リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

CDのこれから

2022年10月31日 12時54分36秒 | 音楽系
大手レンタルビデオ店で中古CDの買取を終了するらしいです。アナログのレコードは人気が盛り返してきているのですが、CDはあまり聴かれなくなってきているようです。

私はCDを何枚持っているのか数えたことがないのでわかりませんが、1000枚はあるかな?もっとあるかも知れません。LPレコードは300枚くらいでしょうか。LPレコードを聴かなくなってすでに久しいです。(一応聴けるようにはしてありますが)CDも実は聴く頻度が下がり、ナクソスのサブスクで聴いたり購入した音楽データをUSB接続のSSDで車内で聴くというようなことが多くなっています。音楽を聴く場所もオーディオセットが置いてあるリビング以外、車の中とかレッスン室あるいはDAPで聴くことが増えてきています。

取りあえずCDの時代はすでに終っていますね。このエントリーのタイトルを「CDの末路」としてもよかったのですが、将来復活の芽もあるでしょうから、「CDのこれから」としたのですが、さてどうなるのでしょう。きっと復活することはあると思いますが、ただCDは「持ち」が悪いです。80年代の初め頃に購入したCDの何枚かはプレーヤーで読み取ってくれません。それより遙か前に購入したLPは普通に音が出ますが、LPと比べるとCDは保存性能が落ちるのです。ということはもう復活の芽はない可能性もあります。将来のある時期から世界中のCDが聴けなくなってしまった、という事態も。でもこのまま消えていくようなものでもない気がしています。

少し前からCDのプラケースからコクヨのMEDIA PASS!というペラペラのケースに入れ替えを始めています。これでCDラックのスペースが2倍から3倍になります。あちこちにあふれていたCDがやっと整理がついてきたところです。もう復活の芽はなさそうなCDですが、ウチに来た以上はこれからも大切にかわいがってやろうかと思っています。その気持ちとは別に、アンプをDAC付きWiFi付きのものに替えたいという気持ちがあるのも事実ですねぇ。CDを聴く機会は減ることになりますが・・・


アタントでモーニング

2022年10月30日 16時30分58秒 | 日々のこと
今日も昨日に引き続きとてもいい天気です。午前中は家内と一緒にいなべ市藤原町にあるカフェ・アタントでモーニングしてきました。アタントは多分フランス語だと思いますが、attenteで待つとか期待という意味があります。そう高い頻度で行くわけではありませんが、気が向いたら出かけるお店です。焼きたてのパンがとても美味しいです。


(google map より。4月始めころの撮影のようです)

ウチからは国道421号線を大安町まで行き、そこから365号線に入ります。桑名の人間には藤原町というとものすごく遠い所というイメージがありましたが、365号線が整備されてとても行きやすくなりました。

今日は天気がいいせいか、日曜日でもありますし、いつもガラガラの365号線がいやに混んでいます。といっても渋滞ができるほどではありませんが、バイクの集団なんかとよくすれ違いました。

お店の駐車場にはBMWのZ4とポルシェのオープンカーが止まっていました。ポルシェの方はヴィンテージっぽい感じです。お高いんでしょうねぇ。2台ともオープンカー、やはり天気がいいので各地からドライブにくるんですね。

今日のモーニングは焼きたてのパンとポテトサラダ、コーヒーです。パンはチーズと一緒に焼いたもので、チーズがパンの味をぐっと締めています。お持ち帰りようにパンを買っていこうとおもったんですが、残念ながらお持ち帰り用はないとのこと。いつもはあるんですが、今日はそれだけモーニングのお客さんが多かったということのようです。

桑名六華苑「秋のバロックコンサート」

2022年10月29日 23時00分58秒 | 音楽系
今日は大変天候に恵まれた中でコンサートを開催することができました。



天気はよかったのですが、ちょっと風が強めでした。新型コロナ対策で窓を開けっぱなしにしなければなりませんでしたが、さすがに風が強いということで何カ所かの窓やドアを閉めてもらいました。でもそれでもまだ風が入ってきてちょっと寒く、指が冷たくなる感じがしました。ただ空気が乾燥していましたので楽器はとてもよく響きました。



開演の20分前です。20分前としては結構人が入っている感じでしたが、開演時刻にはこの3倍くらい、追加で用意した椅子30席は満席、さらに立ち見が30人近くと相成りました。久々の大盛況です。今日は天気もよく土曜日ということもありますが、各地の人出が回復してきたこととも関係がありそうです。実際コンサートが終わってから、一般見学の方が大勢入っていらっしゃって、ロビーは大混雑になり、なかなかチェンバロの搬出ができなかったほどでした。

次回は2023年の5月。まだ日も内容も決まっていませんが、決まりましたらまたご案内させていただきます。

明日は六華苑のコンサート

2022年10月28日 19時18分55秒 | 音楽系
明日は桑名六華苑でミニコンサートです。今回は杉浦さんのチェンバロですが、私も少し弾くことになっています。別に邪魔をするわけではないですが、行き掛かり上そうなってしまいました。

プログラムは;



こんな感じです。

バッハとその息子、そして同時代人のフランス人、ラモーの作品です。

私は久々というか昔から弾いていて録音もしたのにライブではあまり弾かないファンタジーハ短調も弾きます。

11月13日にバロック音楽の旅15のコンサートがありますが、そのときはまた杉浦さんに今回のプログラムの拡大版を弾いて頂きます。なお、私は口三味線のみです。

小話バッハとクレープスの対話

2022年10月27日 15時01分04秒 | 音楽系
クレープス:先生!新しいのを書いてきましたよ。どうぞご覧になってください。
バッハ:おー、君か、クレープス君。まぁ座り給え。どれどれ・・・

と言ってバッハ先生は弟子のクレープスが持ってきた楽譜を眺めます。

バ:お前がこの前持ってきたハ長調のリュート協奏曲は、ありゃつまらん曲だったが、これはまあまあかな。リュートというのはヘ長調の方が綺麗に響くのかのう?そういや最近若いリュート奏者が書いた協奏曲のうち、コハウトというウィーン人の作品もなかなか良かったがそれもヘ長調だったな。
ク:いえ、別にヘ長調だけがというわけでは。クラインクネヒト氏のリュート協奏曲はとてもいい曲ですが、ハ長調です。
バ:おう、その曲は知っておるぞ。お前の曲を入れてリュート協奏曲作曲の3K、コハウト、クラインクネヒト、クレープスとでもしておいてやろう。(笑)でもわしはどうもこの最近の作風にはついていけんなぁ。わしの息子たちもお前みたいな曲を書いとるがどうも好かん。


バッハ先生の作風は典型的なバロックのスタイル、しかし18世紀第2四半期以降全く新しい書法で書く作曲家が現れてきます。たとえばペルゴレージ。彼が書いた奥様女中というオペラブッファとバッハ先生の書いたコーヒーカンタータはほぼ同じころに作曲上演されていますが、同じ時期の作品とは思えないくらい作曲スタイルは異なります。リュート奏者たちの中にもヴァイスの次の世代であるファルケンハーゲン、ハーゲン、コハウトなどが今までのバロックのスタイルとはかなり異なる新しいスタイルで曲を書き始めるのがこの頃です。

ブーレーズのリチュエル

2022年10月26日 12時39分15秒 | 音楽系
今朝は気温が下がりいつもは冷えたまま飲む牛乳も温かくしていただきました。

今日の朝食は久しぶりにピエール・ブーレーズの「リチュエル、ブルーノ・マデルナの追憶」を聞きながら頂きました。まぁこの曲をBGMで聴く人はあまりいないかも知れませんが。(笑)リチュエルは儀式という意味です。ブルーノ・マデルナは1973年に亡くなったイタリアの指揮者、作曲家です。

この曲を聴くと思い浮かべるのは松平頼則のダンス・サクレとダンス・フィナル、右舞、左舞というオーケストラ曲です。とても雰囲気が似ています。松平の曲は1950年代の後半作曲ですので、ブーレーズが影響を受けて作曲したんだと思います。もっとも似ているのはサウンドというか全体の雰囲気だけで、曲の構造はブーレーズのリチュエルはとても西洋音楽的です。でも似てるなぁ。

松平頼則はあまり知られていませんが、ヨーロッパではとても評価が高かった人です。そういや武満徹の弦楽のためのレクイエムの作曲も50年代の終わり頃。その頃来日していたストラビンスキーがNHKのスタジオで武満のレクイエムを聴いて絶賛したのがきっかけで武満は世に出たげな。(昔近所のお年寄りは「げな」を使っていました。「出たそうだ」という意味です)レクイエムもとてもいい曲だと思いますが、それと同じくらいの高レベルの曲がほとんど知られていないのが現状ですね。お墨付きがないと自主的判断できない評論家やリスナーが多い日本です。アメリカで大評判になってそれを逆輸入して日本でも評判!じゃなくて、始めから日本で有名にしてやれよ。

シェレとシェレ

2022年10月25日 12時42分57秒 | 音楽系
私が今メインに使っているラース・イェンソンのバロック・リュートは、セバスチャン・シェレのモデルです。実は1982年から2005年まで23年間使っていたマティアス・デュルビー作バロック・リュートもシェレモデルです。

この2台、同じシェレモデルではありますが、楽器の性格は両極です。デュルビーの楽器は少し軽めで明るい派手やかな音であるのに対して、イェンソンはきらびやさを持ちつつも全体的に深く落ち着きのあるトーンです。範にした楽器は同じであっても、現代の製作者が異なると全く違う楽器になってしまうわけです。もちろんそれぞれの製作者の中では範にした楽器によってシェレの音、ホフマンの音、ティーフェンブルッカーの音という風に味付けは異なるのでしょうが、それはあくまでもその製作者の音の個性の範囲内です。

楽器製作にとって昔の楽器に範を取るというのは必須事項ではあっても、それだけでいい楽器を作ることはできません。楽器の音を決めるのは数値で見えているもの以外のもの、例えばバスバーの一部をホンの0.何ミリ削ったかとか、接着剤の量を少し少なめにしたとか、昔の楽器を計測した図面からは読み取れない事柄が実は鍵になっているからです。

アマチュアの方で器用な方はリュートを自作したりしますが、オリジナル楽器の寸法を計測した設計図の通り作ってみても音がスカスカでアンバランスな楽器しかできないのは、上記のように図面では書き切れないことこそが重要であるという理由によります。図面通り作るだけで名器ができるのなら今頃世の中名器であふれているはずです。なんか楽譜と演奏の関係に似ていますね。楽譜には音楽の概略が書いてあるだけで、それに命を与えるのは演奏者です。

よくAという製作家が作ったシェレモデルの楽器とBという製作家が作ったホフマンモデルとを比較して、シェレの音はこうだ、ホフマンの楽器はこうで、音がこんな風に違うのだと仰る方がいますが、そういった比較は全く意味がありません。その違いはA製作家とB製作家の個性の違いであり、シェレとホフマンの違いではありません。

そのことは私の2台のシェレモデルの楽器が如実に物語っています。


音楽教室著作権支払い問題の裁判

2022年10月24日 17時14分23秒 | 音楽系
音楽教室で先生や生徒が楽曲を演奏するときに著作権料を払うか否かの裁判が結審しました。1審の東京地裁判決では生徒・先生の演奏の双方から、2審の知財高裁判決では先生だけから、そして今回の最高裁では2審を支持し先生の演奏からは著作権料を徴収できるという判決です。

これはもともとはJASRACが音楽教室に対して受講料収入の2.5%の使用料を払えと音楽教室に言ってきたのが発端で、多分一番多く支払わなければならないヤマハが音頭を取ったんでしょう、教室側「音楽教育を守る会」を作って提訴したものです。

税金のことはよくわかりませんので、単純化して言うと、受講料は一定の割合で講師の先生に渡し、その残りが教室側の収入になるわけです。その収入の2.5%をJASRACが持って行くということになるのかな?それともレッスン料=店にとっての受講料収入とみなして、レッスン料の2.5%を徴収するというこのなんでしょうか。JASRACはしっかりしてますから多分後者かも。

当面個人の教室は当面対象外らしいですが、私が名古屋で教えているミューズの教室は対象外にはならないでしょう。でも私がレッスンに使っている楽曲は全て著作権という概念のない古い時代のものばかりなので、そもそも支払い義務はないはずです。

受講料全体なのか(受講生のレッスン代が上がる)、講師先生の取り分なのか(講師先生の取り分が減る)、店の収益なのか(店の収益が減る)、何に2.5%をかけるのかはよくわかりません。教室個別の判断になる部分もあるでしょうけど、本来は支払い義務のない私の教室が支払わなければならないということになりそうなのは何かしっくりきません。包括的に徴収するというのはそういうことなので致し方ないのかも知れません。まぁ上手く個別対応してもらうしかないでしょう。

全国旅行支援「ただいま東京プラス」

2022年10月23日 12時22分30秒 | 音楽系
12月のコンサートのために11月末に東京で1回フラウト・トラヴェルソの国枝さんとリハーサルを予定しています。リハーサルはもう1回あって、そっちは拙宅で行う予定です。

東京のリハーサルは久々に新幹線を使ってい行こうかなとも考えていたんですが、第8波も予想されることからやはり車で移動することにしました。東京に新幹線を使って行くと途中かなりの人と密にならざるを得ませんが、車だとそれはせいぜい数人ですから圧倒的に安全でしょう。本番前に新型コロナに罹ったらシャレになりませんから。

車だと東京で宿泊しないとちょっとシンドイので、予約は全国旅行支援を利用することにしました。ちょうどいいタイミングなんですね。楽天トラベルで予約してみたんですが、予約完了メールには全国旅行支援についてというリンクは付いているのですが、それをクリックしてもどうやってキャンペーンに参加していいかよくわかりません。なんでもクリックするためのボタンがあるらしいんですが、そういうものも見当たりません。

ネットで調べてみましたら;

楽天トラベルは、東京都を目的地とする旅行の全国旅行支援「ただいま東京プラス」を10月25日10時に開始すると発表した。

とありました。東京都は確か10月11日の全国旅行支援開始に間に合わなかったらしいのですが、楽天が取り扱うのが10月25日10時からということなんですよね。でもすでに予約をしてしまったんですが、これは「ただいま東京プラス」に入れてもらえないんでしょうか。それとも25日になったら楽天トラベルの私のアカウント内にある予約確認に申し込みボタンがあらわれるとか。どれだけ調べてもそのあたりの疑問に答える記述はありませんでしたが、どうなるんでしょう?たとえボタンをクリック出来ても「予算がオーバーしました」チャン、チャン、ってことになるのかも知れませんが。(笑)

マツダ CX-60 試乗

2022年10月22日 17時32分25秒 | 日々のこと
9月に発売されましたマツダ CX-60に試乗してきました。CX-60は後輪駆動とAWDの新しいラージ・プラットフォーム第1弾です。今までのスカイアクティブと呼ばれる一連の車は前輪駆動とAWDでプラット・フォームは異なります。CX-60の全長×全幅×全高:4740×1890×1685mmの堂々たる体躯からはマツダの意気込みが伝わって来るようです。



パワー・トレインは4種類、直4、2.5Lガソリン、直6、3.3Lディーゼルと同48Vマイルドハイブリッド、そして直4、2.5L PHEVです。試乗したのは直6、3.3Lディーゼル48Vマイルドハイブリッド車です。担当の方のあとについて試乗車に向かいますと隣にもう一台のCX-60が。聞くとこれは明日納車予定の車ということです。9月発売なので最近の車にしては納車が早いです。もっとも同車の受注開始はは6月でしたから、その頃にいの一番で受注した車かも知れません。実車を見ないで注文したわけですから、注文した人は根っからのマツダファンに違いありません。

さていよいよ試乗車に乗り込みます。内装はさすがにマツダの最高級車だけあってとてもシック。センターコンソールの幅がちょっと広めで膝あたりに気持ち窮屈感を覚えました。



ハンドルは私のミニクロスオーバーと比べると少し軽め、でもトヨタ車みたいに超軽という訳ではありません。こういった試乗の場合、タイヤが10回転くらいしたら大体車の素性がわかると言われますが、これはベテランモータージャーナリストの話。わたしごときではとてもそこまではわかりませんが、ただ発進のときのエンジン音が大きい感じがしました。それと550Nm+モーターのパワートレインですの極低速時にトルク感がもっとあっていいような感じがしました。

試乗コースは国道23号線を走って途中から左折して、伊勢湾岸道湾岸桑名インターの手前で戻ってくるというコースです。インターの手前1km位は交通量も少なく、100km/h位は出せますが、出してはいけません。ぐっとアクセルを踏み込んで加速を試してみましたが、3.3L550Nm+モーターのパワーは伊達ではありませんでした。ただ少しターボラグが大き目で、エンジンパワーが上がってくるのに少し時間がかかってしまう感じを受けました。

道路のうねりに対してピッチングが大きめなのと乗り越えたあと少しふわふわするのも気になりましたが、これらは距離をある程度走ると収まっていくのかも知れません。車内はとても静粛で高級車然とした走り、燃費もリッター20kmを超えています。ワンタンク(58L)で1000kmは軽く行きますので長距離ドライブはとても快適だと思います。それでいてマイルドハイブリッドではない方の3.3Lディーゼル車だと何と320万円台という破格のお値段。軽EVの日産サクラが294万ですからかなり接近しています。これから発売になるガソリンの2.5Lだと300万を切るらしいですが、マツダのフラッグシップとなる車種だけにそういった廉価版は出さない方がいいような気がします。

今後はPHEVも出てきますが、恐らくこの車の売れ筋は3.3Lのディーゼルになるだろうと思います。でもこれだと素の車といった感じでメーカーオプションをつけると50万くらいは余分に必要になるかも知れません。MINIが同じような戦略で、アレもコレもという具合にオプションをつけると合計600万くらいは行ってしまいます。マツダがMINIの価格戦略に学んだかどうかは知りませんが、高価なマツダ車が認知されていくのがマツダの今後の課題だと言えます。