まとめ2
★暗譜する
覚えるのは、タブの文字そのものではなくて、どの弦をどう押さえ弾いていくかというビジュアルイメージとそれに結びつけられた音が出て曲が進行していくサウンドです。すなわち頭の中にあるのは前回のイで練習したものと同じです。イでは楽譜を見ていましたが、今度は楽譜を見ないで行います。
少しずつ進めて行きましょう。指やサウンドのイメージが出てこない、続かないといったときは、楽譜を見たり楽器で実際に音を出してみるのは全く構いません。
きちんと暗譜ができているかどうかの確認として、今度は暗譜した楽曲をタブに書き戻してみましょう。頭の中でちょっとずつゆっくり再生しながらタブを書いていくのです。実際のタブと書き戻したタブを比較して同じものであれば完璧です。もし暗譜したつもりが書き戻したタブがオリジナルと異なっている場合は、ヴァーチャル・リュートの構築が出来ていないことになります。前回の練習から再度がんばってください。
長い曲だと書き戻しに1時間くらいかかってしまう場合も出てきます。このヴァーチャル・リュート構築のために使う楽曲は、8小節、16小節くらいの確実に演奏できる曲(あるいは曲の一部)を使ってください。きちんと演奏できない曲を使うのはいけません。
前回のイ、つまり「楽譜あり楽器なし」の練習で曲の解釈、どのように曲を表現するかを深めることが可能です。「楽器あり」の場合と比べて指の技術的な制約がない→その分表現のために脳のリソースを多く使えるのでより良い演奏をすることが可能になります。
さらに暗譜ではもっと曲の表現内容を深めることが可能になります。そうした上で実際に楽器を持って演奏してみると恐らくうまく弾けず頭の中で作り上げた理想の音楽との乖離に気がつくはずです。そのギャップを埋めるのが練習です。音楽は指で作るのではなく、頭さらに言えば心・感性で作るものなのです。
★さらに発展練習として
初めて見るタブを、ヴァーチャル・リュートで演奏し(頭の中では音楽が聞こえています)それを暗記しながら曲を作り上げていき、それができあがった段階で実際に楽器を持って演奏してみるということができたらとても素晴らしいです。ただこれは完全にプロフェッショナルな領域ですので、これができなくとも悲観する必要は全くありません。でも少しくらいはチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。ちなみにこういうことが出来る人をプロの演奏家といいます。出来ない人はプロではありません。