リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ガット弦に思う(2)

2020年05月31日 14時56分36秒 | 音楽系
細いガット弦はとても切れやすいものです。若い頃まだガット弦の再現がきちんと出来てなかった頃、本番の曲中でプッツンと切れてしまったことがありました。確かコーティエの曲でした・・・名古屋市昭和区にある大きな交差点近くの建物の2階での演奏でした・・・

現在販売されている牛の腸を使った弦はそこそこ保ちます。よく切れるので実用にならない、という問題はすでに過去のこと、(300年くらいの過去ではなく、2,30年位前の過去のことです)と言ってもいいかも知れません。

とはいうものの運が悪いと当日張ったバロックの1コースが本番で切れてしまったということはあります。415の弦長70cm程度のバロックリュートの1コース用のガットはせいぜい5日から1週間くらいしか保ちません。正直1コースはもう少し保ってほしいとは思います。

昔(300年程前)もそう事情は変わらず、有名なバロンの理論書には、低いピッチで調弦したらローマで作られたガット弦の1コース(バロック・リュート)が4週間保った、なんて特筆されているくらいですから、1コースの命は平均的には当時でも4週間よりはずっと短かったのでしょう。


2コース以下は、実質的に切れると言うことはあまり意識する必要はありません。現在製造されているリュート用ガット弦は2~5コースと6コース以下のオクターブ弦に関して、耐久性に関しては問題はないでしょう。1コースに関してはいつもメンテをしっかりとしておく必要があります。ケバが出始めたら即交換です。

よく1~3コースの弦にケバが出まくり(当然音はポコポコです)のままで使っている人をみますが、そもそも綺麗な音が出るからといってガット弦を使っているのではないですか?ポコポコの美しくない弦を使っているようでは、美しくは弾けません。ガット弦を使う人はマメでないといけません。

ガット弦に思う(1)

2020年05月29日 21時33分45秒 | 音楽系
昨日今日は気温はやや高めながらも湿度が低いのでそれなりに過ごしやすいです。これが6月も中頃を過ぎると湿度が高い日々が続きます。今ぐらいがリュートにガット弦を張る最後の時期ではないかと思います。6月の梅雨時から10月の始め頃まで、日本は全くガット弦が不向きな時期が続きます。

4年程前でしたか、試しに真夏のコンサートでガット弦を使うとどうなるかを体験すべく、実際に愛知県の某喫茶店でのコンサートでバス弦までガット弦を使った楽器を使ってみました。よくガット弦は高音多湿では音程が狂いやすい、なんて一言でいいますが、これは実際に体験しないとわかりません。

6~13コースのバス弦はガムートのピストイ、他は牛のプレインガット(1、2コースはウニヴェルザーレ、他はガムート)です。前日に1コースは交換しているので、さすがに演奏中に切れると言うことはありませんでした。しかし音程の狂いは半端ではありませんでした。特にひどいのがバス弦です。3分ちょっとの曲の前半でもうかなり狂い、曲が終わると弦によっては2度近くも音程が狂っている弦もありました。ここまで狂うともう地獄です。細い弦はまだ何とかなるのですが、太い弦がむちゃくちゃになり、対処しきれません。

会場の喫茶店は、エアコンはあるものの外の暖気と湿気がモロに入ってくるのでこのような結果になったわけです。しかしエアコンで充分に冷やし、外気が入らないようにしている自宅の部屋であっても、四六時中その状態を保つのは無理でしょうから、やはりこの時期はガット弦は避けた方が賢明です。

今日はいい天気です

2020年05月28日 12時42分04秒 | 日々のこと
今日は気温は高めながらもカラっとしていい天気です。もう下着も半袖からタンクトップに替えて夏の到来に備えています。今日くらいの天気が暑さのピークでそのまま秋になってくれるといいのですが、そうは行かないでしょう。



我が家の天然ドクダミ園ではぼちぼち満開を迎えます。今年はドクダミ以外の草も結構生えていたのですが、ここ何日かでドクダミが急に勢いを増してほぼ完全制圧状態になっています。ドクダミはさすがに生命力が強いです。この「ドクダミ園」は、昔通路だったところで、我が家も家の側面に勝手口がありましたので、ここ通って家に出入りしていました。もちろんその頃は全くドクダミは生育していませんでした。

ドクダミはどちらかというと陰になる少しじめっとしたところに生育するイメージが強いですが、実はこの「ドクダミ園」も写真の後ろ側(南)に立ちの高い建物があり、昼を過ぎると日が当たらなくなります。もうここは人も通りませんし、これらがドクダミの生育に適しているのかも知れません。当ブログのタイトル写真も満開になったら写真を入れ替えようかと思っています。

コロナ中、コロナ後は

2020年05月27日 13時38分57秒 | 音楽系
新型コロナウィルス禍で売れている売れていないにかかわらず、音楽家は大変大きな影響を受けています。売れていない人はさらに売れなくなってしまいます。知り合いの演奏家に聞いてもさっぱり仕事はないそうです。レッスンプロの仕事もそもそも全くレッスンをしていなかったり、していても生徒さんの経済的な事情などで減少しているようです。

警戒宣言が解除して、徐々に世の中は第2波、3波を乗り越えて昔の流れを取り戻していくでしょうけど、おそらくクラシック音楽演奏関係の仕事は復興の一番最後になる可能性が高いです。そもそも生演奏会場は三密そのものだし、クラシック音楽の愛好層は年齢が高めで多分用心深いでしょうから。

桑名のバロック音楽の旅14をそっくりそのまま1年半先に延期したのも上記の事情を考慮してのことです。それに来て頂く演奏家は東京、大阪、横浜などの在住の方が多くて、直前時に外出自粛要請、なんてこともあり得ます。

現在三密を避けるということで音楽のコンテンツ無料配信や、ライブのリアルタイムインターネット中継などが行われていますが、多分コンテンツが足りなくなったり、見ていてもつまらないのでそのうちなくなってしまうのではないでしょうか。有料を無料にすると言っても限度はあるでしょうし、映像として何も作り込んでいないようなライブ配信なんてコンテンツとして魅力がありません。

コロナ後も多分以前の状況には戻らず、多分別の状態が固定化してしまう気がします。インターネットで魅力あるコンテンツの配信が増えるでしょうし、レッスンもオンライン化が進むと思います。ネットのコンテンツも無料ではなく有料化が進むでしょう。ユーザーの方もなんでもタダでいい時代になった、と考えるは止めるべきで、基本はちゃんと対価を払うという姿勢に転換することが大事です。有料化の方式はサブスクでしょう。もう既にサブスクコンテンツは膨大ですが、それがさらに進むのではないでしょうか。

オンライン・レッスンもより高速のネットワーク(5Gなど)が一般化するのはもうすぐなので、そうなったら遅延(レイテンシー)がほぼなくなるといいますから、オンライン・レッスンは急速に進むと思います。私もオンライン・レッスンを4月から進めてきましたが、1万円程度のコンデンサーマイクを使用するととても鮮明な音でレッスンが可能です。画像はWebカメラのものでも使えますが、iPhoneとか高機能のデジカメで高解像度設定をすれば非常に鮮明になります。画面の共有で楽譜の提示もできますし、レッスンの重要な箇所を録画してフィードバックしたり、レッスン後に送付したりできますので、機能的には対面レッスンより優れています。もちろんリアルの対面レッスンならではの優れた部分はありますが。

以上述べましたように「新しい生活様式」のクラシック音楽業界はネットワークが基軸となって進んでいくでしょうから、その方向性を見据えてこちらも対応していく必要があると思います。


スポーツジム

2020年05月26日 17時02分14秒 | 日々のこと
緊急事態宣言解除を受けて、久々にジムに行って来ました。

いつもの入り口は入る人と帰る人のコースが分けられていました。そして受付で用紙に名前、体温やその他のチェック事項を記入して入ります。遅い時間に行ったので、ロッカーまでの途中はどなたともすれ違うことはありませんでした。ロッカーロームは1つおきに使用できるようになっていました。

いつものようにウォーキングを3、40分するので2階に行きます。途中では器具を使ってトレーニングしている方がパラパラ。2回のランニングマシンでは一番右奥にひとりおじさんがいただけで、あとはだれもいません。

今回のワークアウトのお伴は、フュージョンのDezolveのアルバムPortrayです。1曲のDisastersという曲は渡辺香津美が若い頃発表したInner Wind という曲にとてもよく似ています。若いDezolveのメンバーからすると渡辺香津美は彼らのお父さんより年上の年代でしょうから、ひょっとしてオマージュとして書いたのかな?それとも他人の空似?途中でDezolveに飽きたので、バルトークの弦楽四重奏第3番に切り替え。この曲は高校生の頃からよく聴いていましたが、当時はあまり意味もよく分からず一種の怖い物見たさみたいな感じで聞いていました。

ワークアウト後のシャワールームもガラガラ。理想的な環境ですねぇ。こうでなくっちゃ。でもいつもこんな環境だったらこのジムは確実に潰れます。もう少し料金が高くてもいいですから(年5000円まで!)これに近い環境を維持してほしいところです。

私はこのジムにもう20年以上通っていますが(その割にはちっともスリムになりませんが)当初は会員数も少なめでゆったりしていました。それが経営上の問題もあったんでしょうけど、どんどん会員を増やしていって、時間によってはギュウギュウ詰めです。プールなんかひとりでひとレーンを30分使えることは極めて希で、ひどいときにはひとレーンに5人くらいが泳いでいたりもしていました。

もうけ主義に走った挙げ句コロナの集団感染を招いたということもあるでしょうから、コロナ後の「新しい生活」のために、せめて開業当初くらいに会員数をしぼったらどうでしょうか。そうなると料金値上げは必至でしょうけど。

デスクトップ刷新

2020年05月25日 21時00分14秒 | 日々のこと
オンライン・レッスンやら録音やらで必要に迫られ、デスクトップを刷新しました。デスクトップと言ってもコンピュータのことではなく、文字通りのデスクトップです。



正面にあるのが、USB接続のコンデンサーマイク、AKG Lyra です。ちょっと見えにくいですがモニターの上方にあるアームのさきにカメラを取り付けます。カメラと言ってもiPhoneです。iVCamというアプリ(最初は無料ですが、結局は有料にならざるをえないという、よくあるパターン)を使うとiPhone のカメラを使ってZoomができます。

あと細かいことですが、ペン立ても刷新しました。



このオレンジ色のペン立てをもうそれこそ何十年って使っていたのですが、プラスチックも劣化してきたし色目も汚くなってきたので、最初の写真の左下にあるようなものを購入しました。

そしてこれが録音器材です。



録音マイクはAKG415B x 2、マイクスタンドもAKG製です。ミキサー(ミュージックインターフェース内蔵)がPresonusのStudio Live AR8 USBです。マイクとスタンドはもう10年以上前に買いましたが、いつもばたばたしてまとまった時間が取れなかったのであまり使っていません。今回は絶好のチャンスです。ミュージックインターフェースは2年程前に買いましたが、やっと今が出番です。マイクプリはStudio Liveのものを使っていますが、単体のマイクプリ(Behringer ULTRAGAIN PRO、ナント真空管のマイクプリです)も持ってますのでそれも使ってみようかと考えています。

これらの器材を通じてUSBでパソコンと接続、DAW(Digital Music Workstation)はStudio One です。今マイクのセッティングをいろいろ変えてみたりマイクプリをどちらにするかでいろいろなパターンで録音して音を比べています。CD第1集、第2集の音と比べたりしてますが、これらのCD録音を担当したエンジニアであるヤン・ザチェック氏が録った音は素晴らしいです。ちょっと太刀打ちできません、って比べるのも恐れ多いです。向こうは超一級のプロですから。ま、器材も違いますしね。

録音エンジニアと演奏家を兼ねるので少々時間がかかりますが、取りあえずはBWV997全曲を時間を掛けて録音してみたいと思います。これ1曲ではCD1枚分としては足りませんが、シングルCDみたいな感じで997だけで1枚にしてもいいかも。





音楽界三大ヤッチャッタ(3)

2020年05月24日 17時25分23秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
三大ヤッチャッタの3つ目ですが、それは次の曲。

カッチーニのアヴェ・マリア

16世紀中頃に生まれたカッチーニはご存じ「アマリリ麗し」なんかでとても有名な作曲家です。ロバート・ダウランドもリュートソング集「音楽の饗宴」に「アマリリ・・・」を収めています。彼の作品は現代において声楽を勉強する人は必ず歌いますが、その場合多くは「イタリア古典歌曲」として勉強します。初期バロックの楽曲として初めから勉強する人は、古楽専攻の人だけでしょう。でも声楽で最初から古楽という人はいるのかな?

そのカッチーニですが、20世紀の終わり頃突如として「登場」したのが、「カッチーニのアヴェ・マリア」という曲です。初めて聴いたときは「なんじゃ、これ?」って思わず吹き出しました。歌詞は「Ave Maria」と繰り返しているだけですし、メロディはカッチーニの作風とはほど遠いムードミュージック風の音楽です。

この曲は映画に使わたり色んな音楽家が録音したりしてとても有名になりましたが、実は1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)によって作曲された曲です。(ウィキ)作曲者はギターやリュートをやって人らしいです。

不勉強な声楽家がご自分のリサイタルのプログラムにこの曲を載せていたを1回や2回ならず聴いたことがあります。ヴァヴィロフ作曲「カッチーニのアヴェ・マリア」というタイトルなら事情を分かっているのでしょうけど、プログラムの解説に「ジュリオ・カッチーニは15**年に生まれたバロック音楽の作曲家で・・・」なんてことを書いているところをみると、本当にカッチーニ作曲だと思い込んでいるということになります。

今回取り上げた3曲、曲自体はいずれもとてもいい曲なんですが、惜しくも来歴や邦題でちょっとやっちまっています。さらにカッチーニのアヴェ・マリアは多少の悪意も感じますが、作曲者は惜しくも早世して印税を稼ぐことはなかったのでまぁそっとしときましょう。しかしこれら3曲についての事実は知っておいても悪くはないでしょう。

近江楽堂でのコンサート中止

2020年05月23日 13時05分25秒 | 音楽系
3月18日によていしていて、9月15日に延期になりました近江楽堂でのコンサートは中止にしました。

やってやれなくはなかったとは思いますが、多くのリスクを背負って開催ということになりかねません。9月の時点でも「三密」を避けるようにといわれたら、経済的になりたちません。近江楽堂は100名程度のキャパですので、「三密」を避けるということで隣と隣を2mあけて椅子を設置したら30人も入れないと思います。これでは近江楽堂での全てのコンサートはなりたちません。

それにそもそも9月であってもお客さんが聴きに来ていただけるかという問題があります。今のところさっぱり前売り券は売れていません。自粛は25日には解けるとのことですが、しばらくは皆さん警戒されることでしょう。他の地域で自主解除をしたものの客足はさっぱりという飲み屋さんと同じ問題が起こりそうです。

お客さんも主催者も演奏者も安心してコンサートに臨めるには、やはり安全が担保されている状態、つまりワクチンがどこでも普通に接種できる、治療薬がどこででも処方してくれるという状態にならないと難しいと思います。その時期は来年の秋以降だろうと見込んで今回は一旦中止して仕切り直すことにしました。来年の秋以降には必ず開催します!

年内に計画していた13回のコンサート、レクチャーのうち、2月9日のコンサートは実施しましたが、あと1つを残して全て中止または延期になってしまいました。かろうじて生き残っている10月の六華苑のコンサート、開催できるのでしょうか。

Windows 10 が少し調子が悪い

2020年05月22日 19時03分19秒 | 日々のこと
どうもWindows 10の調子がよくありません。Windows updateの更新ができないのです。Windowsのバージョンは1809で止まっています。ウチの他のコンピュータを見てみますと1909になっていましたので、もう2つも前のままです。ちなみにもうじき2004という最新のが出てくるそうですが。

油断していて「設定」の「Windows Update」をあまり見なかったもんですから、バージョンアップができないということに気が付いていませんでした。結構長い間放置されていたわけですね。ブラウザやオフィスやイラレやフォトシなどごく一般的なアプリを使っているだんには別に異常はありませんでしたが、最近時間に余裕が出て来た(コロナのお陰です)ので録音をしてみようと、DAWを使っていましたら、よく落ちたりドライバがインストールされなかったりするエラーが出ます。

そこでWindows Updateを確認してみましたら、上述のような状態になっていたわけです。いろいろネットで調べてありとあらゆる手を尽くしてみました。C:ドライブの1TBSSDも残りわずかだったので、2TBに交換しましたし。SSD交換のおかげで、DAWの動作は多少は改善されましたが、それでもまだ完全ではありません。20年以上前ですが、Windows のLogic(今はMac専用になってしまいました)は一度も落ちたことはありませんでした。(もっとも当時はDAWの負担は少なかったですが)

Windowsの上書きインストール(アプリ・データを残す、データのみ残す)もやってみましたが、正常化せず、どうもWindowsを完全クリーンインストールするしかないようです。これは面倒なことです。

今のところアプリはDAWがときどきフリーズする以外は動作上の問題はありません。でもシステムのUpdateが出来ない以上はいずれは何らかの脅威にさらされます。そこで、次のようにすることに決めました。

今のまま暫く使い続けて、そのうち新しいコンピュータを購入する。新しいのを買ったら少しずつアプリの移行をしていく。こうしたら途中でコンピュータが使えなくなるということはありません。現コンピュータは自作第7号機で2013年に組み立てました。途中マザーボードがだめになって交換しましたし、SSDは新品とはいうものの、マザボの仕様は7年前のもの(チップセットはH97!)だし、今のインターフェースは当時とは少し異なってきています。まぁぼちぼち新しいのにする時期ではあります。で、どうするか?

1.今と同じようにデカイケースに組みつける←ハイスペック
2.超小型のベアボーンから作る←スペックはふつう
3.いっそマッキントッシュ←でも高価だしアプリの問題も

Windowsコンピュータの出来合いのを買うという選択肢はありません。まぁ楽しく悩みましょう。


音楽界三大ヤッチャッタ(2)

2020年05月21日 19時02分06秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
「ノルウェーの森」というタイトルになったのは、当時東芝音楽工業でビートルズ担当のディレクターだった方がエイヤッて付けてしまったからだそうです。(ウィキ)

当時の日本人でこの邦題に疑問を持った人はさすがに多かったとは思います。ビートルズはその頃インド哲学に傾倒していて、シタールも習って本曲に取り入れています。意味不明の訳の内容は、サトリの世界を表したとか、彼らは何かの薬物もやっていたという噂もあり、薬でラリっていた世界なんだ、と思っていた人もいたのではないでしょうか。

もっともノルウェーの森の場合は、このタイトルを考えた人は普通のオッサンですが、なんせ著名なビートルズの曲です。それに大作家の村上春樹氏も同名の小説を書いているし。

さらに村上春樹氏による同名の小説がヒットして、この楽曲と小説が結びついてしまい、訳の誤りが訂正されないまま今日に至っています。村上氏の作品は英語に翻訳されていますが、英語で読んだ人のタイトルのイメージは日本人のそれとは異なるはずです。

エライ人とか有名な人が言ったり関連している語句は意味不明であっても皆さん真剣に考えます。奥に何かすごい大きな内容があるのではと考えを巡らすのですが、でも考えてもすぐにはわからない。まぁ多分何かあるんだろう、というところで思考がストップする。これを「人の望みの喜び効果」と言いますが(私が言っているだけです)、本曲の邦題および歌詞日本語訳にもこの効果が現出しております。