リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

日本の将来は?

2010年05月31日 19時45分37秒 | 日々のこと
レッスンの帰りの列車内。発車まであと3分の列車なので車内にはもう空いている座席はありません。私が立っている4人がけの座席には小さな子供二人とその前におばあちゃん。私が網棚に荷物を上げているのを見て、このおばあちゃん、別の4人がけに座っているもうひとりのお孫さんを呼びつけ、自分の前の座席に3人がけするようにおっしゃいました。すぐ前の席が空いたおかげで私は座ることができました。周りの人のことを考えてくれてるんですね。まだこういう人がいる日本はすてたもんではありませんです。このお孫さん、きっと周りのことを考えることができるいい子に育つことでしょう。子供ってこういうささいな日常からいろんなことを学んでいくんですよね。

桑名市に隣接する町の某温泉。浴槽につかりながら日頃の疲れをいやしていますと、背後から湯がピチャリと飛んできました。ふと振り向くと3歳か4歳くらいのガキ、いや小さな子供さんが二人湯船でバチャバチャ。こんど湯を飛ばしたら注意せんとあかんな、と思っていましたが、その後は私の視線に気づいたのか、別のところへ。そう、私は某温泉ではモノ言う怖いおじさんなんです。いつぞやも湯をバチャバチャさせるガキ、いえ子供の足を湯船の中でつかんで思いっきり優しい顔でびびらせたり、手ぬぐいを平気で湯船につけたり、それを濡れたままサウナに持ち込んでちょろちょろしているガキに優しく注意したりして結構忙しくしています。

でもこういうことをする時は一応お父さんがどんな人なのかは確認した方が賢明かもしれません。ええ、背中にガラがついているお父さんだった場合、新たな局面を迎えるかもしれませんし。今回もお父さんはどこかいな、と探しましたら、いましたいました。(いて当然ですが)あそこで頭を洗ってらっしゃる方です。でも一言二言子供と話をしたあと、また子供は離れて行き、別の湯船でバチャバチャ。その後、そのお父ちゃん、ずっと身体をゴシゴシ。よっぽど身体が汚かったのでしょうか。

思いますに、このおとうちゃん、もうちょっと子供とよりそってほしいですねぇ。自分の子供と一緒に洗いながらいろいろお話をするって楽しいと思うんですけど。この温泉では最近このような子供ほったらかしお父さんをよく見かけます。一事が万事ですから、この子供たちは大きくなっても周りの人のことを全く考えることのできに人間に育っていくんでしょうか。はじめのおばあちゃんとこの子供たちとこの温泉の子供たち、いまは大した違いはないかもしれませんが、10年後は人間の出来が相当違ってくることは間違いなさそうです。

バロック音楽の旅IV第1回

2010年05月30日 18時54分48秒 | 音楽系
バロック音楽の旅IV講座が始まりました。今年は、皆さんのご要望もあって、年間を通じて定期的に開催ということで、5月を第1回目に致しました。昨年までは、9月~3月の間の集中的開催でした。

今年はたまたま六華苑のコンサートがちょどひと月前にあり宣伝できたことや、お友達キャンペーンも行ったため、今までで一番多くの方に参加していただくことができました。お陰で会場はほぼ満員になりました。

今回はコンサートで、バロック・チェロの高橋弘治さんによる、バッハの無伴奏チェロ組曲第2番と第3番です。初回から何と濃厚な!(笑)

冒頭に簡単な曲の説明をしまして、高橋さんに演奏を始めてもらいました。天気も大変よく、空気も乾いていて弦楽器には最高のコンディションです。バロック・チェロの重厚なサウンドが大山田キリスト教会のチャペルに響きわたっていました。演奏も曲も本当に素晴らしかったです。

第3番の演奏終了後、質問コーナーを設けまして、高橋さんにいろいろお話を頂き、さらに音楽を多面的に楽しめたのではないかと思います。

次回は8月7日(土)で、レクチャー「バロック音楽基礎講座」になります。

ここはふるさと旅するラジオ、放送

2010年05月27日 18時22分01秒 | ローカルネタ
NHKラジオ第一放送、ここはふるさと旅するラジオの生放送終了しました。11時30分よりリハーサルをして、本番12時30分から50分まででした。

ことばおじさん(だったかな?)の柿沼郭アナウンサーから桑名に渡してもらって本番です。

 ここはふるさと旅するラジオ

出演されたのは、桑名市の六華苑担当の方、しじみ(ハマグリも)の漁師さん、石取祭を紹介して頂く方、そして私です。NHKのアナウンサーは、東京から滑川アナと津放送局の佐々木アナで、今回は全員が男ばっかしでした。

80ちゃん号というラジオイベントカーの舞台から庭園に向かって生放送です。庭園の芝生にはたくさんの方が腰をおろして聴いていらっしゃいました。

この番組はアメリカ北部を除く全世界!!放送だそうです。海外に住む人たちにとってはこういうローカルっぽい番組はとても懐かしいもんですよね。でもでも突然ヨーロッパのリュートが流れてきて、ドイツあたりに住んでいる方はかえってびっくりするかも。でも六華苑の洋館自体がジョサイア・コンドル設計のものなので、和洋混淆というテーマからするとリュートの音が鳴るのも意外と自然なものでしょう。しじみハマグリと石取祭とコンドルの洋館とバロック・リュートが微妙なバランスをとりつつ共存しているある種不思議な空間ではありました。(笑)

満開・・・

2010年05月26日 14時01分51秒 | 日々のこと
満開です。どくだみが。(笑)



ウチの敷地の端っこと隣の敷地に群生しているどくだみの花がちょうど見ごろを迎えました。どくだみ自身は誰の土地であるかはいちいち構っていません。どくだみの所有権はどういうふうに分けたらいいんでしょう?ま、境界線のブロックで分けるのが順当ですね。



どくだみの花は綺麗なんですが、部屋の中に一輪挿しというふうに行かないところが残念なところです。

音録り

2010年05月22日 13時15分14秒 | 音楽系
27日放送用の録音を六華苑で録りました。場所は、一番よく響く洋館の塔の1階です。




ここはちょっと狭いものの、とても音が美しくよく響きます。天然のリヴァーブがたっぷりの音で録ってもらいました。曲はヴァイスのニ短調ソナタからプレリュードとクーラントです。(クーラントはクヴァンツの編曲(ひよっとしたらこちらがオリジナル?)もある作品です)

放送は公開生放送の形式で、洋館のベランダから、庭園にいるお客さん向けて行われる由。オープンエア放送ですね。てっきり屋内で関係者だけでチャッチャッと放送する形式だと思い込んでいました。だから音を別の日に録るわけですね。なんで本番中に一緒に楽器の音も録らんのかな、って思ってました。でもこれだとラジオですが、服装もそれなりのものを着ないといけませんね。(笑)

ギリシャ危機

2010年05月20日 08時54分48秒 | 日々のこと
ギリシャ不安がなかなか収まらないですね。かの国は国民の20%が公務員だそうで、パソコンの技能手当なんかももらえるそうです。結構ですねぇ。年金も在職中の給料の90%がもらえるととか。何とすばらしい!金持ちで脱税している人が50万人もいるそうで。ありがたい国です。

なるほど、それなら国が傾くのも当然と言えば当然ですが、見方によっては、改善の余地が相当あるわけだから、すぐに立て直しができそうな感じも。でもそれがすぐできりゃ誰も苦労はしませんわね。

国が傾いているのに、国民は暴動を起こしているのですから、彼らは相当ア○なんじゃないかと思えます。ま、他にも報道されていない理由があるかも知れませんが、そんなことしてる場合じゃないでしょ。市場の判断はそういうのも含んでるのでしょう。

お陰でユーロはさらに下落。今月の連休明けにヨーロッパに送金しましたが、そのときよりも下落していますねぇ。ちょっと判断を誤りました。ま、この際、弦でも注文しておきましょう。(笑)

ここはふるさと旅するラジオ

2010年05月18日 13時12分14秒 | 日々のこと
5月27日放送のNHK第一「ここはふるさと旅するラジオ」に出演します。11時30分から50分の放送ですが、各地を中継で結んでいく番組なので、出るのは一瞬です、多分。まだ打ち合わせしていませんが、桑名六華苑からの生放送で、リュートをちょこっと弾いて、インタビューを受けるんじゃないでしょうか。ふるさとのラジオなので、思いっきり方言を使ってしゃべらないといけません。(笑)

今までもテレビやラジオは何回も出たことがありましたが、さすがNHKはきちんといい番組を作ってくれます。民放もいい番組を作ってくれる曲もありますが、中にはえらく期待はずれの番組も。もう30年以上前ですが、名古屋の某放送局で3分位のドキュメンタリーに出たんですが、中身は「ステージに立つことを夢見る勤労青少年」でした。勤労青少年の台本があって、こちらがしゃべったことをそれに合わせてつないだんですね。最初番組を見ていたとき、いったい誰のことをいってるのかな、と思ったくらいでした。

もっとすごかったのは、これも結構前、10年ちょっと前かな、同じく名古屋の某民放局制作。私はメインの出演ではなかったんですが、番組を見ていて驚きました。よく真夜中の突撃レポートってありますよね。あんな感じで、「いったい何があるんでしょう」といってレポーターが戸をあけると、ガーンと言ってアップ、画面白黒反転、・・・

えー、こんなんに出てしまったのかー、って内容をよく聞かないで軽々しくも出てしまった自分を反省しました。その番組で参ったのは、なんと4回も再放送をしたらしいです。いろんな人から、「テレビ見たよ~」って言われてとても恥ずかしかったです。

バーゼル市電の旅

2010年05月13日 10時40分28秒 | ローカルネタ
YouTubeを見ていましたら、なんとバーゼルの市電クリップがありました。なつかしいのでついつい見入ってしまい、夜更かしをしてしまいました。ただ単に市電からの車窓を撮っているだけなんですが、なんかバーゼルにいてトラム(市電)に乗っているような感じがします。



上のビデオクリップは、バーゼル音楽院・スコラ・カントルムのすぐそばを走っています。始めの方で、Musik Akademie って言ってるのが聞こえますよね。そのあと停車したところの右側(残念ながら映っていません)が、バーゼル音楽院の裏口です。ええ、私は裏口からよく出入していました。(笑)このクリップの始まりの場所の後方100メートル左側あたりにかの有名なテノール歌手、ゲルト・テュルクが住んでたりします。ま、あまりにローカルな話なのでこのくらいで。(笑)

誤用、誤用!?(2)

2010年05月12日 09時34分56秒 | 日々のこと
(4)「御上手ですね」

(コンサート終了後、演奏家の知り合いで少し楽器習ったことがある方が楽屋を訪ねてきて)
知り合い:「先生、ホントに御上手なんですね」

こういう場合、演奏家は「下手ならコンサートみたいやらんわい」と突っ込むとよろしい。その道の大家(まぁ、例えば、ギターのアンドレス・セゴヴィア)に「いやぁ、御上手!」と言うと失礼になるのは誰にでも分かりそうなものですが・・・「御上手」と言われたその演奏家は、実は知り合いには大して上手いと思われてなかったのかも知れません。その場合ならなおさら「御上手」と御上手を言わない方がよろしい。


(5)「とても私には」

(コンサート終了後、演奏家に習っている弟子(まだ楽譜もろくすっぽ読めない)が楽屋を訪ねてきて)
弟子:「いやぁ、とても私には、先生みたいに弾けません」

あきらめないで欲しいですねぇ。(笑)でも楽譜もろくすっぽ読めない弟子に比較された演奏家のセンセイはきっと違和感を感じたでしょう。「とても私には」式の言い方は弟子同士で、例えばこんな感じで。

弟子A「あなた、うまいねぇ。とても私にはそんなに上手く弾けませんよ」
弟子B「またまた~。Aさんの方がずっと御上手ですよ」
弟子A「そんな、あなた・・・」
(以下、延々とお互いに褒めたたえ合う)

演奏家同士が「とても私には・・・」とやったら、これは宣戦布告になります。(笑)


さて、これまでに挙げた例は、すべて、上下関係、例えば年齢の上下、社会的地位の上下、実力の違いの明白さ等、があるときの言葉遣いが無頓着になっている傾向があるということを表す例です。日本語はもともと年齢の上下が言葉遣いのベースにあり、社会的地位や実力なんかはそのベースに乗っかって意識されるので、さらにややこしい。でもこういうことを無視した日本語って、ちっとも美しくないと思うんですが、どうでしょう?

誤用、御用!?(1)

2010年05月11日 14時28分43秒 | 日々のこと
今回は場に即した言葉遣いの話題を2回に分けて。例にあげたのはいずれも私が知っている実例です。

(1)「本格的」その1

(コンサート終了後、演奏家の知り合いで音楽にはあまり詳しくない方が楽屋を訪ねてきて)
知り合いの方:「いやぁ、先生、本格的なんですね」
演奏家:   「ええ、いっ一応・・・」

この演奏家は本格的と言われて思わずどもってしまいましたね(笑)、本格的ということばは、本格になっていない人に対して使う言葉なので、これからきちんと修行しようという人に対して、その姿勢を讃えるときに使うのがよいようで。


(2)「本格的」その2

(ラジオの宣伝。古楽器の大家、A氏のコンサート案内)
「・・・本格的なバロック音楽をお楽しみいただけますので・・・」

押しも押されぬ大家、A氏の演奏を本格的というのはとても失礼。スポンサーさん頼んます。


(3)「お疲れ様」

(レッスンが終わって)
先生「はい、今日はここまでね。次回はかれこれ・・・」
(生徒、レッスン室を出る)
先生「はい、どうもお疲れ様でした」
生徒「どうも、お疲れ様~」

どっとお疲れパターン。こう言われると「疲れさせたのはお前だろ」って突っ込みたくなります。生徒は「ありがとうございました」とか「失礼します」(または両方)あたりでしょ。(桑名の年配の人なんかは「御無礼します」なんて言います(笑))お疲れ様は同僚とか友人間あるいは目上の人から下の人に使うという語感。同じようなシチュエーションで使う「ご苦労様」は目上の人が下の人をねぎらう言葉という感じです。下から上は「お世話をおかけしました」あたりはいけるかな。「お世話になりました」も行けそうですが、レッスン後に言われると、何か今日が最期だという意味に聞こえ、先生としてはちょっと悲しい。ま、お世話とか御苦労とかお疲れなどの行動評価系の言葉はこの場合使わない方が無難なようで。え?余計なお世話だって?

(つづく)