はボーイングが中心ですが、ヨーロッパのキャリアはエアバス機を結構使っているようです。この機の頭上ラゲッジスペースはかなりの長尺物が入る戸袋もあり、弦長180センチを超えるイタリアンのテオルボはさすがに無理にしても、弦長75センチ程度のドイツテオルボだったら充分入る長さです。リュートは重量が軽いので多分問題はないと思います。もちろん私が持っていったルネサンスリュートは何も問題ありません。上の棚に入れてもらえるかどうかは、サイズもさることながら、重量も大きなファクターみたいです。

明日から

2008年09月10日 21時51分55秒 | 日々のこと
明日からスイスに行きますので、19日までブログの更新はしない予定です。ひょっとしたら、知人宅から更新するかも知れませんが。

レマン湖からそう遠くないところで工房を構えるリュート製作家、モーリス・オティガー氏を訪れるのが一番の目的ですが、師匠や今村氏やあと何人かスイス在住の知り合いとも会う予定です。

最近はチューリヒ直行便ばっかり使ってますが、今回もスイス・インターナショナルエアラインズ(だったかな?)を使います。以前は中部国際空港からJALのチューリヒ直行便が出てたんですが、2004年の秋から廃止になっています。中部空港から行けると荷物を担いで歩かなくて済むので便利なんですが、成田からしか出てないので仕方ないです。

滞在先は以前住んでいた下宿にまたまたころがりこみます。従って何日いようと別に滞在費がそれほどかさむわけではないんですが、レッスンやらリハーサルがあるので、正味5日の滞在です。おしいですねぇ・・・帰国後は、また「里帰り記」を書きましょうかね。