リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

おーコワ

2006年10月31日 13時43分33秒 | 日々のこと
ミューズのレッスンがあるときは、大抵は電車で行きます。いつもはだいたい快速の出発の20分くらい前に家をでます。ウチから桑名駅まで徒歩15,6分なので、これで余裕を持っていけます。先日も同じように行くはずだったんですが、ちょっと忘れものをして、少し遅くなってしまいました。ウチのすぐ前の国道1号線をわたり(信号のないところです。←こういうことをしてはいけません)交差点まで小走りで向かっていてあと3メートルくらいで交差点というところで、後方からえらい勢いで軽自動車が左折してきまびっくりしました。私は国道一号線左側の歩道をすすんでいたので、もう少し早く交差点に達していたら、その左折車にはねられていたかも。なんせ、ほとんどブレーキを踏まずにえらい勢いで交差点に進入してきて、その勢いで左折して去っていきましたから。ここはレース場じゃないんだって。

速く走らなくてよかった、とほっと胸をなでおろしましたが、よく考えてみると、信号のないところを横断したタイミングがもう少し遅かったら、今度そこでそいつにはねられていた可能性もありましたね。早くても遅くてもはねられていた、おーコワー。

最近、私だけが感じるのかも知れませんが、危ない運転をする軽自動車が増えてきたみたいです。その日もしょっぱなから怖い目にあったので、道を行く車をみていたら、桑名駅に着くまで何と3台も怖い感じの軽自動車が走り去って行きました。ってまぁ、直接危害を加えに来るわけではないんですけど、他の車よりかなり速いスピードで縫うように走ったり、大きめの排気音とステレオの音を出しながら走ったりという感じでした。もちろんそんな走りじゃない軽自動車の方がずっと多いんでしょうけど。でも以前は軽自動車に乗っている人で危ない運転をする人は皆無でしたから、何か気になるんですよね。

そういえば最近昔のいわゆる暴走族風の車はまったくといっていいほど見慣れなくなりましたね。そもそも暴走族そのものがあまりはやらないのかな。となると族車に乗るような人が軽自動車にシフト。ありえない話ではないかも。先日も交差点で止まっていたら、左折してくる、ダッシュボードに白いふわふわを敷いている軽自動車に乗っている怖そうなお兄さんと目があったりしましたし。(隣には怖そうなお姉さんも(笑))

鈴木のワゴンRはなんでもトヨタのカローラの倍くらいの台数が売れているそうで、燃料費が高い時期だし、環境問題も考えたら、軽自動車人気も当然でしょうね。私も楽器さえ積む必要がなかったら、三菱アイとかダイハツコペンあたりに乗りたいんですけどねぇ。駐車場がもう一台分あいているので、追加購入という手もありますが、ま、軽自動車といえどもリュート2台分は行きますから、なかなかそういう訳にはいかんです。

窯のコンサート

2006年10月29日 13時06分39秒 | 音楽系
昨日は常滑の窯のある広場資料館(INAX運営。愛知県常滑市奥栄町1丁目130)でのコンサートでした。これはヴァイオリンのMさんがここ9年にわたり続けてらっしゃるコンサートで、今回ご縁があり、ご一緒させていただくことになりました。去年一度そこを訪れたことがありましたが、今回来てみると、駐車場のあたりがきちんと整備されて見違えるようになっていました。

コンサートは、アメリカ人の若い作曲家、J・テイラーの作品を中心のプログラムで、最初と最後にバロック時代の曲をはさむという構成です。私はJ・テイラーにバロック・リュートの曲を委嘱していまして、今回はその中から3曲を演奏しました。

演奏はあとギターのNさんも加わり、3人でそれぞれソロ、デュオをするプログラムです。会場に着くと、ちょうどMさん、Nさん、そしてテイラー氏も到着したところでした。担当の方にお会いして、まず新しくできた施設を見せて頂きました。ここは、土をテーマにした多目的資料館といった感じの施設で、高い天井の響きの良さそうな広間がありました。来年はここをコンサートに使うこともおっしゃっていましたが、実現できたらいいですね。

コンサート会場はマンマ窯でして、要するに窯の中で演奏するわけです。窯の中はよく響きそうに見えましたが、天井が低いのと内部がかまぼこ型なのが原因なのか、意外なほどデッドでした。表面の凹凸がありすぎるのが一番の原因の可能性もあります。とはいうものの、名古屋市内の某芸術創造用のセンターホールよりはずっと演奏しやすく、何よりも完全な無音状態を得られたことと、あと中にこもって弾くという安堵感があってとても気持ちよく演奏できました。(閉所恐怖症の方にとっては全く反対の気持ちを持つでしょうけど、私はせまい家に育ったせいもあって、狭いところに入り込むのが大好きなんです。(笑))あと、焦げ茶色の色彩も落ち着いてよかったですね。

なんせ、名古屋市内の某芸術創造用のセンターホールとかなんとか文化小劇場(熱田文化小劇場以外は)色目もイマイチだし、なによりブーンというハムノイズが消えずコンサート会場としては失格です。どんな小さなリュートの音でもまわりが静粛であればかならず音は聞こえるし、耳もそれになれてきます。ハムノイズも消せない(担当の方は何か非常用の放送設備から出てくるハムでそれはオフにできないとかおっしゃってましたが)会場で、音楽用でございというのはあまりにも意識レベルが低すぎますねぇ。ま、最近の楽器は音の大きな楽器ばかりで、よく聞こえるのはいいのですが、会場担当者も多分聴衆も静粛さに対する感覚が鈍ってきているのかもしれません。静粛さは(暗闇なんかも)現代から最も求めにくいものになってしまったのでしょうかねぇ。

私は冒頭のヘンデルのソナタをMさんと、そしてその次の次にJ・テイラーの作品を演奏しました。ヘンデルの演奏が終わって、窯の外で待機していましたが、ふと外を見ると雨が。またしても雨です。私がコンサートに出ると雨が降るというジンクスはまたしても破られることなく記録継続だ、なんてNさんに言われてしまいました。でも実際はそんなことはなく、結構雨の降らないコンサートもあるんですけどね。先週のカンタータのコンサートのときだって雨が降らないどころか快晴でしたよ。でもこれは他に出演者が沢山いたので、私の雨パワーが弱まってしまっただけだったりして。

プログラムの最後は(というかアンコールです)、バッハのロンド風ガボットの3人によるリレー演奏(笑)です。これはギターのNさんのアイデアで、なかなか受けました。スタートは私でしたが、もともとやや早めのテンポでいつも弾いてるので、ちょっと速めのテンポで出てしまって、他の方に少し迷惑をかけたかもしれません。ともあれ、無事に終わり何よりです。

想定外

2006年10月22日 10時19分26秒 | 音楽系
コンサートをするときは必ず弦とフレットの替えそれにフレットを巻くための工具(ラジオペンチですけどね)を持って行きます。今までのコンサートでは、フレットが演奏中に切れるとか、ガット弦が曲の途中でプッツンとかいろいろありました。でも備えあれば憂いなしで、コンサートを中止にしなくてはならない事態になったことはありません。

愛知県の小坂井町で行ったコンサートでは、曲の途中でフレットがプッツンしたので、その時点で休憩を15分取ってていただき、その間にフレットを巻き直して、その後続行しました。名古屋バロック音楽協会の記念演奏会(5年くらい前だったかな)では、本番の30分前に1コースのナイルガットが切れてしまいました。これももちろん予備があったのですぐ張り替えましたが、本番では弦が安定せず、1曲分(しかも繰り返しナシで)しか調弦が持ちませんでした。繰り返しをすると、その分時間が長くなるので、弦の狂いがはなはだしくなる、ってことが分かってましたので、次善の策として繰り返しナシにしたわけです。

まぁ、いろいろありますね。リュート奏者は大変です。弦が多いと調弦が大変ですが、その数に比例して管理も大変になってくるわけです。フレットが切れるのは、要するに古くなってきたフレットを、巻き替えるのがめんどくさいのでそのまま使っているからというのが原因ですので、小坂井町でのコンサート以降は定期的にきちんと替えています。最近では、コンサートの前に減りが見えていたら必ず替えます。

弦が切れるのは、ガット弦の場合は切れて当然の世界ですから、それなりの覚悟で臨みますが、合成樹脂弦の場合は基本的には切れないので、もし切れた場合は何らかの不測の原因があった場合でしょう。ただ、ナイルガットの細い弦は、ちょっとひっかかりがあったりすると切れることがあります。これはいままでに何度も経験しています。プレーンナイロン弦は今まできれたことがありません。ナイロン芯の巻き弦も今までは切れたことがありませんでした。

それが昨日のコンサートで、4コースの巻き弦がこともあろうに曲の途中でプッツンと切れてしまいました。カンタータ97番の最後のアリアの途中でした。あ、っと思ったときは、もう弦がペグから真下にぶら下がっていました。でも曲の途中なので、止めるわけにはいかず、4コースを避けたり、5コースで音を替わりに取ったりして、しのぎました。あとで、ソロの歌手に聞いたんですが、リュートの弦が切れていたとは気が付かなかったそうです。そりゃ、こっちは必死で4コースなしのコードフォームを探していましたからね。その話を聞いて、ひと安心。(笑)

97番の最後のコラールを弾いているときにどうしようかと考えました。ペグからぶら下がっている弦をチラッと見ると、結構ブリッジよりのところで切れているみたいでした。そこで、次の89番の第1曲目のアリアを止めて、弦を見てみることにしました。このアリアはオーケストラ伴奏なので、リュートの通奏低音がなくても大きな影響はないからです。指揮者のアグアヨ先生もこっちの異常事態にはすでに気づいていて、第1曲目はナシねって、こちらから目で合図を送りました。

曲が始まって切れたところの様子を見てみると、張れる分だけの長さは充分にありました。というのも、最近はペグで弦を結ばずに、できるだけ巻き込むようにしているので、その分が仕使えたからです。そうとわかったら、すぐ問題は解決しそうです。ブリッジに残っている切れた片方の残骸を外し、ステージ上で弦張りです。巻き弦の芯の繊維がたっぷり残っていて、ブリッジの穴に入れにくくちょっとあせりましたが、こういうときはつばをちょちょっとつけて(笑)先を細くしてなんとか穴に入れました。

ここまでいけばあとはもうちょっと、弦をしっかり結んで、音を7コースのオクターブ上に合わせて完了、その頃曲は半分すぎていました。楽譜を見て(パート譜ではなくスコアを使っていたので助かりました)現在の場所を探し、終わり四分の一くらいのとこで、現在位置をゲット、そこから途中参加しました。それ以降は、しばらくは弦のゆるみがあったものの、それも途中でおさまり、何食わぬ顔をして最後の109番まで弾き終えました。ほっ。(笑)

しかし、何で4コースが切れたんでしょうね。弦はP社の弦で、もう1年以上使ってますが(それが一番イカン)、可能性としては、ブリッジに巻いてある部分から切れたということが考えられます。それ以外はまずあり得ないでしょう。それにしても今まで巻き弦が切れたことはなく(2フレット上で、巻きの金属が切れて、中のフィラメントむき出しであっても切れたことはなかったのに)こういう想定外のこともあるんですね。やっぱり弦は早めに替えましょう、リュートを演奏する皆さん。(笑)

英国リュート・ソサエティ

2006年10月19日 23時57分59秒 | 音楽系
英国リュート・ソサエティから例会の案内メイルが来ました。私が英国のリュートソサエティに入ったのは、もう30年以上前になります。確か、72,3年あたりだったと思います。そのころの会誌に、ドンボアさんの「プレリュード、フーガ、アレグロ BWV998」に関する研究が掲載されていて、それを翻訳して当時の中部日本ギター協会の会誌「ロゼッタ」に投稿したことがありました。74年頃だったかな。

ホントは大変古くからの会員なんですが、実は一度会費を納入するのを忘れていて会員名簿から抹消されたことがあります。すぐに入り直しましたが、それがあったので名簿上は、70年代初めからの会員ではありません。私の自動車運転免許もそんな感じですね。(笑)一度失効になったので、割と最近免許を取ったことになっています。

英国リュートソサエティの例会は、バーゼルにいたときに一度行ったことがあります。EasyJetに乗っていくと交通費は格安で行けるから行きましたが、便の時間の関係で2泊しないとだめで、意外とお金がかかりました。もっとも飛行機でロンドン往復して2泊しても3万を切るくらいでしたけど。

例会に行くと結構沢山の人が来ていたので、驚きました。それにいろんな年代の方、男性も女性も来ていて、層の厚さを感じました。日本のアマチュアも30年以上前から始めた方も結構いらっしゃるのですが、50歳、60歳の年齢を迎えて、どうも元気がなくなっている人もいてちょっと残念です。もちろん年老いてもますます盛んという方もいらっしゃいますが。ロンドンの例会はプロ、アマ混在でしたが、基本的にはアマチュアの会で、その充実度は日本のリュート関係の会でも模範にしたいところです。

今回の例会は、リンドベルイのリサイタルがあります。日本人の竹内太郎さんもバロック・ギターを弾くそうです。なかなかいい内容ですけど、さすがに日本からだと、ちょっとロンドンって感じにはならないところが残念ですねぇ。

北勢線

2006年10月16日 10時58分49秒 | ローカルネタ
桑名市内から東員町、いなべ市などを走る、とってもちっちゃな列車の鉄道があります。北勢線と呼ばれているその鉄道は、いわゆる軽便鉄道だそうで、昔は各地にあったそうです。その軽便鉄道も今では全国に三線しか残っておらず、その全てが三重県内にあるそうです。三つのうち多分一つは四日市を走る内部八王子線だと思いますが、あと一つはどこかな?

車内はほんとうに狭く、シートに座るとベンチシートの向かいのお客さんが近すぎてはずかしいくらいです。北勢線の線路幅は762mmで、これはオーストリア西部にあるツィラータール鉄道の760mmとほぼ同じ、ヨーロッパに兄弟がいるんですね。。私が高校生の頃は、ドアが手動式で自分で明けない限り開きませんでした。やはりヨーロッパ指向です。(現在は自動ドアです)

この北勢線、今は三岐鉄道の路線ですが、その前は近鉄、その前は確か三重交通だったと思います。もっと前は別の会社だったかも知れません。現在は桑名駅に隣接する西桑名駅が一方の終点ですが、私が子供の頃は、国道一号線を渡り、ずっと東の方の寺町商店街の入り口のすぐそばまで来ていました。昔の桑名の中心街は七里の渡し界隈から寺町あたりでしたから、そこまで線路が延びていたのでしょう。その区間が廃止になったのは、中心街が桑名駅に移ってしまっていたのと、あと国道一号線の踏切が渋滞したからでしょう。そこを立体にしてもさほど経済効果はないでしょうし。

でも北勢線には近鉄本線を跨ぐ古い立体交差があります。すごいでしょ。(笑)なんでも戦時中は木炭パワーだったので、この坂が上れず、乗客が降りてみんなでいっしょに押したとか。(私の祖父談)

なんかこんなこと書いていたら、久しぶりに乗りたくなってきました。今日は馬道から西桑名まで乗ってみようかな。

特殊筋肉

2006年10月14日 01時16分34秒 | 音楽系
生まれつきスポーツに有利な特別な筋肉を持つ人がいるそうです。「特殊な筋肉」ですね。その特殊筋肉の話が先日の日経新聞のスポーツ欄のコラム、「からだのお話」に載っていました。この特殊筋肉を持っている人はギターやピアノの名手にもなれるはず、だそうです。

その筋肉は手の甲にある骨から中指などの骨に直結している長さ3㎝ほどの筋肉で、短指伸筋と呼ばれていて、100人中、2、3人はその筋肉を持っているそうです。

そういや、昔からそんなに訓練してなくてもやたら早く指が動く人がいましたねぇ。そういう人はそのナントカという筋肉を持っているんでしょうか。ウチの娘は特にリュートを専門的に訓練したわけではありませんが、右手のi,mのアルアイレはやたらと早く動きます。多分右手にその筋肉がくっついているに違いありません。

もっとも指が動くだけで楽器の名手になれるというほど、楽器は単純なものではありません。指はとても素速く動いてはいますが、音は汚く音楽性も全然という演奏家もいますが、目に見えたり数値化されたりするものがやたらともてはやされる現代が生み出したものでしょうか。だとすると現代の芸術的なものに対する価値観は恐ろしく貧弱で単純なものということになります。

ヴァイスは残された作品から判断するとものすごく指が動いたばりばりのテクニシャンであったことは間違いありませんが、当時の彼を讃えることばは、「歌うようにリュートを弾くことができる名人」です。(確かバロンの著書にそんな内容のことが書いてあったと思います)決して「超絶技巧の・・・」ではないんですよね。当時の価値観は今よりしっかりとしていたのかも知れません。

ギターとかリュートの学習者は私が知る限りでは、というかどの楽器でもそうかもしれませんが、技術的なことに対するあこがれがものすごく強い感じがします。ある意味これはものすごく素朴な願望なんでしょう。でも指の動きとしてはそんなに難しくない曲を音楽的に演奏するには、本当にいろんなことをコントロールする技術が必要です。指が速く動くというのは楽器の技術の一つの側面にすぎないんですね。上達=指が速く、というのはわかりやすい価値観ではありますけど、音楽って決してそんなもんではないですよ。

短指伸筋って結局のところ、楽器にを演奏するのにあるにこしたことはないけど、特に必要というものではない、というくらいの存在なんでしょう。でもそのうち短指伸筋を持っている子供だけを集めて英才教育ということに・・・おお怖。

節約

2006年10月12日 23時24分10秒 | 日々のこと
今日は所用で東京です。東京へは何といっても格安バスで行くに限ります。ロータリーエアサービスのキラキラ号というバスの回数券を買うと何と片道2900円!って前も同じことを言ったような気がしますが。(笑)時間は5時間ちょっとかかりますがこの値段ならいつ乗っても納得ですね。今日はウィークデーで車内は空いていて隣に人はいませんでしたので快適でした。ただシートのヘッドレストが小さくて、寝ていても頭が固定されないので、困りました。頭がゴロンと動くたびに目がさめる・・・でも2900円ですから文句を言ってはいけません。
帰りもバスはさすがに疲れますので、新幹線にしました。バスの出発が11時台ですから待つだけでも疲れます。それに快適に寝ようと思うと3列シートの高級グレードのバスにだめで、それは5000円近くします。倍出すと新幹線に手が届く。最近は新幹線もいろいろ割引プランがあって、エクスプレスカードで早割りなんとか切符を買うとひかりだと東京・名古屋が9500円とお得です。ひかりも停車駅がいろいろあるみたいですけど一番はやいのだと、のぞみと10分ちょっとしか変わらないのでそういうのを選べば大変お得です。疲労度も考えるとあと4000円の出費は十分価値があると言えるでしょう。帰りもバスだと翌日半日以上は疲れて何もできませんし。時間もお金といっしょですから。ええ、節約しようとするといろいろ考えなくてはいけませんです。以前公費で東京に行ってた頃はこんなこと何も考えずに新幹線に乗ってましたが、自腹を切るとなるととたんにケチになる私です。
ところでこれを都内のある喫茶店でW-ZERO3を使って書いてますが隣のお姉さんとおばさんがたばこを吸ってるので煙たい煙たい。向かいのおじさんたちは誰もたばこを吸ってる人はいないのに、ひょっとして最近は女性の方がたばこを吸う人が多かったりして。はやく退散することにしましょう。

結局・・・

2006年10月10日 19時22分49秒 | 音楽系
北朝鮮が核実験をした昨日、名古屋でバッハのカンタータのリハーサルをしていました。リハーサルが結構長引いたので、家に帰ってからそのニュースを見てびっくりでした。って、これから核実験のことを書くわけではありませんが。(笑)

カンタータコンサートはどうもコーラスの完成度がこれからのようです。プロアマ混在でして、木管や通奏低音グループはしっかりしているのですが、コーラスのこれからのがんばりが期待されますね。指揮者のアグアヨ先生は次回のリハーサルではコーラスだけ少し前から練習するそうです。ちょっとあせって来たのかも。ま、ベートーベンの第九よりは多分ずっと難しいでしょうから、大変は大変だろうとは思いますね。

私ははじめはアリアを数曲頼まれていただけですが、きれいな曲がいっぱいあるので、ついついやりたくなり結局はほとんどすべてのアリアを伴奏することに。99番のロ短調のアリアなんか、当初はパスでよかったんですが(それにロ短調はリュートでは弾きにくいし)ちょっと試しに数字をつけてみるかってやっているうちに、そのあまりの美しさにはまってしまいました。結局数字は全部つけてしまい、これも伴奏することにしました。だって、こんな美しい曲の通奏低音ができるなんてそれだけで幸せって感じ?

この仕事のための練習で、今までに費やした時間の7割くらいは数字をつけたり(数字のついてないのが結構あったので)譜めくりをしなくていいように切り張りしたりした時間に費やしています。要するに、時間の割にはあまり弾いてないわけです。最初から数字が全部つけてあって、きちんと見やすいパート譜(アリアはスコアが望ましい)で、譜めくり不要のものをいただけると相当時間が節約できたんですけどね。ま、切り張り術も相当上達したし、数字をつける勉強にもなったし、何より曲がすばらしいのでそれでいいとしましょう。

間違い、変更

2006年10月04日 13時21分20秒 | 音楽系
CDを聴いていると私はなぜか些細な音の間違いとか変更が気になってしまいます。
人からは、アラ探しばっかしするいやなヤツだと言われています。(ウソです))

楽譜のミスも探すのが好きですねぇ。(笑)バーゼルにいたころのことですが、レッスンの時、

「ショージ、この楽譜出版されたばかりなんだけど、キミにあげるよ。バロック・リュートを弾いているのはショージしかいないからね」

と言って、ホピーが編曲したバッハの作品(995と997)の楽譜をもらいました。

うれしかったのでさっそくその場で少し弾いていたら、997で一ヶ所ミス発見!多分校正ミスでしょうけど、(彼の録音では間違っていなかったし)ホピーには喜んでもらうことができました。(かな?)

CD録音の音ミスは、結構いろいろあります。偉大な師匠にも2ヶ所音を間違ってしまったところがありますねぇ。ばらしちゃいましょう。(笑)バッハの最初の録音で、1006番プレリュードです。35小節目と93小節目のラの音に#がついちゃってます。(ヘ長調で弾いているので、シ♭がシナチュラルになっている)どうしちゃったんでしょうね。(笑)同じ音が何回も出てくるので音の数でいうと8回の間違い。

1006と言えば、もう一人の大家、ナイジェル・ノースもやっちゃってます。108小節目の3つ目の音、ソナチュラルがソ♯になっちゃってます。ナポリタンを構成する重要音なんだから間違えちゃだめよ、ナイジェル。(笑)でもお二人とも2回目の録音では、え?そんなんあった?って感じできれいに訂正されています。きっとこっそりと反省したんでしょうね。

最近見つけたのは、日本の某ギターの老大家(大昔私もレッスンを受けてましたが・・・)の最新アルバムで、ターレガのラグリマの終わりから2小節目のラ#が抜けてましたね。内声の半音階進行を形作る音で、この曲の終わりの部分においてきらりと光る部分なんですけどね。ご本人は「ボクはその音は要らないと思ったから取ったよ」っておっしゃるかもしれませんが。

音の弾き違いは、彼ら以外にもまだまだあります。もっとすごいのがあるから。でもまぁこれらはまた別の機会にということで。

さてバッハのカンタータ演奏にも音の変更(これは間違いではなく、意図的にしたものですが)を発見しました。ここは前から聴いていて旋律のラインがすごく変なのできっと間違っているのではと思っていたのですが、その曲を自分で演奏することになって楽譜で確認してみましたところ、おもしろい事実が浮かび上がってきました。

曲は109番の第1曲で、67小節のソプラノパートです。この小節の終わりのフレーズ、ミ・(上の)レ・ド・シが私が持っているCD3枚(鈴木、レオンハルト・アーノンクール、リューシンク)とも、ミ・(上の)レ・ド#・シ#になってるんですよね。最初鈴木版だけ聴いていて変な感じだなと思って、他の2枚を聴いてみたら驚いたことに皆同じことをしてるんです。

楽譜を見たらなぜそうしたかが分かりました。つまり、この小節の第2ヴァイオリンパートの一番最後の音がド(16分音符)ですが、この音とソプラノの一番最後の音シがぶつかっちゃうんですよね。で、それぞれの指揮者はこれを避けるために、半音あげて、あと旋律的につながるようにその前のドも半音上げたわけです。でもこの旋律ラインだと半音が2回も続きすごく変な感じです。バッハが書いたままでも音があたるのはホンの一瞬(16分音符)だから気にしなけりゃいけると思うんですけどね。バッハより前の世代のパーセルとかさらにもっと前のイギリスルネサンスでは、ハーモニーより旋律のラインを優先した書き方が結構あったので、バッハの件の部分もそれを引き継いでいるような気がします。

ちなみに、今度の演奏会では指揮者のアグアヨ先生と相談して、バッハが書いたままでいくことなりました。(笑)

リサイタルのチラシ

2006年10月03日 17時29分00秒 | 音楽系
何か最近コンサートのチラシばかり作ってます。もちろん自分が関係するコンサートだけですけどね。でも来年2月23日のリサイタルのチラシはプロにデザインしてもらおうと思い、素材の写真を選んだり、文章を書いているうちに、何となく自分でデザインしてみようという気になってしまいまして、結局作っちゃいました。5年前のリサイタルのときも実は自分でデザインしたんですけど、また今回も自作です。前回(3年前)プロに頼んだときはさすがあか抜けしていましたねぇ。自作デザインはイマイチになるのはわかってるんですけど、ま、一種のビョーキですね。

今回は裏面も印刷して、リュート音楽の概略と共演者(ヴァイオリンの戸田さんとチェロの高橋君)の紹介を書くことにしました。両面印刷で片面フルカラーだとものすごくお金がかかるみたいなので、今回は黒一色のモノクロで行くことにしました。2色とか3色という手もあるんですが、いかにも経費が不足していたので色数を減らしましたっていう感じがしてビンボー臭いものが多いんですよね。なので今回はそういうのとは一線を画し、モノクロの美を極める!という路線で。

言うのは簡単ですがやってみるとその理想とは程遠いものしかできない、というのが大体通り相場ですが、出来上がったチラシはまぁそこそこ使えなくもない、というレベルかな?それでも過大評価だという声も聞こえますねぇ。(笑)
でもまぁ、こういうのも一つ位あってもいいでしょうということでこのデザインで印刷屋さんに発注しました。

一応コンピュータを駆使?してデザインしたんですが、まず自分の演奏している写真(これはプロに撮ってもらいました)をフォトショップを使い輪郭線を出してみました。これが案外いける感じで鉛筆のデッサンみたいな感じになりました。次にそれの背景にする写真を選び、「鉛筆画」とレイヤで重ねました。

バックの写真はバーゼルのレオンハルト教会のにしました。秋の頃の写真ですがこういうデザインに使える解像度の高い写真はほとんどとっていなくて、たまたま撮ったのが意外に合いそうなので使いました。確かこの写真は、教会の前庭の紅葉があまりに美しいので撮ったと記憶しています。

この写真のレイヤには少しグラデーション効果をかけ、「鉛筆画」が浮き出るようにしました。(したつもり)あと、タイトル文字がベタのフォントのままだと少し貧弱なのでフォトショップで作りました。あんまりぶっとくてゴツイのは好きではないので、細身で優美ではあるけどアクセントがある文字ということで、文字を少し立体的にして影をつけました。

あと文字情報はセンタリングして、はい出来上がり。(笑)裏面の文章は結構手間がかかりましたけど。でもこればっかりはプロのデザイナーに頼んでも書いてくれません。裏面に関しては自分で割付を考えながら作っていたほうが早いでしょうね。

印刷屋さんに入稿するのは今やデジタルが当たり前ですが、残念ながらパワーポイントでレイアウトしたのでそのデータは取ってくれませんでした。イラストレーターじゃないとだめみたいです。いわゆる写植だと少し解像度が落ちますので何とかデジタルで入稿できないものかと印刷屋さんに聞いたら、PDFなら行けるとおっしゃる。そこで自宅のプリンタでPDFかた印刷したものと直接パワーポイントから印刷したものを比較したんですが、ほとんど変わらない、というかまったく同じに見えたのでPDFで入稿することにしました。まぁ便利な時代になったもんですね。印刷屋さんとメールでやりとりして入稿はメールの添付ですから。

ということでまだ印刷はあがってませんがプレビューをつけときました。ホームページのコンサート案内には両面のPDFをリンクしましたので興味のある方はぜひご覧ください。