「1月14日スタートを目標に『道の駅の駅弁』を開発しているから、それ以降に水仙を見に来てよ」
3年ほど前に東京から保田(ほた・千葉県)に移り住み、今ではすっかり地元に溶け込んで町起こしなどに協力している建築家の友人から誘われていたが、昨日やっと南房総の鋸南町(きょなんまち)の水仙ロードを訪れることが出来た。
毎年12月から2月は工作おじさんとしても、耕作おじさんとしても閑な時期だから、水仙の一番いい時期を選んで行くつもりをしていたが、年賀状の遅れがすっかり尾をひいてしまった上に、急なテレビの取材と予期しなかった締めきりの忙しい仕事などもあって、最盛期を少し過ぎたが23日になってやっと女房と鋸南の水仙を観に行くことが出来た。
相鉄線、京浜急行、京急バス、フェリーを乗り継いで浜金谷港に向かう途中、横浜まで来たところで、携帯電話を家に置いて来てしまったことに気がついた。
途中から電話をして、浜金谷まで車で迎えに出てもらう手筈をしていたが、携帯を忘れて来ては連絡の取り様がない。
やむなく携帯をとりに家まで引き返す。
ーこの間の往復に90分も要したが、その90分のロスより最近こういう単純ミスが多くなって来たことの不安の方が大きいー
お昼を過ぎたころやっと浜金谷に到着。
先ずは「きょなん道の駅」に直行、予め予約をしておいてもらった新発売の道の駅弁「ジンタの押し寿司」を購入。
ジンタというのは土地の言葉でアジの子どものことで、これを3日間熟成させて頭から尻尾まで丸ごと食べられるようにした押し寿司で、酢めしの加減も上々のとても美味しい弁当だった。
道の駅では天日干しのサンマの干物が3本100円など考えられないような安い魚の加工品、菜の花などの農産物がいろいろあり、水仙ロードは「江月」「をくづれ」「佐久間ダム」などの地区をめぐって、さらに花苗の無人スタンドで千鳥草と桃色タンポポの苗を購入。
また、別の道の駅ではタマネギの醤油漬け、草餅など農家の手づくり加工品を買うなど、水仙見物だか買い物ツアーだかわからない旅となった。
道の駅好きの私たち夫婦はこんなこともあろうかと、家を出るときにあらかじめデイパックを用意して出発したのだったが、それでも荷物は3つにもなってしまい「まるで戦後の買い出しみたいだね」と冷やかされながらも、最後には友人宅の庭の水仙も抱えるほど摘ませてもらって、来年は登山用の大きなリュックを用意してくることにした。