もーさんのひとりごと

ここでは工作に関する話の他に趣味の家庭菜園の話、時事(爺イ)問題、交友禄など日々の雑感を気まぐれに更新していきます。

折り返し展・15

2008年02月13日 | 雑記
 30年も同じような絵を描いていると浮気心が出て、違った手法のイラストを描いてみたくなった。

 今回の絵はその頃のもので、スクラッチの技法で描いたものである。
 スクラッチボードという専用の板とペンのような専用の引っ掻き道具もあるやに聞くが、私の場合は白いアクリル板の全面に黒い塗料をぬり、その上を鉄筆、割り箸などで引っ掻いて白い部分を削り出すという我流でやっている。
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 仕上がりのタッチから木版画ですかと聞かれることもあったが、夕方に小説の原稿が届いて、明くる日の午後には絵を渡さねばならない納期の短い挿し絵などは木版画を彫っている時間のゆとりはなく、また木版より細かい表現が出来、版画を彫るよりは短時間で仕上がるが、これまでの様にペンや筆で描くよりは時間はかかった。

 スクラッチ技法で絵を描くと、黒ベタの部分はただの黒いだけの状態になってしまうが、私流のスクラッチはポチポチと白い傷のような模様をつけてアジを出している。
 これは企業秘密(というほどのことでもないが)のスクリーンをかけて、わざわざ着けているキズである。
 しかし、あるとき製版屋さんが、これを汚れと勘違いして親切心からていねいに修正して元の黒ベタに戻されてしまったことがあった。

 以来、私はこのイラストの原画にはサイズの縮小指定のほかに、<白いポチポチを残す>という指定も赤で記すようにしていた。



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