リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァーチャル・リュート構築のすすめ(7)

2023年12月15日 12時21分38秒 | 音楽系

まとめ1

1)楽譜をきちんと読めるかどうか

2)楽譜に書かれている意図の通り、きちんと音を出すことができているか
◎このあたりは基本のキです。

3)左右の手元を見ないで演奏できるかどうか
◎左の指に関して、どの指が何弦の何フレットをどう押さえているかに集中します。
◎右の指に関して、どの指がどの弦を弾いているかに集中します。
◎そしてその音をしっかりと覚えるようにします。


★曲を練習する

ア 楽譜を見て止まらないで通るまで練習しましょう

イ 今度は楽譜を見て、でも楽器は持たず音を想像して練習しましょう。

◎頭で想像する音は楽器で出している音と同じ音(絶対音です。ニ短調の曲をホ短調で想像してはいけません)です。メロディだけじゃないですよ。バスも含んだサウンドのイメージです。もしそれが分からなければ楽器を持って確認してからまた「楽譜あり楽器なし」で。絶対音がわからないときは何度も楽器を弾いて確認しましょう。少なくともその日の練習セッション内では、ニ短調ならニ短調を覚えていることは可能でしょう。ただ明日の練習で音を聴かないでニ短調をイメージできるかは難しいかもしれませんが。

◎同時に左右の指を使っているイメージもしましょう。どの弦をどの指でどう押さえて、どの弦をどの指でどう弾いているか、というビジュアルです。このビジュアルはビデオで撮ったようなものではなく、フレットと弦の極く一部という極力そぎおとしたものです。それに左右の指の触覚イメージも加えて下さい


さてイの練習ができるようになりました。そうしましたらもう一度アの練習(楽譜あり楽器あり)をしてみましょう。ただし、今度はイで出来るようになった左右の指使いイメージも重ねつつ楽譜を見て演奏してください。音は想像ではなく、実際に出している音をよく聴いて下さい。イの練習が習得できていればもはや左右の手を見る必要はほとんどなくなります。もちろん例えば左手が4フレットから10フレットに移動するようなときチラッと指の行き先を見るのは構いません。もっともそのような曲をヴァーチャル・リュート構築のために使うべきではありませんが。

ここまでできるようになりましたら、ヴァーチャル・リュートが完成したことになります。次回は最終回です。発展練習として暗譜をしてみましょう。