柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

逆順

2008-05-10 08:42:29 | Weblog
去年の十月の岩国基地所属米兵による婦女暴行事件(兵隊は当時19歳、相手の日本人女は20歳)、日本の検察は不起訴処分にしましたが、米軍は軍法会議で懲役二年と不名誉除隊の判決言い渡したそうです。それを受けて広島県と市がまた遺憾遺憾の合唱しているようで、検察への不満も出てきているようです。今回の米軍の珍しく素早く且つ厳しい処置は、昨今続いて起こる兵隊不祥事への見せしめでありましょう、今後ちゃんと対応しますとの日本へのポーズでしょう。そういう背景があるにせよ、不起訴と懲役二年では大きな差です。ここに日本と米国の罪に対する考え方の差がでているように思います。今回の争点は強姦だったかどうかです。強姦和姦(和姦てのもおかしな言い方ですが、いかな法律専門用語とはいえこれも文化の変遷を示していましょう、夜這いの手籠めの身請けのと男と女はこういうもんだという文化、姦の字自体に無理矢理ってニュアンス感じます、それに和をつける不自然です)の定義の問題です。いくら無理矢理でも、例えばハンカチを敷いていれば合意の上と認められるなんて、端々の一具体事例ばかりが面白おかしく言挙げされているのですが(私でも知っているレベルです)、ここを厳密に区別するか、やってしまった事実を重く見るかの違い。新聞によれば、日本検察の根拠はこの女が一人目の米兵との性交渉は同意していたらしいから、本人の不同意の確からしさが保障されないという理由で、同意のない不当な性行為、性的不法行為を立件できないとしたんでしょう。つまりノコノコ付いていったお前も悪いと言うわけです。うむ、これは正しいこと、この手の事件は女が一方的に被害者じゃないはずです、それらしい態度をして誘う、女も若いなら相手も若い男ですわ。むろんだから男が無茶やってもいいということにはなりますまい、もちろんそう思います、思いますがしかし女が面白がってついていくと言うところに事件の元がありますね。そうなってもいいと思ってついていく(そうに違いないです)、いざとなったらこんなつもりじゃなかったなんて騒ぐ。男がやらねば(こういうときに姦という字を当てるんでしょうね、姦らねば)事件は起きません、ですから一に男が悪い、そうです。でも同等に女も悪い。状況判断すれば無理矢理でもなさそうですから。昨今の女子高校生殺害事件(まだ真相が明らかじゃありませんが)や通り魔事件のような「無理矢理」とは全く違いましょう?かたやの米軍軍法会議は、肉体的暴力や脅迫行為がないから軍法上は強姦ではないが、性的不法行為には違いないということで処罰します。強姦じゃないけれど罪一等減じて不法性行為とするという、多分に政治的臭いのする判決ではありますが、この違いです。女も悪いんだろうが本意でない女をやった(姦った)男が第一に悪いと言うか、女の不同意を証明しきれないから男も罰しないと考えるか。でも前者は過大に解釈が膨らみそうです。事に及んだあとで「こんな男とは思わなかった」なんて言えば、不本意だと言えば御用です。痴漢冤罪事件のような何でもかんでもになりそうです。もっともだから親告罪(本人が訴え出ねば罪にならぬ、他人が代わりに訴え出る事は出来ない仕組みです)という安全装置がついているんでしょうし(これとて誰に対しての安全装置かわかりませんが)、状況証拠が大切にされるんでしょう、曰くハンカチとやら場所やら時間やら。米軍も脅迫行為はなかったと言ってます。なれば強姦じゃないんでしょう。なれば検察の処分も間違いじゃないんでしょう、それが日本の司法の常道なのですから。刑事事件は灰色は処罰しない、しっかりクロと固まらねば起訴しないんでしょう?そこを見越してますから、どんな殺人事件でも弁護士どもは精神鑑定を要求しますね、真っクロにしない手立て、マニュアルですから。おまけにこの事件、相手は米兵です。まぁまぁ、ってなことで。関係団体がまた「憤慨」声明なんかを出して騒ぐんでしょうが、米兵には近づくな!ってお触れを出すのが先じゃないんでしょうかね。順序が逆でしょう?いつもの如く。
コメント
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