リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

円安

2013年01月31日 17時05分55秒 | 音楽系
昨年の終わり頃からドル高、ユーロ高がすすみ気がついたら2割以上上がっています。円が高いウチにドルで貯金をと思っていましたが、ちょっと決断が遅かったようです。

実は昨年の夏にフランスの製作家、スティーブン・マーフィに楽器を注文しました。手付け金は、今にして思うとなかなかいい時期でした。確か1ユーロ100円を少し切っていた頃です。それが今や125円ですからねぇ。1ユーロ100円を切っていた頃はヨーロッパの楽器って何と安いんでしょ、なんて思えたんですが、今や20%以上高くなり特別に安いとは言えなくなりました。

実は少し前にもっと円は安くなるだろうと踏んで楽器代全額を送金いたしました。さすが相場師です。(笑)それから5円以上円安は進みましたから、今のところシメシメという感じです。楽器の完成は夏の終わり頃のようですので、その頃はもっとユーロが高くなっているかも。

ガット弦も円高の頃はえらい安かったですが、最近は少し割高感を感じます。といってもこっちの方は単価が低いですから、あまり大したことはない感じはします。楽器は単価が高いですから、為替相場のちょっととした変化でも結構な金額差になります。

マーフィに頼んだ楽器は、Andreas Berrという昔の製作家の楽器をベースにしたもので、とてもかわいらしいバロック・リュートです。弦長65センチでボディも小ぶりです。私のホーム・ページにそれと同じものの写真があります。

ホーム・ページの写真の楽器は、スイスにいた頃学校から借りていた楽器で、小さいのにとてもよく鳴り印象が深かった楽器でした。以前から11コースなら、この楽器みたいなのがほしいと思っていたんですが、マーフィの製作カタログから落ちていましたのでもう入手は不可能だと思っていました。

小さめの11コースを別の製作家に頼もうかなとも思いましたが、一応念のためマーフィに連絡を取ってみましたら、まだ型は持っているとのことでしたので、それじゃということで製作を依頼しました。やはり聞いてみるもんです。ケースは日本のラソーマ製の超軽量ケースが欲しいため、マーフィから図面を頂き、ラソーマさんに送ってケース製作を依頼してあります。今年の7月はじめ頃に一度フランスに行って彼に会ってこようかと考えています。私は楽器を買うときは必ず製作家に会うことにしています。今まで何本も楽器を買ってきましたが、今まで大ハズレの楽器にあたったことはほとんどありません。唯一の例外は一番最初に買った楽器で、そのときは完成品をいただくときに初めて製作家に会いました。