リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

さすがにもう・・・

2015年10月26日 22時56分12秒 | 音楽系
ずっと車内モーツァルトモードが続いていましたが、さすがに飽きてきました。交響曲とピアノソナタの全集を飽きずにずっと聴いていました。大体作曲年順に聴いていましたので、モーツァルトが年を重ねていくにつれて曲の作り方が変化していく様がとても興味深かったです。でも今更ながら感じたのはモーツァルトって8歳の第1交響曲を作ったときにすでに大作曲家だったということです。

モーツァルトといえば、少し前テレビで、頭がぼさぼさの小太りの著名ヴァイオリニストが、モーツァルトは曲を作るとき下書きを書かないからスゴイというようなことを言っていました。

確かにそれはスゴイですけど、バッハだってスゴイですよ。あまりそういう風な言い方をされていませんが。ライプチヒのトマス教会のカントールに就任したての頃は毎週カンタータを作曲して日曜日に演奏していました。1週間にすることは、作曲する→パート譜を手分けして作る→リハーサルをする→本番、ですからどう考えても下書きをして練りに練って、ということは出来ません。このペースで作っていったライプチヒ時代のカンタータが傑作ぞろいですから、いきなり練りに練ったものが出てくるという感じです。

さて、モーツァルトの次は何を聴こうかな?昨日11月8日のコンサートのリハーサルで浜松に行って来ましたが、持って行ったCDはユーミンです。コンサートの曲目はダウランドとパーセルの歌曲が中心なのでユーミンとの取り合わせもなかなかです。40年前のアルバム、MISSLIMは完成度が高いですねぇ。

イタリアン・バロックの秋

2015年10月21日 10時16分02秒 | 音楽系
18日は桑名六華苑でのコンサートでした。今回は「イタリアン・バロックの秋」と題して、ヴァイオリンノ碇由記美さんとオールイタリアンのプログラムでした。



碇さんとは2回目の共演ですが、ヴァイオリン・ソロの通奏低音をするのは今回が初めてでとても楽しみにしていました。曲目は、フォンターナのソナタ第3番、ザンボーニのソナタ第5番、コレッリのソナタ第1番(作品5)でした。アンコールにカステッロのソナタ第2番を演奏しました。

今回は、曲名がすべて「ソナタ」ということもあり、そのあたりをマクラにしてお話をしながらコンサート進めていきました。当日はとても天気がよく、そのお陰と言うべきかそれにもかかわらずと言うべきか、とても沢山の方に来て頂き、会場は満席でした。ここに改めて御礼申し上げます。

そうそう、いままで起こったことのないハプニングも。最後のアンコールの6小節目でバスがAになったところの和音をガバっと押さえてたっぷり和音をとおもいましたら、2コースの弦がナットから外れてしまいました。仕方が無いので演奏を止めてやり直し、せっかくですから冒頭のフレーズも少し別なのにして、・・・ありゃりゃまた外れました。申し訳なかったですけどまた演奏を止めて、大サービスで冒頭のフレーズをもっと別のにして、今度は慎重にそろっと押さえて無事通過できました。あれはなんだったんでしょうね。今まで2コースの弦がナットからはずれるなんてリハーサルも含めて一度もなかったんですが。ナットの溝を少しけずるか、ペグの結びを調整する必要がありますねぇ。

ギター de 交流かい

2015年10月13日 16時53分27秒 | 音楽系
四日市市で開催された、「ギター de 交流かい」に行って参りました。みんなで一緒にハーモーニーを!と題されたコーナーで指導をさせていただきました。会場はかつての小学校の建物を地域集会所として再活用している「なやプラザ」です。



この会は愛知、岐阜、三重のギター愛好家のグループが毎年集う会で、かなり前から開催されています。何年続いているのかは聞きそびれましたが。(笑)昨年は、この回の中心となっているギターアンサンブルグループ「サルビア」さんの結成30周年記念コンサートがありましたので休会しましたが、一昨年とか4年前くらいの回にも行った記憶があります。そういや思い出しましたが、昨年の30周年の日は台風接近で結構きわどい開催だったですね。

今年は、午前中が私の担当で、楽譜はあらかじめ用意致しました、バッハのメヌエットと自作のカノン風わらべ唄です。サルビアの伊藤さんから、参加される方が初見でできる曲をということで、この回のために作、編曲致しました。

初見と行っても結構皆さん事前に練習されていた感じで、よく弾けていたのではないかと思います。今年はなぜかギター曲の編曲、作曲のあたり年で、この2曲が実はその端緒になりました。横道にそれますが、全オリジナル作編曲による入門ギター教本は、版下作成がほぼ終わり、課題曲の録音も来週行われます。今年はこの教本でギター曲の作曲は終わりです。

さて、件の会は昼食をはさんで、参加グループによる発表会です。まぁガチガチのクラシック音楽はありませんでしたが、みなさんが楽しめる音楽がやはり一番ですね。発表会終了後は、抽選会もあり盛りだくさんでした。また来年もがんばってほしいですね。来年は、三重県ギター協会の集いが5月25日にあるらしく、私のリサイタル(5月15日)と重なってなくてホッとしています。


バロック音楽の旅9第3回講座【コンサート】

2015年10月10日 13時08分31秒 | 音楽系
バロック音楽の旅9第3回講座無事終了致しました。今回から最終回の第6回まではコンサートが続きます。コンサート・シリーズの第1弾は古楽アンサンブル「ムジカ・レセルヴァータ」です。



ムジカ・レセルヴァータはチェンバロの岡田龍之介さんの呼びかけで設立されたアンサンブルで、今のメンバーでは2011年から活動を行っている、日本を代表する古楽アンサンブルです。

バロック音楽の旅講座では初めての登場になりますが、プログラムは18世紀のフランス音楽で、ルクレール、シェロン、モンドンヴィル、バリエールの作品を演奏していただきました。いずれの作曲家もバッハよりあとの世代で、いわゆるロココスタイル(ドイツではシュトゥム・ウント・ドラング「疾風怒濤」)の作品です。これらの時代の作品は、その前の時代に比べると華やかさが際立つ音楽が多く、今回の作品も大変華麗かつ「耳」あたりのいい音楽が会場一杯に広がっていました。



今年のシリーズ第3回になって初めて気がついたんですが、会場が静かになるとなんか低いファンか電気ノイズのような音が聞こえます。探ってみると、会場奥の窓際にあるコンソールの機器の冷却ファンの音でした。昨年度はそのような音がなく完全に無音であっただけにとても残念です。担当の方に聞くと今年の3月に機材を更新したそうです。冷却ファンの音が大きい機材=低価格ですから、更新の際に経費節減で低価格のものを導入したのではと思われます。

会場のくわなメディアラヴ「時のホール」はいわゆる多目的ホールながらコンサートホールとしての必須用件である「防音」「無音の空調」「高い天井=豊かな音響」を満たしている希有な存在だっただけに残念でなりません。本会場を「音楽ホール」としてスーパーヴァイズしている方が存在しておらず、ただ機械的になにも考えずケイヒサクゲーン!で行ってしまったということでしょう。名古屋市内にある100席前後のコンサート専用ホールよりずっといいのに、もったいない話です。

ただこの「騒音」は演奏者の方に聞いてみたら全く気にならないとのことでしたし、受講生の皆さんからの苦情も一切ありませんでしたから、いわれてみれば「ああそういや」というレベルのものですのでコンサートの運営に大きく障害になるというものではなさそうです。ただ音量の小さい楽器ですと少し目立つ可能性もあります。次回からはコンソールに毛布をかけるなどの工夫をしてみたいと思います。