リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

平清盛

2012年01月23日 22時01分02秒 | 音楽系
平清盛見てますよ。(笑)音楽を吉松隆が担当するということなので、もうホント何十年ぶりかで、最初から見てみることにしました。昔は芥川也寸志の赤穂浪士とか武満徹の源義経というか書く順が逆ですね。(笑)赤穂浪士では芥川也寸志、源義経では武満徹が音楽を担当していました。もう40年何年か前の話です。大河ドラマはクラシックの作曲家が担当するというのが当時のしきたり?みたいな感じでしたが、いつごろからか、だんだん音楽もドラマも軽くなって行った感じがしますね。

これまで3回放映されましたが、重厚な画面に吉松サウンドが似合っています。清盛が舞を踊るシーンでは雅楽でした。(もちろん吉松製雅楽)

これからが期待されるドラマのような感じが致します。が、それに水をさすように、最近どこやらのエライさんがいろいろケチをつけています。そのエライさん、まだ懲りずに言ってるようです。今度は吉松隆の音楽が不協和音が多いのでイカンと来るか?ま、それはないかな。多分音楽そのものが耳に入ってないでしょうから。(笑)

この御仁、自分が灯台いや東大を出て、どこやらの県の知事なんかをやってるので何か勘違いしてるみたいです。高い地位の人でも文化的な素養が皆無のガサツな人はいるということです。

飲み屋でクダまいているそこらのオッサンなら「画面が汚い」とか「瀬戸内海の海の色は・・・」なんて言っても別にどうってことはないでしょうが、ご自分の地位をわきまえなきゃねぇ。ホントみっともないし。おー恥ずかし。

楽器の調整出来

2012年01月18日 13時05分05秒 | 音楽系
リュート音楽のひととき第10回「サクラカフェ公演」も終わり、ちょっとほっとしている日々。沢山の熱心な方に聴きに来ていただきました。CDも沢山売れました。どうもありがとうございました。

そのほっとしているところに、リュート製作家松尾淳氏に調整を頼んであった、モーリスの楽器が到着。弦高調整のために指盤の板を交換してもらったのですが、仕事は完璧ですね。すっかりびびりもなくなり、弦高も前より下がったくらいです。ヨーロッパの名工と言われる人たちも、精密な仕事は結構苦手という人もいますねぇ。イギリスの某著名製作家の楽器を買った某著名リュート奏者は、弦がビビるので困ってました。それをスイスの某著名製作家に調整してもらったのですが、ビビリは取れないのに金は取ると嘆いていました。彼は結局その楽器を手放したみたいです。

松尾氏はその点すばらしい技術を持っています。多分世界トップクラス(ひょっとしたら世界一かも)と言っていいと思います。オリジナルと同じ3枚つぎの指盤にしてもらいましたが材質の色目が若干異なるものの細工のあとは全くわからないレベルだし、ここが重要ですが、精度の高さは特筆ものです。

ヨーロッパの製作家の楽器は、ピンからキリまであり、キリの楽器だと1コースの指盤のマージンが一定でなかったり、極端に少なかったり、音がびびりまくりだったりするという楽器があります。よくこんなんでプロと看板あげれたものだというレベルです。でもそういうのをインターネットで注文して買っちゃったりする人が日本にいるんですよね。何となくヨーロッパ製は何でもよく見えたりするんでしょうけど、明らかに下のレベルは日本人製作家より低いですから、気をつけてください。

ということで、ここしばらくデュルビーのドイツテオルボばかり弾いていましたが、またモーリスの楽器を鳴らすことになります。

ノートパソコン

2012年01月12日 15時41分59秒 | 日々のこと
夕方電話がかかってきまして、Mコンピュータからです。家内が使うノートパソコンを買ったのですが、タッチパッドがうまく作動しないので、メーカーに送りました。その返事です。

「こちらで点検いたしました結果、何も問題なく作動致しますので、再返送致します。・・・」

購入後、タッチパッドが動作しないので、サポートに連絡したのですが、そのとき、

「USBマウスを接続して、調べて頂けませんか」

「こちらにはPS2のマウスしかないので、コントロールパネルで確認のしようがありません」

「はい、それじゃぁ、こちらで調べますので、当方に着払いで送ってください」

で、実はそのあと家捜しをしましたら、USBのマウスがありました。(笑)それで、コントロールパネルからハードウェアを見てみましたら、ドライバがハードウェアを認識できない状態だということがわかりました。つまりタッチパッドが故障しているか、結線されてないか、ということですね。

で、夕方の電話、『当方では何も問題なく作動しています』ですが、そんなわけないでしょ。さては、こっちがUSBマウスがなく現状の確認をしていないと思いこんでいて、問題があるのを隠蔽しようとしたな。

Mコンピュータとしてはそんな初歩的な問題が起こると言うことは、品質管理上大きな問題でしょうから、誤魔化そうとしたのかも。そういうのはいけませんね。でもまぁそんなことに食いつくのはヤメまして、「はいはい、ちゃんと動くものを送っていただければそれでいいですよ」といって電話を切った、ノン・クレーマーの私でした。(笑)

CD出来!

2012年01月07日 19時22分41秒 | 音楽系
ドイツからCDが送られてきました。タイトルは、「Moods of the Baroque Lute --- Works by Bach and Weiss Vol.1」、レーベルはドイツのACUSTICA RECORDSです。実際に手にとって見ると、やっと完成したという実感がわきますねぇ。録音したのはずいぶん前なので、自分的にはもう昔のアルバムって感じがしてきましたが・・・(笑)



昔のアルバムの感じがするのは、実は第2集もすでに昨年の春に録音したからですが、何はともあれめでたいことです。今まで皆さんに、「もうすぐ出ますからね」なんて何度も言ってたのに、なかなかでないので、もう完全にオオカミ少年になっていましたが、今度こそは正真正銘の本当です。

タイトルは日本語で言えば、「リュート的気分」というような感じです。バッハ、ヴァイスの作品集第1集という副題の通り、第2集、第3集と続く予定です。すでに書きましたように、第2集もすでに録音が終了しております。でも第2集について詳しくはまたの機会に。

今回の第1集では、バッハの組曲第1番ハ長調BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番の編曲)、第4番変ロ長調BWV1010(同第4番)、それとヴァイスの組曲第34番ニ短調を録音しました。バッハの組曲2曲はいずれも自分でリュート風に編曲しました。ヴァイスの組曲はドレスデン写本からのもので、多分もっともよく知られている組曲のひとつだと思います。ま、今回は初録音ということもあって、有名曲オンパレードということですね。(笑)

録音は、ドイツの田舎の小屋を改装した録音スタジオ「クラングショイネ」で録りました。使用したマイクは2本のみ、デジタル的な音場補正はいっさいナシ、スタジオでの響きのままです。録音機は96kHz/24bitのデジタル録音機です。録音エンジニアは、自身がプロのギタリストでもある、ヤン・ザチェック。彼のすばらしい技術とセンスでもって、とても美しく録れていると思います。

録音というのは、いくら技術や機材はすばらしくてもだめでして、音楽的なセンスが必要です。音はきれいに録れてはいるんですが、単にノイズがないだけとか蒸留水のように無味乾燥な録音が何と多いことでしょう。(あくまでも個人の感想です(笑))逆に機材がヘボイためか、妙にシャーというノイズが聞こえたりするCDなんかもあります。そんな中で、ヤンにはとてもいい仕事をしてもらったと思っています。

演奏に使用した楽器は、スイスのモーリス・オッティガー2005年製作の13コースバロック・リュート。中音域まではとてもガットっぽく響いていますが、弦は全てピラミッドとアキーラの合成樹脂弦です。

アルバムのカバーピクチャーは、ストリート・パフォーマーのユキンコアキラにお願いしました。なかなかカッコいい絵でしょ?タイトルは「ソノ時ヲ待ツ」、ドイツで出すので、あえてカタカナと漢字で少し目立つところにタイトルを書いてもらいました。ひらがなはあまりカッコいい風には見えないみたいですが、漢字やカタカナは我々が思っている以上にヨーロッパの人にはカッコよく見えるみたいです。知り合いのスコットランド人の歌手なんか、「菰野高校」というロゴが入ったシャツを着て、クールだ、なんて喜んでいたくらいです。(三重県立菰野高校の体操着がなぜかバーゼルの古着屋で売られていました)

さて、奇特にもこのCDを買ってやろうと思われた方は、私の方にその旨メイルでお知らせください。直送いたします。メイルアドレス→ shoji726lute@gmail.com