リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1006a(1)

2024年06月28日 18時37分42秒 | 音楽系

バッハの組曲ホ長調BWV1006aは1736年から1737年頃にかけて成立した作品です。原曲となったのは1720年に完成した無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータホ長調です。1720年といえばバッハはケーテンの宮廷楽団の楽長をしていたときで、BWV1006aに編曲したときはライプチヒのトーマスカントールの時代です。

これらの作品の第1曲目のプレリュードはバッハ自身が気に入っていた作品のようで、複数のカンタータに転用しています。(BWV29とBWV120a)ただしカンタータ版はオルガンが主たるラインを演奏し、そこにトランペットも加わったオケ伴がついたとても華やかというかにぎやかな曲になっています。それもそのはず、BWV29は市参事会改選(1731年初演)のため、BWV29aは結婚式(初演は1729年頃か)に作曲されたものです。(角倉一朗「バッハ作品総目録」)

BWV1006aはBWV1006と比べるとバスや装飾音が多く書かれています。BWV1006aの記譜は2段譜で、上段は(ハ音譜表の)ソプラノです。ちなみにBWV998(プレリュード、フーガ、アレグロ)の上段もソプラノですが、タイトルに「リュートのため」とはっきり書かれているBWV995の上段はテノールです。


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