日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

八月二日に富士山へ「一日バス旅行」に参ります。昨日からその事前指導を始めました。

2018-07-25 11:36:41 | 日本語学校

曇り。時折、陽が射してきます。

今日はやっと一息つけそうです。朝も、少し違うような、ここ何週間も、酷暑が続いていましたもの。

とはいえ、「セミ(蝉)」が盛んに鳴いています。セミの啼かぬ夏もあったこと故、如何に暑くとも、セミが啼いてくれると、どこかホッとして、これは夏だから仕方がないという気分になってきます。

以前、「落ちて死にけり 夏のセミ」が、「仰向けにのけぞって」いたが故に、死んでしまうのだと言うことを知り、それからは、仰向けになっているセミを見るたびに「起こす」という習慣ができていたのですが、先日、こんな光景を目にしました。

自転車を走らせていた時のことです。道の真ん中で、幼稚園児くらいの男の子が、細い枝で何かを突いていたのです。寄って見ると、そこにいたのは仰向けなっているセミ。足をばたつかせています。男の子はどうも助けようとしていたらしい。猫が来たので追い払ったと言っていましたから。けれど、怖いのでしょう。枝の先で触れると、足をばたつかせ、そのたびに、キュンと竦んでいる。

で、元生物クラブの出番です。まかせとき!と、自転車をそばに止めた…丁度その時、何かの弾みで元に戻れたのでしょう、飛び立ったのです。あれあれと見ていると、目の端に、大柄の猫の姿が映りました。三毛です。メスにしては大きいなと思いましたが、私と同じように、あれれという顔をして目でセミを追っていました。

男の子に、「(セミが)助けてくれて、ありがとうと言っているよ」と言って、そのまま学校に来たのですが。そうか、虫を触れない子もいるんだと、ちょっと不思議な気持ちになりました。

小学校でも、中学校でも、教室で虫を飼い、夏休みには、それぞれが分担して家に引き取って育てる。日本では、ずっとそういう教育をしていると思っていたのに、もしかしたら、そうではなくなっていた…のかもしれません。あの年頃は何にでも手を出して、痛い目を見て覚える頃でありましょうに。私も幼稚園の頃、ハチ(蜂)を掴もうとして親指の腹を刺されたり、「カマキリ(蟷螂)」に噛まれたりしましたっけ。まあ、当時はびっくりして半泣きになりましたけれども。

さて、学校です。今週から、「富士山1日バス旅行」に向けて、地図やDVDを使っての授業が始まっています。

なにせ、ネパールの学生がかなりいるということで、富士山紹介に必ず出てくる「日本最高峰」という言葉は余り強調できません。とはいえ、それなりに楽しんで見てくれました。けれど、何よりも彼等がザワザワっとざわついたのは、富士の湧水の部分。湧水や清流の部分でした。

そうなのか、彼等の国では余り目にできない「自然」は、この部分であるかと、今更ながら納得させられました。そういえば、以前「日光」へ連れて行く時のDVDでも、「川」や湿地帯のところは皆静かになって見入っていましたっけ。

ザワザワのあとは、真剣に見入る。話を聞くよりも、DVD。DVDよりも、行って見ること。まさにそうです。

この、年に一回のバス旅行。実際には、予算や時間の関係で、それほど長く富士山にいられるわけではありません。けれども、高速道路から見る日本の田舎町の様子。サービスエリアの様子。それらが、皆、日本を体で理解することの一助になっているのです。ですから、「長期の休みだから帰りたい。チケットの都合で八月になったらすぐに帰りたい」というのは、現地での面接の時に、断っています。そして、それが守れる人だけを、この学校の学生として申請した…はずだったのですが、蓋を開けてみると、休みを利用しての帰国者が5人も出てきました。

スリランカの女子学生は縁者の病気ということで、一時帰国。ネパールの男子学生は、大学卒業のための試験があると言うことで、一時帰国(富士山旅行の次の日です)。この2人はしようが無いとして、あとのネパールの3人はどうも合点がいきません。

せっかく、富士山へ行くために準備もし、楽しんでもらえるものと思っていたのに、「それはないぜというところ。

今度、9月にまたネパールへ面接に行きますから、課外活動に必ず参加するということをはっきりと確約を取って来るつもりです。

以前、中国やベトナムの学生が、「『学校が連れて行くのは面白くない』はずだ」と、不参加者が多く、結局は彼等の国の、こういう活動と「一緒くた」にしているなと、怒りが爆発したことがあったのですが、実際は、参加することによって、彼等も少しずつ変わっていきました。

この学校でも、中国人が大半を占めた時期もありましたし、それはスリランカ人だったり、ベトナム人だったりしました。時間を守れないのは共通項でしたが、参加したがらないのは、中国人とベトナム人に多く見られ、共産圏では、学校教育の点から見れば、かなり問題があるということを実感したものでした。

そういう制約がないはずのスリランカ人も、時間にルーズだし、バスの中でマイクを離さないなどと困った点は多々あったものの、参加すること自体にはそれほど抵抗はないようでした。

それらの国からの学生に比べれば、ネパールの学生はずっと素直です(昨年の四月生、七月生、今年の一月生、四月生はかなり厳しく選んで来ました。もちろん来日後変わる人もいるので一概に言うことはできませんが)。聞かされたルールは守ろうとしますし、勉強でもそれなりに反応しようとしてくれます。他の国の学生のように裏でガチャガチャやるという人も余り見かけません。

もっとも、他の国からの学生達も、以前に比べれば、ずっとよくなりました。こちらを困らせるようなこともあまりしなくなりました。

やはり、入れ始めた当初、こちらもどう対していいかわからなかったので、日本人と同じように扱って(当然そんなことはしないはずだと思っていたのです。この「当然」が曲者でした)、割を食ったり、裏切られたり(彼等にしてみれば、自分の国の価値観で動いていただけなのでしょう。こちらの注意が至らなかったり、態度が甘かったりしたのでしょう)。

ネパールの学生には、そこまで厳しくしなくてもいいという感触です。

現地での募集こそ、厳しく対しても、来日後は、普通に接してもいいのかもしれません。ただ、ゴミの問題(引っ越ししても、部屋の中は要らないものを置きっぱなし)などは、他の国の学生達と同じに厳しく指導しなければならないようですが。

日々是好日
コメント
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